ウルトラマンヒーロー   作:ホルンでごぜーます

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更新遅くなりましたごめんなさい

今回は特に書くことはありません、さっそく本編をどうぞ!!


救いの後で3-負思念体インペライザー・負思念機械生命体ジー・エンド登場-

職員室で祐少年と話していた護は、背中に悪寒を感じた。

反射的に職員室の窓……、学校のグラウンドが見える方へ駆けた。

そこには鋼の巨体がそこには居た。

「あれは……インペライザー!!」

インペライザー、30年前にウルトラマンタロウ、ウルトラマンメビウスが苦戦したロボット兵器だ。

ウルトラマンメビウスが光の国に帰った後でも、何度か地球に現れている。

突然現れたインペライザーに職員たちはざわめき始めた。

「先生達は生徒の避難指示を!!」

そう言い、護は職員室を飛び出し、人目のつかない場所へ走り出した。

 

階段を素早く上ると、屋上へ続く扉に手を掛けた。

しかし、ドアは施錠されており、開けることは出来なかった。

仕方なく、その場でβフュージョミッションを取り出した。

が、祐少年が現れ、慌ててβフュージョミッションを仕舞う。

「護さん!!」

「祐君!!なんで付いて来て……!!」

「あ、ごめんなさい……」

 

祐少年は飛び出していった護を、ただ反射的に追いかけてしまったのだ。

仕方なく、護はβフュージョミッションを取り出した。

「祐君、この事は誰にも内緒に……」

 

護は、βフュージョミッションに光のエネルギーを集め、そのまま上へ掲げた。

「ヒーローーーッ!!」

護の姿は、光に包まれ、その光が消えた時には、すでに護は消えていた

祐は護がどこに消えたのか辺りを見渡したが、

次の瞬間、まるで地震のような揺れから、まずは避難を優先した。

 

護が職員室を飛び出した時、職員室に居た教職員達も動揺しつつも、生徒の為に動き始めていた。

幸いにも、今は授業中で、大半の教職員は自分の担当している教室に居る。

その為、怪獣が出現した際に鳴らされる緊急避難指示のアラームをならせば、

各教職員と全校生徒は、避難訓練通りに行動することができる。

 

しかし、祐の所属しているクラスは担任の松山は、次の授業に使用する教材のコピーの為に、

職員室横の印刷室に来ていた。

切羽詰まった状況に、松山は近くの教職員に詰め寄った。

「自分のクラスの確認に行きます!!」

松山はそれだけ伝えると、職員室を飛び出した。

 

緊急避難指示が鳴り響く中、松山が自身の担当するクラスがある校舎に着くと、

そこでは大パニックが起こっていた。

廊下には、我先にと逃げ出す生徒が溢れ、

教室にはパニックになる生徒や……恐怖で動けなくなる生徒もおり、冷静な生徒や教員も手一杯だ

それもそのはず、いくら避難訓練を受けているとは言っても、

いきなり目の前のグラウンドに現れるのは想定外、早く逃げなければ、校舎ごとつぶされる可能性もある。

松山は偶然近くに居た学級委員に話しかけた。

「クラスのみんなは!?」

「みんな逃げてます!!でも因幡が……!!」

「因幡がどうした!?」

「変な黒いのが顔について……まだ教室に!!」

「分かった!!他の先生の指示に従って避難してろ!!」

松山は生徒たちの波に逆らい、自分の教室を目指した。

 

篠崎達は突如現れたインペライザーに驚いていた。

すぐさま坂牧とヒロはインペライザーの正体に気付いた。

「負思念体です!!」

「あれはインペライザー!!」

セリザワはすぐに連絡を取れない橘の代わりに、篠崎達に命令を出した。

「篠崎、垣山、三原、屋久島はここでインペライザーの注意を引け、校舎にこれ以上近づけるな!!

由依は俺とナンダに乗って攻撃、ヒロは避難補助!!」

『GIG!!』

篠崎たちはトライガーショットを抜き、走り出し、ヒロも校舎へ走り出した。

セリザワは坂牧を連れ、ナンダに乗車した。

「由依、橘隊長に現状報告とメテオール使用許可の申請、あとケツァールとブースターの自動離陸の申請!!」

「GIG……橘隊長、こちら坂牧……」

 

セリザワはナンダを離陸させ、校舎の方を向いているインペライザーの左側から、

両肩にスペシウム反応砲を発射した。

 

インペライザーは、両肩に自身が破壊された場合の自動修復器官を持っていることが、

30年前に分かっており、そこを攻撃し、破壊することが有効であると確認されている。

しかし、当然だが自動修復器官を破壊するだけではインペライザーは倒すことは出来ず、

自動修復器官を破壊後、強靭な装甲を誇るインペライザー本体を破壊しなければならない。

 

「こちらセリザワ、インペライザーの自動修復器官の破壊を確認」

セリザワはインペライザーの自動修復装置を破壊したのを確認、橘と篠崎達に報告し

そのまま注意を引く為に、インペライザーの近くを停止飛行した。

同時に橘からメテオールの使用の解禁を坂牧が各院へ報告。

 

インペライザーはナンダの方へ上半身だけを回転させ、肩からビームを放つと、

上半身はナンダの方へ向き続けながら攻撃を続け、校舎の方へ歩き始めた。

セリザワは校舎へ歩き始めたインペライザーにすぐさま対応した

「篠崎、陽動攻撃開始、インペライザーは重心が高く、重量がある、あの重量を支えている足を狙え」

『GIG!!』

 

篠崎たちはトライガーショットをインペライザーの左足に向け、アキュートアローを連続で撃った。

一点集中の攻撃に、流石のインペライザーも動きを止めた。

すると、インペライザーの上半身が高速で回転を始める。

 

インペライザーは上半身を高速で回転させつつ、両肩からビームを連続で発射させることで、

無差別で広範囲の破壊攻撃が出来る。

インペライザーの両肩からビームが連続で発射された。

周辺の建物が破壊され、爆発が起こる……。

 

しかし、それはインペライザーがきちんと立っていればという事だった。

インペライザーがビームを放つ直前、足元から現れた、赤いウルトラマンヒーローが、

そのままインペライザーの足を持ち上げ、転倒させたのだ。

 

しかし、倒れながらもインペライザーはビームを放つ。

ビームはインペライザーの転倒により、放たれる方向が地面に対し水平にだったものが、

地面に対しほぼ垂直に変わった。

そこへ、青いウルトラマンヒーローが現れ、高速でエフェクト・シールドを作り出し、

一方の建物に影響のある角度のビームを防ぎ、

もう一方を、赤いヒーローが体に赤いエネルギーを纏い防いだ。

それによって、地面と空中以外にビームは飛んで行かず、被害を抑えたのである。

 

自身の攻撃に失敗したと気付いたインペライザーは、

別の場所にテレポーテーションし、体制を立て直した。

『ティアッ!!』

『サーーーッ!!』

 

ウルトラマンヒーロー達が現れたことに、避難していた生徒や教職員達が、大声で叫んだ。

「ウルトラマンーーッ!!頑張ってくれーー!!」

頑張れ、頑張れの応援の声は、2人のウルトラマンヒーローの心に響いき、勇気と力を与えていた。

離れたインペライザーに対し、ウルトラマンに変身した護とヒロは、構えを取り、警戒をする……

2人は、それぞれ別の時間ではあるが、光の国に居た時、ウルトラマンメビウスとウルトラマンタロウに、

インペライザーの脅威を聞いている。

2人の心には、師である人たちの言葉が思い出されていた。

 

『インペライザーは恐ろしい相手です、1人だけの力じゃ勝てません』

『奴と戦うときは、護とヒロ……2人の力を合わせて戦うのだ』

護とヒロは、心の中の師の言葉に頷いた。

『護さん、2人の力を!!』

『合わせて……いくぞ!!』

護は右手を、ヒロは左手を前に出し、それぞれ合わせると、

赤と青の粒子が光り輝き、二人の拳に集まった。

2人のウルトラマンは粒子の渦になり、合わさると、

 

そこからウルトラマンヒーロー・ライトニングヒーローが現れた。

 

『ティーー……サーーーッ!!』

赤、青のラインが光り輝く……インペライザーはヒーローのエネルギーを感じ取ったのか、

または何かを察したのか、頭部に3連ガトリングガンから無数の光弾をヒーロー目掛け、放った。

ヒーローの後ろにはたくさんの建物と、命がある、避けるわけにはいかない。

ヒーローは右の掌を前に出し、赤と青の粒子発生させ、

高速で回転することで、目の前に盾のように展開させた。

 

しかし、インペライザーの光弾の威力は凄まじく、ライトニングヒーローとなったヒーローでも、

徐々に後ろへと押しやられている。

インペライザーは形勢を優位にしようと、そのままヒーローへ近づいていく……

 

そこへ、インペライザーの背後から多数のレーザーが突き刺さった。

衝撃で、体制を崩すインペライザーの横を、ケツァールバーンティングが飛び去る。

ケツァールバーンティングには篠崎達が搭乗しており、

キャノピー越しに、篠崎がサムズアップのジェスチャーをヒーローへくれた。

 

ヒーローはサムズアップを返し、インペライザーに向きかえ、構えを取った。

ライトニングヒーローになり、そろそろ限界時間の30秒になる、

決着をつけるには体制を崩した今が好機であった。

ヒーローは両腕を腰に引き、そのまま左右に伸ばした……

そして、M87光線と同じ動作をし……

『ライトニングロードッ!!』

ライトニングロードと掛け声を出し、光線を発射した。

光線はインペライザーを貫き、上空へと運び、拘束した。

 

「行くぞ、マニューバモード、オン!!」

篠崎達がコクピットのセーフティレバーを操作し、マニューバモードをオン、

ケツァールバーンティングは、金色の粒子に包まれ、残像を残しつつ、

拘束されたインペライザーの高度で、静止する。

ヒーローはライトニングロードを出している右手で拳を作り、大きく後ろに拳を引いた。

『ライトニング……フィニッーーシュッ!!』

その掛け声と共に、光になったヒーローは、インペライザーへ光速で突き抜けた。

「スペシウム光線、ファイアーーッ!!」

ヒーローがインペライザーを突き抜けた瞬間、スペシウム光線をケツァールバーンティングが、

インペライザー目掛け、放った。

インペライザーの体は、内側から弾けると同時に外側からかけらも残さず、消えていった。

 

「やったーーー!!」

「ありがとー!!ウルトラマーーン!!」

学校の生徒や教職員が大きく手を振り、感謝の気持ちを、声にして表した。

ヒーローは、空へと飛んでいき、消えていった。

 

一歩何かが違えば大惨事になっていた今回のインペライザーの出現……。

しかし、結果は道路などの破損などの被害だけで終わった。

そう……この結果が全て仕組まれていた事であり、ただの準備だった……。

そして、この後に待っているものがあった……ということを除けば……。

 

教室には未だダークエフェクトの霧が顔にある生徒が1人いるのだった……。




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