Admiral of Roughneck~From black to white~   作:八意 颯人

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第73話「和解そして隠された真実」

1300 舞鶴鎮守府 食堂にて

 

未来「遅いな……お父さん……一緒に遊びたかったのに……

 

未来は食後の一服をしているのか、緑茶を飲み、鎮守府から見える景色を見ながら()()()()()()()()()みたいに勇人の帰りを待っていると、後ろから勇次と瑞鶴がカルピスソーダに食用ハッカ油を混ぜて作った武蔵特製の炭酸飲料水『セイピスソーダ』を飲みながら未来に近付き、優しく喋り出した

 

勇次「……完全に兄貴の事を親父扱いにしているな、未来ちゃん」

 

瑞鶴「ええ」

 

未来「ッ!?勇次さんに瑞鶴さん!まさか、今の()()()を……」

 

未来は今の独り言について赤面しながら聞くと、瑞鶴は微笑み、勇次は陽気な笑いを出しながら、答えた

 

勇次「ハッハー!勿論だ♪兄貴が認めて貰えれば俺は未来の『叔父貴』になるのか~……それも悪くねぇな」

 

瑞鶴「案外、可愛い所があるじゃん♪」

 

未来「ちょ!?瑞鶴さん!?弄らないでぇ!……後、勇次さん、もし勇人さんが私を娘と認めてくれれば、勇次さんの事を()()()()と呼んで良い?」

 

勇次「構わねぇよ♪」

 

未来「やった!」

 

瑞鶴「……私に『叔母さん』と呼ぶのは止めてね」

 

未来「分かったよ♪『瑞奈(ずいな)叔母さん』♪」

 

未来は先程の仕返しなのか、笑顔で人間としての瑞鶴の名前『鶴崎 瑞奈(つるさき ずいな)』として呼び、叔母さん扱いをすると、瑞鶴は未来の仕返しに暁みたいに怒り出し、未来に怒鳴った

 

ちなみに姉の翔鶴の人間としての戸籍の名前は『鶴崎 翔華(つるさき しょうか)』なのは余談である

 

瑞鶴「ちょ!?待てや!早速、言っているじゃないの!!しかも私の『人間としての戸籍』で叔母さん扱いをするんじゃないの!!」

 

未来「あっかんべー♪さっきの仕返しだよ♪七面鳥さん♪」

 

瑞鶴「こんのぉ……クソガキがぁぁぁぁ!」

 

瑞鶴は未来の挑発に、眉とトレードマークであるツインテールを吊り上げ、艤装を装着せずに未来を追い掛け始め、未来は笑いながら逃げて行った

 

勇次「……完全に遊ばれているな」

 

朱里「……ええ」

 

千川 艦娘達「あはは……」

 

港湾棲姫 美奈「後輩()がスミマセン……」

 

二人の様子を見て、食後の一服をしていた一馬と勇人以外の上城一家と舞鶴、佐世保、ショートランドの艦娘達そして千川は未来に遊ばれている瑞鶴を見て苦笑し、港湾棲姫と美奈は未来の行動に只々、勇次達に謝罪していると……

 

勇人「相変わらず賑やかだな……ただいま」

 

コンゴウ「戻ったぞ」

 

一馬「……ただいま」

 

美奈「ッ!?お……お帰りなさい大将……」

 

未来「ッ!?一馬さんにコンゴウさん!そして、お父さん!お帰りなさい♪」

 

美奈と美奈は勇人達が帰って来たのを確認すると、美奈は少し脅え、未来は笑顔で出迎えると勇人は笑顔で「おう♪」と答え、未来の頭を撫でていると、千川とコンゴウは何時ものヤンデレモードで勇人に言った

 

千川「おい上城、その手を退かせ」

 

コンゴウ「千川少佐の言う通りです、その手を退かして下さい」

 

未来「いや!退かさないで!というより、もっと撫でて!」

 

大和 美奈 川内型「あははは……」

 

不知火「……敵ながら、羨ましい限りです

 

電「……敵では無いのですが、同感なのです

 

勇人「……泣けるぜ」

 

朱里「……それ、私の……まぁ良い、勇人……優香里から得た情報は?」

 

朱里は佐世保で見慣れているのか、少し呆れながら優香里の情報について聞くと、勇人は普段のラフな表情から一転、神妙な表情で答えた

 

勇人「……ああ、実は……」

 

勇人は未来の頭を撫でながら優香里の情報を朱里達に報告した

 

勇人「……という訳だ」

 

朱里「……胸糞悪い話ね、私達の部下達を使って『こんな事』を……」

 

勇次「……兄貴、組員達(俺の兵隊達)を使うか?これは()()()()()()()じゃねぇ、俺達『()()()()()』だ」

 

蘭花「確かに……なら私の船も使う?」

 

蘭「事情は聞いた……ショートランドの艦娘達(私の仲間達)を使うか?」

 

沙耶「私はハヤ兄みたいに、戦う事は出来ないけど、私のコネでメディアを操作させて、道中を追い込ませる?」

 

コンゴウ「救難隊含め、佐世保鎮守府全員、何時でも出撃可能です……艦長、指令を……」

 

千川 柊「舞鶴もだ!」

 

優花「……何時でも出撃出来るよ」

 

照月 初月「大将!」

 

勇人を除く全員が道中の戦術や未来を襲った理由を聞き、怒りが含んだ強い口調で勇人に指示を仰ぐと、勇人は静かに頷き、答えた

 

勇人「……ああ、だが……今は()()()()()

 

朱里以外全員「ッ!?」

 

朱里「……その訳を聞こうか」

 

朱里は勇人が出撃しない訳について聞くと、勇人は道中の動きについて答えた

 

勇人「……アイツは第一研修部隊と繋がっているんだ、今、全勢力で道中を潰しにかかったら舞鶴は『()()()()』になり、アイツらは、その隙に攻められたら……」

 

勇次「……成程な」

 

未来「……お母さん……」

 

未来は勇人の説明に恐怖心が込み上げてきたのか、震えながら美奈に抱き着き、答えた

 

未来「もう……死にたく……ないよ……私から……離れないで……」

 

美奈「未来……」

 

美奈は脅えた未来を見て、何も出来ない自分に不甲斐なく思い悔しそうに呟くと、勇人は未来を安心させる様に近付き、頭を再び撫で、優しく答えた

 

勇人「分かっている、だが、その為には……未来、お前を『秋月(艦娘)』に戻し、港湾達を400か402に隠す」

 

未来「ッ!?」

 

朱里「……成程、未来ちゃん達を艦娘に戻し、潜水艦内部(海底)に待機させれば……」

 

初月「敵として狙われずに済む……という訳ですね」

 

勇人「そういう事だ……先ずは未r……未来「……嫌よ……」……ん?どうした未来?」

 

勇人は二人の発言に頷くと未来は先程までの安心しきった表情から一転、何かを思い出したのか、震えながら強い口調で言った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

未来「嫌!!いくら、お父さんの作戦だからって、絶対、()()に戻るのは嫌!!もう、()()()()()()()()()()()()()を思い出したく無いの!!」

 

照月「え!?」

 

初月「今……()()()()()()()()()()と……大将!まさか未来の正体が()()()()()だと言う事を()()()()()のですか!?」

 

蘭「……兄さん……」

 

未来の発言に照月は驚愕し、初月に至っては勇人に問い詰める様に胸ぐらを掴み、質問すると、勇人は重たい口を開き、答えた

 

勇人「……ああ、手術の時に分かったんだ……黙ってて悪かった」

 

美奈「初月さんに照月さん……実は私達も()()()()()のです……今まで黙ってて、ごめんなさい」

 

初月「ギリッ……()()()()だと!?ふざけるなァァ!!」

 

初月は勇人の謝罪に気に食わなかったのか、怒鳴りながら主砲を勇人に向けて、発砲しようとした途端、蘭が初月に近付き、そして……

 

 

 

ガン!

 

 

ガッシャーン!!

 

初月「クッ!何をするんだ!提督!」

 

初月は蘭に蹴飛ばされ、食堂の机等が蹴飛ばされた初月にぶつかり、破損し、蘭が初月を蹴飛ばした訳を聞くと、蘭は静かに答えた

 

蘭「初月、お前の気持ちも分かる……だが兄さんも悩んでいるんだ……このまま()()()()()()()()()か、()()()()()()()()()()()()()()()()をな……だから、全てが終わったら告白するつもりだったんだ……なのに、お前は……」

 

初月「提督……大将、スミマセン、僕とした事が……」

 

蘭「すまない兄さん……部下が……」

 

勇人「気にするな、こういうのは()()()()()……間宮も()()()()は気にするなよ」

 

美奈「……ッ!?ありがとうございます!大将!」

 

勇次「結局、許すのかい……まぁ兄貴らしいが……」

 

瑞鶴「そうね」

 

蘭は暴走した初月を正気を取り戻させる為に、静かに、そして、はっきりと勇人が決断すべき事の一つである『秋月(未来)の処遇』の事を告白すると、初月は申し訳なさそうに勇人に謝罪し、朱里は瓦礫の中で座り込んでいる初月に近付き、優しく手を伸ばした

 

朱里「初月、立てるか?」

 

初月「……大丈夫だ、僕は艦娘だ……これ位、屁でも無い」

 

初月は軽い脳震盪を受けたのか、頭を抱え、ふらつきながら立ち上がると朱里は少し驚愕し、苦笑しながら呟いた

 

朱里「……ったく、同じ()()でも蘭の所はガッツがあるわね……蘭に似たのかしら?」

 

蘭「……兄さんの(秋月達)と比べればヘタレだ」

 

初月「……アッチの僕達がタフ過ぎるんだよ」

 

照月「言えてる」

 

蘭の嫌味に初月は悪態を付くと、舞鶴の艦娘達は初月に同意をするかの様に笑っていると、勇人は呆れながら言った

 

勇人「オイコラ……まぁ話を戻すが、道中については後日、改めて『出撃する(挨拶しに行く)』として……問題は……」

 

赤城「道中と手を組んだ『元第一研修部隊』……提督の同期達の問題ですね?」

 

赤城が今一番の問題である『道中が勇人と千川の同期達(第一研修部隊)と手を組んだ事』について触れると、勇人は頭を抱えながら言った

 

勇人「はっきり言って、第一の同期全員『艦娘達の的(銃殺刑)』にすれば、問題が無くなるんじゃねぇか?」

 

未来「あっ!?それ良いアイd……美奈「自分ら!!何物騒な事を言っとるのや!駄目に決まっとるやろ!!」……ケチ

 

勇人「あぁ?」

 

美奈は播州弁(素の自分)で勇人達に叱ると、未来は不満そうに口を尖らせ、勇人に至っては昨日()()の殺気を美奈にぶつける様に睨むと美奈は震え、昨夜のトラウマが蘇ったかの様に怖がりながら、先程の言葉を修正し、言った

 

美奈「ヒッ!?勝手な発言をし、す……スミマセンでした!!で……ですが……あ、あの言葉は未来に悪影響を及ぼすので……もう少し『優しく(ソフトに)』、お願いします……」

 

勇人「……仕方ないだろ……これに関しては生まれ持った(モン)だ……」

 

未来「お父さん!後でヤクザの言葉を教えt……美奈「未来!」……はーい……」

 

勇人「……泣けるぜ」

 

千川「……今の(作戦)……完全に上城の私怨が入っていましたね……教官」

 

朱里「……ええ……ん?勇人、何処に行くの?」

 

勇人「タバコ吸いに付近の海岸に行ってくる」

 

勇人は溜め息を付きながら美奈の御願いに答えつつ、自身の問題を解決策を出すために、タバコを吸いに席を外した

 

 

そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 舞鶴鎮守府付近の海岸にて

 

深海海月姫に似た茶髪の女性「……Where is this?(此処は何処?)

 

勇人にとって、思いもよらない幸運に巡り逢おうとは……

 

 

 


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