Admiral of Roughneck~From black to white~ 作:八意 颯人
勇人達が伊400に向かっている頃 伊400 客間にて
未来「……あ……あの……」
戦艦女帝「ん?」
未来は漫画『ブラ〇クラ〇ーン』を読んで寛いでいる戦艦女帝に戸惑っているのか、少しぎこちない口調で質問した
未来「ほ……本当に……お父さんの別人格なの?」
戦艦女帝「そうだよ、未来ちゃんからすれば……伯母さん?お姉さん?う~ん……分かんないや」
空母ヲ級「……分かんないって……もう少し自分の事を真剣に考えた方が……」
ヲ級は戦艦女帝の不真面目な態度に少し苛ついているのか、反抗的な態度で言うと、戦艦女帝はコーラを一口飲み、海老煎を食べながら言った
戦艦女帝「だって、私だって分かんない時もあるもん……それに御兄様は御兄様、私は私よ……性格の違い位は出るよ」
港湾水鬼「……私は私……か……女帝様、私にも海老煎を分けてくれませんか?」
北方棲姫「女帝ちゃん!!私も頂戴!!」
港湾水鬼「コラ!北方!!女帝『様』でしょ!!」
戦艦女帝「別に良いよ……後、港湾さん、女帝『様』は止めてくれない?私……港湾さん達と同じ深海棲艦だよ」
北方棲姫「そうだよ!しかも、女帝ちゃんは勇人さんと同じく『優しい人』だよ!そんなに怖がらなくても良いよ!」
戦艦女帝は海老煎を袋ごと港湾水鬼と北方棲姫に渡し、様付けについて嫌がっているのか、少し顰めっ面になりながら言うと、港湾棲鬼は戦艦女帝の要求を拒否しているかの様に頭を横に振り、答えた
港湾水鬼「いえ、そんな大それた事を……私には出来ません」
戦艦女帝「……なんか『嫌われている感じ』でへこむよ……あ!?北方ちゃんもコーラ飲む?」
北方棲姫「うん!!いっぱい淹れてね!」
戦艦女帝「りょーかい!」
戦艦女帝は港湾水鬼の発言に少し落ち込みつつ、北方棲鬼と共に会話を楽しんでいると……
未来「……女帝さん、少し御話しをしたいのですが……」
戦艦女帝「え!?会話に入りたいの?新しい海老煎を持って来るから少し待って……」
未来「違います!!雑談じゃなくて相談事です!」
戦艦女帝「なーんだ……で、その相談とは?」
戦艦女帝は少し落胆し、未来の相談事について聞くと、未来は神妙な表情で戦艦女帝に悩みを打ち明けた
未来「……道中みたいに悪い人が
未来は自身が艦娘『秋月』の時に味わった地獄を、
戦艦女帝「んなもん……
未来「殺すって……そこは、お父さんと同じ事を言うんだね……」
戦艦女帝「まぁね……まさか未来ちゃん、頭では分かっているけど、
未来「ッ!?」
戦艦女帝は未来の気持ちを察したのか、未来の気持ちを当てると、未来は黙り、少し混乱しながら戦艦女帝に言った
未来「そうかも知れません……ううん、そうだよ!頭では分かっているよ!!秋月にならないと折角逢えた『お父さん達』が道中達に殺されてしまう事位!!だけど……だけど……」
未来は混乱し、泣きながら戦艦女帝に訴えると、戦艦女帝は神妙な表情になり、未来の言葉を訂正するかの様に少し強い口調で言った
戦艦女帝「……確かに未来ちゃんの気持ちは分かる、だけど未来ちゃんの場合は御兄様の事を
未来「……考えておくよ」
戦艦女帝は未来の悩みを一掃しつつも、勇人に全てを託す様に言うと未来は一言だけ返し、そのまま俯いた
戦艦女帝「……これは御兄様が苦労する訳だわ……そうでしょ?御兄様に美奈お姉さま?」
勇人 美奈「ッ!?」
戦艦女帝は未来の様子を見て、呆れつつも、扉越しに盗み聞きをしていた二人に言うと、二人は申し訳無さそうに入ってきた
勇人「……すまん、盗み聞きをするつもりは無かったんだが……」
美奈「本当にごめんなさい……」
二人は未来達に頭を下げると、未来は二人が此処に来た理由を憶測ではあるが聞いた
未来「……ひょっとして、私が艦娘になる様に説得しに来たの?」
勇人「……ああ」
未来の質問に勇人は先程の盗み聞きに罪悪感を感じていたのか、少し俯きながら言うと未来は戦艦女帝の説得に応じたのか、覚悟を決めたかの様に真剣な表情で勇人達に言った
未来「……分かったよ、私……
美奈「え!?」
勇人「……秋月に戻れば、艦娘の時の
そう、未来は艦娘に戻る事を決意したのだ
美奈は未来の発言に驚愕し、勇人は未来が艦娘の時に虐げられた記憶が蘇る事を危惧しているのか、忠告すると未来は覚悟が入っているのか、勇人に強い口調で答えた
未来「うん!それに、お父さんも
美奈「未来……」
勇人「……分かった、それなら『あの作戦』が使えるな……二人共、耳を貸してくれ………ゴニョゴニョ……」
美奈は未来の言葉に只々、驚愕していると、勇人は未来の意志を尊重し、未来の精神的負担を配慮した作戦を二人の耳元で小さく言い、二人に聞いた
勇人「……という作戦だ」
美奈「ッ!?それじゃ大将が……」
未来「確かに『その作戦』なら私だけではなく、みんなの負担が軽くなるし、
二人は勇人の作戦に反対しているかの様に、少し戸惑いながら言うと、勇人は微笑みながら言った
勇人「気にするな……俺の『
勇人は二人にお願いをすると美奈は勇人の作戦に乗ったのか、決意のある強い口調で答えた
美奈「……分かりました、その時は……
勇人「……決まりだな、よし!オメェラ!!今から未来と戦艦女帝以外『全員』を艦娘に戻すぞ!」
深海棲艦全員「私達を艦娘に……って、艦娘!?」
深海棲艦達は勇人の言葉に驚愕すると、美奈は勇人の作戦の一部ではあるが、簡潔に説明した
美奈「大丈夫よ、これは『道中達を騙す』為に艦娘に戻すのよ……この作戦が終わったら元に戻すから……ね?大将?」
勇人「ああ……未来……いや俺達の為に……協力してくれないか?頼む!!」
勇人は代表として今の和平派の深海棲艦のリーダーである港湾水鬼に頭を下げると、港湾水鬼は慌てながら勇人に言った
港湾水鬼「ちょ!?勇人さん!!頭を上げて下さい!!貴方ほどの凄い漢が私達に頭を下げる必要なんて無いですよ!!それに、勇人さんは私達に『命令』したじゃないですか……『
深海棲艦全員「うん!!だから……顔を上げて下さい!勇人さん!!」
港湾水鬼達は自身を救ってくれた勇人の事を絶大に信頼した上で勇人達の御願いを了承すると、勇人と美奈は頭を下げながら言った
勇人「本当に……ありがとう……お前ら……」
美奈「ありがとう……ございます……」
深海棲艦達「だから顔を上げて!お母さんに勇人さん!!私達、一応『敵』だから!!」
勇人「……そうか、よし!!今から未来以外の深海棲艦全員の手術を開始するから金剛に来てくれ、美奈は俺が考えた作戦を親父達に伝えてくれ……但し『あの事』は伏せておけよ……道中達を欺く為に……な?」
勇人は頭を上げ、先程の作戦を一馬達に伝える様、指示を出すと、美奈は「分かりました」と了承し、執務室に戻った
勇人「さぁーて……第2ラウンドと行くか……精々、
勇人は微笑みながら呟き、軍艦『金剛』に移動し、数分後、未来以外の深海棲艦達の手術を開始した
まるで、