Admiral of Roughneck~From black to white~   作:八意 颯人

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第68話「コンゴウの決断」

戦艦水鬼が未来達の基地を襲撃する数分前 舞鶴鎮守府付近の海域にて

 

コンゴウ「………」

 

大和「……コンゴウさん、一体どうしたのですか?急に出撃して?」

 

不知火「そうですよ、しかも()()()()()まで手を出してまで……」

 

那珂「うぅ~……夜更かしは御肌の敵なのに……どうして出撃を?」

 

那珂は愚痴を溢しながらも、大和と不知火そして那珂はカモメと戯れているコンゴウに聞くと、コンゴウは()()()()がしたのか、少し顰めっ面になりながら答えた

 

コンゴウ「……海が荒れていたからな」

 

神通「海が……ですか?」

 

神通はコンゴウの詩人染みた答えに首を傾げると、コンゴウは神通の質問に頷き、答えた

 

コンゴウ「ああ、私の()()()、海が荒れている状態は()()()()()()()()()()()()()なんだ」

 

大和「……それって、群像君の世界に居た時の()()ですか?」

 

コンゴウ「そうだ」

 

大和はコンゴウの答えに納得したのか、黙り混むと、川内はコンゴウの言葉に嬉しそうに言った

 

川内「録でもない事……って事は夜戦が出来るの?」

 

コンゴウ「……そうなる確率が()()()()()事には間違い無いな」

 

川内「マジ!?なら早く殺ろ……神通「姉さん!」……ちぇっ……神通のケチ……」

 

川内の不謹慎な発言を止めるかの様に神通は川内を一喝すると、川内は不満そうに顔を歪め、野次を飛ばすと、不知火が少し不安そうにコンゴウに言った

 

不知火「……ですがコンゴウさん、たった()()()()()()()で他の……舞鶴の管轄まで()()()()と舞鶴の艦娘達は兎も角、大本営の連中が黙ってはくれないと思いますが……」

 

コンゴウ「……それに関しては『()()()()()による舞鶴への増援』と言っておけば大丈夫だ」

 

不知火「……さいですか」

 

不知火(司令……同情します)

 

不知火は舞鶴に居る勇人に同情すると……

 

 

 

 

ドカン!!

 

 

コンゴウ 大和 川内型 不知火「ッ!?」

 

コンゴウ達は少し油断していたのか、爆発音を聞いて驚いた

 

コンゴウ「ッ!?建物が……大和!至急、崩壊している建物に偵察機を!」

 

大和「分かりました!」

 

コンゴウは大和に偵察機を飛ばす様、指示を出すと大和は偵察機を直ぐ様、飛ばし、爆発の原因となった建物……未来達の基地付近まで偵察させると……

 

大和「………ッ!?」

 

コンゴウ「どうした?」

 

大和は偵察機からの伝達を聞き、顔を顰めると、コンゴウは顔を顰めた大和に聞くと、大和は伝達内容をコンゴウに報告した

 

大和「偵察機から伝達……深海棲艦が……仲間を潰しに掛かっています」

 

コンゴウ「敵同士が!?何故……」

 

コンゴウは深海棲艦同士が争っている事に疑問を抱くと、川内、神通が基地に照明を当て、コンゴウに報告した

 

川内「此方も目視で確認出来たが……あれは提督が言っていた『未来』という防空棲姫と特徴が()()している深海棲艦が居るんだが……どうする?」

 

神通「しかも()()()()です」

 

コンゴウ「……」

 

川内と神通は未来達が瀕死の重傷を負っている事に気が付き、コンゴウに指示を仰ぐと、コンゴウは腕を組み思考を巡らした……

 

未来達を保護する(恩義を選ぶ)のか、未来達を敵として倒す(恩義を仇で返す)のか、()()()か取るか……

 

そして、考えが纏まったのか、大和達に指示を出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コンゴウ「……重傷の深海棲艦を()()し、艦長が居る舞鶴に搬送するぞ!私と川内型は戦艦水鬼達の足止めをするから、その間に大和と不知火は防空棲姫達を船の中に入れ、応急措置をしてくれ!船に搬入し終え次第、撤退だ!」

 

那珂「了解!」

 

神通 大和 不知火「分かりました!」

 

川内「って事は……夜戦だァァァァァ!!ナイスな判断だよ!コンゴウさん!!」

 

コンゴウ「無駄口を叩くな川内!行くぞ!」

 

コンゴウは勇人の恩義の為に、未来達を()()()()にし、興奮した川内を一喝しつつ、大和達に指示を出すと、大和、川内型そして不知火は気合いの入った口調で了承し、未来達を保護する為に出撃をし始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方 未来達は……

 

未来「ウグッ………」

 

港湾水鬼「防空!!確りして!!後、もう少しで舞鶴に着くから!!」

 

北方棲姫「良かった……瓦礫が盾になってくれて……」

 

空母ヲ級「ああ……」

 

泊地水鬼「……でもアイツは追ってくるよ」

 

港湾水鬼「ああ……ッ!?嘘でしょ……」

 

未来「先輩……一体どうしたのですか?」

 

未来達は瀕死の重傷を負いつつ、戦艦水鬼の砲撃から逃げて来たのだ

 

そして未来は砲撃による()()()()()を負い、港湾水鬼に抱き抱えながら戦艦水鬼から逃げていると、港湾水鬼は『ある艦隊』を見つけたのか、少し青ざめながら言った

 

港湾水鬼「……よりによって、()()()()()()()である()()()()が率いる艦隊が此方に……」

 

北方棲姫「え!?あの……チート艦隊の!?」

 

泊地水鬼「……終わった」

 

空母ヲ級「……短い人生だったな」

 

そう、港湾水鬼が見付けたのは『コンゴウ達』だったのだ

 

コンゴウを見た途端、未来以外の和平派の深海棲艦達は絶望し、死を覚悟したが、未来だけは()()()()()()()()()を勇人から聞いていたのか、希望が湧き、ボロボロの身体に鞭を打つかの様に、コンゴウ達に大声で言った

 

未来「()()()()()()()()()()()のコンゴウさーん!!私達を()()()()()()!!」

 

港湾水鬼「馬鹿ッ!あの霧の……ん?」

 

北方棲姫「今……()()()()()()()()()と?」

 

港湾水鬼と北方棲姫は未来の言葉に首を傾げると、コンゴウは未来達に聞こえる様に大声で答えた

 

コンゴウ「分かった!!大和!不知火!」

 

大和「分かりました!」

 

不知火「了解しました」

 

戦艦水鬼「ッ!?させるかぁ!深海海月姫!」

 

深海海月姫「分かった!此処で死ねぇ!!」

 

戦艦水鬼はコンゴウ達に向けて砲撃や爆撃機で応戦したが……

 

大和「無駄です!クラインフィールド起動!!不知火さん!」

 

不知火「分かりました」

 

大和は戦艦水鬼達の攻撃をコンゴウ……いやメンタルモデルしか装備されていない筈のシールド『クラインフィールド』を未来達を覆い囲む様に展開し、戦艦水鬼達の攻撃を防ぎ、不知火は未来達をコンゴウの船まで誘導し始めた

 

戦艦水鬼「はぁ!?何故、艦娘が()()()()()が使えるんだ!?」

 

コンゴウ「私が艦娘でも使える様に()()()()

 

深海海月姫「ふざけた真似を……まぁ、あの爆撃の中だ……川内型の三人は確実に……」

 

神通「沈んでいませんよ」

 

川内「私達も使()()()からね」

 

戦艦水鬼 深海海月姫「ッ!?」

 

二人は大和がクラインフィールドを発動させた事に驚愕し、悔しがると、激しい爆撃の中、猛スピードで接近してきた川内型の三人が殺意剥き出しのまま、短刀(ドス)を構え、言った

 

川内「だから……死ね」

 

神通「御命……頂戴します」

 

那珂「さぁ!川内型(那珂ちゃん達)ステージショー(殺戮ショー)が始まるよ!!」

 

深海海月姫「馬鹿な!!あの爆撃の中を……グハッ!!」

 

戦艦水鬼「深海海月姫!」

 

川内「まずは一人目……」

 

戦艦水鬼「させるかぁ!!」

 

深海海月姫は神通に斬られ、片膝を着くと、川内は深海海月姫にトドメを刺すかの様に、刺し殺そうとしたが、戦艦水鬼は川内を沈める為に砲撃をしたが、川内は砲撃を避け、トドメを刺さずに間合いを取った

 

川内「危ない危ない……」

 

神通「もう……無茶をして……」

 

川内「ハハッ♪悪い悪い♪」

 

深海海月姫「戦艦水鬼、助かっt……」

 

深海海月姫は戦艦水鬼に礼を言おうとした途端……

 

 

 

 

グサッ……

 

 

 

 

深海海月姫「ガハッ!!き……貴様……」

 

コンゴウ「雑魚が……消え失せろ」

 

コンゴウは川内の代わりに、軍艦からナノマテリアルブレードを投げると、ナノマテリアルブレードは深海海月姫に刺さり、深海海月姫は苦しみながら、そのまま海に沈んで行った

 

戦艦水鬼「海月姫ぇぇぇぇ!!」

 

那珂「他人に構っている場合?」

 

戦艦水鬼「なっ!?しまった!!」

 

那珂「それじゃ……バイバイ」

 

那珂は戦艦水鬼の懐まで入り込み、刺し殺そうとした

たが……

 

コンゴウ「待て那珂!防空棲姫達の搬入が完了した!撤退だ!」

 

川内「なーんだ……もう終わったのか……」

 

神通「仕方無いですね」

 

那珂「まだまだ殺りたかったのに……」

 

コンゴウ達の()()()()()が完了し、コンゴウは暴れ回っている川内型の三人に撤退命令を出すと、三人は不満そうに了承し、未来達を手当てする為に船に入っていった

 

戦艦水鬼「チッ……」

 

コンゴウ「お前達のボスに伝えろ……()()()()()()()()()……と」

 

戦艦水鬼「……」

 

コンゴウは戦艦水鬼を脅しながら舞鶴へ撤退して行った

 

未来達の命を救う為に……


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