Admiral of Roughneck~From black to white~   作:八意 颯人

147 / 168
第90話「舞鶴大異変 Last part」

勇人「無駄無駄無駄無駄無駄無駄……」

 

恭一「オラオラオラオラオラオラ……」

 

ドガガガガガ……

 

勇人 恭一「無駄ァ(オラァ)!!」

 

ドガッ!!

 

勇人と恭一は某奇妙な冒険並に拳のラッシュを相手に攻撃し、互いの拳同士が当たり、二人は相手の攻撃の衝撃波により吹き飛ばれながら間合いを離すと、それを見ていた美奈達は暴走から収まってはいるが、暴走状態によるダメージを負った(ハンデを背負った)勇人の動きを見て心配そうに呟いた

 

美奈「……大将」

 

未来「パ……パパ……」

 

群像「お祖父ちゃん……」

 

千川「上城……お前……」

 

勇人「ハァ……ハァ……チッ!体力が落ちていやがる……制限時間が……」

 

勇人は先程の付喪神化による影響なのか体力が落ち、息切れしながら呟くと恭一は勇人の呟きが聞こえていたのか、微笑みながら言った

 

恭一「制限時間?……フッ、成程ナ……コノ姿ノ弱点ハ『長期戦ニハ向カナイ事』ダッタノカ……ナラ、ユックリ調理ヲシヨウカ……」

 

勇人「抜かせ、テメェみたいな三流には()()()()()()()だ……来いよ!」

 

恭一「小癪ナ……」

 

勇人の挑発に恭一は癪に触ったのか、触手で勇人の身体を貫こうと攻撃したが……

 

勇人「無駄ァ!!」

 

ブチッ!

 

……そのまま触手を鷲掴みをし、引き千切ると、勇人は主砲を構え怒鳴った

 

勇人「今度は此方の番(俺のターン)だ……超重力砲!発射!!」

 

勇人は主砲である『超重力砲』を恭一に向けて発射しようとした途端、勇人の艤装が停止し、電子音で勇人に警告を出した

 

 

 

 

 

 

 

 

Warning(警告)! Time is up(時間切れです)! Please immediately return to the Aegis mode(至急、イージスモードに戻って下さい)!

 

 

 

 

 

 

 

 

美奈「え!?」

 

未来「嘘……こんな時に……」

 

魔理沙「ちょ!?勇人!!今すぐ私達と変われ!!時間切れになっているぞ!!」

 

そう、勇人のアルスノヴァでの活動時間が無くなったのだ

 

艤装の電子音は勇人に警告を出し続けていたが、勇人は自身の艤装に渇を入れる様に怒鳴った

 

勇人「チッ!!動けよポンコツ!!こんな時に停止してんじゃねぇ!!」

 

 

 

 

Warning!

 

 

Warning!

 

 

 

 

勇人「動けって言ってんだろ!!」

 

ガチャガチャ!

 

Warning!

 

勇人「クソッタレ!!」

 

恭一「……ドウヤラ『時間切レ』ノ様ダナ……『アルスノヴァ』ノ行動時間デハナク、貴様ノ命運ガナァ!!」

 

ドカッ!

 

勇人「グハッ!!」

 

恭一は艤装が停止した勇人に勝ち誇ったかの様に不敵な笑みを溢しながら触手で勇人を凪ぎ飛ばすと、勇人は恭一の触手により自身が張った結界に打ち付けられ、地面を這う様に蹲った

 

勇人「クッ……は……はよ……動けまぁ……」

 

恭一「シブトイ奴ダナ……ココデ死ネェ!!」

 

一馬「勇人!!」

 

優花「勇人君!!」

 

金剛 大和「テートク(提督)!!」

 

美奈 龍崎「大将!!」

 

恭一は止めと言わんばかりに触手で勇人の頭に向けて突き出そうとし、勇人は苦しみながらも艤装を再起動させようと悪足掻きをし、只ひたすら艤装を操作し続けていると、勇人の……否、勇人達の願いが届いたのか、勇人の艤装が発光し、電子音が英語で言葉を発した

 

その電子音が発した言葉とは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……D-cell was Awake(D-cellが覚醒しました)!

This than to move to the 『abyssal fleet mode』(これより『深海棲艦化』します)!

 

勇人「……漸く動いたか……」

 

群像 艦娘及び幻想郷組全員「え!?」

 

上城一家及び優花「ッ!」

 

恭一「ナッ!?」

 

千川「え!?上城!!今すぐ艤装を解除するんだ!!」

 

美奈「え!?ちょ!?提督!何故、艤装を解除させようとするのですか!?折角、再起動したのに!?」

 

美奈は千川の言葉に驚きながら千川に聞くと、千川は勇人の艤装から発した英語の電子音の意味が分かったのか、美奈に分かりやすく答えた

 

千川「アイツは……今から道中と同じ()()()()になるんだ……」

 

美奈「え……そんな……」

 

美奈は千川の説明に絶望に満ちた俯いた表情になると、勇人は微笑みながら美奈達に言った

 

勇人「安心しろ、こんな事になるのは覚悟の上だ……しかも()()()()()()()()()()()……未来!良く見ておけよ!!これが……俺の……()()()()』が()()()()()した姿だ!!Under weapon's code(裏艤装展開!)!『abyssal dragon fleet mode(深海龍神)』!!」

 

勇人は未来達に気合いの入った口調で答えると、発光した光は勇人を包み込む程、大きくなり、そして直ぐに光が収まると、深海棲艦化した勇人の姿は美奈達が度肝を抜く位、激変した

 

美奈を含む艦娘達及び幻想郷組「な……なんじゃこりゃ!?」

 

柏木隊全員「ッ!?嘘だろ……」

 

上城夫婦「勇人……お前……」

 

勇次「あ……兄貴が……」

 

恭一「ナ……コレガ上城ガ……『深海棲艦』ニナッタ姿……」

 

深海棲艦化した勇人「……久々になったな、この姿ハ……」

 

深海棲艦化した勇人の姿は人間の形になってはいるが、髪は銀髪、目は赤色だが木曽みたいに左目が包帯らしき物に巻かれており、額から鹿を思わせる角が包帯を突き破ったかの様に生え、艤装服(アーマー)は金剛型に似た衣装ではなく『近未来の忍者みたいな防具』を身に付け、更に両腕は深海棲艦と思わせる様な禍々しい巨大な籠手が装着された姿になったのだ

 

まさに、その姿は『龍が人間と融合した姿』だったのだ

 

勇人改め『深海龍神』「ッ!アブねぇアブねぇ……この姿になると、さっきみたいに暴走してしまうからな……待たせたな!道中!此れなら制限時間(残機)も無ぇから思う存分殺れるなぁ!!」

 

深海龍神(勇人)は一瞬だが気張り、自我を取り戻しつつ恭一に挑発染みた発言をすると恭一は『奇跡的に復活し、更には自身と同じく深海棲艦になった勇人』を見て、勇人の圧倒的な戦闘力の差を戦わず、見るだけで察し、恐怖感を感じ、言葉を震わせながら言った

 

恭一「キ……貴様……本当ニ俺ト同ジ『深海棲艦』カ!?カ……格ガ違イ過ギル……」

 

深海龍神(勇人)「当たり前だ、お前も知っているんだろ?俺の(DNA)は唯一『D()-()c()e()l()l()()()()()()()()()()』をな……ってか、戦艦女帝と分離する()()()D-cellも完全除去してくれよなクソババアが……」

 

深海龍神(勇人)は自身の(DNA)がD-cellと完全に適合している事を恭一に思い出させる様に答えると、深海龍神(勇人)は腰に装着されていた改造された日本刀『ムラマサブレード』を抜刀し構えると、恭一は深海龍神(勇人)に臆しながら怒鳴った

 

恭一「ソ……ソンナ事……絶対有リ得ナイノダ!!俺モ貴様ト同ジ(DNA)ヲ投与シタ筈ナノニ……何故ココマデ差ガ出ルノダ!!」

 

深海龍神(勇人)「……冥土の土産に教えてやるよ、それは簡単(シンプル)な理由だ……俺の(DNA)とテメェの(DNA)()()()()()()()()()()()()()()D()-()c()e()l()l()()()()()()()()()……細かい事は『あの世』に行って勉強してこい……俺からの宿題だ」

 

恭一「キ……貴様ァ!!此処デ死ンデ堪ルカ!!」

 

深海龍神(勇人)は勝利を確定したのか、嘲笑いながら説明すると恭一は自棄を起こしたのか、怒鳴りながら触手を使って深海龍神(勇人)に攻撃を始めたが……

 

深海龍神(勇人)「やれやれ……大人しくしていれば良いものの……結界解除……咲夜、俺に()()()()()

 

咲夜「畏まりました……では……」

 

深海龍神(勇人)は結界を解除し、咲夜に言うと、咲夜は勇人の考えが分かったのか、太股に装備している大量のサバイバルナイフを指の間に挟む様に持ち、構えると二人は呪文を唱える様に高々と宣言し、能力を開放した

 

深海龍神(勇人)「スペルカード……幻影『白金星の(スタープラチナ)……』」

 

咲夜「スペルカード!幻影……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

深海龍神(勇人) 咲夜「『世界(ザ ワールド)』!!」

 

パチン!

 

二人は指を鳴らすと美奈達だけではなく風景や空間全てが動画の一時停止みたいに停止した

 

そう、咲夜の能力は『時間を操る程度の能力』だったのだ

 

勿論、深海龍神(勇人)もまた『森羅万象を司る能力(不可能を可能にする能力)』を持っている為、咲夜と同じ能力が使える事が『出来る(可能)』だからこそ、二人で『時を止めた』のだ

 

咲夜「まずは……」

 

シュッ!

 

咲夜は指に挟んでいた大量のサバイバルナイフを恭一に向けて一気に投げると、投げたナイフ全てが恭一の前に停止し、深海龍神(勇人)は恭一の背後に周り、背中に着いている触手を……

 

深海龍神(勇人)「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!」

 

ズザザザザ!

 

……全て斬り落としたのだ

 

そして……

 

深海龍神(勇人)「境府『四重結界』……もう良いぞ咲夜」

 

咲夜「分かりました……そして……」

 

深海龍神(勇人)「時は……」

 

咲夜 深海龍神(勇人)「動き出す……」

 

パチン!

 

グササササササッ!

 

二人は指を鳴らし、再び結界を展開し、時間停止を解除すると大量のサバイバルナイフは恭一の身体に突き刺さり、背中の触手も斬り落とされ、恭一は二人の行動に困惑し、刺されたナイフと触手を斬られた激痛に耐えきれなかったのか、もがきながら深海龍神(勇人)に言った

 

恭一「キ……貴様ァ……イツノ間ニ……」

 

深海龍神(勇人)「……さて!咲夜のお蔭でテメェの(心臓)の場所が分かった事だし、そろそろ終わらせるか!美奈!未来の目を塞いでくれないか?此処から先は『()()()』だ」

 

深海龍神(勇人)は美奈に指示を出すと、美奈は深海龍神(勇人)が今から行う内容を察したのか、黙って未来の目を手で塞ぐと深海龍神(勇人)は未来が美奈の手によって見えなくなった事を確認すると、深海龍神(勇人)は『大仕事の仕上げ(処刑執行)』に取り掛かった

 

その『大仕事の仕上げ』否『恭一の処刑内容』とは……

 

深海龍神(勇人)「……フン!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グシャッ!

 

 

 

 

 

 

 

美奈を含む艦娘達及び幻想郷組全員「ッ!?」

 

佐世保組及び上城一家 柏木隊全員「ウッ!?」

 

恭一「ギャァァァァァァ!!俺ノ……俺ノ『核』ガァァァァァァ!!」

 

深海龍神(勇人)は恭一の胸に手を捻り込ませ、恭一の体内にある(心臓)を掴み出し、そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

深海龍神(勇人)「これで………終わりだ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グシャッ!!

 

 

 

 

 

……そのまま握り潰したのだ

 

恭一「ギャァァァァァァ……」

 

恭一は深海龍神(勇人)心臓()を握り潰されたせいで地面に倒れたまま動かなくなり、深海龍神(勇人)は倒れた恭一の首に指を当て、脈を確認すると、深海龍神(勇人)は安堵し、覇気の無い疲れきった口調で呟いた

 

何故、安堵したかと言うと……

 

深海龍神(勇人)「……後は知り合いの閻魔のクソガキに任せるか……千川、柊……現時刻を以て()()()()()()()()()()()()()()()()……」

 

そう、恭一の死亡を確認し、現時刻を以て『舞鶴大異変』が解決したのだ

 

そして……

 

深海龍神(勇人)「結界解除……オメェラ……殺るのか?」

 

千川「……一応言っておくが、これは()()()()()()()……()()だ、現に()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……処刑されたくなければ此処から去れ!!」

 

第一研修部隊の同期達「ッ!?ヒィィィィ!?」

 

深海龍神(勇人)と千川は第一研修部隊(嘗て)の同期達に静かに、そして殺意剥き出しのまま恫喝すると同期達は深海龍神(勇人)の殺気に当てられたせいなのか、千川達が同期達を処刑する権限を持っていたのか、はたまた両方なのかは分からないが泣き叫びながら舞鶴鎮守府を後にした

 

そして千川は深海龍神(勇人)の隣に移動し、二人はお互いを労うかの様に安堵しながら会話を始めた

 

千川「……どうやら奴ら、僕の()()()()を信じ、尻尾を巻いて逃げて行ったね……上城」

 

深海龍神(勇人)「……ハッタリにしてはリアル(ガチ)過ぎる内容だったぞ、正直な話、俺も騙されたぞ」

 

千川「ハハッ!お前まで騙されるとは……『異名()』が泣くぞ……ってか、()()()()()()()()()()?正直言って……怖いんだが……」

 

深海龍神(勇人)「おっと!そうだったな……艤装解除っと……」

 

深海龍神(勇人)は今自分自身が深海棲艦になっていた事を思い出し、慌てて艤装を解除すると『深海龍神』……改め『勇人』は何時もの白い軍服に黒髪短髪になったのと同時に全身に強い鈍痛が駆け巡り、辛そうに千川に言った

 

勇人「ウグッ!!!!!!ち……千川……コンゴウに携帯型高速修復材(ダメコン)を貰いに……行ってくれねぇか……」

 

千川「ど……どうしたんだい!?まさか深海棲艦化した事によるダメージが……」

 

美奈「ッ!?大将!!気を確かに!!」

 

千川と美奈は痛そうにもがいている勇人を見て焦りながら言うと、群像は勇人の痛みの原因を知っているのか、呆れながら千川と美奈に説明した

 

群像「……ほっとけば治りますよ、その痛み……『深海棲艦化』いえ『長時間のアルスノヴァの酷使』によって起きた『筋肉痛』ですから……」

 

美奈 千川「………へ?き……筋肉痛……ですか?」

 

勇人「ッ!?ば……馬鹿!そ……それを言うなま……締まらねぇだ……ろ……」

 

勇人は這いつくばりながら群像にツッコムと美奈……否、その場に居た全員が呆れながら勇人に言った

 

 

 

 

 

 

 

美奈達全員「みんなを心配させた罰です、暫くは、そうして下さい」

 

 

 

 

 

 

勇人は美奈達全員の言葉()を聞き……

 

勇人「……泣けるぜ」

 

何時ものセリフで嘆いたのは言うまでもなかった……


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。