ウルトラマンヒーロー   作:ホルンでごぜーます

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前回の投稿から1カ月がたってしまいました……
今回難産だったのはアイデアが浮かばなかった……ただそれだけです……
パソコンと向き合っても何も浮かばず結果今日投稿することになりました
相変わらずいわゆる亀更新になってしまいますが、これからも更新を続けますので
みなさんよろしくお願いいたします

そう言えば、新しいウルトラマンが発表いたしましたね……
第一話を書いたのは十勇士が公開されたときでしたので、もう1年か2年かは立っているんですね……
早いものです

では本編をどうぞ


護のジレンマ3-負思念体ディガルーグ登場-

G-9エリア……先日ディガルーグが現れ、被害を受けた住宅地が存在するエリアである

そこへ再び、観測できる濃度のダークエフェクトが確認された

まだディガルーグが出現したとの報告は受けてはいないが、ダークエフェクトが発生している点と、

これ以上の被害を増やさないために、GUYS Japanに出動命令が下された

 

G-9エリアへ向かう航路にNブースターともう一機、橘が回収した機体が飛んでいた

今日、日本の空に飛ぶのは赤と青、2色の色を持つ鳥を思わせる機体……ケツァールではなく、

今、空を翔けているのは炎の鳥……不死鳥『GUYSガンフェニックス』である

GUYSガンフェニックス……30年前、ウルトラマンメビウスと共に戦った当時のGUYS最新鋭の戦闘機である

のちに数機量産されたこの機体……だが、その中でもファイアーシンボルが機体上部に描かれたものは、

『俺たちの翼』とGUYSの中で伝説となっている

その伝説の機体に、篠崎たちは乗っていた

 

ただ、今回はGUYSガンフェニックスを熟知しているセリザワが、垣山の代わりに搭乗している

GUYSガンフェニックスはケツァールと同じく2機のGUYSマシンが合体しているもので、

機体前部にGUYSガンウィンガー、機体後部にGUYSガンローダーが合体してGUYSガンフェニックスとなる

今、GUYSガンウィンガーにはセリザワと篠崎が搭乗しており、GUYSガンローダーには三原、屋久島のペアだ

 

「ヒロ君、まだ護君とは連絡がつかない?」

ダークエフェクトが発生しているG-9エリアとの距離を確認しつつ、

三原はNブースターに搭乗しているヒロに確認を取った

『……まだ応答はありません』

この時、護はタイミング悪く、祐という少年に会いに行っており、

精神世界に入り通信に気付くのは少し先のことだ

 

ヒロも護に対し、メモリーディスプレイの通信だけではなく、念話を行ってはいるが、

護が集中しており、念話にも応答がない

 

「……応答がないなら護抜きで作戦を実行するしかないだろう」

セリザワが各員にそう伝える

セリザワやヒロ、坂牧は護の事情を少なからず知っているため、不満はないが……

事情を知らない他のクルーは不満を募らせた

 

「G-9エリアに進入」

セリザワがG-9エリアに入るなりそう言うと、他のクルーたちも気持ちを入れ替え、周囲を警戒した

しかし、そこにディガルーグの姿はなく、代わりにダークエフェクトの発生により、

避難させられている人々の姿だった

「いくらダークエフェクトが発生しているとはいえ、見えもしないものから逃げることになるなんて……

いやな気持になるでしょうね……」

屋久島がそう言うと、モニターに表示されていたダークエフェクトの濃度が低下した

「ダークエフェクトの濃度が低下!!」

屋久島が現状を報告するが、ダークエフェクトの濃度はみるみる低下し、ついには測定不能になった

「反応、消えました」

『……各員、周囲警戒後異常がなければ帰還』

『GIG』

報告を聞いた橘が帰還命令を出し、『俺たちの翼』を持ち出してまで行おうとした作戦は、

使うこともなく終了するものになった……

 

 

 

 

 

 

そうクルー達が思ったその時だった

 

 

 

 

 

 

『下ですッ!!避けて!!』

ヒロの声が通信で響き、機体の操縦をしていた篠崎は、反射的に回避行動をとった

そして、GUYSガンフェニックスが元いた場所に、鋭い槍のようなものが突き抜けていった

距離を取った篠崎たちが見たのは、

道路のアスファルトを突き破り、地表に這い出たディガルーグの姿だった

「あいつ……ッ!!地面に潜ってやがったのか!!」

篠崎が悪態をつくが、セリザワがディガルーグの周囲を確認した

「橘隊長!!ディガルーグが避難集合場所に近すぎる!!」

『こっちでも確認している、各員まずはディガルーグを避難場所から離すんだ!!』

『GIG!!』

「あいつの注意を引き付けるぞ!!

ガンフェニックス!!スプリット!!」

GUYSガンフェニックスはGUYSガンウィンガーとGUYSガンローダーの2機に分離し、

あえてディガルーグに接近し離れた

「ビークバルカン!!」

「ダブルガンランチャー!!」

ディガルーグの背後から攻撃を当て、注意を引き付けようとするが、

ディガルーグは一向にその場から離れようとしない

「ゼットンを使って離しますか!?」

その様子を見ていた垣山がマケットを取り出し言うが……

『駄目だ!!人が多すぎる!!それにゼットンを使えば人がさらに混乱するぞ!!

ブリーフィング通り、万一に備えて待機していろ!!』

垣山はほかのマケットを見るが、

その中では3万トンもの重さのディガルーグを移動させられるほどのパワーを持った怪獣はいなかった

 

セリザワは攻撃を続けても未だに追ってこないディガルーグを見て、考えを口に出した

「こちらの動きを待っているのか……?」

超絶科学……メテオールは強力なものだ、

それこそ、戦闘機単体で怪獣を倒せてしまえるようになるほどだ

しかし、メテオールは未知の宇宙人の技術を使用したものであり、制限時間が存在する

メテオールは切り札であると同時に、つかったら必ず倒さなければならないものでもあるのだ

 

機体内にアラートが鳴り、戦闘に介入していないヒロがモニターを見ると、

ダークエフェクトの濃度が再び上昇していた

「やっぱり……!!

ディガルーグは攻撃されるたびにダークエフェクトでダメージを回復しているんです!!

このままじゃこっちが体力切れになります!!」

 

その時、ディガルーグは避難所から逃げている人々に体を向けた

「まさか!!」

篠崎が声をあげたとき、ディガルーグは火球人々に向けて放っていた

どうにかしようとしても篠崎達からは遠く、

万一に備えて待機していたヒロ達からも間に合わない程だった

 

火球が爆発し、何も見えなくなる

クルーたち全員が最悪の事態を想定し、声も出なかった……

 

しかし、坂牧が

「……大丈夫です、来てくれました!!」

 

爆炎を赤く輝く光が晴らし、その中から赤い体のウルトラマンヒーローが現れた

ディガルーグは一度大きく雄たけびを上げると、再び火球を放った

ヒーローは右手の手のひらを前に出し、火球を受け止めた

それを見たディガルーグは連続で火球を放ち始めた

今度は両腕を力を入れ、両腕を赤く発光させた瞬間、発火させ、

火球を殴り相殺していった

 

「すいません!!後お願いします!!」

そう言うと、ヒロはNブースターを学校の校庭に着陸させ、飛び降りていった

「おいおい!!どこ行くんだいヒロ君!!」

それに着いていこうとNブースターを降りようとする垣山だったが、

後部座席に座っていた坂牧が後ろから腕を叩き、言った

「あの、私を一人にされると困ります……」

ヒロが勝手にどこかに走っていったことも放っては置けない垣山だったが、

目が見えない坂牧を置いて行くことはできなかった

「橘隊長、ヒロがナンダから飛び出して行きました。

メテオールショットひとつでは……」

『大丈夫だ、垣山はそのまま作戦を続行、

今そっちにイカルガさんが向かっている、合流して作戦に当たってくれ』

GIGと返事を返した垣山だったが、明らかに焦りの表情を出した

「向かってるったって……」

 

GUYS Japan基地からG-9エリアまでそんなに距離はない

数分前に基地から出たとしたら、今到着してもいい位の距離だ

が……それは航空機だった場合の話だ

障害物もなく、最短距離を飛んで移動できる航空機なら当然だが早い、

しかし、垣山が知る限り、GUYS Japanに存在する航空機は、

ヘリや、昔に開発された戦闘機が片手で数える程度である

 

ヘリは出せる速度に限界があり、ディガルーグの攻撃が当たってしまう可能性がある

戦闘機ならばディガルーグの攻撃を避けるだけの速度、機動性はある……

しかし、垂直離着陸機は1機も所有してはおらず、

付近に最低限の長さの滑走路の代わりになるものも無い

となれば基地から一番近い他の基地などから借りるという手もあるが、

それだと時間がかかりすぎるのだ

 

となれば、残る手段は陸路である

しかし、どれだけ急いだとしても数分や10数分でつくような距離ではない

そう考えた垣山だったが……

突如、校庭の中央に、1台のバイクが学校のフェンスを30mほど飛び越え、垣山の目の前に着地した

バイクに乗った人物はGUYSメットこそすれ、服装は私服であった

バイクに乗った人物はバイクから降りると、メットを取った

「イカルガさんッ!?」

メットを取った人物……イカルガはメットを垣山に放り投げ、言った

「真司、自分のメットと他人のメットを間違えて持っていくなよ。

もし俺が持ってこなかったらメテオールショットが変な方向に飛んでくところだぞ?」

「え?」

垣山は自分がかぶっているメットを取り、裏を見た

そこには自分のメットには書いてあるはずのSHINZIの文字はなく

JORGEの文字があった

「あえ……?おかしいな……確かに自分の棚から……」

「おい、ボーッとすんな、早く乗れ」

垣山が考え事をしている間に助手席に乗り込んだイカルガが垣山を呼んでいた

 

 

 

 

 

 

人気のない通りに来たヒロは、素早くジャケットの内側に隠してあるαフュージョミッション取りだし……

「ヒーローーーッ!!」

上に掲げ、変身した

 

「………。」

しかし、ヒロは1人……その様子を偶然見ていた者に気付けなかった

いつもなら見ている気配など察せるはずのヒロだったが、その人物だけは気付けなかった

「とんだ特ダネだな……」

クゼ テッペイやイカルガ ジョージと同じ年齢に見える男性は、

変身する瞬間を捉えた、改造カメラを手にそう呟くと、ニヤリと笑い、どこかへ消えていった

 

 

 

 

 

 

火球を全て相殺していた護だったが、流石に体力が続かず、1発……もう1発と、火球が体に当たった

篠崎たちGUYSマシン2機もディガルーグに必死に攻撃するが、2機の攻撃は完全に無視されていた

そして、護の体に4発目の火球が当たると同時に、護は遂に膝を付き、

腕の発火も消えてしまった

すると、胸のカラータイマーが赤く点滅し始める

ディガルーグはそれを好機と見るや、先ほどの火球の数倍の大きさの火球を放った

咄嗟に腕をクロスさせ、防御の姿勢を取るが……

力及ばず、うつ伏せに倒れてしまう

そして止めの一撃と言わんばかりに、再び火球が放たれた

その火球が倒れている護に当たる直前……青い体の巨人が火球と護の間に割って入った

『ウルトラバリヤーッ!!』

巨人の目の前に光の壁が現れ、火球を防いだ

 

『護さん、すみません遅れました!!』

青い巨人……ヒロはなんとか体制を立て直そうとする護の手を引き、立ち上がらせた

『いや……ナイスタイミングだ、欲を言えばもっと早く助けてほしかったけどな』

護が冗談半分にそう言うと、ヒロも冗談口を叩いた

『じゃあ一人で戦いますか?』

『今はやめとく』

そして、二人はディガルーグのほうへ体を向けた

『僕たちの攻撃は多分効きません……どうしますか?』

『それは当然……チームプレーで』

ヒロと護は互いの拳を合わせ、上に掲げた

 

光り輝く赤と青の二つの粒子が合わさり、

ウルトラマンヒーロー・ライトニングヒーローが現れた

『ティー……サッ!!』

ヒーローはいつものファイティングポーズを取った

一つになったヒーローのエネルギーを感じ取ったのか、大きく雄たけびを上げ、再び火球を放った

しかし、今度は避難所の人々ではなくヒーローに向けて放たれた

放たれた火球に対し、ヒーローは防ぐでも避けるでもなく、火球に向かって駆けた

そして、火球に対しダイビングボレーシュート……イカルガ ジョージの流星シュートをした

火球は爆発せず、ディガルーグに向かって高速で跳ね返され、その衝撃でディガルーグを後ろに倒れさせた

 

ヒーローは両腰に両手を引き、そのまま横に腕を伸ばすと、M87光線と同じ動作を行い、光線を放った

『ライトニングロード!!』

ライトニングロード名付けられた光線はディガルーグを貫通した後、ディガルーグを光に変換し、

近くの避難完了済みである広い場所へ強制転位させ、そのまま拘束した

「橘隊長!!メテオールを!!」

セリザワが橘にそう言うと、橘も今が好機と見た

『メテオール解禁!!』

『GIG!!パーミッショントゥーシフト……マニューバ!!』

GUYSガンウィンガー、GUYSガンローダー、Nブースターの3機から金色の粒子があふれ出し、

ディガルーグ目掛けて高速で接近した

「ガンウィンガー、ポイント到達!!」

「ガンローダー、ポイント到達!!お父さん!!」

「マニューバモード、強制停止!!」

垣山がマニューバに移行するレバーを逆に引きくと、

Nブースターのモニターに表示されているメテオールの制限時間が強制的に0カウントになり、

マニューバモードからクルーズモードへ移行した

 

垣山とイカルガは素早くメテオールショットを取りだし、

垣山はメモリーディスプレイをナンダから強制排出、メテオールショットに差し込んだ

「いいか?チャンスは一回、ミスするなよ」

「GIG……!!」

二人はサイドガラスを開け、身を乗り出した

「カウント!!3、2、1……ファイア!!」

 

2機のGUYSマシンからスペシウム弾頭弾が全弾発射され、

ほぼ同時にメテオールショットからキャプチャーキューブが発射された

そのままスペシウム弾頭弾が当たると同時にキャプチャーキューブがディガルーグを囲むように展開された

爆発……しばしの沈黙が流れた

キャプチャーキューブの中は煙で何も視認できない

その時、3機のGUYSマシンに電子音が鳴る

もしや、失敗したのか……?そんな考えが誰の頭にも浮かんだが、

それはモニターに表示されているあるもので答えが出た

「あ……ダークエフェクト、計測不能数値にまで低下……」

三原がモニターに映っている表示を見つめ報告した

全員がそれを見た後、キャプチャーキューブの中を見つめた

煙が薄れたキューブの中には、ディガルーグは存在していなかった

坂牧が念のため、まわりを見渡すが、坂牧の瞳には、ダークエフェクトはなかった

「ディガルーグ……消滅しました!!」

作戦完了……そうわかった瞬間、全員が喜びの声をあげた

ヒーローは戦いが終わったことを知ると、空高くへと飛んで消えていった

「今度こそ、アディオス……ディガルーグ」

 

 

 

 

 

作戦終了後、指令室には……2名の隊員が正座で座らされていた

「おい、流石に今回は焼肉じゃすまないと思わないか?」

篠崎が2名の隊員……護とヒロに言う

「はい……申し訳ありませんでした……」

「申し訳ありませんでした……」

2人が頭を下げ、謝る……が、当然それでは許されることはなかった

すると、頭を下げていた2人の目の前に独特な香りを放つ、バケツのようなものを置かれた

2人は頭をあげ、それを見ると……

そこにはGUYSファイアーレッド20Lと書かれたバケツが置いてあった

「昔からの伝統だ、頑張って2人で俺たちの翼を塗りなおしておけよ?」

2人がみたみんなの顔は不満は少し残しつつも、いつもの顔に戻っていた

護とヒロは真剣な顔で立ち上がり言った

『GIG!!』

 

 

 

 

 

 

その日の夜、ようやくGUYSガンフェニックスの再塗装を終えた2人の元に、イカルガ ジョージが現れた

「あ、イカルガさん……どうしたんですか?」

イカルガは2人を手招きし、小さな声で聞いた

「お前ら、ウルトラマンだな?」

その言葉に、2人に緊張が走る

「まぁ、何も言わなくていい、間違ってたら俺の勘違いってだけだからな……

俺がGUYSに来る前の話だ……

俺はサッカーの試合で、自分にしか見えないものを、周りから信じてもらえなくてな?

だから、俺は昔、スタンドプレーしか出来なかった。

人と人とでさえこうなんだ、

ウルトラマンには見えても人には見えないものだってあるんじゃないかと思っている

けど、俺はウルトラマンがずっとスタンドプレーヤーだと思ったことはないな。

ウルトラマンの周りにはいつもチーム……仲間がいる……

だからお前らも、自分に一人でどうにかしようとせず、まわりの仲間を頼れよ」

イカルガはチャオと軽く挨拶をして自分の部屋へ戻ろうとした

「あの!!」

「なんだ?護」

「……3つの角へのアメイジングトリプル、お見事でした」

イカルガはその言葉に少し微笑み

「てか、基本な?」

30年前と同じく、そう答えた




ライトニングロード
両腕を腰に引き、左右に伸ばした後、M87光線と同じ動作で出される光線
攻撃力はないが、高い追尾性があり、光線に当たった対象物を光に変換し、
光速で任意の場所に移動させることができる
キャッチリングのように拘束することもできる
その光線に自身も乗って移動することもできる
その状態から繰り出される右ストレートは、ライトニングフィニッシュという技だ


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