ウルトラマンヒーロー   作:ホルンでごぜーます

42 / 64
久々の投稿、今回は特に何もないと思われ
ではどうぞ


大研究その2!!GUYSとウルトラマンヒーローに迫る!!3-負思念集合体サイコダーク登場-

サイコダークを倒し、帰還した篠崎達の前に、橘がセリザワの前で正座している姿が飛び込んだ

「あの……見張るっていってもなにもここまで……」

篠崎がセリザワにそういうと、セリザワは首を横に振り……

「ここまでしないとすぐに逃げようとするからだ」

と言った

「まぁ、橘隊長には書類を手伝った代わりに焼肉でも連れて行ってもらおうか?」

「はい……あの、いつもの食べ放題でいいですよね?」

橘が申し訳なさそうに聞くが……

「逆に高級焼肉でも奢ってくれんのか?」

「いや、厳しいから無理です……」

お礼を言いつつ、頭を下げる橘であった

 

「今のGUYSはよく焼肉を食べるな」

「まぁ、あれは奢りって言っても奢りじゃありませんし、なにかある度に焼肉焼肉言ってますから……

騒ぎたい口実なんですよ」

セリザワの疑問に、護が答えると……セリザワが護の肩に手を置き、なにかを耳打ちした

そのままセリザワと護が席を少し外すと、指令室を出た

「なんの話でしょう?」

ヒロが少し疑問に思ったが、他のクルーたちは坂牧の父親であるセリザワと、

坂牧の思い人である護が同時に退出したのだからと、何を話すのか、大方分かると扉の向こうを見ていた

 

 

 

 

 

 

護はセリザワに連れられ、セリザワの自室に来ていた

「コーヒーだが……飲むか?」

「あ、いただきます」

護はセリザワにコーヒーの入ったマグカップを貰った

ブラックのコーヒーの味に顔をしかめながら、少しずつ飲んでいく

少し時間が経つと、セリザワは目を瞑り、テレパシーの様なものを使い、護と精神世界で話し始めた

 

いきなり周りの光景が変わったことに驚く護を置き、セリザワは話始めた

『すまない、他の誰かに聞かれては厄介な事になりかねない……

この状態で話をさせてくれ』

『は、はい……あのセリザワさんは一体……?』

護がそう言うと、セリザワは右腕にナイトブレスと呼ばれる神秘のアイテムを護に見せた

『私の名前は……ヒカリ、ウルトラマンヒカリだ』

『セリザワさんが……あのウルトラマンヒカリ!?』

護が驚いていると、セリザワはその姿をヒロと同じ、青い体のウルトラマンへと姿を変えた

『なにも驚くことはない、私からすれば、君の方が驚きの対象だ。

原因がこっちにあるとは言え、地球人で初めて生まれたウルトラ族だ……

それと、礼を言わなければならない』

『礼……?』

『由依を助けてくれたそうだな?』

『人を助けたときに、偶然一緒に助けられた……それだけのことです』

『君は人を助けるということがどういうことか分かっていないようだな……

まぁ、人を助ける意味については後に君も分かるだろう。

……本題だ、由依についてだ』

『坂牧について?』

『これを見てくれ』

ウルトラマンヒカリは手をかざすと、そこにとある光景が現れた

 

それはかつて、ウルトラマンヒカリが惑星アーブという場所に降り立った時の光景だった

『ここは?』

『惑星アーブ……私が心奪われたほどに美しい星……

その時の光景だ……私はアーブに訪れ、このアーブの生命と私はコンタクトを取った。

そして、この星が危機に晒されていることを知り、この星を守る勇者になろうとした……

しかし、遅かった……』

光景は一変して、輝く結晶の様なものがボガールに取り込まれていく

『私はボガールと戦ったが、曇った心ではボガールを倒すことは出来ず、逃がしてしまった。

アーブの星の美しい輝きを失った……

しかし、アーブは滅んではいなかった……また新たな生命が生まれ、再び輝き始めた』

光景は荒れ果てた星に、少しずつ輝く結晶が生まれていくのを映し出していた

『あの、アーブと坂牧と……どんな関係が?』

『由依はアーブの因子をその身に宿してしまった人間だ。

由依が盲目でありながら、心を見る事が出来るのはアーブの因子がまだ胎児のときに入ったからだ。

私が由依にあったのは由依がまだ子供だった時だ』

 

光景がまた変わり、そこには何人かの子供たちと離れて座っていた

『由依は児童養護施設に居た、両親が盲目といわれている由依が両親のもとに簡単に駆け寄れた。

それを不審に思った両親が由依が目が見えているか確かめた……』

そこには坂牧の事を恐れつつ、物を目の前で投げ、坂牧に当てる坂牧の両親の姿が映っていた

『人は理解できないものを怖がる生き物だ。

最後には由依を施設に預け、二度と姿を現さなかったようだ』

『それで、セリザワさんが父親代わりとして引き取った……』

光景は再び変わり、坂牧と手を取り、施設を出るセリザワの姿が映っていた

『私は守ると決めた、かつて守れなかった、この子の勇者になると……

しかし、私は宇宙警備隊だった……いつまでも地球にとどまる事は出来なかった。

由依が大人になったら、私は地球を離れなければならかったのだ。

……そして、地球で人々を見守る役目を他の隊員に任せ、私が地球を離れたとき、ダークエフェクトが……』

『その隊員は……?』

『光の国の防衛をしたため、地球には来れなかった……

地球はダークエフェクトに包まれ、簡単には入る事が出来なくなっていた。

ベムラーが現れた時には既にダークエフェクトが地球を覆っていたからな……

幸い、ヒロが地球に来ていた為、何とかなった……』

ウルトラマンヒカリは映していた光景を消し、護と対面した

 

『君に聞きたい……由依がただの人間ではないと知ってでも、君は由依を……』

『……これから俺達、一緒に焼肉なんです。

もちろん坂牧も一緒に』

『そうか……』

『GUYSのドキュメントにはこんな言葉があるそうです。

やさしさを失わないでくれ。

弱いものをいたわり、互いに助け合い、

どこの国の人たちとも友だちになろうとする気持ちを失わないでくれ。

たとえ、その気持ちが何百回裏切られようと。

それがわたしの最後の願いだ……これはウルトラマンAが残してくれた言葉だと言われています。』

『その言葉は私も知っている、しかしその言葉は……』

『この言葉を伝えられた子供たちはこの言葉をどう思ったかは俺には分かりません……

けど、思うんです……そんな当たり前な事を俺達人間がこの言葉がなければ出来ないと俺は思っていません。

だから俺は長い時間がかかるとしても、人とこの宇宙に住むあらゆる生き物が、

手を取って生きていけると信じてます』

ウルトラマンヒカリは精神世界を閉じ、元のセリザワの部屋に戻った

「娘を頼む」

セリザワはそうとだけ答えた

「はい、もちろん……

じゃあ、俺たちは焼肉行ってきますから」

そう言い、立ち去ろうとする護にセリザワが護に待ったと声をかけた

「俺は焼肉にはいけないのか?」

そう声をかけるセリザワに護は笑いながら

「冗談ですよ!!さぁ、早く行きましょう」

セリザワもその言葉に少し微笑み、扉を開けた

 

 

 

 

 

 

『あッ……』

扉を開けたそこには、隊員たちが立っていた

まるで盗み聞きをしていたかのように、顔をそらす隊員たち

「盗み聞きですか?」

護がそう聞くと、篠崎たちは渇いた笑い声を出し、何も言わず外へ向かって歩き出した

誰にも聞こえないよう精神世界で話していたから大丈夫だろうと思っていた護のもとへ、

坂牧が近寄ってきた、そして誰にも聞こえないよう小さな声で

「……よろしくお願いします」

と言った

最後の言葉を聞かれたことを気付かない護は、

その後、焼肉屋で他のクルー達の視線が妙に自分に多い理由が分からなかった

 




ご感想、ご指摘、ご質問お待ちしております

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。