Admiral of Roughneck~From black to white~   作:八意 颯人

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第90話「舞鶴大異変 part 14」

勇人が暴走体になっている頃 ロシア国籍の政府旅客機内にて

 

柏木「……」

 

金髪のメイド「……」

 

柏木は日本とロシアの上層部の命令でドイツに向かって移動を始めていた

 

柏木「……何か嫌な予感がするな」

 

柏木は舞鶴に居る兄弟分(勇人)の事が心配なのか、少し落ち着かない様子で機内食を食べていると、金髪の若いメイド……否、柏木専属の変態メイド『Октябрьская(オクチャブリスカヤ) революция(レボリューツィヤ)(以後オク)』が柏木の様子に不安感を感じながら慣れない日本語で質問をした

 

金髪のメイド改め『オク』「ドウシタの?サッキカラ浮かない顔をシテ?()()()()()()のか?なら私が疾風の……」

 

柏木「違ぇよ!ってか何でテメェは俺が何かある度に()()()()()()()()()()!!『勇人の所のメイド長(五十嵐さん)』を見習って欲しいぜ……」

 

オク「イガラシ?アア~……あの『ペチャパイ』で『ムッツリスケベ』な上城家のメイドの事カ……」

 

柏木「……それ、五十嵐さん本人に聞かれたら殺されるぞ、それに五十嵐さんは華奢な見た目とは違い『()()』だから胸のせいで普段の業務や戦闘に支障を来すからメイド服の下にサラシを巻いているんだ」

 

オク「成る程ネ……てっきりパットを仕込んでいるかと……ってか、ソノ情報……誰から聞いたの?」

 

柏木「五十嵐さんの雇い主である勇人から聞いた……」

 

柏木は発情したオクに一喝しつつ『五十嵐(十六夜) 咲夜』に関する情報をオクに伝えるとオクは何を血迷ったか、柏木に強い口調で言った

 

オク「まさか疾風!?私ではナク、あの『隠れキョヌー(巨乳)メイド』に惚タノ!?」

 

柏木「んな訳ねぇよ!!『お前は五十嵐さんを見習え』って言ってんだよ!!メイドの立ち振舞い的な意味で!!」

 

オク「何ダ……Я с облегчением узнал, что(そういう事だったの)……それで何故、浮かない顔になってイタノ?」

 

オクは柏木に()()()()()()()を追求すると、柏木はオクの言葉に一喝(ツッコミ)をし、ため息を吐きながら本題に入った

 

柏木「ハァ……実は舞鶴鎮守府……京都の街に建てられた鎮守府の事だが、そこで大問題が発生したんだ」

 

オク「大問題?あの上城家のボンクr……ゲフンゲフン『海軍の問題児(上城勇人)』と『隠れキョヌー(巨乳)メイド』が何かヤラカシタの?」

 

オクは勇人と咲夜に苦手意識があるのか、少し毒の入った言葉で柏木に聞くと、柏木はオクの言葉に呆れながら答えた

 

柏木「だから五十嵐さんをディスるのは止めろ……まぁ、その大問題には、ある()が発生したせいで、勇人と舞鶴に所属している間宮そして防空棲姫が絡んでいるんだ……」

 

オク「噂?それに防空棲姫が?」

 

オクは柏木の言葉について首を傾げながら聞くと、柏木は噂の内容が()()()()()()()なのか、頭を抱えながら答えた

 

柏木「ああ……俺も信じられない内容だが、永木から聞いた噂の内容によると、舞鶴の間宮と勇人そして防空棲姫の前世の関係が『()()』なんだよ」

 

オク「……何とマァ……メルヘン染みた内容ね……」

 

オクはブッ飛んだ内容に信用していないのか、少し呆れながら言うと、柏木は「全くだ」と同意し、少し冷えた機内食を食べていると、柏木のスマホが震え始めた

 

柏木「ん?永木からだ……もしもし、何か問題でも起きたのか?」

 

柏木はスマホを確認し、通話相手である永木に聞くと、永木は焦りながら柏木に報告した

 

永木「もしもし柏木か!?ヤバい事になった!!」

 

柏木「ヤバい事?」

 

柏木は動揺した永木の口調を聞いて、リラックスした表情から一転し、神妙な表情になり、永木に聞くと、永木は焦りと動揺が混じりながら報告した

 

永木「上城が……()()()()!!」

 

柏木「暴走?何時もの事だろ?」

 

柏木は蒼霧事変での勇人の暴れっぷりを知っているのか、少し呆れながら言うと、永木は柏木に怒鳴りながら言った

 

永木「そういう意味じゃねぇよ!!今回の暴走は……パワーアップした上城……いや、()()()()()()()()が制御不能で暴走してんだよ!!」

 

柏木「………はぁ!?付喪神ィ!?それにアイツが制御不能に陥ったァ!?永木!直ぐにアイツ今の姿を見せてくれ!」

 

柏木は急いで永木に舞鶴の現状を見せる様、指示を出すと、永木はリアルタイムの舞鶴の状態をスマホ越しで柏木とオクに見せた

 

永木「これが()()()()()姿()だ!!」

 

柏木「なっ!?こ……この姿……まさか……五年前の事件の『金沢連続失踪事件』の首謀者に……()()()だ……」

 

オク「о мой Бог(何これ)………これがアノ……」

 

柏木は付喪神化した勇人の姿を見て勇人の暴走体を見た事があるのか、学生時代の勇人が紫によって幻想郷に拉致られた事件『金沢連続失踪事件』を驚愕しつつも思い出し、オクに至っては勇人の姿を見て、只々、絶句していると柏木は我に返り、勇人が何故、暴走した経緯について永木に聞いた

 

柏木「永木ィ!!何故、勇人が暴走したんだ!!」

 

永木「そ……それは……アイツが……」

 

永木は今、舞鶴で起きている()()()()()()()に対応仕切れていないのか、混乱しながら報告を始めようとしたが、恭一の攻撃で負傷した勇次が永木の所に避難したのか、永木の代わりに説明を始めた

 

勇次「それは俺が説明する、永木は辺り周辺を見張ってくれ!」

 

永木「す……すまない」

 

柏木「勇次か、久しぶりだな……今オメェの兄貴が暴走した経緯について聞いていたが……」

 

勇次「……簡潔に言うと、道中の連中の1人が兄貴の前世の奥さん(カミサン)である『舞鶴の間宮』を殺そうとしたから、兄貴は……」

 

柏木「……つまり、あの馬鹿の悪癖(短気)によって付喪神化による暴走が勃発した……という訳か?」

 

柏木は勇次の報告を簡潔に纏め、質問すると、勇次は「ああ」と答えると柏木は何か閃いたのか、勇次に『ある事』について聞いた

 

柏木「……勇次、今アイツと連絡取れるか?」

 

勇次「まぁ、兄貴の耳には無線機が付けられているから問題無いが……まさか、暴走状態の兄貴を……」

 

勇次は柏木の考えを察したのか、少し狼狽えた声で聞くと、柏木は神妙な表情で勇次の質問に答えた

 

柏木「ああ、勇人を説得する……」

 

勇次「……これで暴走状態が治るか分からないが……分かった、今、兄貴に繋げるわ」

 

柏木「頼む」

 

柏木は勇次にお願いをすると、勇次は急いで勇人の無線機に繋ぎ始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時間は少し遡り、舞鶴鎮守府にて

 

勇人「無駄無駄無駄ァ……」

 

金城「イッヒヒヒヒ!!流石、上城だ!こんなにタフなら、さぞかし性欲も凄そうだな!!」

 

勇人「……下品な男だ、実に不愉快だ」

 

恭一「龍二!!遊んでいる場合か!!早く上城を殺せ!!」

 

勇人は金城を見て不愉快そうに呟き、恭一は焦っているのか、怒鳴りながら金城の下の名前で呼ぶと、金城は暴走状態の勇人を見て、覚醒剤(ヒロポン)の使用による初期症状である『爽快感』が表しているのか、楽しそうに答えた

 

金城「何を言っているんだ教官、こんな玩具、楽しまなければ損じゃないか!さぁ上城!!俺を楽しませてくれよ!!」

 

勇人「……良かろう、まずは貴様からだ!殺してやるぞ!(キム)龍二!!」

 

勇人は覚醒剤(ヒロポン)の投与によって、文字通り勇人と同じ『暴走状態(狂戦士)』になった金城(キム)に挑発をすると、金城(キム)は勇人に本名で言われた事に腹が立ったのか、先程までの楽しい表情から一転し、激怒した表情になり、勇人に怒鳴りながら突進した

 

金城「ッ!?貴様ァァァァ!その名前で言うんじゃねぇ!!」

 

勇人「無駄ァ!」

 

金城「オラァ!」

 

ドゴッ!

 

金城「ブッ!!強ぇな……」

 

勇人「クッ……クククク………所詮ドーピングしても、こんなものか……此処で死ね!」

 

ゴキッ!!

 

金城「……」

 

美奈「な!?」

 

未来「ッ!?」

 

勇人と金城は互いの拳を交差させ、相手に攻撃した状態『クロスカウンター』になったが、勇人は金城に失望したのか、そのまま金城の頭部を吹き飛ばす勢いで片方の拳を金城の顔面に入れると、金城の顔の骨が砕けた音が発し、金城は崩れる様に倒れた

 

恭一「りゅ……龍二ィィィ!!」

 

勇人「……後は御主だけだ……教官」

 

勇人は金城が戦闘不能(リタイア)になった事を確認し、恭一を睨み付けながら言うと、恭一は先程までの余裕のある表情から一転し、怒りに染まった表情になり、勇人に怒鳴った

 

恭一「貴様ァ……潤だけではなく俺の部下まで……許さん!!」

 

恭一は懐から黒みが掛かった『紫色の液体が入った注射』を取り出し、それを自身の首筋に注入すると、恭一の身体は瞬く間に深海棲艦みたいな黒く禍々しい装甲(アーマー)が現れ、背中には触手が生えた醜い姿になった

 

そう、恭一は『D-cell』を投与した事によって、李と同じ『深海棲艦(化け物)』になったのだ

 

恭一「アァ……コレハ良いナ……力が……溢れてクル」

 

勇人「フン……あの男と同じ事を……哀れな男だ……ッ!?グハッ!!!」

 

ビチャッ!!

 

恭一は深海棲艦化による影響なのか、言葉が片言になっていき、勇人は呆れた途端、胸に強い激痛が走ったのか、胸を押さえながら片膝を着き、血を吐き出した

 

そう、勇人の身体が付喪神化による暴走に耐えきれず、悲鳴を挙げていたのだ

 

美奈「ッ!?大将!!」

 

未来「パパ!?」

 

群像「お祖父ちゃん!!」

 

霊夢「勇人!!もう止めて!!このままじゃ勇人が死んじゃうわ!!早苗!咲夜!何としても、暴走した勇人を止めるわよ!!」

 

早苗「はい!!」

 

咲夜「それくらい分かっている!スペルカード!幻影………」

 

霊夢と早苗そして咲夜は全身全霊を賭け、勇人が張った結界を破壊しようと攻撃を始めた途端、三人の耳に着いた無線機が何者かによって受信し、三人を諭す様に言った

 

その相手とは……

 

?「待て三人共、此処は俺が説得する」

 

早苗「ッ!?誰ですか!!今此方は……」

 

咲夜「この声は……お久し振りです、柏木様」

 

霊夢「ッ!?か……柏木大将なの!?」

 

そう、勇人の兄弟分(親友)の『柏木疾風』本人だったのだ

 

?改め『柏木』「ああ、久しぶりだな霊夢に五十嵐さん……言いたい事が山ほどあるが、先ずは、あの馬鹿は俺が止めるからアイツに繋げてくれないか?」

 

早苗「ッ!?」

 

柏木は芯の入った重い口調で三人に言うと、早苗は柏木の要望(賭け)に応じたくないのか、強い口調で反発した

 

早苗「ふざけないで!!大体、貴方は誰ですか!?ハヤチャンを馬鹿にして!!貴方みたいな()()には用が無いのですよ!!」

 

柏木「馬鹿にして無ぇよ!オメェこそ誰だ?勇人の友達(ダチ)か?巫女みたいな服を着て……風俗嬢(イメ〇ラ嬢)か?」

 

早苗「ッ!?誰が風俗嬢(イメク〇嬢)ですか!!本物の巫女です!!」

 

柏木は早苗の喧嘩口調な質問に少し頭に来たのか、苛つきながら質問をすると、霊夢は柏木の援助に安堵しつつ、二人の仲裁に入り、窘めた

 

霊夢「落ち着いて早苗に柏木大将……早苗、彼は勇人の親友の『柏木疾風』さんよ……彼は『今の勇人の性格』を一番()()()()()()()し、人間としての身体能力の高さは『()()()()』だから問題無いわ……それに柏木大将は勇人の同業者で()()()()()()()()()()()()

 

早苗「ッ!?」

 

柏木「流石霊夢、俺の事を良く知って……ん?早苗?まさか五年前の『金沢連続失踪事件』の被害者の一人『東風谷早苗』さんか?」

 

霊夢は早苗を窘めながら説得すると柏木は気持ちを切り替え、冷静さを取り戻し、早苗の名前を聞いて、五年前の事件を思い出し、早苗に聞くと、早苗は霊夢の説明を聞き顔面蒼白になり、柏木に謝罪した

 

早苗「そうです……そして、すみませんでした!!ハヤチャンの親友だとは知らず知らず……」

 

柏木「何、気にするな……話を戻すが霊夢に五十嵐さん、アイツと話がしたい……繋げてくれるか?」

 

咲夜「……畏まりました」

 

霊夢「分かったわ、ただし無茶しないでね……アンタも勇人みたいに無茶しそうだから……」

 

柏木「なぁに、ただ()()だけだから無茶しようが無いぞ……良し!繋がったな……」

 

柏木は霊夢の呟きに苦笑しつつ、無線の周波数が勇人の無線機と同調したのを確認すると、柏木は息を思いっきり吸い、吸い込んだ息を一気に吐き出す様に勇人に大声で怒鳴った

 

柏木「勇人ォ!!オメェ何暴走してんだァァァァ!!しかも血ぃ吐きやがって!!死ぬ気か!?

 

勇人「ッ!?柏木殿か?何故、我の無線機に……」

 

勇人は柏木の怒鳴り声に一瞬だが我に帰り、柏木に聞くと、柏木は勇人の口調に少し驚きつつ、勇人に怒鳴り散らした

 

柏木「弟さんと永木に頼まれたんだよ!!しかも短気を起こして暴走だぁ?弱小のチンピラじゃねぇんだから少しは冷静にならんかァ!!オメェの強味は、()()じゃねぇだろ!!()()()()()()()()()()()を起こさせる気か!!」

 

勇人「大本営襲撃事件の……ウグッ!あ……頭が……」

 

ドサッ……

 

勇人は柏木の怒鳴り声による物なのか、はたまた暴走状態による脳が悲鳴を挙げているのか、激しい頭痛が起き、勇人は激しい頭痛に耐えきれず、そのまま気を失った

 

柏木「オイ、何寝ているんだ!!まだ俺の説教が終わってねぇし、道中の処刑が終わってねぇぞ!!さっさと起きやがれ!!………勇人ォ!!

 

柏木は気絶した勇人を叩き起こす様に怒鳴ると、勇人のドス黒いオーラは徐々に消え失せ、髪も銀色の長髪から黒色の短髪に変わり、服装も提督用の制服に戻った

 

そう……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇人「う……ウウッ……あ……あれ?俺は一体……って!?何故、(キム)が殺られとるんや!?それに何故、化け物が目の前に!?」

 

恭一「ッ!?」

 

……完全に何時もの勇人に戻ったのだ

 

勇人は荘厳で神々しい口調から普段の『石川弁』に戻り、暴走状態の時の記憶が無いのか今の状況を把握しておらず、少し混乱しながら言うと美奈は今の勇人に安堵し、勇人に怒鳴った

 

美奈「ッ!?大将!!無茶な真似をして!!()()()()()()()()()()!!」

 

勇人「……マジで?俺……死にかけたん?」

 

勇人は目を瞬きをし、美奈の言葉に驚いているのか、少し呆気ない口調で聞くと、美奈達は勇人の『緊張感の無い態度』に安堵と怒りが込み上がったのか、美奈達は勇人に強い口調で怒鳴った

 

未来「そうだよ!馬鹿親父!」

 

群像「ったく!!心配掛けやがって!!」

 

長門「全くだ!!」

 

咲夜 吹雪「良かった……元に戻って……心配してたのですよ!!」

 

一馬 優花「こんのぉぉぉぉ……馬鹿息子(亭主(仮))が!ついさっきまで吐血し、死にかけていたんだろうが!!」

 

朱里 ビスマルク 霊夢「そうよ!!柏木(大将)が説得をしなかったら死んでたのよ!!」

 

勇人「え……()()!?それに()()()()()!?ひょっとして……俺、また()()を?」

 

勇人は冷や汗を流しながら美奈達に聞くと、美奈達は黙って頷くと勇人は頭を抱えながら「……泣けるぜ」と呟くと、柏木は勇人の態度に呆れ、釘を刺す様に強い口調でアドバイスを出した

 

柏木「はぁ~……暴走状態の時の記憶が無いとは……お気楽な野郎だぜ……まぁ良い、くれぐれも短気を起こした状態で『付喪神化』だっけ?それに変身するなよ!!じゃ!頑張れよ!」

 

勇人「わーったよ、あんがとな……兄弟!」

 

柏木「おう!」

 

勇人は柏木に礼を言い、無線機の電源を切ると、深海棲艦(化け物)と化した恭一を睨み付けながら構え、気合いの入った強い口調で叫んだ

 

勇人「……さて!そろそろ化け物退治を始めるか!!行くぞ!化け物!!艤装展開!『battle mode Ars nova』!無駄ァ!」

 

恭一「来イ!上城ォ!オラァ!」

 

ドカッ!

 

勇人は曾て李を倒した艤装モード『Ars nova』に艤装展開すると、二人は拳を相手の顔面にぶつける様に突き出し、互いの拳同士がぶつかり、二人は拳の威力により吹き飛ばされ、間合いを取り、お互い構え直した

 

そう、本当の決着を付けるために……

 

 


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