Admiral of Roughneck~From black to white~ 作:八意 颯人
今回の話は『DepraviA~とある提督の悪夢奔走記(トラウマウォーカー)~』の第5話「凌辱されし姉妹との出会い 後編」の内容を一部『改正』及び『性的な表現を消した』り、『直接的な表現』から『曖昧な表現』に変えた状態で出しますが、手術シーンな為『一部グロ表現』がございますので注意を御願い致します。
1745 佐世保鎮守府 執務室にて……
「はぁ……よりによって勇人君が弱体化しているとは……それで勇人君が飛ばされた世界って、どういう世界なの?」
優花は明石からの報告を聞き、重い溜め息を溢し、頭を軽く抱えながら聞くと明石は俯きながら聞き返した。
「……副提督『デプラビア エグリゴリ』というPCゲームを御存知ですか?」
「ええ……知っているわ。あの『悪趣味全開の18禁のゲーム』の事ね。私も前職の職業柄、グロ耐性を付ける為に遊んでみたんだけど、あまりにもグロ過ぎて途中で投げ出したわ……ッ!?まさか、勇人君は……その世界に……」
優花もまた前職である『看護師』の訓練の一環としてだが、嘗て『デプラビア』をプレイした事があり、あまりにもグロ過ぎる内容から手を引いた事を伝えながらも、明石の発言に『勇人がデプラビアの世界に飛ばされた事』を憶測し、顔を青ざめ、狼狽えながら聞くと、明石は俯きながら答えた。
「……はい。提督は、その『悪趣味全開の18禁のゲームに極似した世界』に飛ばされました」
「「「「「なっ!?」」」」」
「嘘……そんな……」
優花を始め、伊勢型の2人、間宮、伊良湖、大鯨そして迅鯨が明石の言葉に絶句すると明石は優花達に追い打ちを掛ける様に俯きながら報告を続けた。
「……しかも提督は『全裸』いえ『大破状態になっているセレニアさん』と『民間人』を保護しながら悪魔達を一掃し続けているのです」
「……よりによって『悪魔』……『ネフィリム』の体内にいるとは……しかも手負いのセレニアさん達を保護しながら進んでいるとは……セレニアさん達の為に此方からアシスト出来ないかな……」
優花は明石の報告を聞き、勇人が『デプラビアの序盤ステージ』である『ネフィリムに食われた村』に居る事そして、まだ見ぬ女性天使兵『セレニア』の身を案じながら、解決策を手探りで探すかの様に苛つきながら考えていると伊勢は何かを思い付き、不安そうに呟いた。
「……それなら弱体化している提督でも使える様に艤装を改修すれば……う~ん……だけど……そうすれば必然的に艤装を『
「そうだよね……う〜ん……」
「アッチでも瑞雲が使えれば……」
伊勢と日向そして優花は伊勢の発言を参考に思考を巡らせていると明石は何かを思い付いたのか、先程までの暗い表情が消え、鬼気迫る勢いで優花に言った。
「……ッ!?あります!ありますよ!!たった1つだけ『
明石は3人の呟きを聞き、たった1つだけ『
「ッ!?あるの!?それは一体!?」
優花は明石の発言に食い付き、声を荒げながら聞くと明石は優花と同じく、声を荒げながら『
それは……
「『刀』ですよ!!提督の愛刀である『ムラマサブレード』と『毘沙門剣』そして魂魄少尉の『白楼刀』と『楼観刀』なら、そのまま使えますよ!!」
……勇人専用の近接武器である『ムラマサブレード』と『毘沙門剣』そして妖夢の愛刀である『白楼刀』と『楼観刀』なら
明石は鬼気迫る勢いで自身の案を唱えると優花は少し難しい表情になりながら明石に言った。
「確かに、それは良いアイデアだけど……2人の刀は『曰く付きの物凄くヤバイ刀』よ。それに私の剣や妖夢ちゃんの刀もそうだけど『ムラマサブレード』と『毘沙門剣』は『
「複製……ッ!?なら、その僧侶に頼んで『提督の毘沙門剣』の『
明石は意気揚々と言うと優花は溜め息を溢しながら言った。
「……それは『無理』よ」
優花は明石の案を否決すると明石は面を喰らい、狼狽えながら言った。
「な!?何故ですか!?」
明石は狼狽えながら聞くと優花は神妙な表情で理由を答えた。
「……『
「つまり……提督は鬼武者では無いから使えない……という事ですか……」
明石は何故、勇人が『
「……だが策は残っているわ……『ムラマサブレード』と『エクスカリバー』に付いている装置を全部外し、ムラマサブレードの本来の姿である『妖刀 村正』と私の愛剣『聖剣 エクスカリバー』を勇人君に渡すの」
「え!?だけど、それをしたら
伊勢は優花の発言に矛盾を指摘すると優花は微笑みながら言った。
「それは違うわ。『
「……妖刀そして聖剣としての効力が遺憾無く発揮する……と言う訳ですね……なら副提督、コレを御願いします!!」
明石は優花の案を聞いて、スマホを優花に渡し、意気揚々と部屋から出ようとすると優花は明石の様子に少し狼狽えながら聞いた。
「ちょ!?明石さん!?一体、何処に行くの?」
「『特設ドック』ですよ!今から『ムラマサブレード』と『エクスカリバー』を元の姿に改装しに行ってきます!!それでは!!」
明石は優花の制止を無視し、意気揚々と部屋から出ると優花は唖然とした表情で呟いた。
「え!?だから今『
「……『
「……褒め言葉として受け止めるわ迅鯨ちゃん……ん?勇人君からだ……」
優花は呆れながら迅鯨の悪態を返すと明石のスマホが鳴り響き、通話相手が勇人だと知り、急いでTV電話に出ると、勇人は相当緊迫した重い口調で言った。
「……明石、ヤバイ事になった。2人が悪魔の子を孕んでやがる……今から中絶手術を行うから手を貸せ」
(ッ!?やはりレベッカさんが……ん?『2人』?レベッカさんとセレニアさん以外の民間人を保護したんだね……)
勇人は真剣な表情で要件を伝えると優花は勇人の報告を聞き、
「明石さんならスマホを置いて、そのまま『
優花は勇人の電話を聞き、中絶方法の1つである『ソウハ法』言わば『"
「優花か……と言う事は事情を……」
「明石さんから全部聞いたわ。勿論、
優花は勇人の事が心配そうに聞くと勇人は真剣な表情で『自身と同世代であろう銀髪の天使兵』こと『セレニア』と優花に言った。
「……なら話が早い。お前も『隙間』が使えるんなら此処に来てくれ。セレニア、今から『優花』……『俺の相棒』が来るから彼女の補佐を頼む」
「あ……ああ……良かった。ハヤトとユカリ以外にも隙間を使える人が来てくれて……セレニアだ。宜しくユウカ」
「分かった。それに宜しくねセレニアさん。それじゃ今から隙間でソッチに行くから待っててね……隙間大解放……あれ?嘘?ど……どうしよ……」
「どうした?」
「ユウカ……ま……まさかだと思うが……」
「「「「副
勇人は優花の覇気の無い声を聞いて首を傾げると優花は先程までの気迫が籠もった強い声から一転し、慌てた声を発しながら勇人とセレニアに言った。
何故なら……
「その『まさか』よ!!勇人君とセレニアさんが居る世界に『繋がらないよ』!!」
「はぁ!?隙間が繋がらないだと!?俺のは繋がるのにか!?」
「……だろうと思った」
……優花の隙間が繋がらなかったのだ。
2人は優花の報告を聞き、セレニアは薄々感付いていたのか、重い溜め息を溢しながら落胆し、勇人は優花の隙間が繋がらない事に驚愕すると優花は突然の事態に少し混乱しながら勇人に命令した。
「え!?勇人君の隙間は繋がるの!?なら繋げて!!早く!!」
「……あんまり期待すんなよ……隙間大解放!!」
勇人は神妙な表情で弱体化している能力に鞭を入れるかの様に隙間を大きく開放すると、隙間は勇人の世界に無事『繋がった』が……
「小さっ!?これじゃ私ところが
「もう少し大きく出来ないのか?」
「「はわわわ!?空間の先に部屋が!?」」
「……これが限界だ」
……その隙間が幼児が漸く通れる位の『小さな隙間』だったのだ。
勇人は2人の落胆した声に申し訳無さそうに言うと優花は重い溜め息を溢しながら勇人に言った。
「……弱体化してると聞いていたが、まさか此処まで弱体化してるとは……仕方無いわ。『ガブリエルと悪魔の
「なら俺の私室に『医療用の艤装』があるから艦娘達を呼んで持って来てくれ……ってか、あの『蝙蝠もどき』……『堕天使』だったのか……」
「分かった!みんな!手を貸して!」
優花は勇人に『ソウハ法』から『吸引法』言わば『特殊機械で圧力をかけ金属棒を体内に入れ、吸引をかけることで胎児ごと吸い出す方法』を提案すると、勇人は優花の提案に賛同し、優花に指示を出すと優花は間宮、伊良湖、大鯨、迅鯨そして伊勢型の2人を連れて部屋を後にし、勇人の部屋に置かれている『医療機械』であり『衛生兵』の名を持つ
「みんな!準備は良い?せぇーの!!」
「「「「「……
……全員総出で、その
「ゆっくり下ろして!!」
「「「「いよっこいしょ!!」」」」
「「「「お……重たかった……」」」」
「ふぅ……あ"〜重たかった……持って来たよ!『メディック』で良いんだよね?」
……その
優花を始め、手伝った艦娘達が息を切らせながら言うと勇人は「上出来だ。ありがとう」と労いながら、能力使用による体力消費を抑える為に『セレニア達に対しての通訳用の隙間』を消し、優花に指示を出した。
「まずは通訳用の隙間を消してっと……それじゃ『吸い込んだ異物を入れるタンク』に『
「『
「大丈夫だ。寧ろ『
勇人は優花を始め、その場に居る艦娘達に的確に指示を与えていると、セレニアは勇人達の手際の良さに圧巻しながら彼女と同じく、勇人の手際の良さや勇人の世界等に圧巻している『2人と同世代であろう短髪の女性』こと『ジル』と『眼鏡を着けた少女』こと『レベッカ』に
「……手際が良いな。まぁ何言っているか分からんが……」
「これが
「……
3人は色んな意味で只々、舌を巻いていると勇人は準備が終えたのか、英語でジルとレベッカに指示を出した。
「準備完了だ。ジルにレベッカ、恥を覚悟で言うがスカートとパンツを脱いでくれ」
「「え!?脱ぐのですか!?」」
「……見損なったぞハヤト!!か弱い2人をトドメを刺そうとするな!!」
レベッカとジルは勇人の発言に再度、驚愕し、セレニアに関しては勇人が『重症患者の2人にトドメを刺す』と勘違いをし、激怒しながら言うと優花が苦笑しながら今から行う治療の内容を慣れない英語で簡潔に説明した。
「違ウ違ウ、彼女達の体内に溜まっテいる異物を、コノ機械で全部吸い出すのよ。ソノ為に脱がないとイケナイの。分かった?」
「……そうだったのか。すまない、とんだ早合点をしてしまったな」
セレニアは申し訳無さそうに言うと勇人は隙間を介してゴム手袋とマスクを装置し、2人に指示を出した。
「分かった。まずはジル、横になってくれ……優花、彼女に
「分かったわ……ジルさん、顔を隙間に入レテ」
「あ……はい……うわぁ……此処が勇人さんの世界ですか……凄い……それに眠たく……Zzzz……」
優花はジルに慣れた手付きで管が繋がっている全身麻酔用のマスクをジルに付けるとジルはセボフルランを吸い込んだせいで、すぐに眠ると勇人は寝ているジルを見て、少し顔を顰めながら優花に指示を出した。
「今から中絶手術を始める……開口器に吸引用のキュレットを」
「はい」
勇人は優花から『手術用開口器』と『キュレット』言わば『中絶手術を行う際に使われている特殊手術道具』を勇人が『その
「……準備完了……セレニアにレベッカ、此処から先は『グロ注意』だ。見ない方が身の為だ……そしてお前達、特に新人の迅鯨は見ない方が良い。トラウマになるぞ」
「「「「は……はい……」」」」
「あ……ああ……」
「わ……分かりました」
セレニア達は勇人の忠告を聞き、ジルから目を反らすと優花は
「
「では……『
勇人は優花の報告を聞き、自作キュレットに装着されているボタンを押すと……
激しい吸引音を発し、自作キュレットを使って器用に洗浄並び摘出を始めたのだ。
勇人は自作キュレットを使い、傷を付けない様に優しく搔き回しながら異物をタンクに排出させると優花は大豆程の大きさの物体がタンクに入った事そして異物の排出が止まった事を確認し、その事を勇人に報告した。
「………ッ!?全排出、並びに摘出を確認!」
「……良し。迅鯨、アルコール漬けのコットンを……」
「わ……分かりました……はい……ッ!?」
勇人は優花の報告を聞き、ジルの中絶手術が終わった事に少し安堵しながら迅鯨に指示を出すと、迅鯨は
「ッ!?ウッ……」
バタン!!
「ッ!?迅鯨!?しっかりして!!」
「やはり見てしまったか……ほら『伊勢』、彼女を提督の部屋に……」
「……分かったわ『日向』。提督、彼女を別室に移動するわ」
渡した時に偶々、キュレットと開口器が入っているジルの姿を見てしまい、あまりにも残酷な絵面と臭いが鼻と脳に刺激し、自身の精神が耐え切れず、そのまま気絶したのだ。
伊勢と日向は気絶した迅鯨を背負い、勇人に報告すると勇人は「……分かった」と手術に集中しているのか、2人の報告を聞き流す様に淡々と答え、迅鯨から受け取った消毒用のコットンを使い、キュレットと開口器を外しつつ、ジルを消毒及び清掃していると優花はジルの体内から全て排出された異物が入ったタンクを取り出し、そのタンクを大型のゴミ袋に入れ、密封し、間宮に言った。
「間宮さん、コレを特設ドックに居る明石さんに渡して。重かったら台車使っても良いから」
「うぇ〜……コレをですか……分かりました……」
間宮は優花の命令に顔を顰め、そのタンクを腫れ物扱いをするかの様に嫌そうに答え、タンクを台車に載せ、部屋を後にすると勇人はジルの中絶手術を終え、優花に命令した。
「……ジルの中絶手術が終わったぞ。全身麻酔を解除しろ」
勇人はジルの中絶手術を終えた事を優花に言うと優花は慣れた手付きで全身麻酔用のマスクを取り外し、英語でレベッカに言った。
「ジルさんの手術が終わったワ。次はレベッカさんの番ヨ。セレニアさん、彼女を安全な場所に、オ願イシマス」
「あ……ああ……了解した……コレが
「あ……あの……お姉ちゃんの手術は……」
レベッカはセレニアが狼狽えながらジルを介護しているのを尻目に不安そうにジルの手術の結果を聞くと優花の代わりに勇人が淡々と答えた。
「安心しろ『成功』だ。直に目が覚めるだろう……さぁ、次は『お前』だ。早く頭を隙間の中に入れろ」
「ホッ……分かりました……ッ!?」
勇人はレベッカに淡々と答えると、レベッカはジルの手術が成功した事に胸を撫で下ろしつつ、自身の頭部を隙間に入れるとレベッカは『勇人の世界』及び『仕事部屋』である『佐世保鎮守府 基地本部 執務室』の内装を見て、勇人のセンスで模様替えされた『シックで落ち着いた内装になっている執務室』に興奮しながら呟いた。
「こ……此処がハヤトさんの世界……まるで貴族の部屋みたい『豪華絢爛』でありつつ
「全てが終わったら俺の権限で幾らでも寛いでやるから今は目の前の事を片付けるぞ……優花」
「うん……レベッカさん、ちょっと失礼スルヨ」
勇人はレベッカの発言に先程までの緊張感が少し解れ、苦笑しながらも優花に指示を出すと優花は素早くレベッカに全身麻酔用のマスクを着け、麻酔を送るとレベッカは極上のベットの上で爆睡するかの様に、直ぐに眠りに着くと勇人はレベッカに注入した麻酔が効き始めた事を確認し、優花に指示を出した。
「……新しい吸引用のキュレットに開口器を……ついでに……」
「新しいタンクとホースの準備ね。もう終わっているよ……はい、キュレットと開口器」
「流石だ……では始めるぞ」
勇人は優花から新しい吸引用のキュレットと開口器を受け取り、慣れた手付きで開口器をレベッカに設置し、ジル同様に激しい吸引音を発しながら吸引用のキュレットを使い、体内に溜まっている異物を吸い始めた。
だが吸引し始めてから数分後、問題が発生した……
「チッ……不味い事になったな」
「……ええ」
「どうした?何か問題でも起きたのか?」
勇人と優花は顔を顰めながら呟き、セレニアは2人の表情を察し、少し不安そうに聞くと2人は『レベッカの身に起きた問題』を簡潔にセレニアに説明した。
その問題とは……
「胎児がデカ過ぎて、キュレットでは吸えないんだ」
「シカモ、胎児が暴れているせいで出血が激シイのよ」
「なッ!?」
摘出する筈だった胎児が育ち過ぎて吸引用のキュレットだけでは吸引不可に陥っただけでは無く、胎児が暴れているせいでレベッカから血が大量に流れ始めた事に……