Admiral of Roughneck~From black to white~   作:八意 颯人

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第85話「早苗の願い」

1300 佐世保鎮守府 食堂にて

 

早苗「……という訳です」

 

早苗は今起きている舞鶴の問題である勇人の前世の妻子である美奈と未来の為に5年前『捨てた能力』を再び取り戻した事や勇人の魂が分割された事、幻想郷の住人達が勇人に協力している事、そして一番の問題である道中について事細かに説明すると、その事に居た全員が黙り混み、黙然とした状態を変える様に那智が早苗に聞いた

 

那智「……つまり貴s……じゃなかった、貴女は今、提督が()()()()()()()を片付けるのを()()()()()()()……という訳だな?」

 

那智が簡潔に早苗の要望を纏め、質問すると、早苗は頷き、肯定した

 

早苗「はい……」

 

青葉「……何か色々とブッ飛んだ問題ですね……司令官が『森羅万象を司る(化け物染みた)能力』を手に入れたり、前世の妻子の関係や李の妻である道中の復讐、更に貴女達『幻想郷』の人達が青葉達と『()()()()()()』なんて……とてもじゃないですが、()()()()()()()ですね」

 

青葉は今、勇人が抱えている問題や早苗の要望を簡潔に纏めつつ、あまりにも現実離れした問題に早苗の言葉に信用出来ず只々、呆れていた

 

早苗「確かに現実離れをした『ブッ飛んだ問題』ですが……これは本当の話です!!皆さん!信じて下さい!!御願いします!!」

 

早苗は自身の説明に信用していない青葉達に訴える様に少し涙声になっているが、強く、はっきりとした口調で頭を下げると、頭を下げた早苗を見て『ある艦娘』が早苗に優しく言った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

足柄「……私は()()()()わ、早苗ちゃん……私達に出来る事があれば教えて!」

 

隼鷹「異世界の住人との共同作戦か……面白そうじゃん!私は()()()()!」

 

早苗「ッ!?……あ……足柄さんに……隼鷹さん……ありがとうございます!」

 

そう、足柄と隼鷹が早苗の言葉を信じ、早苗の要望を承諾すると、早苗は二人が信用してくれた事に感謝し、頭を下げると二人は懐かしいそうに早苗に言った

 

隼鷹「気にすんなって!しかし昔と変わっていないんだな……確か……何年振りだっけ?」

 

足柄「ハァ……()()よ、お久しぶりね……()()()()()

 

早苗「5年……それに……その()()は学生時代の……ッ!?まさか……蘭花さんの!?」

 

早苗は二人の発言に学生時代の事を思い出し、二人は曾て蘭花の秘書艦だった事を知り、驚愕しながら聞くと、二人は微笑みながら言った

 

足柄「漸く思い出してくれたわね……サナチャン」

 

隼鷹「久しぶり!!相変わらず良い乳しているな!!」

 

ムニュ……

 

早苗「ちょ!?早速セクハラですか!?」

 

隼鷹「良いじゃん♪減るモンでもないし♪」

 

モミモミモミモミ………

 

早苗「それ、完全に『酔っ払ったタチの悪いオッサン』のセリフですよ!!ってか離して下さい!!」

 

飛鷹「………いい加減にしろ!!このドアホ!!」

 

ゴン!!

 

隼鷹「ひでぶ!!」

 

隼鷹は早苗に抱き着きながら、早苗の豊満な胸を鷲掴みしながら早苗との再会を嬉しそうに言い、早苗は隼鷹の酔っ払いのオッサン染みた(セクハラ)行為から解放したいのか、暴れていると隼鷹の背後から飛鷹が隼鷹の頭に拳骨を与え、早苗に頭を下げ、謝罪をした

 

飛鷹「……ごめんなさい早苗さん、ウチの隼鷹(バカ)が……」

 

隼鷹「痛ッ~………飛鷹!!誰がバカだ!!」

 

飛鷹「アンタ以外、誰が居るのよ!!アンタの知り合いとは言え、挨拶代わりにセクハラをする艦娘(馬鹿野郎)なんて居ないわよ!!ほら!アンタも謝りなさい!」

 

妙高「隼鷹さん!!」

 

隼鷹「ちぇ……ごめんな……ちと『やり過ぎ』たわ」

 

早苗「はぁ~……別に良いですけど……」

 

隼鷹は飛鷹と妙高の一喝に反省したのか、頭を掻きながら謝罪すると早苗は少し呆れながら許すと杏平は少し前屈みになりながら小声で群像に言った

 

杏平「群像、少しトイレに行ってくる……」

 

群像「ハァ……」

 

静 いおり イオナ「……最低」

 

僧「()としての気持ちは分かりますが、此処は耐えて下さい」

 

杏平「はい……完全に生殺しだ……」

 

杏平は蒼き鋼全員に説得(非難)され、渋々、我慢するのであった

 

陸奥「……ねぇ早苗ちゃん」

 

早苗「はい、何でしょうか?」

 

陸奥「幻想郷の住人達って、全員『能力』持ちなの?」

 

陸奥は能力について聞くと、早苗は微笑みながら了承し、答えた

 

早苗「全員が能力を持っている訳ではありません、持っているのは神様、妖怪、妖精、天狗、魔女、鬼そして一部の人間しか持ってませんよ」

 

陸奥「神様に妖怪それに鬼!?まさか早苗ちゃんや犬走少尉も!?」

 

陸奥は早苗の発言に驚き、椛と早苗に聞くと、二人は至極当然な表情で答えた

 

椛 早苗「はい、持っていますよ」

 

陸奥「……ちなみに、どんな能力を?」

 

陸奥は二人の言葉に呆れながら聞くと、二人は自身の能力について簡潔に説明した

 

椛「私は『千里先まで見通す程度の能力』です」

 

陸奥「千里!?一里って大体4㎞だから……ッ!?()()()()()先まで見えるの!?」

 

椛「そうですよ」

 

陸奥「艦載機要らずの能力だわ……羨ましいわ……」

 

長門「マサイ族みたいな能力だな……それで早苗さんは、どんな能力を?」

 

陸奥は椛の能力に驚き、長門も椛の能力に少し驚きながらも早苗の能力について聞くと、早苗は言いたく無いのか、言葉を濁らしながら伝えた

 

早苗「私の能力は……あまり実用的な能力ではありませんよ……それに陸奥さんや扶桑さん、そして山城さんには()()を買ってしまうので……」

 

陸奥「反感?早苗ちゃんの能力って一体……」

 

扶桑「私達に関係のある能力なの?」

 

山城「まさか……『不幸を起こす程度の能力』では無いでしょうね?」

 

陸奥は早苗の『反感』という言葉に引っ掛かり、扶桑型と共に、更に追及すると、椛が早苗の代わりに早苗の能力の正体を伝えた

 

椛「真逆ですよ山城さん……彼女は『()()()()()()程度の能力』を持っています」

 

陸奥「……え」

 

扶桑「今……」

 

山城「私達とは無縁の言葉を聞いたような……早苗さん、貴女の能力って?」

 

三人は椛の言葉に目を瞬きをし、信じられないのか、早苗に聞くと、早苗は三人の反感を買う覚悟で自身の能力を打ち明かした

 

早苗「……そうです、私は『奇跡を起こす程度の能力』を持っています」

 

陸奥 扶桑 山城「……」

 

早苗は自身の能力を聞いてくれた三人の神妙な表情に怖くなり、そのまま黙り混んでいると、三人は早苗にとって意外な発言をした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

陸奥「奇跡!?早苗ちゃん!何故、こんなに『()()()()()』能力を持っていた事を黙っていたのよ!」

 

扶桑「全くよ……私達に気を使う必要が無いじゃない」

 

山城「少しは自信を持って!これは貴女が手に入れた能力だから!」

 

早苗「………へ?妬んだりしないのですか?特に扶桑さんと山城さん……」

 

陸奥「妬む必要が何処にあるのよ?」

 

扶桑型姉妹「他の鎮守府の私達と一緒にしないで……提督が着任した時点で不幸なんて起きた事が無いわよ……提督が私達の()()を受けているから

 

長門(同情します……提督……)

 

早苗「……良かった、皆さんの寛大な心に感謝します!!」

 

早苗は三人が早苗の能力に褒め称えている事に戸惑いつつ、安堵すると扶桑は早苗の能力について聞いた

 

扶桑「気にしないで……ちなみに、その『奇跡』は早苗さん以外の人も対象になるの?」

 

早苗「……まぁ『その気』になれば()()()()()()()()()()も可能です」

 

陸奥 扶桑「ッ!?何……だ……と……」

 

山城「……早苗さん!是非、佐世保に残って下さい!!」

 

早苗は扶桑の質問に答えると、陸奥と扶桑は驚愕し、山城は早苗の能力に頼りたいのか、佐世保に残る様、強く言ったが早苗は、そんな山城に申し訳無さそうに答えた

 

早苗「スミマセン……私には巫女(本業)があるので、残る事は出来ません」

 

山城「……そうだったわね、無理難題な事を言って御免なさい……」

 

早苗「いえ、此方こそ要望に御答え出来なくてスミマセン……」

 

扶桑「早苗さんが落ち込む事は無いわ……それに山城、提督に頼んで守谷神社(幻想郷)に行ける様にすれば良いじゃない?そうすれば早苗さんの業務に支障が出ませんし、私達も非番の時に守谷神社に()()()()()()()()

 

早苗「ッ!?」

 

扶桑は落ち込んだ山城と早苗を慰めつつ、山城とは逆の提案を言うと、早苗は先程の落ち込んだ表情から一転、喜びに満ちた表情になり、意気揚々と答えた

 

早苗「それなら大歓迎ですよ!!幻想郷の住人達も貴女達『艦娘』と逢いたがっていますので!!」

 

陸奥「フフッ……決まりね」

 

長門「はぁ~……お前達なぁ……また提督の仕事を増やして……」

 

武蔵「まぁ良いじゃないか……あの義理堅い提督の事だ、この問題が終わったら幻想郷の住人に御礼参りをすると思うからな」

 

長門「……否定出来んな」

 

陸奥は微笑み、長門は勇人の仕事が増えた事に同情し、武蔵は勇人の性格を知った上で長門を窘めると青葉は早苗に言った

 

青葉「では、取材を終わらして頂きます……御協力有難う御座います」

 

早苗「此方こそ、今回の作戦の増援を認可して頂き有難う御座います!」

 

間宮「なら、今回の作戦の交流会と言う事で……皆さんと『御茶会』にしますか?」

 

陸奥「フフッ……そうね」

 

金剛「そうと決まればティータイムデース!!」

 

間宮は取材が終わった事を察し、全員と御茶会をする提案を言うと早苗を始め全員が御茶会(交流会)を始めた

 

今回の作戦の必勝祈願も兼ねて……


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