ウルトラマンヒーロー   作:ホルンでごぜーます

49 / 64
宣言通り、投稿いたしました!!
パソコンに向かいすぎたのか目と頭がちょっと痛いです……
では、本編をどうぞ


アメイジングトリプルを撃て2-負思念体ディガルーグ登場-

ディガルーグが出現してから数時間が経った

GUYS基地では重い空気が漂っていた……

それもそのはず……現在GUYSは、怪獣の出現に間に合うどころか、

ウルトラマンを助けられない役立たずとさえ言われていた

「ちくしょうッ!!」

篠崎が自分の机を蹴り、怒鳴り声を上げた

その様子を見て、橘は席から立ち上がり、篠崎の傍に近寄り注意をした

「篠崎、いい加減何かある度に物に当たるのは止めろ」

「でも橘隊長!!」

「苛立つのは分かるが……その怒りで人が救えると思うか……?」

橘の言葉で篠崎は俯き、心の中で怒りを鎮め、自分の席に座った

 

次に橘は、ディガルーグのドキュメントを調べている三原の傍に近寄った

「三原くん、何か分かったか?」

三原は頭を軽く押さえ、ディガルーグのドキュメントを調べ、分かったことについて説明をし始めた

「えっと……宇宙量子怪獣ディガルーグはウルトラマンメビウスの居た30年前に出現した怪獣です……

体長は54メートル……体重は3万トンで……あの……」

「どうしたんだ?」

「あの……橘隊長はシュレディンガーの猫って話はご存知ですか?」

「どうした急に?えっと……中が見えない箱の中に猫を入れて、そこにガス出る装置も一緒に入れて、

猫がガスで死ぬか死なないか分からないって話だったか?」

「えっと、全然違います……」

自分が知っていた情報が間違っていることに若干の気まずさを感じながら、

橘は三原がディスプレイに出した映像を見た

 

そこには量子力学-シュレディンガーの猫とは-と書かれていた

「長くなるか?」

「……やっぱりやめます、ディガルーグのことだけ説明しますね」

ディスプレイにディガルーグのドキュメントが表示され、三原は量子力学を知らない人でも分かるように、

ディガルーグのことを説明し始めた

「今回現れたディガルーグは3体居ましたが、その本当に3体存在しているわけではなく、

3体で1体の実体を持っていて3分の1ずつ本物という確率論的存在の怪獣なんです」

橘は首をかしげた

「えっと……ただ攻撃しても意味がないとだけ理解してもらえば……」

三原は30年前、ディガルーグが出現した時の映像を橘に見せた

そこにはGUYSマシンの攻撃がディガルーグをすり抜けている映像が映し出されていた

 

「攻撃しても意味がない……そんな怪獣をどうやって倒したんだ?」

「ドキュメントには、出現した3体のディガルーグを同時に攻撃すると、

ディガルーグが1体に収縮すると残っています……しかし、複数の目標を同時に攻撃することは不可能です……

出来たのは、当時GUYS Japanの隊員……イカルガ ジョージさんだけです」

「イカルガ ジョージ……?あっ……!!」

橘が何かに気づいた時、指令室の扉が開けられ、そこからクゼ テッペイが現れた

 

『クゼさん!!』

「クゼさん、ご無事で何よりです!!」

そう言い、橘がクゼに近寄る

クゼは何も言わず、ただ小さく頭を下げた

「護さんは一緒じゃないんですか……?」

ヒロがクゼに詰め寄ると、クゼは護のことについて話し始めた

 

 

 

 

 

 

赤いウルトラマンヒーローが消え、ディガルーグも消えた後、クゼは護を探していた

「護くーんッ!!どこだーッ!!」

クゼは今の自分で出せる限界の声量で護を呼んでいた

しかし、帰ってくる声はなく、ただ辺り一面、火の付いた建物の残骸が転がっていた

『護君……一体どこにいるんだ……』

探すこと数分……クゼは瓦礫の上で横たわる護の姿を見つけた

クゼが急いで近付くと、護の身体は大変なことになっていた

「酷い熱傷だ……!!」

護の体は大部分がやけどを負っていた、その酷さからクゼは一瞬だけパニックになるが、

すぐに冷静になり、医者としての責務を果たそうと動いた

クゼは近場に来ていた救助隊と共に護を担送した

 

 

 

 

 

 

「それで護さんは無事なんですかッ!?」

ヒロと坂牧がクゼに護の安否を聞くと、クゼは暗い表情のままだった

「まさか……」

クルー全員が固唾を呑んだ……

しかし、クゼはほほ笑むと

「いや、無事だよ……護君は幸い軽度の火傷だったんだ」

と言った

その言葉に坂牧以外のクルー全員がほっとした

クゼは床に置いていた手提げのバックを取り、橘に渡した

「それとディガルーグのついてですけど……これを坂牧さん以外着て、すぐに第2グラウンドに行ってください」

「あ、そうですよクゼさん!!イカルガさんを迎え行かなければ……!!」

橘がクゼにそういうと、クゼは手で落ち着いてとジェスチャーした

「だから第2グラウンドに行ってほしいんです!!ジョージさん待っているんですから!!」

イカルガ ジョージと言う名を聞いて、垣山が目を大きく開いて驚いた

「スペインリーグの得点王のイカルガ ジョージが来ているのかッ!?」

驚く垣山と違い、屋久島は首を傾げた

「イカルガ ジョージ……て誰?」

「知らないのか?元GUYSクルーで現役時代スペインリーグで毎年得点王だったサッカー選手だぜ?

確か今はどっかのコーチやってるはずだけどな……」

屋久島に簡単な説明をした篠崎は橘がもらったバックの口の中を見た

「……おいおい、正気かよ」

「どうしたのよ?」

続いて屋久島がバックの中身から何かを一つ取りだした

緑の蛍光色のそれは無数の穴が開いており、広げると数字が大きく書かれていた

誰がどう見てもそれはスポーツのチーム分けに使われるギプスだった

 

 

 

 

 

 

第2グラウンドではサッカーボールをコーナーキックの地点から角のゴールポストに当て、

ゴールを決めているイカルガ ジョージの姿があった

そこへ、ギプスを付けずに橘達がやってきた

「イカルガさん!!」

橘がイカルガへ近付くと、イカルガは足元にあったボールを、橘の胸めがけて軽く蹴った

緩い放物線を描いたボールを橘は慌てながらもキャッチした

すると、甲高いホイッスルの音が響いた

「ハンドだ」

イカルガは橘を指さしそう言った

 

「イカルガさん!!ディガルーグが現れていることはご存知ですよね!?」

「それがどうしたんだ?……まさかとは思うが……

歳取った俺にディノゾールを倒すのに銃を握れって言うんじゃないだろうな?」

橘は図星を突かれるが、引き下がらず、イカルガに頼んだ

「お願いしますイカルガさん!!協力してください!!

メテオールショットのアメイジングトリプルを扱えるのはイカルガさんだけなんです!!」

「じゃあ俺がいなかったらどうするんだ隊長さん?

助けを待つ人達に言うかい?イカルガ ジョージさんがいないから倒せませんって」

イカルガは逆に橘に近付き、睨みながら言った

「怪獣を倒すのはGUYSの責任だ、今のお前たちが戦えないとか弱音を吐くんじゃねぇ、

いいからさっさとギプスを付けろ」

イカルガは橘から離れ、置いてあったホワイトボードに何かを書き始めた

 

 

 

 

 

 

一方その頃、指令室の方では坂牧がクゼに護のことを聞いていた

「クゼさん、護さんのこと……本当ですか?」

クゼは先ほどの微笑みから表情を変えていた

その顔は暗い表情ではなく、疑問に満ちたものだ

「いや、本当だよ。

護君は早ければ数日もかからず帰ってこれるよ」

「そうですか……」

「ちょっと飲み物を持ってくるよ、坂牧さんは何か欲しいものは?」

クゼは立ち上がり、飲み物を取りに指令室を出ようとする

坂牧はそんなクゼに対し、言った

「クゼさん……護さんのことは他の人には内緒にしてあげて下さい」

坂牧は座ったまま頭を下げた

「お願いします」

クゼは小さく笑い

「大丈夫だよ、坂牧さんが言ったことは内緒にしとくよ。

大事な人のことは気になるものだからね」

そう言い、クゼは指令室を出た

 

指令室を出たクゼは壁にもたれかかった

「やっぱり護君は……ミライ君と同じ……」

『護君の身体は確かに重度のやけどを負っていた……それも生命に関わるようなもの……

けど、救助隊が来た時にはすでに軽度の火傷ほどに治っていた。

そんなことは人間ではありえない……

ありえるとしたらウルトラマンヒーローが護君の身体を治す何かをしたか……もしくは……』

クゼは目を瞑ると、そこにはある光景が映っていた

30年という年が経っても色褪せない、1人の仲間のことを……

「護君……君はウルトラマンなのか……?」

 

 

 

 

 

 

第2グラウンドではイカルガ、橘、篠崎、垣山、屋久島、三原の6人がサッカーをしていた

ギプスの色で2つのチームに分けられているらしく、

緑のギプスをイカルガ、橘、三原が着用し、赤のギプスを篠崎、垣山、屋久島が着用していた

「なんでこんな緊急時にサッカーなんてッ!!」

橘が愚痴をこぼしながらボールを篠崎にとられないように足でコントロールしていた

そんな橘にイカルガが声を飛ばす

「隊長さん!!さっさとパスしろ!!」

そう言うイカルガはあまり積極的にボールに絡まず、指示を飛ばすだけであった

そして、イカルガはある人物を見つめていた

「朱里ちゃん、イカルガさんマーク!!」

そこにはイカルガのように指示を飛ばす垣山の姿があった

 

サッカーを始めてから45分……イカルガがホイッスルを吹き、サッカーは終わった

イカルガ以外が肩で呼吸をしていた

「よし、分かった」

そう言うイカルガに橘が呼吸を整えた後、質問をした

「何が、分かったんですか?」

イカルガは垣山に近付き、肩に両手を置き、言った

「ディガルーグを倒せるのはお前だけだぜ、真司」

 

 

 

 

 

 

翌日……ディガルーグ出現のためGUYSは緊急出動した




というわけで、2人目のアドバイザーはイカルガ ジョージさんでした!!
まぁ、タイトルが答えみたいなものなんですがね……

今回の話はもうちょっと長くなる話だったんですが……(主に量子物理学)
恐らく自分の文章力では説明できないのと複雑すぎるので全部カットしました
ディガルーグって結局何?という方は、
シュレディンガーの猫を調べれば面白いかもしれません

アメイジングトリプルと言うタイトルなのにやっていることがサッカーですね……
まぁ、理由は次回の話で分かります
ではまた次回で!!

ご感想、ご指摘、ご質問、お待ちしております

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。