Admiral of Roughneck~From black to white~ 作:八意 颯人
1700 軍艦『金剛』 特設手術室内にて
勇人「ん~……どうするかな……戦艦にするか、空母にするか……重巡も捨てがたい……」
朱里「軽巡や駆逐艦にしないの?」
勇人「年齢的にアウトだ……四十近くの人を子供にするのは……朱里「私が悪かったから言わないで!」……なら言うな」
勇人と朱里は美奈の手術の段取りを考えているのか、顎に手を添えながら思考を巡らせているとコンゴウが入室し、勇人に報告を始めた
コンゴウ「艦長に三笠、400と敷島が来ました」
勇人「そうか……え?コンゴウ、今……『敷島叔母さん』が来たと言ったか?」
勇人はコンゴウの報告に耳を疑い、コンゴウに聞くと、コンゴウは頷き、答えた
コンゴウ「はい……しかも敷島は『甥っ子に会わせて!』と懇願し、今、400が暴走した敷島を止めている所です」
朱里「……あの馬鹿姉、家で大人しくしてろと……勇人、
勇人「言われなくても分かって……」
勇人は朱里の忠告に従い、手術室から出ようとした途端……
ガチャ!
金剛に似た赤髪の艦娘「勇人ォォォォ!逢いたかったよォォォォ!!」
勇人「あ……間に合わなかったか……グハッ!?」
金剛に似た赤髪の艦娘は手術室に乱入すると、勇人に飛び付く様に抱き着き、勇人は飛び付いてきた敷島に対処仕切れず、そのまま敷島に抱き倒されると、後から伊400が入り、コンゴウと朱里に謝罪しながら言った
伊400「ごめん、三笠にコンゴウ……敷島を止められ無かった……」
朱里「……間に合わなかったか……」
コンゴウ「はぁ~……敷島、いい加減離してやれ……艦長が困っているぞ」
朱里は自身の姉であり、金剛似の赤髪の艦娘『敷島』の登場に頭を抱え、コンゴウは敷島にドスの効いた声で言うと、敷島はコンゴウの言葉を無視し、答えた
敷島「嫌!せっかく可愛い甥っ子に会えたのよ!!」
勇人「あの……兎に角、降りて下さい……身動きが取れません……」
勇人は敷島に苦手意識があるのか、普段の荒々しい口調ではなく丁寧な口調で敷島に御願いをすると、敷島は勇人の要求を拒否するかの様に、更に強く抱き締めながら言った
敷島「嫌!さぁ勇人!私とフュージョンしましょ……」
勇人「止めろォォ!誰か助けて来れェェェェ!!」
敷島は勇人の唇を奪おうとした途端、朱里が艤装を展開し、敷島に怒鳴った
朱里「いい加減にしろ馬鹿姉!!」
ゴン!
敷島「痛ッ!?何するの!?朱里!」
朱里は自身の主砲で敷島にぶつけると、敷島は頭を摩りながら言うと、朱里は敷島の
朱里「何するの……じゃないわよ!!アンタ、
敷島「何って?ジョークの入った挨拶だけど?」
敷島は微笑みながら答えると朱里は反省の色を見せない敷島に激怒し、更に怒鳴り付けた
朱里「アンタねぇ!イギリスの
敷島「はいはい分かったよ……勇人もごめんね」
敷島は朱里の長い説教を聞きたくないのか、仕方無く認め、勇人を離し、謝罪すると、勇人は溜め息を付きながら言った
勇人「やっと離れてくれたか……」
勇人は安堵すると、朱里の怒鳴り声を聞いたのか、急いで来た美奈と千川が息を荒くしながら手術室に入ってきた
美奈「朱里さん!一体どうしたので……ん?この人、誰ですか?金剛さんに似ているのですが……」
千川「上城!大丈……ん?貴女は?」
美奈は敷島について聞くと、朱里は美奈に自身の姉である敷島の自己紹介を始めた
朱里「……この
敷島「敷島よ……今はイギリスの
敷島は朱里の説明に納得いかないのか、少し怒りながら反論すると、朱里は毅然とした態度で答えた
朱里「事実でしょ?」
敷島「違うわよ!アンタみたいに『
朱里「あぁ?誰がムッツリだ?」
敷島「あら?ヤル気?」
二人は互いに睨み付けながら言うと美奈と勇人は二人の喧嘩の仲裁に入った
美奈「二人共!姉妹喧嘩は鎮守府の外でやってくれませんか!」
勇人「そうだ!
敷島「……ごめんなさい」
朱里「……見苦しい物を見せてしまったわね」
勇人と美奈は二人の喧嘩を止めに入ると、二人は渋々、謝罪すると千川は敷島の立場を聞いて、少し驚愕しながら質問した
千川「しかし……イギリス版の『柏木隊』と言われている英国最強の憲兵隊『ジョースター』の隊長が何故、舞鶴に?」
敷島「休暇を使って保護した艦娘の療養しに来たのよ……
勇人「……
勇人は頭を抱えながら敷島に聞くと、敷島も頭を抱えながら言った
敷島「今、
勇人「……はぁ!?何で
勇人は敷島の答えに驚愕し、質問で返すと敷島は勇人に申し訳無さそうに答えた
敷島「だって、
勇人「佐世保鎮守府をリゾート呼ばわりするな」
伊400「勇人……同情する」
コンゴウ「全くです……」
勇人「……一応お前達も、その
伊400「……泣けるよ」
コンゴウ「……やれやれ」
勇人は、まだ見ぬイギリスの艦娘達にツッコミを入れ、伊400とコンゴウに同情されると美奈は苦笑しつつ、勇人達に言った
美奈「まぁ、イギリスの艦娘達の治療は大将に任せて……大将に皆さん、もうそろそろ夕飯が出来上がるので食堂に来て下さい……勿論、敷島さんと伊400ちゃんもね」
敷島「え!?私達もゴチになって良いの?」
伊400「……良いの?私……結構食べるよ」
敷島は驚き、伊400は自身が大食いな為、少し遠慮しがちになっていると、美奈は伊400の不安を一掃するかの様に笑って答えた
美奈「コンゴウさんや大和さん達みたいにフードファイトする程、食べないでしょ?」
伊400「……それはそうだけど……」
勇人「……400、ここは相手の好意に甘えるのが礼儀だ……」
美奈「そうですよ♪」
千川「遠慮する事は無いよ♪」
勇人は伊400に言うと、美奈と千川も勇人の意見に賛成するかの様に答えると、伊400は美奈に頭を下げ、感謝と申し訳無さが混ざり合っているのか、少し控え目に答えた
伊400「……ゴチになります」
敷島「同じく、ゴチになります」
敷島も釣られて感謝すると美奈は微笑み、勇人達は美奈に申し訳無さそうに食堂に向かった
同時刻 道中の基地にて
道中「……恭一兄さん、今の舞鶴の状態は?」
道中は大本営に居る『恭一』と言う男と通話し、舞鶴鎮守府の現状について聞くと、電話相手である恭一は気持ち良さそうに言った
恭一「ああ……今の所、異常無しだ……大鯨も上手くなったな……アァ……」
道中「……
道中は恭一という男が大鯨と『
恭一「……あの問題児に一泡を吹かしたいんだろ?なら……良い作戦があるんだ……聞くか?」
道中「ええ……」
恭一は作戦内容を咀嚼音に似た激しい音で掻き消す様に発しつつ、道中に説明すると道中は恭一の作戦に乗ったのか、微笑みながら言った
恭一「……と言う作戦だ……乗るか?」
道中「……流石兄さん、この発想は無かったわ♪これなら……」
恭一「……決まりだな」
恭一と道中は、この作戦に勝利を確信したのか、高々に笑い、電話を切った
だが……
紫「……馬鹿ね、こんな浅知恵で勇人に勝てる筈無いでしょ……まぁ良いわ、これを勇人に報告しますか……
勇人と