ウルトラマンヒーロー   作:ホルンでごぜーます

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今回から登場怪獣をタイトルにつけてみます
では本編どうぞ


優しき青2-月光怪獣エレキング登場-

そのころ、電力発電所付近は騒然となっていた

怪獣がここに来るという予想がなされているなか、逃げ惑う人々や

発電を止め、被害を最小限にしようとするものもいる

 

しかし、発電所の傍の木陰に何らかの機械がおいてあることには彼らは気付けなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

『ケツァールからGUYSジャパンへ、こちら篠崎、目標のエレキングを目視

目標から1キロメートルを維持し待機中』

 

『GUYSジャパンからケツァールへ、橘だ、まだ電力発電所には人がいる

エレキングの進行スピードから、退避が間に合わない可能性が出てきた

攻撃を許可する、何としてもエレキングの侵攻を阻止せよ』

 

『GIG!!三原、セパレートいくぞ!!』

『GIG!!ケツァール、セパレート!!』

ケツァールのオオルリが加速、レッドスパロウが減速し連結部が切り離され元の二機に戻る

 

「お父さん!!火器は任せたぜ!!」

「だからお父さんっていうなよ!!」

 

「朱里、任せたわ」

「そっちも操縦は任せるわ」

 

オオルリはエレキングの右後方から、レッドスパロウは左後方から近づく

「「M9グレネード弾!!ファイア!!」」

オオルリとレッドスパロウの両翼からM9グレネード弾が発射される

それぞれ2発ずつ、二機合わせて8発がエレキングに命中する

背中で8発の弾が爆ぜる、その衝撃からか、エレキングは悲鳴のような雄たけびを上げる

「「M9グレネード弾全弾命中!!」」

 

『三原!!こっちがエレキングの前に出る!!そっちはしっぽによる攻撃を注意しつつ弾を打ち込め!!』

篠崎はレッドスパロウの両翼に設置してあるライトを点滅させ、

ホバリングモードでエレキングの前方に回った

『任せたわ、こっちはこっちのお仕事しっかりやるからね』

三原もホバリングモードでエレキングのしっぽによる攻撃が当たらない位置で攻撃を始める

M9グレネード弾や、光粒子エネルギー砲がエレキングに確実にダメージを与えていく

よもやこのまま勝てるのではという考えさえ浮かんだその時だ

 

『こちらレッドスパロウ!!計器にトラブルが!!』

『こちらオオルリ!!こちらもトラブル発生!!』

そのことを聞き、本部に残っている橘が驚く

「ありえない!!二機共にトラブルなど!!」

橘のもとに整備班の通信が入る

『橘隊長!!これは整備によるトラブルではありません!!

両機に何らかの音波が発射されています!!それが計器に異常を……』

「発信源は!?」

『……あ!!出ました!!これは電力発電所の傍です!!』

「電力発電所!?まさか……両機!!動けるか!!」

 

『回避運動が限界です!!とても向こうまで行けるほど余裕が……!!』

『私たちが行きます!!』

今、エレキングは二機による連携で動きが取れない状態だ

しかし、ここでどっちか片方がいなくなれば相手をしているほうが最悪落とされる危険性がある

メテオールという必殺の手段も機体にトラブルが発生している今、使用をするわけにもいかない

八方塞がりか……?

そう橘が思いかけた時

 

『こちらナンダ!!電力発電所に到着!!ヒロと一緒にその音波の原因を調べます!!』

この吉報を知らせたのは今日入隊したばかりの新人、護だった

「よ、よし!!ヒロと護は至急、原因の解明を急いでくれ!!」

この吉報は戦闘をしている篠崎や三原たちにも届いていた

「あいつら戦闘機の俺たちを追いぬかして発電所に向かってたのか!?」

「ショートカットしたとしても、すごいスピード……流石新兵器……」

 

『オオルリ!!レッドスパロウは発電所にエレキングが向かわないよう援護しろ!!』

『『GIG!!』』

 

救いがあるとわかった二機は発電所にいる護とヒロという誰かを信じた

 

 

 

 

 

 

 

「でも本当になんでわかったんだ?ここに何かあるって」

護はナンダのなかで知り合ったヒロ名乗る自分より年下であろう青年に話しかけた

「僕、耳がいいんですよ……だからじゃないですか?」

「へぇ、俺はそんな自慢できることないからなぁ……

強いて言うなら自転車がうまいとか……」

 

軽い雑談をしていると

『おい!!いくらそっちがまだ安全だといっても回避しているこっちは辛いんだよ!!

早くしてくれ!!』

「そうだった!!電波電波!!

電波?電波!?電波ってどうやって探すんだよ!!」

護が八つ当たり気味にラジオのようなものを蹴っ飛ばしてしまったときだ

「あ、それ」

「え?これ?」

ラジオのような機械から不協和音のノイズが走ると、軽い爆発を起こした

「壊れましたね」

「壊れたな」

 

「えっと、こちら護です!!そっちに何か変化はありますか?」

『あぁ!!システムがグリーンになった!!助かったぜ!!』

「よし!!ヒロ、ナンダに戻るぞ!!」

「いえ、まだやることがあります」

「え?もう俺たちにできることなんて」

「戦いましょう」

「どっちにしろナンダにのらねぇと」

護がナンダに乗ろうと駈け出したとき、背後から光と温かさを感じた

振り返るとヒロの身体が光り輝いていた

その光に目を瞑り、再び開くとそこにはヒロではなく青いウルトラマンがいた

 

「ウルトラマン……まさか……」

ウルトラマンは右手を護に近付ける

「まて!!さすがに三回目はやめろ!!」

ウルトラマンはのばしていた右手を止め、少し考える雰囲気を出し

胸のカラータイマーから光る何かを護の目の前に落とした

 

「これは……おもちゃか?」

護がそれをつかむとそれの使い方が頭に入ってくる

「フュージョミッション……行くぞ!!」

フュージョミッションを右手でつかみ、胸の前に持ってくる

底の部分を平手で抑える

光がフュージョミッションに集まり、それを上に掲げる

「ヒーローッ!!」

護が光に包まれ、カラータイマーに入り、ウルトラマンの色が変わる

 

全身が赤く、左手が青い、護のウルトラマンに……

 

『サーッ!!』

護は力強く地面を蹴りだし、エレキングに向かって飛んだ

 

 

『両機!!そちらに何かが向かった!!気をつけろ!!』

橘の注意に対し、回避に徹している篠崎が悪態をつく

『くそ、この忙しい時になんだよ!!』

 

『こっちで目視するわ……確認!!あれは……赤い……ウルトラマン』

護は飛んできた速度のままエレキングに飛びつき、エレキングを投げ飛ばす

『サーッ!!』

『両機、ウルトラマンを援護しエレキングを撃破せよ』

『『『『GIG!!』』』』

 

「篠崎!!M9は残弾なしだ!!」

「構わんぜ!!隊長!!メテオールの使用許可を!!」

『良し、メテオールの使用を許可する!!しかし、音波による影響を考え、使用は一分半から一分に変更!!』

『行くぜ三原ぁ!!レッドスパロウ!!マニューバモード!!オン!!』

『声が大きい!!オオルリ!!マニューバモード、オン!!』

二機の機体の翼が複数に分かれ、金色に輝く

二機はマニューバモードになったことで高速機動や複雑な動きができるようになったのだ

 

『お父さん!!』

『お父さんじゃない!!メテオールエネルギー砲!!連続発射!!』

レッドスパロウの底面に収納されていた砲首からエネルギー弾が連続で発射される

『朱里!!』

『メテオールエネルギー砲!!集束発射!!』

オオルリからは機体前方にエネルギーが集まり、球の形でエレキングに飛んでいく

 

護はその隙に前回決めたパワーボムを決めようとするが、

『まってくれ!!』

護の耳にヒロの声が響く

『エレキングはもともとおとなしい怪獣なんだ!!僕に代わってくれ!!』

『大丈夫なのか?』

『お願いだ!!変わってくれ!!』

護はうなずくと右腕を腰に、左腕を左に伸ばし、モードチェンジをした

ウルトラマンの色は青くなる

 

『ウルトラマンの色が青くなりやがった……あいつで戦えるのかよ

周りを考えず戦うやつだぞ?』

青い色に変わったウルトラマンに対し篠崎が悪態をつく

篠崎は青いウルトラマンのいままでを見ていたのだ

その中で、青いウルトラマンは周りを考えないと考えていた

『くそ!!おれたちで倒すぞ!!』

 

そんな中、ヒロのウルトラマンはウルトラマンメビウスに似た構えをとった

『ティアッ!!』

エレキングの口から光線が放たれるが、ヒロは両手で青い粒子のシールドを張って防ぐ

次は尻尾による鞭のような攻撃が来るが、これもシールドを張り、防ぐ

『僕は……!!もう逃げはしない!!』

両拳を腰に、その後左腕だけを左に伸ばす

青い粒子の渦が左手に集まる

その状態から両腕を胸の前で回転させ、青いシールドを作ると、それを縮小させ、

エレキングの角めがけて投げる

 

まるでウルトラスラッシュのようにエレキングの右の角を切る

すると、エレキングは先ほどまでの暴れる様子はなく、ただただ立っていた

『今なら止めを!!』

レッドスパロウとオオルリが攻撃をしようとしたとき、その目の前にヒロが手を出し、制止を促した

ヒロはエレキングに話し始める

『君は誰かに操られていたんだね、もう大丈夫だ

さぁ、早くお帰り』

 

エレキングはお辞儀のような動作をした後、宇宙へと帰って行った

 

『……呆けている場合じゃ……!!追撃を!!』

『もう無理よ、タイムリミットよ』

篠崎が見るとメテオール使用のタイムが既に三秒だった

時間が切れ、金色の輝きが無くなり、もとの機体に戻る

『まぁ、良いんじゃない?被害はほぼゼロなんだから』

『……あぁ、そうだな』

ウルトラマンは二機にサムズアップをし、そのまま空へ飛んで行った

 

 

ヒロと護はナンダの目の前に落ちた

「痛て、どうにかなったか?」

「ありがとうございました」

「ああ、ところで、お前……一体……」

「え?何回か会ってますし、ご存知ですよね?

この人間体の名前は朝日ヒロ、ウルトラマンヒーローです!!」

 

護が本当にウルトラマンと出会った日になった




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