ウルトラマンヒーロー   作:ホルンでごぜーます

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しっぴつしゅうりょー……

ではどうぞ


決断と別れ2-ラビオル星人・再生同化怪獣ボガール登場-

「え!?護君GUYS辞めちゃうんですか!?」

指令室で三原が橘に聞いた、ほかのクルーも驚愕の表情を浮かべている

「何も驚くことじゃない、度重なる体調不良、そしてこの前の騒ぎで判断した」

篠崎が頭を掻き、自分の席に勢いよく座った

屋久島は周りを見渡し、この場にヒロがいないことに気付いた

「隊長、この話は私たちじゃなくて……」

「ヒロ君にはすでに伝えてある、話は以上だ」

橘はそれを伝えると指令室を出て、どこかへと向かった

指令室には何ともいい難い雰囲気に染まっていた

 

 

 

 

 

 

GUYSで護の除隊が報告されているとき、護は病院の自分の病室でベットに横になっていた

「何かあったらナースコールを押してくださいね」

薄い桃色のナース服を着た看護士がそう言い去っていく

個室の病室で一人、窓の外を見る護の膝元には、真ん中から二つに切られたフュージョミッションがあった

護は掛け布団の中に隠していた自身の右手を見る……その手は薄っすらと透けてきている

医者に診察された時は偶然にもばれずに済んだが、今後いつ発覚するかもわからない

護は部屋に掛けてある私服に着替え、窓から病室を抜け出した

病院が護が抜け出したことに気付いたのはその1分後のことだった

 

 

 

 

 

 

丁度その頃、ヒロは自室の机に頭を伏せていた

これで良かったんだと自分に言い聞かせながら……

そんな時、ヒロは背後に何かがいることに気付き、顔を向けるとそこにはバルタン星人の男が立っていた

「何しに来たんですか……?」

ヒロがバルタン星人の男にそう聞くと、男は答えた

「笑いに来たんだよ、侵略者の貴様を……な?」

「なんだって?何を言って……」

「仲良くしようじゃないか、侵略者の宇宙人」

「仲良くするつもりはない!!」

ヒロは立ち上がり、男を睨みつけた

 

「……お前、もしかして何も気付いてないな?」

「気付いてないだって……?」

「……これは驚きだ、まさか何も知らずにあの人間を突き放したのか?

だとしたら仲良くなどこっちから願い下げだ……

笑いに来たが、そんな気も起きない……帰らせていただく」

そう言い、男は姿を消そうとしたが……深くため息を吐き、ヒロを見ると一言だけ言い残した

「日野護の命は持って数日だろうな、お前のせいでな」

「!!待ってくれ、一体どういう……!!」

男を掴もうとしたヒロの手は空を切った

もう、そこには男は居なかった

「護さん……!!」

ヒロは自室を飛び出し、護が居るはずの病院に向かった

 

 

 

 

 

 

ヒロがGUYS基地を飛び出し、時間がたった時、GUYS JapanにGUYS スペーシーから緊急連絡が届いた

「橘隊長!!GUYS スペーシーから緊急連絡です!!」

三原が指令室の大型ディスプレイに映像を出した

『ダークエフェクトが日本上空に集中して……!!そこにボガールが!!』

「なに……?」

 

 

 

 

 

 

日本上空約100キロ地点で、黒いボガールはダークエフェクトを吸収していた

地球を覆っていたダークエフェクトをすべて吸収していき、その姿は元のボガールとは思えないほど黒く、

邪悪に変わった

ボガールが考える事はただ一つ……ウルトラマンを食べることだった

ボガールはサイコダークと同じように日本のGUYS基地に向け急降下を始めた

 

 

 

 

 

 

「居ない!?」

護が居るはずの病院に着いたヒロだったが、病院は大騒ぎになっていた

「そうなんです!!、飛び降りられる高さじゃないですし、かといって病院中探しても居ませんし……!!

近藤さん!!西棟は探したの!!地下は!?」

ヒロはあわただしい病院を後にし、心当たりのありそうな場所へ走った

はるか上空で、自信を狙うものの存在に気付かずに……

 

 

 

 

 

 

護は自分の住んでいるマンションの自室のベットで消えていく体を見つめていた

自分が消えていくという普通なら冷静でいられない状況で、護はただただ虚無感を感じていた

その虚無感は、護が自身の頬伝うものが何なのかすら気にならないものだった

「明日は何をしよう……」

護の口から言葉が漏れた

護の頭では明日なんてないと答えが出ているのに……

 

その時、護の部屋のドアポストに何かが落ちる音が聞こえた

護は顔だけをドアのほうに向けたが、すぐに興味を無くし、深い眠りに落ちて行った

 

 

 

 

 

 

 

夢の中、子供が泣いていた

膝を抱え、静かに一人さびしく泣いていた

子供に近づき、誰かが声を掛けた

「大丈夫……?」

子供が顔を上げると、子供は小さい頃の護だった

その場には子供の護と護が居た

「ありがと……」

護が驚いていると、泣いている護がどこかを指差した

護が指を指した方を見ると、そこには何かと戦っている青いウルトラマンが居た

「僕は……大丈夫だから、ウルトラマンを護ってあげて……」

子供の護が頭を下げてお願いをし、護は意識は現実に戻った

 

 

 

 

 

 

護が目を覚ますと、外が騒がしい

慌ててカーテンを開くと、そこには逃げる人々と、黒いボガールがいた……

ウルトラマンヒーローとGUYSが戦っているのも見えた

護は戦おうと思い、部屋を飛び出そうとするが、自分には何も武器がなく、変身もできないことを思い出した

ただ、それでも見ているだけしかできない事が悔しく感じ、部屋を飛び出す

そして、護が下の階を見ると、何故かナンダが駐車場に停まっているのが見えた

「……もしかして!!」

護は自室のドアを勢い良く開け、ドアポストを開く

そこにはナンダの鍵があった

 

 

 

 

 

 

黒いボガールと戦う篠崎たちだったが……状況は最悪であった

すでにメテオールの制限時間は切れ、スペシウム弾頭弾は撃ち尽くしたのだ

現時点でのGUYSが持ちうる手を尽くし、打つ手がない

共に闘うウルトラマンヒーローも打つ手をほぼ使い果たしていた

以前ボガールと戦った時ではGUYSマシンは出撃しては居なかったが……

その時でさえもギリギリでようやく勝てたのだ

ダークエフェクトを全て吸収し、強化されたボガールに敵うかどうかすらGUYSにもヒーローにも分からなかった

その時、ボガールがヒーローを建物に向けて投げ飛ばした

ヒーローは建物を壊しながら倒れる

 

ヒーローのカラータイマーが点滅し始め、制限時間が近い事が分かる

戦闘でのダメージが大きいのか、身動きが取れずにいた

ヒーローを援護するためにレッドスパロウとオオルリが攻撃をするが、ボガールが火球を放ち、2機を遠ざける

ボガールがヒーローを食べようと体の口を広げた

 

 

 

 

 

 

その時、ボガールの体に光線が直撃した

体の内側に当てられたからか、ボガールは後ずさった

光線を撃ったのは護が乗ったナンダだった

護はナンダを飛び降り、ヒーローの元へ駆け寄り、叫んだ

「バカヤローーーッ!!それでもウルトラマンかよッ!!何がヒーローだよ!!」

ヒーローは叫ぶ護を見つめた

「ふざけんなよ!!お前はヒーローなんだろ!!だったらヒーローらしく人を救えよ!!」

護はポケットに入れていた二つに切れたフュージョミッションの片方をヒーローに向かって投げた

「俺が!!ヒーローになってやる!!俺が護ってやる!!」

ヒーローは小さく頷いた

ヒーローは護を掴み、カラータイマーのある胸に押しつけると、赤く光り輝いた

ボガールはまだ体勢を立て直していないヒーローに向かって火球を放つ

が、火球は倒れた状態から放たれるレッドパワー・ショットに相殺された

「次ははずさねぇぞ……!!」

その隙を突き、レッドスパロウとオオルリは通り過ぎると同時に、

ウイングレットブラスターとバリアブルパルサーをボガールに当てた

それと同時に、ヒーローはモードブルーにモードチェンジした

 

ボガールが2機を落とそうと火球を放ったが、

火球へ当たりに行ったヒーローはエフェクト・ブルーリアクトで火球をボガールへと跳ね返した

エフェクト・ブルーリアクトを喰らい、膝をついたボガール

その時、ヒーローのカラータイマーが激しく点滅し始め、時間がもう残り少ないとわかり

ヒーローはモードレッドにモードチェンジした

そして、すばやくレッドパワー・シュートを放とうとするが、前と同じでエネルギーが漏れ出てしまった

それを見てボガールがまるで笑いながら話しかけてきた

『心がバラバラななお前たちが私を倒せると思ったのか……!!』

ボガールはまるではしゃぐ様にヒーローに近づいてくる

その体は護を食べようと、口でもある全身を広げていた

『護さん』

ヒーローの意識空間で、ヒロは護がやろうとしていることを理解し、ヒロは護に何も言わずただ頷いた

『……護るぞ』

『はい!!』

ヒーローは腕を胸の前で交差させ、自身の体を赤く光輝かせた

その光が一層輝いたと思うと、ヒーローの体は炎に包まれた

そして、ヒーローはボガールへと駆け出し……

 

 

 

 

 

 

爆発した……

 

 

 

 

 

 

 

 





今回に限ってはあまり書くことはない気がします
ただ、ひとつあるとすれば場面の移動が激しい事でしょうか……?

ではまた次回(たぶんまた明日)

ご感想、ご指摘お待ちしております

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