Admiral of Roughneck~From black to white~   作:八意 颯人

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第90話「舞鶴大異変 part 13」

恭一「フン!フン!ハァッ!セイッ!オラァ!」

 

勇人「無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!」

 

ドガガガガガガガガガッ!

 

恭一「オラァ!」

 

勇人「無駄ァ!!」

 

ドガッ!

 

勇人と恭一は互いの()(蹴り)を使って相手の攻撃を捌きつつ、常人では見えない速さで攻防を繰り返し、二人が同時に放った拳が相手の拳に当たり、二人は相手の拳の威力の強さに耐えきれず、そのまま後退り(バックステップ)をするかの様に後ろに吹き飛んだ

 

勇人「チッ……李より厄介な身体になっていたとは……泣けるぜ」

 

恭一「フン……貴様も蒼霧事変(あの時)以上に強くなっていたとはな……これは骨が折れるな」

 

勇人は恭一が薬で勇人と同等の身体能力を手に入れていた事に悪態を吐き、恭一もまた、勇人が『見知らぬ能力』を手に入れていた事に悪態を吐くと二人の格闘を見ていた美奈と千川そして幻想郷の連中は二人の……否、勇人の身体能力の高さに驚いているのか、開いた口が塞がらない状態になりながら言った

 

美奈「こ……これが大将の……」

 

早苗「す……凄い……」

 

千川「……凄い身体能力だ」

 

レミリア「……吸血鬼である私が言うのも変だが、アレは完全に化け物だわ……」

 

群像「……泣けるぜ」

 

美奈達が勇人と恭一の格闘に驚いていると、金城は拳銃を美奈に向け、恨みを込めながら呟いた

 

金城「……なら、せめて間宮だけでも!」

 

勇人「ッ!?美奈!?」

 

美奈「へ?」

 

パン!

 

勇人は金城が拳銃を構えているのに気付いたが、反応が遅かったのか美奈を庇う前に発砲音が鳴り響いた

 

だが、その発砲音は金城から発したのではなく……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カラッ………

 

 

 

 

 

 

 

 

金城「チッ!」

 

永木「ふぅ……危ない危ない」

 

勇人「サンキュー……永木」

 

別所で待機している永木が発したのだ

 

永木は日本製の突撃銃(アサルトライフル)『64式小銃』を使って金城の拳銃に狙撃をし、拳銃のみ吹き飛ばすと金城は拳銃を吹き飛ばした弾みで手が痺れたのか、手を抑えながら言った

 

金城「……腕利きのスナイパーが居たとは……」

 

恭一「金城、下手に動くと射殺されるから『何もするな』……これは命令だ」

 

金城「……分かりました教官」

 

恭一は金城に優しく命令すると金城は渋々、了承すると、勇人は嘲笑いながら言った

 

勇人「今から死ぬ奴が、そんな余裕があるのか?」

 

恭一「……ぬかせ、クソ野郎……」

 

勇人「なら、精々その『クソ野郎』に瞬殺されんな……よぉ!!」

 

ドカッ!

 

恭一「グハッ!!き……貴様ァ……」

 

勇人は拳法の一つ『八極拳』の技の一つで、全身の瞬発力を利用し、相手の腹部に肘を当てる技『躍歩頂肘(やくほちょうちゅう)』を恭一に不意討ちをすると恭一は腹部……否、内臓にダメージが入ったのか、血を吐き、地面に踞りながら恨みの籠った声で呟くと勇人は止めと言わんばかりに全身の神経を集中し、静かに呟いた

 

勇人「……これで終わらしてやる……龍光会の因縁や何もかも全てを……」

 

レミリア「ッ!?まさか!?止めなさい勇人!!今の精神状態での変身は()()()()()()!!」

 

勇人「ウルセェ!!これ以上、仲間が傷付くのを見たくねぇ!!艤装展開……」

 

勇人はレミリアの説得を聞かず、そのままドス黒いオーラを放し、全神経を集中させる様に深呼吸をし、一呼吸を置き、静かに呟いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇人「Battle mode(バトルモード)……『Monster(モンスター)』!!」

 

勇人は静かに、そして相当強い殺意を込めながら呟くと勇人の身体はドス黒く発光し、ドス黒い光が収まると勇人の身体は更に鍛えたかの様に筋肉が肥大化し、髪も銀髪のロングヘアー、目の色は朱色に変色し、服装も金剛型に似た和装の姿になっていた

 

そう、勇人は『戦艦三笠』の付喪神になったのだ

 

ただ……

 

美奈「ッ!?大将のオーラが蒼白く……無い……」

 

群像「ッ!?何だ……あの『赤みが掛かったドス黒いオーラ』は……」

 

勇人が付喪神化する際のオーラが蒼白色では無く、仲間や家族が傷付いた事による『負の感情(怒りと殺意)』に染まったかの様な『赤みが掛かった漆黒のオーラ』を放していた事に……

 

レミリアは5年前の『勇人の暴走体』を思い出し、血相を変えながら美奈達に怒鳴った

 

レミリア「ッ!?不味いわ!!早苗!!フラン!!霊夢!!美鈴!!咲夜!!魔理沙!!三笠!!群像!!優花!!美奈さん!!今すぐ暴走した勇人を止めるわよ!!」

 

美奈「え!?暴走!?大将!!落ち着いて下さい!!此処で暴走したら……」

 

群像「落ち着けお祖父ちゃん!!暴走したら相手の思う壺だ!!」

 

霊夢「そうよ!!だから元に戻って!!」

 

優花「勇人君!!」

 

美奈達は暴走した勇人を止める為に勇人に近付いたが……

 

勇人「邪魔だ………境符『四重結界』」

 

ドン!

 

美奈達「キャッ!!」

 

群像「クッ!」

 

勇人は美奈を吹き飛ばす様に結界を張り、結界の中には恭一と勇人そして金城……三人を閉じ込める様に結界を張ったのだ

 

恭一「ッ!?な……なんじゃこりゃ!?貴様に、こんな『隠し玉』を!?」

 

金城「上城ォ!!此処から出しやがれ!!」

 

勇人は自身の能力や艦娘の力そして勇人本来の身体能力を極限まで高めた姿『モンスター(付喪神化)』をすると、恭一と金城は勇人の付喪神(妖怪)の姿に度肝を抜き、勇人の付喪神(妖怪)化した姿に顔面蒼白になり、臆しながら聞くと、勇人は『付喪神化』による暴走なのか、一人称や言葉使いが普段のヤクザ染みた口調ではなく、荘厳で、尚且つ神々しい口調で答えた

 

勇人「うむ……これは我の隠し玉だ……それに我を倒さなければ出られぬぞ……金城……」

 

金城「ヒィッ!この……化け物が……」

 

恭一「チッ!なら……金城!!これを注入しろ!」

 

金城「ッ!?これは?」

 

恭一は懐から赤い液体が入った注射器を金城に渡すと、金城は注射器の中身について聞くと、恭一は神妙な表情で答えた

 

恭一「『D-cell』と『上城のDNA』を混ぜた『ドーピング剤』だ……早くしろ!あの化け物に殺されたく無いのか!!」

 

金城「ドーピング!?わ……分かりました!!」

 

金城は急いでドーピング剤を首筋に浮いている血管に注入すると、金城は顔面蒼白になっていた表情から一転、高揚感に満ちた不適な笑みを浮かべ、笑いながら恭一に言った

 

金城「あぁ~……この高揚感……癖になりますね教官……まるで覚醒剤(ヒロポン)を打っている様だ……最高にハイになりますね……」

 

恭一「……そうか」

 

恭一(フッ……馬鹿な男だ……あのドーピング剤には『上城のDNA』と『D-cell』そして覚醒剤(ヒロポン)の主成分である『メタンフェタミン』が混入されたドーピング剤だと言う事を知らずに……哀れな男だ……)

 

そう、恭一が渡したドーピング剤は『勇人のDNA』『D-cell』の他に国の指定薬物として認定されている覚醒剤『ヒロポン』の主成分である『メタンフェタミン』が混入されたドーピング剤だったのだ

 

金城は恭一から渡されたドーピング剤には覚醒剤(メタンフェタミン)が混入されているのを知らず、覚醒剤の乱用による精神症状の一種『高揚感』と『破壊衝動』に駆り立てながら勇人に言った

 

金城「イヒヒヒ!さぁ上城ォ!!早く殺ろうか!!こんな楽しい殺し合い(行事)……ビンビンに勃って勃ちまくって変になりそうだ!!教官!行きますよ!」

 

恭一「ああ……行くぞ上城ォ!!」

 

勇人「哀れな男達だ……掛かってくるが良い」

 

勇人は二人を挑発をする様に手招きをすると恭一は妹が殺された恨みを込めながら、金城は自身の禁断症状による破壊衝動に駆り立てながら勇人に攻撃を始めた

 

そして……

 

龍崎「ハァ……ハァ……間に合った……大丈夫か美奈?」

 

未来「お母さん!」

 

美奈「ウチは大丈夫や……それより大将が……」

 

龍崎「大将が……な!?これがアイツの……」

 

未来「パパがどうした……ッ!?な……何これ……ねぇお母さんに早苗さん!一体どういう訳ですか!?何故パパが付喪神になったのですか!!」

 

美奈「……」

 

勇人を追い掛けてきた未来と龍崎は暴走した勇人を見て、驚愕し、暴走した勇人に怖じ気付きながら早苗と美奈に聞くと美奈は黙って俯き、早苗は勇人の性格を知っているのか、何故『勇人が暴走した理由』を未来達に言った

 

早苗「……道中達による卑劣な行為によってキレた状態で付喪神……しかも暴走体になったの、そして……」

 

龍崎「ッ!?暴走……だと!?」

 

未来「……パパが暴走すると、どうなるの!?」

 

未来は勇人の身を案じているのか、不安になりながら早苗に聞くと、早苗は『勇人が暴走体になった際の代償』について静かに、そして悲しい表情になりながら答えた

 

そう、その代償とは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

早苗「……このまま暴走状態が続くと、鍛えているとは言え、ハヤチャンの身体が付喪神化による暴走状態に耐えきれず……死んでしまうの……」

 

早苗以外全員「ッ!?」

 

……()()()()()()()()だったのだ


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