Admiral of Roughneck~From black to white~   作:八意 颯人

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どうも、私ですm(_ _)m

下らない事ですが、最近、本編のUAを見たのですが……エr……ゲフンゲフン、お色気回だけが急激に多い様な気がします( ;´・ω・`)

何でやろ?


第78話「龍の封印された能力の解放 後編」

1830 幻想郷 守矢神社にて

 

早苗「……ハヤチャン……大丈夫かな……」

 

早苗は神社の石段に座り、勇人の事が心配なのか、不安そうに俯くと上空から色違いではあるが、早苗と同じく脇の空いた巫女服を着た十代後半の黒髪の女性が降りて来て、早苗に言った

 

女性「……勇人の事が心配?」

 

早苗「ッ!?霊夢(れいむ)さん!?ハヤチャンの所に行って無かったのですか!?」

 

早苗は女性……『博麗(はくれい) 霊夢(れいむ)』の登場に驚くと、霊夢は疲れた表情になり、気だるそうに答えた

 

霊夢「ええ、勇人が休暇に入ったから幻想郷に()()()のよ……はぁ……あのババア……隙間(能力)を使って、私を()()にして……」

 

そう、勘の良い皆様は御気づきだと思うが、『ババア』とは紫の事を察しており、霊夢は紫の命令で勇人の艤装の妖精(作業員)として活動していたのだ

 

しかも……

 

霊夢「……しかも、報酬が無いのよ!!そりゃ、勇人に恩があるし、『又従兄弟』の為だからって……幾らなんでも、ボランティアは有り得ないわよ!!」

 

報酬が無い……つまり『慈善活動(ボランティア)』で行っていたのだ

 

霊夢の怒りの含んだ不満に早苗は……

 

早苗「あはは……お疲れ様です……」

 

苦笑いをしつつ、只、霊夢に同情するしか無かった……

 

霊夢「……まぁ、それは後で紫と()()()をして……アイツは何故『封印させた壺』を勇人に解放させたの?アレを再び解放したら、勇人はアンタと同じく現人神(あらびとかみ)……いや、勇人の場合は『戦艦三笠』の付喪神(つくもがみ)になるわよ……只でさえ()()()()()、軍艦の精霊である()()()()()()()()のに……」

 

霊夢は勇人が付喪神になってまで『今回の問題』を解決させたい理由について苛ついていると早苗は苦笑しながら答えた

 

早苗「ハヤチャンの場合……蒼霧事変の時に御世話になった人達への『恩返し』の為に能力を解放したと思います」

 

霊夢「それは分かっているけど……恩返しとは言え、やり過ぎよ!能力を解放せずに『私達』を頼れば良いものの……あの馬鹿……何故……私達を頼ってくれないの……早苗だけでは無く、私だって……『勇人の事が好き』なのに……何で問題事を独りで抱え込むの……」

 

早苗「霊夢さん……」

 

霊夢は最初は怒りの含んだ強い口調で言ったものの、徐々にに口調の強さが弱くなり、最終的には少し涙声になった状態で呟くと早苗もまた、勇人の事が諦めていないのか、霊夢に同情するように呟いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 舞鶴鎮守府 食堂にて

 

勇人「ウグッ……チッ……」

 

紫「勇人!高速修復材を掛けるわよ!!」

 

勇人「ああ……」

 

W赤城「せぇーのぉ!!」

 

バッシャーン!

 

舞鶴鎮守府では勇人が嘗て『捨てた能力』を再び身体に馴染ませる為に舞鶴、佐世保及びショートランドの艦娘達、上城一家そして敵である深海棲艦までもが勇人に『ありったけ』の高速修復材を掛けていた

 

勇人「チッ!……まだだ!!」

 

紫「次!!」

 

吹雪「はい!!」

 

勇人は右腕の激痛に耐えながら顔を歪み、怒鳴り、艦娘達は勇人に高速修復材を掛け続けていると、勇人に『ある変化』が現れ、勇人の変化に美奈と未来は真っ先に気付き、驚愕した

 

美奈「ッ!?大将の髪が……『銀髪に染まりながら伸びている』!?」

 

未来「しかも、目の色が『赤色』に!?」

 

そう、勇人の髪が銀色に染まりながら伸びていき、目も日本人特有の茶色の瞳から赤色に染まって来たのだ

 

紫は美奈と未来の発言を聞き、みんなを急かす様に強く言った

 

紫「ッ!?もう少しよ!!勇人の能力が身体に馴染み始めているわ!!此処からが正念場よ!!」

 

艦娘全員「はい!!」

 

紫「勇人!そして戦艦女帝!!此処からが正念場よ!!意地でも能力を『抑えなさい』!!」

 

勇人「言われなくても……」

 

戦艦女帝「分かってるつーの!!」

 

紫は勇人と戦艦女帝を激を飛ばすと能力の制御が不安定なのか、勇人は戦艦女帝と入れ替わりながら力むと勇人の身体は徐々に発光し始め、紫は直ぐ様、能力を発動させた

 

紫「ッ!?隙間解放!!」

 

紫は勇人を隙間の内部に入れさせ、隙間を閉じさせた

 

紫「ふぅ……これで一安心ね……」

 

美奈「あの……大将は?」

 

紫は安堵し、椅子に座ると美奈は隙間の中に消えていった勇人の容態について聞くと、紫は疲れきった表情で答えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫「……能力の『再解放』に成功したわ、後は光が収まれば自分から隙間を抉じ開けて出てくる筈だわ」

 

美奈 上城一家 千川「ホッ……」

 

艦娘及び深海棲艦全員「はぁ~……良かった……」

 

未来「……本当に……良かった……」

 

紫の言葉に、その場に居た全員が安堵し、中には安心しきって腰を抜かす者まで居た

 

そして……

 

 

 

 

 

パン!!

 

紫以外全員「ッ!?す……隙間が……『破裂した』!?」

 

紫「え!?嘘!?私の隙間が一瞬に……まさか!?」

 

勇人を閉じ込めた隙間が破裂したの様に抉じ開けられ、その場に居た全員が抉じ開けられた隙間を見て、警戒していると……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦艦女帝「……あ"ー……きつかった……ほら!御兄様も早く!」

 

勇人に似た銀髪赤目の男「分かったから急かすな……」

 

敷島 朱里 一馬 蘭花「え!?勇人!?」 

 

優花「勇人……君?」

 

勇次「んな!?」

 

蘭「な!?」

 

沙耶「嘘……」

 

舞鶴の艦娘及び深海棲艦達「大……将?」

 

佐世保の艦娘達「戦艦女帝ちゃんに……この人、誰ですか!?」

 

未来「ヒッ……」

 

美奈「え……誰、このブ〇リーを銀髪にした様な人は……」

 

千川「どちらかと言うと、セフィ〇スに似ているんだが……まぁ、それは置いといて……ひょっとして……上城か?」

 

隙間から出て来た戦艦女帝と勇人に似た長髪の銀髪赤目の男に紫以外『全員』が驚き、千川は恐る恐る、銀髪の男に聞くと、男は疲れきっているのか、覇気の無い口調で答えた

 

銀髪赤目の男改め『勇人』「ああ……ってか、ブ〇リーにセフィ〇スって……完全に悪役じゃねぇか……」

 

美奈「いやいやいや、この姿は……どう見たって『悪役』ですよ!!」

 

千川「しかもラスボス級の!!」

 

未来を除く深海棲艦達「……正直言って、今すぐにでも『無条件降伏』をしたい位『おっかない』です」

 

千川と美奈は色んな意味で変わり果てた勇人にツッコミを入れる様に驚きつつ言うと、未来は勇人の様子を見て怖がりつつ、近付きながら言った

 

未来「ほ……本当に……お父さんなの?」

 

未来は色々と変化した勇人に不安を感じながら言うと、勇人は微笑み、優しく未来の頭を撫でながら言った

 

勇人「ああ……心配掛けて悪かったな……未来……」

 

未来「ッ!?……お父さん!!」

 

未来は外見が変わったが内面は()()()()()の勇人に安心し、泣きながら勇人に抱き付き、涙声になりながら言った

 

未来「本当に心配したんだよ!!私達の為だからって、あんな危ない事をして……この馬鹿親父!!」

 

勇人「馬鹿親父って……その口の悪さ……誰に似たんだ?」

 

未来「そんなの、()()()()に決まっているでしょ!!」

 

勇人「()()()の?」

 

美奈「……勇人君(大将)の方だと思います」

 

勇人「泣けるぜ……なぁ紫、直ぐに元に戻りたいんだが、どうすれば良いんだ?」

 

勇人は未来の言葉に苦笑しつつ、紫に質問すると、紫は今の勇人の状態に微笑ましくなりながら答えた

 

紫「フフフ……それは簡単よ、艤装を解除すれば元に戻るわ」

 

勇人「そうか……なら、艤装解除……っと」

 

勇人は艤装を解除すると、髪は黒くなりつつ短くなり、目も日本人特有の茶色に戻り、服装も金剛型に近い和装から少し着崩れした提督の制服に戻り、安堵すると戦艦女帝は『ある違和感』を感じ、言った

 

それは……

 

 

勇人「ふぅ……この姿だと軍の規律に引っ掛かるからな……良かったぜ」

 

戦艦女帝「うん………ん?あれ?御兄様と融合()()()()()()()()()……それに()()()()!!」

 

そう……戦艦女帝が勇人と融合せず、トレードマークである羽が無くなっていたのだ

 

勇人「あ……そう言えば……紫、まさか……俺と戦艦女帝を分離させたな?」

 

勇人は戦艦女帝の言葉に首を傾げながら紫に聞くと、紫は微笑みながら言った

 

紫「当たり前じゃない……そうしないと勇人が()()()……いえ()()()になれないじゃない」

 

蘭花以外の上城一家「やっぱり……最初から、()()()()()で……」

 

艦娘及び深海棲艦全員「付喪神?」

 

優花 蘭花 千川「はぁ!?付喪神ィ!?」

 

美奈「提督に大尉、蘭花さん、知っているのですか?」

 

紫の発言に蘭花を除く上城一家は紫の考えがわかっていたのか、溜め息を付き、艦娘及び深海棲艦達は首を傾げ、蘭花、優花そして千川は付喪神の意味を知っているのか驚愕し、美奈は驚愕した三人に付喪神について質問すると三人を代表として優花と千川が全員に分かりやすく付喪神について説明し始めた

 

優花「……簡単に言えば『物に霊が宿って誕生する妖怪』の事よ」

 

千川「代表的な例が『百鬼夜行』に描かれている妖怪達がそうだ」

 

二人が付喪神について簡潔に説明すると美奈は先程の勇人の姿と想像してた妖怪とのギャップに戸惑いながら言った

 

美奈「……大将の場合、妖怪というよりかは悪役風の神様みたいな雰囲気だったのですが……」

 

勇人「……ガチの妖怪の姿よりかはマシだろ」

 

美奈「……そうです……って!?妖怪になれるのですか!?」

 

艦娘及び深海棲艦全員「ッ!?」

 

美奈は勇人の言葉に驚きながら聞くと、勇人は呆れながら言った

 

勇人「んな訳、無ぇだろ……つーか、なってたまるか」

 

美奈「……良かった」

 

未来「……正直言って、見たかったな……」

 

艦娘及び深海棲艦全員「止めて!」

 

美奈「未来!!」

 

未来「冗談だって……」

 

勇人「……泣けるぜ」

 

勇人の言葉に全員が胸を撫で下ろすと紫は美奈と勇人のやり取りを見て微笑ましくなりながら呟いた

 

紫「フフフ……流石、三人の前世が()()()だから息がピッタリね……微笑ましいわ……」

 

美奈 未来「ッ!?」

 

勇人「ん?何か言ったか?」

 

美奈と未来は紫の呟きが聞こえたのか驚愕し、勇人は聞こえなかったのか、紫に聞くと、紫は「何でも無いわ」と答え、続けて言った

 

紫「まぁ、今の勇人の状態は『現人神』……()()()()()()()()()になっているから多少、制限されているが能力が使えるわよ……それじゃ、私は元の場所に戻るから、何かあったら『能力を使って』私に連絡してね♪」

 

紫はそう言い残し、隙間に入り、隙間ごと消えていった

 

勇人「……能力……か……再び『持つ事』になるとはな……さて、体力も回復したし………美奈!!」

 

美奈「ッ!?はい!」

 

勇人は気合いを入れ直し、美奈に言うと、美奈は勇人の気合いの入った声に驚きつつ、答えると、勇人は能力を解放したのか、蒼白いオーラを放しながら言った

 

勇人「2130(9時半)頃に、コンゴウの船に来い……()()()()

 

美奈「ッ!?」

 

朱里「……始める気だね……美奈さんの()()()を……」

 

勇人「ああ」

 

朱里は勇人の言葉を聞いて、朱里は勇人の言葉の意味が分かり、静かに言うと、美奈は覚悟を決めたのか、目が据わり、真剣な表情になり、気合いの入った声で答えた

 

美奈「はい!!お願いします!!」

 

千川「……上城、間宮……いや美奈を御願いします」

 

勇人「分かった……今から準備に取り掛かる……」

 

勇人は蒼白いオーラを放しつつ、()()()()()()()を勇人に示した美奈に答える様に力強く、そして父親(一馬)譲りの『強い信念』と二人の母親(優香里と朱里)譲りの『優しさ』を表しているかの様にオーラの模様が『龍』に変わりながら食堂を後にした

 

勇人の新たな()を目覚めながら……


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