Admiral of Roughneck~From black to white~   作:八意 颯人

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第11話「意思を受け継いだ者からの餞別」part 3

1800 食堂にて

 

三笠「なぁ、本当に私が勇人の体を借りて宴会に出てもいいのか?」

 

柏木「良いんじゃないですか?俺、関係ないですし」

 

三笠「無責任すぎるだろ……」

 

今、柏木達は食堂で宴会に参加する人を待ってい

る。

基本、宴会は滞在する人がいる場合その人が来た

初日にやっている。

そのおかげで、食費が圧迫されているとかいない

とか……

 

三笠「いや、でも……勇人に迷惑がかかるだろう」

 

柏木「まぁまぁ、自分が飲めるだけ飲んでから勇人に変わればいいじゃないですか」

 

三笠「そうか……では、失礼しよう」

 

柏木「はい♪では、時間が来たので始めますか」

 

柏木がそう言うと既に6時を少し回っていた。

 

柏木「えぇ、今回はこちらの研修生の上城隼人中佐……まぁ、今は三笠ですが……と、その秘書艦の空母赤城さんが今日から2週間研修期間として滞在します。なので、今日はいつもの宴会です。なので無礼講で飲んで食べて騒ごう!!」

 

「「「おおぉぉ!!」」」

宴会に何度も来ている艦娘はノリが良く、柏木の

声に応える形で声を出す。

 

柏木「それじゃぁ、乾杯!!」

 

「「「乾杯!!」」」

 

柏木の掛け声と同時に宴会が始まる。

そして、各々好きなように食べ始める。

 

三笠「賑やかなものだな。さて、日本酒はあるか?」

 

柏木「宴会はこれくらいじゃないと♪日本酒はありますよ。はい」

 

三笠「ありがとう。では、飲むか」

 

柏木「そうですね、私はウォッカですが……嫌な気がしますね。何かまた私の酒が飲まれるような……」

 

蒼龍「あ、提督、一緒に飲みませんか?」

 

柏木「来たか。それはいいが、自分の分の酒を持って

来い。ほら、くれてやる」

 

蒼龍「ありがとうございます♪」

 

三笠「おい、柏木少将。お前はさっきあれでウォッカ

を飲んでなかったか?」

 

柏木の行動を見た三笠は柏木に小さい声で話しかけてくる。

 

柏木「飲んでませんよ。あれは、デコイです。こっち

が本物です」

 

柏木は三笠と同じように小さな声で返す。

 

三笠「そうか。なら、いい」

 

三笠はそう言って自分の日本酒を飲み始める。

 

如月「司令官、隣いいでしょうか?」

 

柏木「ん?構わないよ。むしろウェルカム♪」

 

おいおいおい、憲兵が駆逐艦を口説いても良いのかい?by うp主

 

柏木はロリコンじゃないよ。単に、ケッコンカッコカリの候補の中に入ってるだけだよ。by霧島ナガツキ

 

……さいですか by うp主

 

如月「ありがとうございます」

 

柏木に礼を言い、柏木にくっつく様にちょこんと

座る。

 

柏木(何この子、かわいい。抱きしめたい……)

 

如月「司令官のお酒貰いますね」

 

柏木「へっ?あ、ちょ、それウォッカ!」

 

三笠(いや、柏木、まず自分のグラスで自分の飲んでいた酒を飲んでいる事にっ込まなくていいのか!?)

 

如月は柏木に断りを入れ、許可を得ずに勝手にウォッカ

を飲み干す。

 

如月「ふふふ、司令官が二人います♪」

 

柏木(駄目だこの子完全に酔ってる……)

 

蒼龍「提督、私とも飲みましょう♪」

 

柏木「蒼龍も酔ってんのかよ……」

 

柏木は如月と蒼龍二人を見て溜息を吐く。

 

蒼龍「三笠さんもそんなにちびちび飲まずに一気に飲みましょうよ♪」

 

三笠「えぇい、止めろこの酔っ払い共!!一升瓶を一気飲みさせようとするな!!やめっ……もごご、ぐっ!ぷはっ!!」

 

蒼龍「おぉ、飲んだ。すげぇ、三笠さん飲んだ」

 

三笠「うるさい。こ、今度はお前が飲め!!」

 

柏木「え?いや、何二人とも、ウォッカの入ったボトルを俺に近づけるの?いや、それ、アルコール45度だよ?」

 

如月「司令官♪飲んでくださいますよね?」

 

柏木(これで、飲まなかったら、何か色々と刈り取られる気がする……)

 

蒼龍「提督♪じゃぁ、飲みましょうか」

 

柏木「へっ?いや、まっ……あがっ、もごもご……ぷはぁ……」

 

柏木は、ウォッカをボトル1本飲まされ、完全に顔が赤くなっている。しかも酔った勢いで艤装を展開し、備前になった

一方日本酒を一升瓶飲まされた三笠は平然とした顔つきで、新しい日本酒を取ってきて、飲んでいる。

 

備前「ふふふ、如月だぁ」

 

如月「司令官。一緒に飲みましょう♪」

 

数時間後……

 

備前「如月ぃ、今度はあなたも飲んでみてはぁ、如何

ですかぁ?」

 

如月「司令官、ウォッカをボトル1本持ってきて言わ

ないでくださいぃ♪」

 

三笠(誰か助けてくれ。大鯨でも、誰でもいい。頼

む……)

 

一方大鯨は、と言うと隼鷹に酒を飲まされ完全に酔い潰れている。

そして、柏木、如月、蒼龍の3人は顔を見合わせ頷くと三笠の方を一斉に見る。

 

三笠「ど、どうしたんだ?お前達……」

 

三笠(まずい!?何か嫌な予感がする……は、早く、こ、こここ此処から逃げないと……)

 

備前 蒼龍 如月「ふふふ、三笠さん一緒に、楽しい事して遊びませんか?」

 

三笠「い、いや私は遠慮しておくよ」

 

備前「逃がしませんよ。この備前から逃げれると思っ

たら大間違いですわ!!」

 

三笠「憲兵さん!!助けてぇ!!」

 

※憲兵は柏木です。

ちなみに永木は仕事が終り既に宴会で酔い潰れてます。

 

如月「どうですかぁ?少しぐらい気持ちいいことしま

せんかぁ?」

 

三笠「き、如月?な、何を言っている?」

 

蒼龍「大丈夫ですよ。飛龍には負けません!!」

 

三笠「何を負けない気でいるの!?」

 

備前「さぁ、三笠さん。やりましょうか」

 

三笠「い、いやぁぁぁ!!」

 

三笠は声を出すが、いつもの事だと思い誰も止めに入らなかったとか、3人に近づいたら餌食になるためとか、この事の諸説は多々ある。

 

蒼龍「あら?意外と大きいんですねぇ。大丈夫です。私のテクニックで楽しくしてあげますから♪」

 

三笠「あっ、ひゃん。やめ、んっ。いやっ、あぁん!!いやっ!!あっ……あはは、蒼龍……やめ、ひゃん!!あは、ひゃん、ふふふ、あぁん」

 

三笠(くっ、柏木は備前になり変って、私を拘束しているし、如月は胸を揉んでくる。そして、それを見ている隙に逃げようとするが、備前の馬力が強すぎて逃げれない!!どうしよう……蒼龍は脇腹をくすぐってくるで……もう嫌だ。この鎮守府……)

 

 

三笠は色々と草臥れて来た途端、三笠に救世主が現れたのだ

 

その救世主は……

 

大鯨「そこの3人組の変態!!いい加減にして下さい!!」

 

そう……復活した大鯨であった

大鯨が凍えるような冷たい声で言い放つ。

 

大鯨「少し、向こうでO★HA★NA★SHIをして楽しみましょうか♪」

 

備前「あ、いえ、その、えぇと……」

 

大鯨「何ですか?はっきり言ってくれないと分かりませんよ?」

 

顔は笑っているが、目が笑ってない大鯨が3人を

見下ろす形で聞く。

 

「「「す、すみませんでしたぁ!!」」」

 

その後、滅茶苦茶大鯨の標的艦にされた。

ちなみにその後、大鯨の練度が改装できるまでに

なった。

 

三笠「うぅ、酷い目にあった……危うく何かに目覚めそうだった……勇人、返すわ」

 

そう言い、三笠はもとの体の持ち主の勇人に返

す。

 

勇人「うぅん?あれ、ここは?ってなんで俺、食堂にいるんだ!?しかも、目の前には酒の入った一升瓶もしかして、俺が飲んでたのか?まぁ、いいか。取りあえず、使ってないコップで一升瓶の中の酒でも飲むか♪」

 

勇人(でも、柏木はどこに行ったんだ?)

 

勇人がそんな事を思っていると、柏木と蒼龍、如月が入ってきた。

しかし、ぐったりしている柏木達に只、首をかしげるだけであった。

 

勇人(柏木達は戻ってきたが大鯨は……ってなんでキラキラしてんだ?)

 

柏木達は勇人の方に戻って自分がさっきまで座っていた椅子に座る。

 

勇人「なぁ、なんでそんなにぐったりしてんだ?」

 

備前「あ、あぁ、ちょっと標的艦になってた……」

 

勇人「だ、大丈夫か?」

 

備前「大丈夫、大丈夫。ただ、演習弾をくらってただけだから」

 

勇人(……頑丈だな。この鎮守府)

 

備前を心配するより鎮守府の頑丈さに驚く勇人だった。

そして……

 

勇人「なぁ」

 

備前「何だ?」

 

勇人「俺があの演習で負けた時何が足りなかったんだ?」

 

備前「やっぱり知りたいか。なら、教えてやろう。それはな……」

 

勇人「それは?」

 

備前「俺が攻撃の次の攻撃で何をしてくるか予測して

なかったからだ。お前はどうせ、『次も刀で斬ってくる』と思ったんだろ?だから、負ける。攻撃は複数想定してからじゃねぇか♪」

 

勇人「……こればかりは経験の差だな」

 

備前「お?お前にしては素直だな♪」

 

勇人「現に俺が負けているだろ!?しかし……『相手を

騙し、勝利を掴む』か……フム……『意表をついた攻撃』は……ん~……」

 

備前(なっ!?コイツ、俺の『言葉の答え』を出しや

がった!?しかも更に上を……さすが世界一の財閥兼ヤクザ稼業『神城会』の会長の孫であり元軍医だけであって頭がキレてやがる!?……コイツは、とんでもねぇ化物に化けるかもな♪)

 

備前「飲むぞ……て言いたくても既に9時だな。ここらでお開きにするか。だいぶ酔い潰れてる」

 

大鯨「分かりました。では、最後お願いします」

 

「またか……はぁ……起きてる者だけ聞いてくれ。9時になったため、これでお開きとする。まだ飲みたい奴は飲めば良いが食堂で酔い潰れてたら明日の作戦参加できんからな!!ちなみに、明日は瀬戸内海の深海棲艦共を撃滅する!!じゃぁ、そういう事で、今回の宴会はこれ

で……お仕舞い!!」

 

勇人「その事をもっと早く言えぇ!!」

 

明日に大規模戦闘だなんて不幸だわ・・・。

 

姉さま、一緒に頑張りましょう!!

 

言うのが遅いのよ。この糞提督!!

 

アニメでは主人公の私に出番を早く寄越せぇ!!

 

と、言った賞賛の声が聞こえてくる。

まぁ中には罵詈雑言もあるのだが……

 

 

 

2230 食堂にて

 

勇人(……あの大鯨がキレる程、みんな飲んでいたからな……母さんも、良い息抜きが出来たと思うな♪……後はターメリックを配合し、蜆のエキスを入れて……と、まぁ世話になりっぱなしは性に合わないからな……)

 

勇人は宴会で飲んだ柏木達の為に二日酔いを治す薬を調合していた

 

柏木側の赤城「あら?上城研修生?こんな遅くまで何をしているのですか?夜食ですか?」

 

赤城「あ!?提督!早速作ってますね♪二日酔いを治す薬を♪なら干し柿を入れた方が良いですよ♪」

 

勇人「ダブル赤城か……今薬を作っているんだ、夜食がほしけりゃ間宮に頼め」

 

柏木側の赤城「はーい……」

 

勇人「後、赤城……いや柏木の方だけど、この鎮守府で一番練度が高い艦娘は誰なんだ?」

 

柏木側の赤城「一番高いのは比叡さん、大和さんに吹雪さんですね、何故彼女達を……」

 

赤城(………成る程、そういう訳ですか……比叡さんに大和さん、吹雪さん、御愁傷様です)

 

勇人「なら明日の朝5時にグラウンドに来る様、伝えてくれないか?勿論艤装を着けてだけどな)

 

柏木側の赤城「……ほどほどにお願いしますね」

 

柏木側の赤城は勇人に忠告すると間宮を探しに食堂を後にした

 

赤城「提督……」

 

勇人「赤城、お前も寝ろ……もう薬は完成してある……後は朝飯の下準備をするだけだ」

 

赤城「分かりました……では御先に失礼します」

 

勇人「おやすみ」

 

赤城も自室に戻り、勇人は朝飯の下準備にかかった

 

 

 

数分後……

 

勇人「……うしっ!下準備終了ゥ!後は……寝るか」

 

勇人は下準備した朝飯の具材を冷蔵庫に入れ、タバコを吸いながら部屋に戻った

 

そう、三笠が飲み残した一升瓶の日本酒を持っていって……


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