Admiral of Roughneck~From black to white~ 作:八意 颯人
0900 舞鶴鎮守府正門付近にて
勇次「オラァ!!」
ドゴッ!
リーダー格の男「グハッ!こ……この野郎!!」
バキッ!!
勇次「チッ!しぶてぇ野郎だ……だが、兄貴が手出しする程、強くないな……来いよヘタレ野郎、武器なんか捨てて掛かってこい!」
勇次と第一研修部隊のリーダー格の男は殴り合いをしており、両者共に疲労困憊になっており、二人の周りには千川達のお陰でリーダー格の仲間達が気絶している所を見て、挑発染みた発言をすると、リーダー格の男は息を荒くし、疲労困憊の身体に鞭を打つ様に構え、勇次の挑発に激怒したのか、自身の武器であるナイフを捨て、我を失いながら怒鳴った
リーダー格「貴様ぁ……また俺を虚仮に……野郎ブッ殺してやらぁ!!」
勇次「フッ、そう来なくちゃ張り合いが無いからな……遊んでやるよ!」
勇次は自身を奮い立たせ、挑発しながらリーダー格と交戦していると、鎮守府内部から防空棲姫を担いで来た恭一が高々に笑いながらリーダー格に言った
恭一「もう遊びは御仕舞いだ!今から防空棲姫と上城の処刑を開始する!」
勇次「なっ!?てめぇ!!未来を離せ!!」
リーダー格「ッ!?教官!何故、上城からではなく防空棲姫を先に処刑するのですか!?」
勇次は防空棲姫が恭一に捕まった事に怒鳴り、リーダー格は恭一が防空棲姫の処刑について質問すると、恭一は勇人に勝利した事に喜んでいるのか、高揚し、不敵な笑みを浮かべながら言った
恭一「フフフフ……金城、お前は初耳なのかも知れないが、この防空棲姫は上城の『娘分』だ……貴様も上城によって親父が殺されたんだろ?なら親父さんの弔いとして
勇次「な!?金城!?まさか『日本解放軍』のリーダーの……『
リーダー格改め『金城』「ッ!?そうだったのですか……道中教官!ありがとうございます!なら御言葉に甘えて……」
勇次「止めろ!この子に手ぇ出すんじゃねぇぇぇぇ!!」
そう、リーダー格の正体は920事件で勇人が殺したテロリスト『日本解放軍』のリーダー『金城 龍一』本名『
金城は恭一の言葉を聞き、不敵な笑みを溢しながらナイフを拾い、勇次は勇人から聞いていたのか、第一研修部隊を率いているリーダー格が勇人が殺した
恭一「消えろ、非国民が!!」
ドカッ!!
勇次「グハッ!!」
恭一が瞬時に勇次の懐に入り、恨みを込めた拳を勇次の腹にめり込む様に拳を入れると勇次は血を吐き、地面に蹲っていると、背後から隙間から勇人が現れ、倒れた勇次の容態を急いで確認した
勇人「間に合っ……ッ!?勇次!!大丈夫か!!」
勇次「遅ぇよ……糞兄貴が……大丈夫だ、ちぃっとばかし肋骨二本が折れただけだ……痛ぇ……」
勇次は自身の経験から怪我の状態を察し、勇人に報告すると勇人は勇次に恭一達に聞かれない様に小声で言った
勇人「……お前は『これ』を持って休んでろ」
勇次「……これが
勇次は勇人から処刑状を受け取り、そして一馬から『勇人の本当の作戦』を聞いていたのか、血を吐き捨て、笑みを溢しながら言うと、勇人は少し呆れながら言った
勇人「……やっぱりバレてたか……そうや、そして
勇次「……本当に無茶する兄貴なこった……わーったよ、俺は暫く休むわ……永木にも伝えておくわ」
勇人「おう」
勇次は勇人の
勇人「……テメェ……よくも弟を……」
恭一「安心しろ、お前を殺したら弟達も後を追わせるつもりだ……だから娘分を殺されるのを見てろ、金城……殺れ」
金城「分かりました」
勇人(フッ、そろそろ麻酔が抜ける頃か……此処で
恭一は防空棲姫を投げ捨て、金城は懐から拳銃『92式拳銃』を取り出し、拳銃の照準を防空棲姫の胸に合わせ、トリガーを引こうとした途端、勇人は眠っている防空棲姫を起こす様に大声で防空棲姫の正体を告白した
勇人「スゥ………
恭一「なっ!?お前は何を……」
防空棲姫?「うう………ん?」
金城「ウオッ!?」
パン!
防空棲姫?「ウグッ!」
勇人の怒鳴り声に恭一は首を傾げ、防空棲姫は目を覚まし、金城は勇人の怒鳴り声に驚き、驚いた弾みにより拳銃を発砲すると放たれた弾丸は防空棲姫の胸に当たり、防空棲姫は撃たれた弾丸の痛みにもがいていると、恭一は勇人の言葉に頭の整理が出来ていないのか、混乱しながら聞いた
恭一「なっ!?どういう事だ!?何故、潤が関係しているんだ!!それにアイツは
恭一は混乱しながら勇人に怒鳴ると、勇人は自身の本当の作戦が成功した事に不敵な笑みを溢し、恭一を嘲笑いながら本当の作戦内容を告白した
勇人「ククク……バーカ、さっきまで演技をしていたのを気付いていなかったとはな……6時間位前に間宮達にボコボコにされたアンタの妹を俺の
恭一「クッ!潤!!」
そう、勇人の本当の作戦は美奈達が道中を倒した直後、隙間を使って道中を舞鶴に強制移送させ、道中を治療しながら
勇人は恭一を煽る様に言うと、恭一は慌てて防空棲姫……いや妹である潤に近付き、容態を確認した
恭一「潤!!大丈夫か!」
道中「ううっ……兄さんなの?私達……負けたの?」
道中は悔しいのか、泣きながら言うと、恭一は頭を横に振り、優しく声を掛けた
恭一「いや、俺達には、あの処刑状が……ッ!?無い!?何処に落としたんだ……」
恭一は懐から処刑状を出そうとすると、勇次は煙草を吸いながら勇人に預かっていた処刑状をちらつかせながら言った
勇次「ひょっとして『これ』の事か?」
恭一「な!?いつの間に!?」
恭一は勇次が処刑状を持っていた事に驚愕すると、勇次は高々と笑いながら恭一に言った
勇次「バーカ!オメェが兄貴をボコボコにしている時に、兄貴が盗んだんだよ!兄妹揃って間抜けだな!まぁ、俺達にも
勇次は処刑状にライターの火を炙せ、処刑状を燃やしながら言った
道中兄妹「ッ!?嘘……」
勇次「……たった今から
勇人「……相変わらず、えげつねぇな……お前……」
勇人は勇次が行った『見せしめ』に呆れながら言うと、勇次もまた勇人の言葉に呆れながら言った
勇次「敵に『
千川「うん、勇次君の言う通りだ」
勇人「まぁ、そう言うなって……お!?どうやら帰って来た様だな」
勇人は笑いながら言うと、正門付近の海岸から美奈達が帰還したのを見て、微笑みながら言うと、美奈は神妙な雰囲気を醸し出しながら言った
美奈「……大将、あの子は?」
美奈は『本当の作戦』が終わっていないと思っているのか、演技とは言え激怒した表情になりながら聞くと、勇人と千川は美奈に安心させる様に微笑みながら言った
勇人「……もう
千川「そうだよ、君が上城をボコボコにする必要が無くなったんだよ」
美奈「ホッ……そうだったのですか……って!?何故、私が大将をボコボコにする事を
そう、勇人の作戦内容には美奈の役割である『
美奈は千川が『本当の作戦』の内容を把握していた事に驚き、質問すると、千川は微笑みを崩さないまま答えた
千川「上城とコンゴウの会話を
勇次「そして、美奈さん達が帰還する迄に終わらせた……と言う訳や」
美奈「……心配して損したわ」
朱里「全くよ……ありがとうね、レミ」
レミリア「……どういたしまして」
美奈は安堵しながら悪態を吐き、朱里とレミリアは勇人の無茶な作戦に呆れながら言うと道中は『もう持たない』のか、苦しみながら恭一に最後の言葉を掛けた
道中「兄さん……こんな奴らに殺されたく無いよ……助け……て」
ガクッ……
恭一「潤……おい潤!!しっかりしろ!!潤!ジューーーーン!!」
恭一は亡き妹を見て号泣し、勇人は煙草を吸いながら恭一に言った
勇人「スゥ………フゥ……先ずは一人目の『処刑』が完了したな」
勇次「……だな」
恭一「ッ!?処刑だと!!貴様ァ!!よくも……よくも潤を!!ぶっ殺してやる!!」
美奈「ッ!?大将、此処は私達に……」
美奈は勇人を怒り狂った恭一から守る為に勇人の前に走って移動をしたが、勇人は美奈を止める様に手を差し出し、殺意の籠った雰囲気を醸し出しながら言った
勇人「待て、此処は俺が殺る……作戦とは言えアイツが
恭一「此処で死ねぇ!!上城ォォォォ!」
勇人「行くぞゴルァァァァ!!」
勇人は恭一が勇次に行った行為に恭一と同じく怒り狂った口調で恭一に挑発すると恭一は勇人の挑発に更に怒りが込み上がり、冷静さを失いながら勇人に突進をし、勇人も恭一に向けて突進し始めた
この