Admiral of Roughneck~From black to white~ 作:八意 颯人
美奈達が奇襲を始めた同時刻 0330
勇人が道中に処刑させるまで、残り『4時間半』
勇人「……
コンゴウ「分かりました」
勇人はコンゴウに指示を出し、縫合傷から発生する二次感染を防ぐ為に、手術した患者の全身を高速修復材を染み込ませたガーゼを張り、その上から包帯で巻き、数分後、包帯を巻き終えると、それを待ってたかの様に患者は目を覚ました
患者「……うっ……うう……」
勇人「気が付いたか……気分は?」
勇人は患者の容態を確認すると、患者は勇人に悪態を吐くかの様に呟いた
患者「……『最悪』としか言えないよ……『あの時』の思い出が完全に『蘇ったよ』……後、包帯のせいで動けないし喋り難い……外して……」
患者は勇人に悪態を吐きつつ、包帯を外す様に頼むと、勇人は患者の容態に安堵しつつ、患者の要求を一掃する様に呆れた口調で答えた
勇人「……最低でも『4時間』は我慢しろ」
患者「ちぇ……」
コンゴウ「艦長、あの作戦について御聞きしたい事がありますが……」
勇人は患者の要求を断ると、コンゴウは勇人に今、行っている作戦について疑問点があるのか、腕を組み、右手を自身の顎を触れながら勇人に聞くと、勇人はコンゴウの疑問点を察したのか、少し沈黙し、コンゴウに聞いた
勇人「………『道中恭一』と『
コンゴウ「ッ!?」
患者「……」
勇人は美奈達が
コンゴウ「そうです……しかも破棄されたとは言え、奴らは『
コンゴウは勇人の事が心配しているのか、焦りが入った強い口調で答えると、勇人はコンゴウの心配を察し、溜め息を吐き、小声でコンゴウの質問に答えた
勇人「……分かった、これは美奈と未来しか伝えていない『この作戦の
勇人は美奈と未来だけしか教えていない『
勇人「……と言う訳だ」
勇人は美奈と未来しか知らない
コンゴウ「艦長!!間宮を……美奈を
勇人「……まぁ只では済まないな……最悪『
コンゴウ「分かっているのなら、何故変更しないのですか!?」
コンゴウは自分の命を軽く見ている勇人に頭に来ているのか、更に声を荒げ、今にも胸倉を掴む勢いで勇人に聞くと、勇人はコンゴウを窘めながら答えた
勇人「落ち着けコンゴウ、これは恭一の性格を
コンゴウ「……確かにそうですが……しかし、私は……」
コンゴウは勇人の作戦の
勇人「お前の……いや、お前達の気持ちも分かる、だが『勝利を得る為には、それ相当の
勇人はコンゴウに頭を下げ、御願いをすると、コンゴウは冷静さを取り戻し、勇人の本当の作戦に乗り気では無いのか、少し顰めながら言った
コンゴウ「……本当は反対だが、
勇人「スマン……お前まで『汚れ仕事』を……」
勇人はコンゴウも勇人と同じ仕事を行う事に申し訳無く思っているのか、俯きながら言うと、コンゴウは頭を抱え、溜め息を吐き、答えた
コンゴウ「……間接的とは言え、二人には『恩義』と『
勇人「……助かる」
患者「悔悟の情?」
患者はコンゴウが言った『悔悟の情』言わば『コンゴウ自身の
コンゴウ「……二人……いや三人を『
コンゴウは予め、勇人から
患者「あれは気にしていないよ、コンゴウさん達だって群像さん達みたいに、道中の夫である李に
コンゴウ「……艦長に
患者「まぁね♪」
勇人「……話は済んだか?なら
コンゴウ「分かりました」
患者「うん……」
勇人は二人にそう言い、別の作業に取り掛かった
そして、手術室前では……
千川「……泣けるな、アイツが『そんな事』を考えていたなんて……全く……」
一馬「……馬鹿息子が……何でもかんでも『背負い過ぎ』だ……俺たちが居るのに……」
紫「……同意見だわ、私達も勇人の負担を減らす為に、一緒に
千川「……そうですね」
一馬「ああ」
三人は勇人の『本当の作戦』を盗み聞きをし、神妙な表情で手術室を後にした
そして、道中達のアジト付近の海域にて
道中「……ま……間宮……だと!?何故『補給艦』が……」
美奈「………漸く現れましたね……道中さん」
道中達は戦場に出ると、美奈は未来達に『酷い事』をした道中に怒りを抑え、神妙な表情で言うと、道中は美奈が出た事に面を喰らいつつ、美奈達を嘲笑うかの様に笑いながら言った
道中「フフフ……アハハハハハ!!私達も舐められたモンだわ!まさか補給艦
美奈「……それがどうかしたんか?ウチはワレみたいな
道中「ッ!?小娘ねぇ……まぁ中身が
美奈「それはワレには言われとうないわ……『
道中「チッ!減らす口を……」
美奈「それは御互い様や……『最近の
道中「なっ!?」
美奈は道中の挑発に乗らない様に、挑発で返すと、美奈の言葉に朱里と敷島を初め、佐世保、舞鶴そして蒼き鋼全員が気不味そうに美奈に言った
佐世保及びショートランドの艦娘達「……ごめんなさい、ビックマウスな
舞鶴の艦娘達「上と同じく……」
朱里 敷島「身内が大変ご迷惑を御掛けします……」
蒼き鋼全員 戦艦女帝「……ごめんなさい、生意気な半人前で……」
美奈「……ごめんなさい、『
道中「アバッ!?」
美奈は仲間達に誤解を与えてしまった事を謝罪し、先程の言葉を訂正すると、道中は面を喰らいつつ、道中は美奈を怒らす為に、未来達に行った悪行をさらけ出した
道中「……まぁ良いわ……アンタ達も防空……いえ秋月と同じ目に逢わせてあげるわ……私の『
美奈「商売道具?」
美奈は道中が言った『商売道具』について怒りを押し殺し、眉をピクリと動かし、苛つきながら聞くと、道中は美奈達の精神を狂わせる為に高々と答えた
道中「ええ、曾ての防空棲姫……秋月を私の
そう、道中は提督業をしている傍ら、裏で艦娘達を風俗染みた事をしたり、更には人身売買をし、巨額の富と権力を手に入れていたのだ
道中は美奈達を脅しも兼ねて、美奈達に
美奈「……せへん」
道中「え?何だって?もしかして怖じ気付いたの?」
道中は美奈を逆撫でる様に聞き返すと美奈は必死に溜め込んでいた怒りを爆発したか、道中に怒鳴った
美奈「許せへん!!ワシの大事な娘に、そないな事をさせて!!生きて帰せると思うなや!!」
美奈は自身の怒りで暴走し、バットを持ち、そのまま道中に殴ろうとした途端、霊夢と魔理沙は慌てて止めに入った
霊夢「ちょ!?美奈さん!?落ち着いて!此処でキレたら相手の思うツボよ!!」
魔理沙「そうだぜ!あのアバズレを殺したい気持ちも分かる!此処は……」
美奈「二人は黙ってろ!!邪魔するんなら……殺すで!!」
霊夢 魔理沙「ッ!?」
美奈は止めに入った霊夢と魔理沙に殺意を込めながら一喝すると朱里は静かに美奈を止める様に手を前に出した
美奈「……朱里さんも止めるんか?」
美奈は殺意の籠ったドスの効いた声で言うと、朱里は静かに頭を横に振り、美奈に言った
朱里「アンタ独りで殺るんか?」
美奈「……だったら何や」
美奈はドスの効いた声で答えると朱里もまた、顔には出て無いが、声から察するに『相当怒っている』のか、美奈と同じくドスの効いた低い声で答えた
朱里「……私も
朱里もまた、道中の悪行に怒り浸透しているのか、美奈とタッグを組む様、お願いすると、美奈は朱里の心情を察したのか気合いの入った強い口調で答えた
美奈「勿論や!!さぁ朱里さん……行くで!!」
朱里「ええ!
朱里 美奈「此処で死にさらせぇ!!道中ァ!」
二人は殺意の籠った声を荒げつつ、そのまま道中に向かって攻撃……いや殺しに向かった
そして道中も……
道中「上等!掛かって来い!!ババア共!!」
道中もまた殺意の籠った声で二人を殺しに向かった
今、
皆の怒りをぶつけ合うかの様に……
勇人が道中達に処刑されるまで、残り『4時間』……