いや、やっぱり難しいですね……
それと、ウルトラマンXの映画を観てきました
最初から最後までドキドキのワクワクでしたね!!
見ていない人は見に行くことをお勧めしますよ
平日は割とすいてますからそんなかんじで
ウルトラマンとベムラー戦った日から、一週間が経過していた。
被害を受けたビルや道路は未だに立ち入り禁止になっており、未だ爪痕は深い。
護の住んでいたアパートも基礎の部分に損傷があり、立ち退きが必要になっていた。
護はいつものようにベッドに横になっていた。
元より物の少ない部屋で、立ち退きを言われた日にはもう部屋の片付けを終わらせていた。
護はベッドに投げ出した手の中のスマートフォンの画面を見る。
『GUYS部隊員特別募集のお知らせ』と書かれているホームページの画面だった。
「通常は年に一回のGUYSクルーの募集ですが、怪獣の出現に伴い、急遽GUYSクルーの募集をいたします。
しかし、今回募集するのはGUYS ジャパンのみとなっています。
GUYS オーシャン、GUYS スペーシー、GUYS アンタクティカは通常通りの募集日時となっています。
ご注意ください……来週の金曜日か……」
護はこのGUYSジャパンのクルー募集に行こうと考えていた。
しかし、護は以前にもGUYSジャパンに入隊しようとしていたが、そのすべてで不採用になっていた。
では何故、今回の募集で行こうと思い立ったのか……。
それは、自分がウルトラマンとなって怪獣を倒したことで、自信を取り戻したためである。
ウルトラマンにもうなれずとも、GUYSクルーになり、人を守ろうと考えていた。
「でも、怪獣なんて現れないのが一番だよな……」
時を同じくして、小学生の男の子2人がとある学校の校舎裏で言い争っていた。
「どうして助けてくれなかったんだよ!!」
「僕には関係ないだろ!!」
「友達だろ!!助けてくれてもいいじゃん!!」
「知らないよ!!」
「もういいよ!!お前なんか友達じゃないからな!!」
人であるなら珍しくもない喧嘩の風景であった。
しかし、その光景の中で、似つかわしくない物が現れた。
それは黒い靄だった、黒い靄は男の子たちをずっと上から見ていたのだ
。
靄は救いを求めていた男の子の顔に張り付く。
異質な物を目の前で見てしまったもう1人の男の子は、驚きで尻もちをついてしまう。
靄の奥からくぐもった声で、男の子は言った。
「ウルトラマン……こいつを……」
最後の言葉は目の前の男の子には聞こえなかった。
それと同時に、学校に巨大な靄が現れ、1つの形を取った。
寝ていた護は、周囲の悲鳴で目覚めた。
悲鳴の中の『怪獣』その一言に体が反射し飛び起きたのである。
家を飛び出ると、周りではこの前ほどではなかったが、人々が道路を埋め尽くしていた。
人の数が以前より少ないのは、ベムラーの被害でこの周辺からは、一定数の人が別の場所へ避難していたからだ。
護は駆けていく人々の逆を見る、遠くではその巨体がある場所で存在を示していた。
「あれは……ツインテールか!!……まて、あそこって小学校じゃ……」
ツインテールの巨体のせいで感覚が掴めない護だったが、頭の中にある地図上では、ツインテールのいる場所は小学校であると察していた。
そのことに気付くと、護の足はツインテールの元へと走りだしていた。
『GUYSは一体何をしてるんだ!!』
『役立たず!!』
護が学校に向かっている最中、その様な言葉がたびたび聞こえた。
以前、ベムラーが現れたとき、GUYSはベムラーの存在を通報があるまで感知できなかったと会見をした。
どこの国よりも最新鋭のレーダーなどを持っているはずのGUYSが、怪獣の存在を確認できなかったとはメディアや政府も考えられず、レーダーの故障が疑われていた。
今もツインテールが表れているにも関わらず、まだ出動しないということは今回も現れない可能性がある。
思ったよりも危険な状況だと護は考えていた。
走っていると、逃げ惑う人々のなかに、この前助けた女の子が転んで倒れたのが見えた。
「大丈夫か!?」
駆け寄る護だったが、おかしいことに距離が縮まらない。
それどころか離れていっている。
止まっている女の子へ駆けているはずなのに、離れている現実に護は恐怖する。
「なんでだ!?」
そして突如、自分がまるで空に浮いているような感覚に襲われる。
地面を見ると、それは浮遊感などではなく、本当に飛んでいた。
「え、なに?怖いいいいいいいいいっ!!」
みるみるうちに護と女の子がいた地面と遠ざかっていく。
高いビルの中程まで浮くと、青い色をした巨大な手に掴まれる。
護はこの光景に見覚えがあった。
首だけを後ろに向けるとあの青いウルトラマンだった。
「ウルトラマン……また鷲掴み……?」
ウルトラマンはゆっくり頷いた。
「ああああああああああッ!!!」
護が胸の球体へ押し付けられ、ウルトラマンの中に吸収される。
護が目をあけると、自分の体がウルトラマンになっていた。
以前になった、左手だけが青の赤いウルトラマンだ。
『ハッ!?』
護がツインテールに気付く、護の存在に気付き、何らかの行動をするかと思われたが、ツインテールは何かを探すように学校から動かない。
護はその場で跳躍し、体を回転させツインテールの側に着地する。
しかし。その瞬間、ツインテールの尻尾の鞭攻撃が飛んでくる。
ツインテールの尻尾による素早い攻撃のせいで、拳を喰らわせる動きを止められてしまう。
護は素早く後方にバク転で距離を取った。
ツインテールは尻尾を振り回し、護のことを威嚇をしていた。
護にはその尻尾を避けてツインテールに攻撃する手段が無かった。
『このままじゃ……!』
攻めあぐねていると、護の頭に声が響いた。
『僕に任せてくれないか?』
ツインテールの動きを見つつ、響いた声の主を考える。
『変わってくれ、僕に……』
もう1度、声が響いた。
『わかった……お前は……ウルトラマンか!!』
護は今の状況から、1番あり得る答えを見つけた。
ウルトラマンは言葉も使える、それを護は知った。
護は腰の両側に握り拳を引き、左腕だけ左に伸ばした。
青い左手が、青い光の渦を起こし、体に刻むように色が変わる。
それは左手が青く赤い体のウルトラマンではなく、対称の色の姿であった。
そのウルトラマンは青……しかし、右手だけが赤いウルトラマンであった。
『ティアッ!!』
青のウルトラマンが構えを取る、その構えはウルトラマンメビウスに酷似していた。
ウルトラマンの両手から青い渦が広がり、ツインテールに滑りながら近づく。
ツインテールの尻尾の届かない低さから近づき、ツインテールの頭に滑りながら蹴りを入れる。
ツインテールはひっくり返り、簡単に行動不能になってしまった。
青いウルトラマンは倒れているツインテールに攻撃を行おうと、両手を光らせ、光線を放とうとするが、背中から鞭が飛んできた。
しかし、それは目の前のツインテールの尻尾ではない。
地中から伸びていた白い鞭だった。
白い鞭が出てきた地面が盛り上がり、足を取られた青いウルトラマンはうつ伏せに倒れる。
地面から出てきたのは白い体に黒い斑点のような模様をした怪獣、グドンだった。
『グドン!?まさか、ツインテールを……!!』
『二体……!!しかも強そう……!!』
『ウルトラマン!!気を付けて!!』
『……!!』
護がウルトラマンへ警戒するよう言うが……その時、ウルトラマンの姿が赤く変わった。
そう、護がウルトラマンとしての身体に変わったのだ。
『え?』
突然のことに驚き、自分の状況を確認する護だったが、その隙を突かれ、グドンの両腕の鞭で叩かれ、その場に倒れてしまう。
そして、ダメージからか、胸のカラータイマーが赤く点滅し始める。
護は何とか立ち上がろうとするが、立ち上がる前にグドンの尻尾による一撃が背中に落とされる。
もはや、立ち上がる気力すらなくなったとき、グドンは護を無視しツインテールへ向かって歩き始めた。
しかし、グドンはツインテールの目の前にまで来ると、突如興味を無くしたかのように踵を返し、回転しながら地面に潜って戻って行った。
しかし、今度はツインテールがその巨体を飛びあがらせ、護の背中に飛び乗る。
何度も背中で飛び跳ね、護の体力を奪っていく。
もはやこれまでかと護が思った瞬間。
何かの音がしたと思うと、ツインテールの背の部分に何かが爆ぜた。
護が上空を見ると、二機の戦闘機が飛んでいるのがわかった。
GYUSの戦闘機、オオルリとレッドスパロウだ。
再度、二機から攻撃を受けたツインテールは横に倒れる。
その隙にローリングでツインテールから距離を取る護。
護は腰の両側に握り拳を引き、右腕を右に伸ばす。
右手に赤い光の渦が小さく溜まっていく、そしてその渦をまるで野球のピッチャーのように相手に投げる。
赤い渦のボールがツインテールにあたり、ツインテールはそのまま倒れ爆発した。
護は苦戦しながらも怪獣との勝負に勝利した。
護のウルトラマンである身体が光り輝き、その光が無くなると、そこにはウルトラマンはいなかった。
『ウルトラマンは消失、相手の怪獣は爆発した、これより帰還する』
レッドスパロウに乗っているGYUSクルー、篠崎力(しのざきつとむ)は自分の隊長である橘薫(たちばなかおる)に報告した。
『了解、後の対処はほかの人員がやる、気をつけて帰って来い』
『GIG!』
通信が切れた作戦室で、橘は自身のコンピュータのコンソールを操作した。
「さて、来るのだろうか……?君は……?」
そこにはウルトラマンから人間に戻る瞬間の日野護の映像が映っていた。
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おもに、私のモチベーションなんかが上がります