ウルトラマンヒーロー   作:ホルンでごぜーます

47 / 64
書き終えました……
難産というか……調べるものが多すぎて大変でした
次の話は頭の中にあるので次は楽にかけますが、期間が開くかもしれません
お楽しみにしてくださる人がいらっしゃるのかどうかは分かりませんが、
しばらくの間お待ちしていただけたら幸いです
では、良い年明けを!!来年もよろしくお願いします!!
忘れてました、そして本編をどうぞ!!


青天のドッグファイト3-負思念体アリゲラ・超空洞人ヴォイド人登場-

アリゲラをそれぞれ誘導することに成功した護たち

負思念体のアリゲラに対し、以前の作戦が通用するかが不安要素はあったが、

ここまでくれば作戦を押し通せば今回の任務はひとまず終えることができる

場面はアリゲラの数と同じ、2つに分かれる

 

J-7地区へアリゲラを誘導している篠崎達ケツァールは、

すでに最後の手段であるメテオールを使用しているため、マニューバモードが切れるまでに、

J-7地区へアリゲラを誘導しなければならない

30年前より性能が向上したGUYSのマシンだが、それでもメテオールを使用しなければ、

苦戦を強いられる程にアリゲラは強く、通常時のケツァールより早く空を飛ぶ

そんな時、機体からアラートが鳴った

調べると、メテオールの制限時間が迫ってきていた

「三原!!J-7地区には!!」

『ギリギリ間に合いません!!』

篠崎はもう一度モニターに映る制限時間を見て、操縦桿を引いた

ケツァールはほぼ垂直に急上昇し、そのまま宙返り……アリゲラの背後を取った

 

「ここで倒すぞ!!」

このままではマニューバモードが切れ、アリゲラが一方的に有利になる可能性が出てきたため、

篠崎はマニューバモードが使える今、アリゲラを対処しようとしていた

ケツァールの機体上部にはすでにエネルギーを限界まで溜めたスペシウム光線の準備が完了していた

「スペシウム光線……ファイアーッ!!」

ケツァールから放たれたスペシウム光線はアリゲラの背中を直撃する……かに思えた

さすがにそう都合よくいかないようで、アリゲラに回避こそされなかったが、

急旋回によりスペシウム光線を直撃ではなく、右翼に当たる程度になってしまった

 

しかし、かなりのダメージを与えることにはなったようで、アリゲラはうまく飛ぶことができず、

陸上に降り立ち、スペシウム光線を放ち、クルーズモードへ移行してしまったケツァールに、

首の付け根のパルス孔から電磁気光線を放った

ケツァールは分離することでなんとか回避し、ウィングレットブラスターやバリアブルパルサーを放つが、

その硬い両翼に攻撃を防がれてしまった

アリゲラが長い尾の先から追尾性の高いビームを2機に放つ

レッドスパロウとオオルリは回避しようと最大速度で振り切ろうとするが、

アリゲラの電磁気光線の追い打ちもかかる

もう2機には電磁気光線、そして追尾性のビームのどちらかしか回避する余裕はない

しかし、両方ともレッドスパロウとオオルリを墜落させるには十分な威力持っている

万事休す……そう思われた時、2機を追尾していたはずのビームが、赤い光弾によって落とされ、

2機は電磁気光線を回避し、危機を脱出した

そして、篠崎たちはビームを落とした赤い光弾を放った者の姿を見た

そこにいたのは赤いウルトラマンヒーロー、護の姿があった

 

実はもしものことを考え、護はセリザワに先にJ-7地区に行くように言われていたのである

セリザワの予想は的中し、クルーの危機に護はウルトラマンヒーローへと変身したのであった

 

『サァーーーッ!!』

構えを取り、アリゲラへ駆けだす護

いつものように懐に素早く入り込んだ護は連続で拳を叩きこもうとするのだが、

パルス孔から放たれる至近距離での電磁気光線に当たり、行動を止めてしまう

そこへ、アリゲラの両翼を逆に叩き込まれてしまう

このまま押し切られてしまうのか?そんな時、アリゲラの背中に何かが炸裂した

同時にアリゲラの前方へレッドスパロウとオオルリが飛んでいく

アリゲラの注意がそれた瞬間に護は右ストレートによる一撃を叩き込んだ

しかし、先ほどのように至近距離での攻撃は反撃に遭うため、護は一度距離を取り、

先ほどビームを落としたパワーショットをパルス孔目掛け放つが、防御されてしまった

そこへ旋回し戻ってきた2機がアリゲラに攻撃を加えた

強敵のアリゲラに対し数で有利を持っていた護たちだったが、

注意を引きすぎたのか、アリゲラは低い威力の攻撃をしてくる2機に再び、追尾性のビームを放った

レッドスパロウとオオルリに再び迫るアリゲラの攻撃、それは先ほどよりも鋭く2機を狙って来ていた

 

 

 

 

 

 

その頃、GUYSオーシャンの待つ海域に向かっているNブースターに乗るヒロ達3人も、

アリゲラの追尾性ビームを回避するため、Nブースターのマニューバモードを起動しており、

円形のバリアーを形成するスパイラルフォールを使い、ブームを弾いたりして、順調に目標へ向かっていた

そして、もう少しで目標のポイントにつくところであった

しかし、篠崎たちと同じように後少しの所でマニューバモードが切れようとしていた

そこへアリゲラが高速で近づき、そのまま押しつぶさんとしていた

その時、急にアリゲラが急停止し、高度を上昇させた

いったい何が起こったのか、ヒロ達が不思議に思っていると

『危機一髪だったな、大丈夫か?』

誰かがヒロ達に通信を取ってきた

「GUYSオーシャンか?ポイントまでまだ距離があったはずだが……」

『何事にも最悪の事態ってのはある、こっちもそっちに向かって移動しただけだ、ここまでの誘導に感謝する』

「しかし、いったいどうやってアリゲラを……」

そう思うセリザワとヒロは海面から発せられる何かに気づいた

「超音波でアリゲラに地形を誤認させたのか……!!」

『こっからはGUYSオーシャンの仕事だ……任せとけ、やつとは戦ったことがあるからな』

すると、Nブースターの正面から1機のホワイトホッドが向かって来ていた

ホワイトホッドにはGUYS Japanのオレンジ色の服とは違い青色の服を着たある男が乗っていた

その男の名は勇魚(イサナ) 洋(ヒロシ)……

30年前、ウルトラマンメビウスと当時のクルー達とアリゲラと戦った男だ

 

「さぁ……仕事辞めたとっつあんにわざわざ整備してもらったんだ、頼むぜ」

勇魚はアリゲラを捕らえている超音波の壁に入ると同時にメテオールを使用、マニューバモードとなり、

一気にアリゲラに接近する

ビークバルカンやウィングレットブラスターを全弾命中させ、アリゲラにダメージを蓄積させていく

アリゲラもこのままやられまいと、反撃しようとするが、

超音波による地形誤認が邪魔をし、接近することすらできない

どう見ても勇魚のほうが優勢……しかしヒロとセリザワはなぜだかアリゲラがこの状態を望んでいるようにも見えた

セリザワはNブースターの通信を切ったのを確認してから、ヒロに準備をしておくように言った

そして、とどめと言わんばかりに、勇魚はアリゲラにスペシウムトライデントを発射しようとした

その時である、アリゲラはホワイトホッドが超音波の壁から出てきた瞬間を狙い、追尾性のビームを放った

アリゲラの反撃により、スペシウムトライデントを放つのをやめ、回避に専念する勇魚、

先ほどと同じように超音波の壁に入り、やり過ごそうとするが……

ビームどころか、アリゲラ自身も構わず超音波の壁に侵入してきた

「もうバレたのか……?」

勇魚がモニターを確認すると、アリゲラから発せられる超音波が、

超音波の壁を作りだしている装置の出力を大きく超えたために、

壁がゆがんでしまっていた、壁なんていうものがないことがアリゲラにバレてしまったのだ

 

アリゲラはワイズ・クルージングで海面に対し、

低高度飛行を行い、いざというときには水中に潜れるようにするが、

アリゲラも低空飛行をし、パルス孔から電磁気光線を放つ

マニューバモードにより、低高度飛行でも海面に触れずに回避を続けられるが、次第に追い詰められていく

その様子を見ていたヒロはNブースターのドアを開け、飛び降りた

ホワイトホッド内にメテオールの制限時間残り10秒のカウントダウンが響く

勇魚の脳裏には、30年前のある光景が映し出されていた

そして、その光景と同じく、アリゲラがビームを放ち、ホワイトホットの機体上部に当たる……

巨大な水飛沫、水柱、そして霧が発生した

 

 

 

 

 

 

 

しかし、その霧の中から黒い鳥のような機体……ホワイトホットが飛び出した

それと同時に霧の中から青い粒子のブーメランがアリゲラの体表面を切り裂いた

アリゲラが霧を追い抜くと、霧をふき飛ばし、アリゲラを追う青いウルトラマンヒーローが現れた

『ティアッ!!』

ヒロは高速で飛ぶアリゲラに話されないように飛んでいく

その様子をナンダから見ていたセリザワは微笑みながら

「どうやら、間に合ったみたいだな」

と言った、坂牧もヒロが間に合ったことに胸をなでおろした

そこへ勇魚からの通信が入った

『セリザワ元隊長……あれが?』

「あぁ、ウルトラマンヒーローだ」

『そうか……あれが……』

勇魚は先ほどのことを思い出した

 

 

 

 

 

 

メテオールの制限時間が過ぎ、クルーズモードへと移行してしまい、

そして、その瞬間を狙ったかのようなアリゲラの攻撃が機体にあたる……その前に、

大きな青い粒子の円盤が、アリゲラのビームを防いでくれた

かつて、ウルトラマンメビウスが助けてくれた記憶と重なって見えるほど、

その背中を見つめ、勇魚は霧の中を抜けた……

そして、勇魚はアリゲラを追うヒロの姿を見つめ、感謝の気持ち……

そしてまた助けられてしまったことに悔しさの気持ちを胸に抱いた

 

ヒロとアリゲラは空中戦闘……ドックファイトを続けていた

アリゲラは直線状で逃げ、後ろから着いてくるヒロの飛行速度を超音波で確かめていた

ヒロの飛行速度は自分と同じぐらい、もしくはそれより遅いと分かり、

アリゲラは左右、そして上下と急旋回をして振り切ろうとした

しかし、旋回をするたびにアリゲラとヒロの距離は縮まっていく

超音波で知る限り、ヒロは本当にぴったりとくっついて飛んでいるわけではなく、

アリゲラからすれば奇妙な飛び方をしていた

 

十分な距離に近づいたヒロは空中で素早く放てる光線技、エフェクト・ショットをチャージの動作をなくし、

さらに素早く何度も繰り出した

エフェクト・ショットがアリゲラに何発か命中し、アリゲラはエフェクト・ショットを回避するために、

位置をずらし、旋回を織り交ぜ行うが、そのたびに距離が縮まる

何故距離が縮まるのか、それはヒロの飛び方に秘密があった

確かに、ヒロの飛行速度はアリゲラよりも若干遅い、本来であれば引き離されるのが普通である

しかし、この速度の問題は戦闘機に使われる飛び方を駆使することで速度をもっと速めることができるのだ

ハイ・ヨー・ヨー、ロー・ヨー・ヨー、スライスバックやシャンデルなどを使いこなせるヒロにとって、

でたらめに飛ぶアリゲラは簡単に追いつける怪獣だった

アリゲラがヒロとのドッグファイトで勝つためには、ヒロに回避行動を取らせるしかなかった

アリゲラもそれに気付き、後ろから追ってくるヒロに追尾するビームを放つ、

まっすぐ向かってくるビームに対し、ヒロはエフェクト・シールドを海面に対しほぼ平行に張り、

ビームを防ぎ、その爆発した勢いも利用し加速した

 

とうとう、2体の距離があと少しで体に触れられるほどになった

しかし、接近すれば逆に攻撃は当てにくくなる、ヒロはそんなことをお構いなしでどんどんと近づいていく

そして、近付かれたアリゲラがついに急減速をかけ、少し上昇した

アリゲラの真下を高速で通り過ぎたヒロ、位置が逆になり速度の勝るアリゲラが有利な戦いが……

 

 

 

 

 

 

……起こることはなかった

ヒロはアリゲラが減速するその時を待っていたのだ

身体を垂直に起こし、身体の前にエフェクト・シールドを展開し、急減速……

そしてそのままエフェクト・シールドを足場に、急減速をし体制を整えていないアリゲラに向かい、飛んだ

ヒロはエフェクト・スラッガーを手に持つと、高速で回転し、そのままアリゲラの身体を通り抜けた

ヒロは動きを停止させ、アリゲラのいる背後を振り向き、構える

アリゲラの身体は微塵も動かず、一瞬の間の後、海へ自由落下していき、海面で爆発した

 

 

 

 

 

 

ヒロがアリゲラを倒した頃、護たちと戦っているアリゲラは、レッドスパロウ、オオルリに追尾ビームを放った

護はどうにかしてビームを防ごうとしたが、電磁気光線を食らい、妨害されてしまう

『クッ……!!みんなが!!』

守りたいという護の心が身体を動かし、2機に右手を伸ばす……しかし、離れている2機に手が届くわけがなかった

しかし、焦る護とは反対に、篠崎たちは冷静であった

「行くぞ!!合わせろ三原!!」

『GIG!!』

レッドスパロウとオオルリは急旋回し、それぞれお互いの機体に向かって加速した

このまま飛べば衝突する……しかし、交差することで衝突を避けた

そして、背後を狙い迫っていたビームはお互いに衝突し、相殺された

「シャッ!!成功だ!!」

そして、そのまま2機はアリゲラの背後から攻撃を加える

その様子を見た護は気持ちを切り替え、右腕を横に伸ばし、エネルギーを溜めた

作られたのは赤い粒子の球体……レッドパワー・ボム、しかしそれを投げず、拳にまとい、右手を腰に引いた

そのままアリゲラに向かい全力で駆ける

アリゲラは電磁気光線を放つが、護は身体に当たってもその足を止めず、アリゲラに近付く

アリゲラもその鋭利な翼で迎え撃つ……そして、アリゲラの翼が護の身体に直撃し、護の動きが止まった……

 

しかし、じりじりとアリゲラの身体が後ろへと押されていく

まだ護は止まってなどいなかったのだ

身体ごとアリゲラを左腕で押し、その速度はどんどんと加速してく

そして、アリゲラの胴体を防護していた両翼は勢いに押され、防御が外れた

護は身体を大きく捻り、アリゲラの無防備な身体に強烈なアッパーを当てた

赤い衝撃が広がり、途端にアリゲラは爆発した

 

爆発の煙が晴れ、護のウルトラマンが姿を現した

すでに胸のカラータイマーは赤く点滅を始めていた

護は空に向けて大きくジャンプすると、そのまま飛び去って行った

 

 

 

 

 

 

GUYS Japan基地ではクゼが任務の成功に大喜びしていた

あまりのはしゃぎ様で、

その激しさで机の上の真・アリゲラ書いてある札を張られたアリゲラのフィギュアが転がり落ちた

挙句の果てにそれを踏みつけてしまい、両翼が外れてしまった

「あぁああああ!!ごめんごめん!!」

その様子を見ていた橘は乾いた笑いをしたあと、これから先のことを考えつつ、シリアルを皿に出し、

牛乳を入れずにポリポリと食べ始めた




スラッガー・ハリケーン
エフェクト・スラッガーを持ち、高速で身体を回転させ敵に突っ込む技

ライトニングカウンター・ボム
ウルトラマンメビウスのライトニングカウンターゼロのように、
拳にレッドパワー・ボムを纏わせ、叩き込む技

イエローバッジー\ブルーバッジー
GUYSスペーシ-の主力戦闘機、両機ともオオルリを宇宙用に発展させた戦闘機であり、
開発を凍結されたスペースウィンガーのデータとオオルリのデータをもとに作られた
色によって運用方法が分けられている
セキセイインコのように見えることからこの名前を付けられた

-次回予告-
病院が気になるクゼがGUYS Japanを一時離れることに……
アドバイザーのクゼがいなくなることに不安と寂しさに包まれるクルーたちだったが、
クゼが自分の代わりにアドバイザーとして入る人物に声を掛けてくれた
その人物はスペインリーグのコーチ、イカルガ ジョージだった!!
次回、アメイジングトリプルを撃て
お楽しみに!!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。