ウルトラマンヒーロー   作:ホルンでごぜーます

18 / 64
はい、もうむり、もうねめあす
おやすみー


GUYSよ、誇りを胸に2-マケット怪獣デットン?・負思念体キングジョー登場-

キングジョーが現れた瞬間、篠崎と垣山はキングジョーのよく見える山の中腹へ向かい

屋久島、三原、坂牧、ヒロは狙われにくい、木々の生い茂るふもとの方へ向かった

垣山はメモリーディスプレイを使用し、橘と連絡を取った

「隊長!!マケット怪獣はもう使っていいんですか!?」

「ああ、許可する!!マケット怪獣は戦闘機と違って1分しか使えない、気をつけろ!!」

GUYSに配備されている戦闘機のメテオールは30年の年月で使用時間が延ばされているが、

マケット怪獣はチャージされているマケット分子の容量の問題で1分の制限になっているのだ

 

垣山はメモリーディスプレイにマケット怪獣の入ったカプセルを装着する

ディスプレイにはとある怪獣が表示された

「これは……まさか!?」

垣山はキングジョーめがけ、トリガーを引いた

『リアライズ』

「いけ!!ゼットン!!」

垣山はディスプレイでゼットンの姿が表示されていたのを見ていたのだ

カプセルは外見では中身が分からないようになっていたので最初はミクラスかと思っていた垣山

垣山自身はウィンダムが出てほしかったが、怪獣の中では最強と言われているゼットンだったのだ

確かにゼットンは実体化した、初代ウルトラマンを倒したと言われる最強の怪獣のデータが……

高らかにゼットンと言った垣山だが、隣にいた篠崎から言葉がこぼれた

 

「ゼットン……?」

「ん?……あれ?」

 

それは二人だけが抱いた疑問ではなかった

橘や屋久島、三原も最初は驚いていたが、その後がっかりしたような、落胆した顔に変わった

そう、何かが違ったのだ

ゼットンではある、ゼットンではあるのだ

ただ、可愛らしい……図体だなぁとその場にいた全員が思ったことだった

その正体はウルトラマンジャックが地球にやってきたときに襲いかかったゼットンと非常に似ていた

「どうすんだよお父さん……」

まさかこんなことになろうとは思わなかった垣山だったが、

使用時間が1秒、また1秒と減っていっていることに気付き、ふっきれた

「デットンッ!!」

「ゼットンだよ」

「……ゼットンッ!!やってしまえ!!」

その様子は30年前のとある日にとても似ていた

ゼットンは両腕を前に突き出し、キングジョーに突っ込んだ

その様子は最初に確認されたゼットンからは予想もつかないほどのアグレッシブさである

代わりに恐怖やミステリアスさはないと言えるが

しかし、見た目に反し、ゼットンはキングジョーにぶつかると、キングジョーを跳ね飛ばした

「よし!!先手必勝だ!!」

 

その時、ふもと近くにいるヒロと坂牧だが、目の見えないという割に、

補助もなしにすいすいと前に進む坂牧にヒロはより一層坂牧を怪しんだ

「ここら辺ですね、さてと」

坂牧は、左手に持っていた装置を被ると、キングジョーのいる方へ眼を向け、装置のスイッチを複数回押した

「何をしているんですか?」

「マーカーをつけているの、ダークエフェクトの弱点をこの装置でしるしつける……

メモリーディスプレイで見えるはずです、確認してみてください」

ヒロがメモリーディスプレイを見るとキングジョーの身体にいくつかの赤い点が付けられているのが分かる

主に、キングジョーの腹部に集中している

 

「目が見えないいんじゃないんですか?」

「光は見えるの、心の光も、命の光も……

だから、命あるものは見えるの……だから、あなたもウルトラマンであることは知っているの

安心してください、護さんの為にも何も言いませんよ?

私は護さんを守るためにGUYSに入ったんです、そのために協力します

だから、安心してください……私は敵ではありませんよ?」

「信じられません……あなたが来てから護さんは体調を崩しました、それと同時に怪獣が現れた

今回も、同じ場所にキングジョーが現れた……」

「……それって、もしかして今日言ってた何かしたかって質問ですか?」

「そうです!!」

坂牧はスコープを頭に上げ、笑っていた

「恥ずかしいことを言わせようとするんですね……護さんから聞けばいいんじゃないですか?」

坂牧はメモリーディスプレイを取りだし、橘に仕事が終わったことを伝えた

「では私は戻ります、ウルトラマンさん

護さんももうすぐ来ますし、がんばってくださいね?」

そう言い、一人でテントまで帰ろうとする坂牧

流石にヒロは止めた

 

「一人で帰るなんて無茶です!!」

坂牧の手をつかむが、坂牧に優しく手を払われた

「さっきまで疑ってた人をほおって置けないなんて、やっぱり優しい方ですね」

「え……?」

「大丈夫ですよ、一人で行けます」

坂牧はそのまままっすぐテントへとむかった

 

『坂牧君がキングジョーの弱点を教えてくれた!!奴の弱点は腹部だ!!』

橘が通信で状況を知らせると、全員が動いた

「愛!!」

「はいはい!!」

二人が、トライガーショットを使い、アキュートアローを腹部に向けて放つ

が、ゼットンと戦闘をしているため、はずれ、山に当たる

「お父さん!!」

『すまん!!抑える!!ゼットン!!』

ゼットンは垣山の命令通り、キングジョーを後ろから抑え込んだ

若干動いてはいるが、狙うなら今のうちだろう

キングジョーの腹部にめがけて撃つ、撃つ、撃つ

キングジョーは倒れ、動きが鈍くなる

しかし、倒れているキングジョーを叩くゼットンは容赦がなかった

 

しかし、優勢な状況だったが、時間が来てしまった

『バニッシュ』

そう、マケット怪獣ゼットンの使用限界時間だった

こうなると、トライガーショットしかもっていないGUYSは不利になる

再び、腹部にアキュートアローを放つが、急所を外されてしまう

 

 

 

 

 

 

 

その時、青い光とともに、ウルトラマンヒーローが現れた

この間と同じ、青い身体のみのモードスタンダートだ

『ティア!!』

ヒーローはキングジョーを抑えに行くが、ゼットンとは力が違いすぎたため、抑えきれない

 

橘はその様子をみて、援護が必要なことを察し、通信で全員に通達した

「ウルトラマンを援護しろ!!間違えても当てるなよ!!」

『GIG!!』

全員がアキュートアローをキングジョーに当てる

大した効果がないのは分かってはいるが、黙ってみてはいられない

何としても隙を作り上げたかったのだ

 

その時、一つの光が、ヒーローのカラータイマーに吸い込まれた

赤い光がヒーローを包み込み、光が収まらぬまま、キングジョーを突き飛ばした

ヒーローは赤い身体の形態、モードレッドにモードチェンジしたのだ

『護さん!!来たんですね!!』

『大急ぎで来てやったらこれだ……久々の戦いだ、いくぞヒロ!!』

『はい!!』

ヒーローは構えを取ると同時に声をあげた

『サァーーーッ!!』

その構えはいつもよりも力強くなっていた

 

キングジョーはふらつきながらも、ヒーローに対して身体をぶつけてきた

しかし、跳ね飛ばすような動きではなく、その巨体の重さで押しつぶすつもりのようだ

しかし、ヒーローは右手でキングジョーの突進を、後ろに身体が滑りながらもその動きを止めてしまった

キングジョーも足に力を入れ前に進もうとするが、ヒーローの足が地面にめり込むだけで少しも進まない

ヒーローは身体全体に力を込める

身体が赤く輝き始める、その輝きが強くなるにつれ、キングジョーが押されているように見える

『サァーーーーッ!!』

光が一気に強くなった時、キングジョーはついに跳ね飛ばされた

そのまま、倒れこんでいるうちに、ヒーローはエネルギーをためる

赤い粒子は前見たものよりも多く集まっているかに見えた

ヒーローはそのままレッドパワー・ボムをキングジョーに炸裂させた

キングジョーは、蓄積していたダメージにとどめの一撃をくらい、爆散した

 

結局、この日もGUYSだけで怪獣は倒せなかったが、それでも成長している

いつかウルトラマンと肩を並べられるその日まで、GUYSはあきらめない

いつかウルトラマンと一緒に戦えるまで

 

今は小さな喜びをみんなで祝っていた

 

 

 

 

 




はい、デットンとはゼットンのことでした(二代目)
ゼットーン(sage)グモーじゃなくてちゃんと鳴いてるんですよ?
バリアも使えないしテレポートもしないけど攻撃力が高い……はず
でもなんだろう、ヒーローが一緒に戦うとヒーローが串刺しになる気がしてならない
そして唐突な技説明ドン!!

ウルトラオーラ・パワー
赤いウルトラオーラを出し、一時的にパワーが上がる技
おそらくは80のウルトラオーラに応用だろうと思われる

ポインタスコープ
GUYSが作ったポイント指定装置
メテオールでも何でもないただの指定装置だが、
怪獣が動いてもマーカーがきちっと追尾するすぐれもの
マーカーはほかの隊員にも共有される
坂牧由依の能力と組み合わせることにより、
ダークエフェクトの弱点部分をピンポイントで狙えるらしい

マケット怪獣ゼットン
30年まえGUYSが試験的に作ったマケット怪獣のうちの一つ
封印処置を受けている最中に何らかの変化があったのか、元のゼットンではなく、
かつてMATが存在した時に現れたゼットンに姿や能力が酷似している


ご感想、ご指摘お待ちしております

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。