Admiral of Roughneck~From black to white~   作:八意 颯人

115 / 168
第74話「波乱」

勇人が道中について説明している頃 とある森林にて

 

優香里に瓜二つの金髪の女性「……さて、貴女の彼氏……いえ()()()()()()は、道中の戦略(あの女のステージ)に、どの様に行動(攻略)をするのかしらね……早苗」

 

優香里に瓜二つの女性が顔を隠す様に扇子を開き、森林の獣道を歩きつつ、緑色の髪をした女性『東風谷早苗』に聞くと、早苗は女性の発言に深読みをしたのか、首を傾げながら言った

 

早苗「心配なのですか?(ゆかり)さん」

 

優香里に瓜二つの女性改め『紫』「……いいえ、今、()()()()()()()()()……いえ、()()()()()()()()()()()の彼が、どんな奇抜な方法(常識外れの戦略)で攻略してくるか、楽しみなのよ」

 

早苗「確かに……しかも、ハヤチャンの能力は()()()……いえ()()()が崩壊する能力()……あれが無い状態で、どの様に……」

 

紫「……そうね、まぁ今の彼なら、あの能力の()()()である()()()()()があるから問題無いが……しかし……困ったわ」

 

早苗「困った?何かトラブルでも?」

 

紫は、()()()()()()()について頭を抱え、早苗の質問に答えた

 

紫「貴女も神奈子から聞いたと思うけど、渡部美奈と渡部未来……来世(彼の所)では舞鶴鎮守府所属の補給艦『間宮』と防空棲姫いえ『秋月』……そして彼の前世『龍崎 謙一(りゅうさき けんいち)』さんとの関係性よ」

 

早苗「神奈子様から話は聞いています……ハヤチャンの前世と美奈さん、そして未来ちゃんとの関係は()()だった事ですよね?それが何か問題でも?」

 

早苗はハヤチャンの前世……いや勇人の前世である龍崎謙一と美奈が元夫婦、つまり未来の本当の父親が勇人本人である事を伝えると紫は溜め息を付き、答えた

 

紫「()()()よ……普通、死んだ者の転生は、この先の未来か異世界の人間や動物に転生するのが常識だと言うのは『()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()』でも知っているわよね?」

 

早苗「はい……」

 

紫「しかし……龍崎謙一……いえ彼の前世は今も()()()()()のよ……彼と()()()()で」

 

早苗「へぇ~……え!?ちょっと待って下さい!!龍崎さんは今も生きているのですか!?しかも龍崎さんと同一人物(同じ魂)であるハヤチャンが居るのに!?」

 

早苗は転生での矛盾である『同一人物の人間()が同じ世界に()()居る事』に驚愕し、紫に質問すると、紫は早苗の質問に簡潔に答えた

 

紫「……それは何者かが龍崎さんの魂を()()し、片方の魂を彼に、そして、もう片方を彼の前世である龍崎さんとして転生させた黒幕が居るのよ」

 

早苗「……だからハヤチャン、未来ちゃんがハヤチャンの事を父親として呼んだ時と美奈さんに対しての感情の差が出たのですね」

 

紫の説明に早苗は俯きつつ、憶測ではあるが結論を纏めると、紫は早苗の結論が正しかったのか頷き、答えた

 

紫「そういう事、だから彼の魂は半分近く『空っぽ』になったから、空っぽになった所を()()()()()体内に残ったD-cellを使って、もう一つの人格を無意識に作り上げたのよ」

 

早苗「それが戦艦女帝ちゃん……ですね」

 

紫「そう……さて、私達は幻想郷に戻って、博霊神社で、お茶にしますか?今の問題は彼に任せれば良いわ」

 

早苗「……そうですね」

 

紫は今の問題を勇人に任せると、隙間を出現させ、二人は隙間に入ると、隙間は消えて行った

 

 

 

 

 

同時刻 舞鶴鎮守府付近の海岸にて

 

勇人「ふぅ……」

 

勇人(……やっぱ、第一研修部隊(あの連中)を欺く為には未来を秋月に戻さないと行けないが、未来は秋月になるのを()()している……一体どうやって、未来(お転婆娘)を説得するか……ん?あれは……)

 

勇人はタバコを吸いながら、未来を説得する方法を考えていると、覚束ない足取りで近付いて来る深海海月姫に似た女性に気付き、女性は流暢な日本語で勇人に聞いた

 

深海海月姫に似た女性「……スミマセン、此処は何処ですか?」

 

勇人「……舞鶴だ……ん?お前は確か『サラトガ』か?アメリカ空母の……ってか、オメェ!大破しているんじゃねぇか!?ちょっと待ってろ!」

 

勇人は深海海月姫に似た艦娘『サラトガ』の状態が大破状態になっていた事に気付き、急いで近付き、彼女に携帯型高速修復材を振り掛けると、サラトガは大破状態から回復し、少し元気が出たのか、より流暢な日本語で勇人に礼を言った

 

サラトガ「Thank You……貴方、舞鶴鎮守府の提督ですか?」

 

勇人「いや佐世保だ……サラトガは何故、大破状態で舞鶴に流れ着いたんだ?」

 

勇人はサラトガに聞くと、サラトガは俯きながら答えた

 

サラトガ「元々は私……『深海海月姫』だったのです」

 

勇人「……ドロップ艦か、ちなみにサラトガ……いや深海海月姫に勝った艦隊は何処の鎮守府だ?」

 

勇人はサラトガ(深海海月姫)を倒した艦隊について聞くと、サラトガは倒された恐怖が蘇り、震えながら答えた

 

サラトガ「……貴方が所属している佐世保の艦隊……『霧龍の艦隊(佐世保鎮守府救難隊)』のコンゴウに串刺しにされて……」

 

勇人「……そうか」

 

勇人(あの馬鹿……ナノマテリアルブレードで……)

 

サラトガ「……ちなみに貴方の名前は?」

 

サラトガは勇人に質問すると、勇人はコンゴウの行動に呆れつつも、自己紹介を始めた

 

勇人「……『佐世保鎮守府総司令官』の上城勇人だ」

 

サラトガ「ッ!?まさか貴方が……戦場の狂龍!?」

 

勇人「……そうだ」

 

サラトガ「ッ!?」

 

勇人はサラトガの質問に答えると、サラトガは勇人に臆し、より震えながら艤装を展開させると勇人はサラトガを窘めながら言った

 

勇人「安心しろ、敵意は無い……とりあえず舞鶴に戻るぞ、詳しい話は其処からだ」

 

サラトガ「……understand(分かりました)

 

勇人は恐怖で震えているサラトガを連れて舞鶴鎮守府に戻った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後 舞鶴鎮守府 執務室にて

 

千川「……ふぅ、終わった……上城のお陰で仕事が捗ったな……本当、あの洒落にならない量の書類を一晩で終わらすなんて……」

 

榛名「そうですね」

 

霧島「では、そろそろ……」

 

金剛「休憩デース!比叡!ティータイムの準備ネー!」

 

比叡「はい!」

 

千川「料理はするなよ」

 

金剛 比叡「分かってますよ!」

 

千川と金剛型4姉妹は仕事が終わったのか、金剛型4姉妹の恒例のティータイムの準備に取り掛かると勇人はサラトガを連れて執務室に入って来た

 

勇人「よぉ千川、仕事捗ってるか?」

 

サラトガ「……」

 

千川「お前のお陰でな……ん?上城、後ろの艦娘は?」

 

金剛型4姉妹「ッ!?まさか……」

 

勇人は軽い口調で、サラトガは頭を下げて挨拶すると、千川はサガトラを見て首を傾げ、勇人に聞くと、勇人は鼻で笑いながら答えた

 

勇人「サラトガだ……鎮守府付近の海岸に漂流されていたのを保護したんだ」

 

サラトガ「Hello……航空母艦『サラトガ』です。サラとお呼びくださいね。よろしくお願い致します。」

 

千川「な……ナイストゥーミートゥー……サラ」

 

勇人「それを言うなら『nice to meet you too』だろうが……」

 

千川「……仕方無いだろ、いきなりアメリカ空母の艦娘が来たんだ……誰だって驚くさ」

 

金剛「そして大将、無駄にネイティブな発音デスネー」

 

勇人「お前が言うな……まぁ良い……千川、至急、間宮と未来、電そしてコンゴウを呼んで来てくれないか?昨日の件についてだ」

 

金剛「私?」

 

金剛は自分の事と勘違いしているのか、勇人に聞くと、勇人は失念したのか、頭を抱えながら言った

 

勇人「……メンタルモデルの方だ」

 

勇人は金剛に言うと、金剛は理解し「understand!」と答え、美奈達を呼びに行った

 

千川「昨日の襲撃の件とサラトガ?上城、一体どういう事だ?」

 

千川は勇人に昨日の襲撃事件とサラトガとの関係性について聞くと、勇人は金剛が淹れた紅茶を飲みながら答えた

 

勇人「……それは全員揃ってから説明する……ただ……」

 

千川「ただ?」

 

勇人「……間宮とっては()()()では無いな」

 

千川「……頼むから昨日みたいに暴れる様な真似は止めてくれよ」

 

勇人「……それは美奈(アイツ)に言え、今回の事件……一筋縄には行かんぞ」

 

千川「……泣けるな」

 

千川は勇人の説明の内容を察したのか、呆れながら勇人に言い、美奈達が来るのを待っていた

 

まさか千川の予想を()()()()()()になろうとは……


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。