Admiral of Roughneck~From black to white~ 作:八意 颯人
2300 舞鶴鎮守府の医務室にて
勇人「……」
勇人は椅子に座り、
勇人(……俺の感が正しかったら……未来は……)
そう、勇人は未来の体内に残っていた
そして数分後、洗浄が終わり、今はコンゴウが軍艦の代用として使っている『ショートランドの秋月の艤装』の接続部に填める様に照合すると、艤装と接続器具が噛み合った事に勇人は溜め息を付き、答えた
勇人(……やっぱり、未来は元々、道中に所属していた艦娘『秋月』本人だったのか……なら、未来達の基地に襲撃した連中の
勇人は未来の正体が分かり、一連の事件を憶測しつつ、洗浄した金具を新しい袋に入れ、密封し、血で汚れた水を廃棄しに医療用の流し台に流し、煙草を吸うと、扉をノック音が聞こえ、ノックした本人が勇人に聞いた
一馬「勇人、起きているか?」
勇人「親父か……どしたん?」
勇人はノックした本人である一馬を部屋に入れると、一馬は患者用のベッドに座り、勇人に質問した
一馬「夜遅いから単刀直入に言う、未来の身体に
一馬は先程の違和感を勇人に言うと、勇人は煙草の灰を灰皿に落とし、未来の体内に残っていた秋月の接続器具を見せながら答えた
勇人「……これを見てくれ」
一馬「ん?これは秋月の接続器具?何で勇人が?」
一馬は勇人から接続器具を受け取り、質問すると、勇人は煙草を吸いきり、灰皿に押し付ける様に火を消し、答えた
勇人「それ、未来の
一馬「なっ!?それじゃ未来は……」
一馬は勇人の言葉に驚愕すると、勇人は溜め息を付き、答えた
勇人「蘭の所……元ショートランド所属の秋月だ」
一馬「……蘭が
一馬は怒りの含んだドスの効いた低い声で聞くと、勇人は頭を横に振り、一馬の憶測を否定した
勇人「いや……
一馬「……アイツか」
勇人「……ああ、しかし分からねぇ部分があるんや……どうしてアイツは俺ではなく未来を襲ったんだ?」
一馬「何か
二人は道中の行動に思考を巡らせていると、ノック音が聞こえ、ノックした本人が勇人達に言った
柊「大将に元帥、柊です……入室許可を御願いします」
勇人「柊?」
一馬「柏木の知人で、千川の先輩でもあり第一前衛基地の提督だ……許可する」
一馬はノックした本人である柊に入室許可を出すと、柊は御辞儀をし、勇人に言った
柊「大将、一体どういう事ですか?」
勇人「何が?」
勇人は柊の質問に質問で返すと、柊は少し苛ついているのか、少し強い口調で質問した
柊「未来は兎も角、何故
柊は他の艦娘達を起こさない様に声の音量を落としつつ、勇人に問い詰めると、勇人は柊の質問に簡潔に答えた
勇人「俺は医者としての
柊「だからって、敵である彼女達を……」
勇人「確かに彼女達は敵だ……だが、これを見ても
勇人は柊に秋月の接続器具を見せると、柊は首を傾げながら聞いた
柊「大将……これ、秋月の接続器具ですよね?何故これを?」
一馬「……未来の体内にあったんだ」
柊「なっ!?それじゃ未来……いえ彼女達は……納得しました、貴方は元艦娘である彼女達を……」
勇人「ああ」
柊は勇人の真意を理解し、納得すると、勇人は立ち上がり、部屋から出ようとした所を一馬が勇人に聞いた
一馬「何処へ行くんだ?」
勇人「
柊「夜戦しに?」
勇人「違ぇよ!回診だ!」
勇人は柊にツッコミを入れつつ、カルテを挟んだバインダーを持ち、入渠室に向かった
0000 入渠室前の更衣室にて
勇人(さて、アイツらの回診をする前に……)
勇人「艤装展開、『battle mode Aegis ver.2』そして艤装脱着……っと」
勇人(これなら絵面的にも問題無いな……よし)
勇人は女の姿である『Aegis ver.2』に変身し、艤装のみ外し、未来達が入っている入渠室の扉を開けた
港湾棲姫「ッ!?誰だ!」
拍地棲姫「ん?」
空母ヲ級「ッ!?お前は……」
北方棲姫 未来「このオバサン……誰?」
勇人「オ……オバサン!?」
美奈「……誰ですか、貴女は?」
深海棲艦達は女の姿になった勇人を見て、首を傾げながら、美奈は警戒する様に強い口調で聞くと、勇人は呆れながら答えた
勇人「……俺だ」
美奈「え?」
深海棲艦全員「ッ!?」
勇人は声だけ元に戻すと美奈以外の深海棲艦達は驚愕し、そして……
美奈「ひょっとして、大s……深海棲艦全員「キャーーー!!女装をした変態が堂々と覗きに来たぁぁぁ!!アッチ行けぇぇぇ!!」……ちょ!?皆さん!!落ち着いて!」
勇人「落ち着けって!俺は……港湾棲姫「エッチ!!」……痛ッ!回診に来t……空母ヲ級「変態!!」……ブッ!だから物を投げるの止めt……未来「これでも喰らえぇぇぇ!!」」
カーン!!
勇人「ンガッ!?」
美奈「大将!!」
深海棲艦達は勇人を覗きに来た変態だと勘違いをし、裸体を腕等で隠しながら、空になったバケツや桶、シャンプー容器等を勇人に向けて投げつけ、未来が投げたバケツが勇人の顔面に直撃した
正しく文字通り、未来達の回診に来た勇人に未来は、回診に来た
そして美奈は、そんな状況を解決する為に未来を含む深海棲艦全員に怒鳴り散らした
美奈「……アンタら、いい加減にしぃ!命の恩人である大将相手に何しているんやぁ!!こんな事をやって、恥ずかしく無いんかぁ!!」
未来を除く深海棲艦全員「
未来「ひょっとして……勇人さん?」
勇人「……」
美奈の怒鳴り声で正気を取り戻し、それと同時に顔を青ざめながら、未来が最後に投げつけたバケツが勇人の顔面に直撃したのか、鼻血を出し、出血を抑える為、綿を鼻の穴に詰め込んでいる勇人に聞くと、勇人は黙って頭を縦に頷くと、深海棲艦全員が浴槽から立ち上がり……
深海棲艦全員「す……スミマセンでしたぁぁぁぁぁ!!!」
自身が裸体である事を忘れ、頭を下げる未来達であった
勇人「……気にしてねぇよ、と言うより俺の
美奈「いえ……後、何故
美奈は勇人の『
勇人「女装じゃなくて、本当に女性になったんや……分かりやすく言うと、この姿は艦娘で言うと『メインの艤装の改2』の状態で、俺の体内にある艦娘の力を最大限に発揮した姿なんだ……まぁ、この姿は艦娘の力を使った時の
美奈「まるで鈴谷さんの『コンバート改修』みたいですね」
未来「ってか、それを自分の意志で自由に出来るなんて……」
勇人以外全員「……チート過ぎる」
勇人「……まぁ、それはさておき……今から回診を始めるから、1人ずつ前に出るように」
深海棲艦全員「はーい」
美奈達は勇人のスペックを聞き、驚愕していると、勇人は本来の目的である未来達の回診を始めた