ウルトラマンヒーロー   作:ホルンでごぜーます

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夏休みがある方たちにとっては、もう終わりに近づいてますね
いかがだったでしょうか?

そろそろ、ウルトラマンヒーローも序盤の終わり近くになってもええんやで……
ではどうぞ


復讐の捕食者1-再生同化怪獣ボガール・古代怪獣グドン登場-

ある日、隊長である橘が、隊員全員を呼んでの会議を行った

「先日のゴモラがレーダーに映らなかったわけが分かった」

橘がモニターにあるものを映した、それはこの間ヒロがダークエフェクトと呼んだものだった

「レーダーに映らない怪獣が出現したときだけ、ダークエフェクトが一部、薄くなる

現段階の調査では、ダークエフェクトが怪獣を生み出し、

また、レーダーに映らないようにしていると判断した」

 

三原が挙手し、意見を言った

「じゃあ、ダークエフェクトで生み出された怪獣はどうやって探知するんですか?」

「それについては、全国の天体観測局に協力を頼んである、もちろん各GUYSも観測し、異常が起こり次第、

警戒態勢を敷くことにしている」

 

次に垣山が挙手、当然意見を聞いた

「今までの怪獣も攻撃が通じたように、こっちのダークエフェクトには攻撃は通じないんですか?」

「ふむ、どうやら霧のようなものでこっちの攻撃はすり抜けてるみたいなんだ、

でも向こう側に人も機械も通り抜けられないんだ

GUYS スペーシーがいろいろ手を尽くしているんだが、まだ何も成果はあまり期待できない

さらに困った事態も発生している」

橘がモニターの映像を変えると、そこにはこの前ツインテールと同時に出現したグドンの姿だった

地中から出てきたグドンはしばらく歩行を続けていたが、その映像に何かが通った

途端、グドンの姿が消えたのだ

「この映像は後に解析に回された結果、ある怪獣の存在が確認された」

橘は解析された後の映像を流す

先ほどの映像のスロー映像であったが、そのスロー映像の中を高速で動き、体全体でグドンを捕食する怪獣がいた

その怪獣の名は……

「ボガール……!?」

護の口から怪獣の名前がこぼれ出た

自身の好きなウルトラマンメビウスと戦った怪獣だからこそ、その名は知っていた

 

「この怪獣、ボガールは30年前のウルトラマンメビウスと交戦した同種族の別個体と断定された

ボガールの取り込んだ怪獣のエネルギーにより、奴の死亡時、爆発範囲が広がるする特性を考慮し、

早期の駆逐が決定された

ボガールが取り込んだのはまだグドン一体のみだが、GUYSが確認できたのは一体だけだ

今日より以後、ボガールが発見された場合、このポイントにやつを誘導する」

次に表示されたのは、木々の生えていない島であった

「30年前、ボガールの強化形態とされるボガールモンスをここに誘導した島だ

ここにボガールを誘導し、電磁フィールドで隔離し、設置されてる各種兵器で攻撃をし、駆除する」

垣山が挙手し、質問をした

「もし、誘導できなかったら?」

全員がその答えを知りたく、橘へ視線を向ける

出された答えは非情なものだった

「最悪……最悪なケースだが、周辺の民間人避難が完了せずとも、GUYS Japanはボガールを攻撃せよ……

とのことだ」

この答えにはメンバー全員が驚いた、言った本人である橘も苦しげである

「えッ!?」

「民間人を巻き込むんですかッ!!」

「何バカげたこと言ってやがるんだ……」

「うそでしょ……」

「……なるほど」

護は一人、何かを理解したかの様な振る舞いを見せた

「後々の被害を考えたんですね」

「そうだ、これは各GUYSの隊長、各GUYS総監督、総本部の上層部達の総意だ

ただ、何も彼らが民間人を何とも思っていないわけではない

全員、苦渋の決断だ……ボガールは放置すればエネルギーを蓄え、被害はさらに拡大する

どうしようもなくなった時に、被害を抑えるためだ

今でも上の人たちはどうにかしようと頑張っているよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会議は終わり、護は外を歩いていた

基地を飛び出した……というわけではなく、買出しをしに町まで来ていたのだ

「せめて徒歩はやめてほしいよ」

ナンダは戦闘用の車両であるため、出撃命令が下されてないため、乗ってこれなかった

しばらく歩いていると、何か音がすることに気づいた

音がするであろう方に目を向けると、白杖を持った若い女性がいた

護はいつもならすぐに買い出しのために再び歩き出すのだが……

その場から動けずにいた

 

護はその女性の綺麗な目に虜になっていた

また、女性もその場から動かなかった

なぜなら、彼女は護に会いに来たのだから

「あの……ウルトラマンさん?」

「……え?」

護は言われたことが分からなかった

いきなり正体がバレたこともそうだが、女性に見とれていて何も聞いていなかったからだ

「ウルトラマン……の人ですよね?」

「あ、ああ!!そうか!!はい、GUYSの人ですけど……よくわかりましたね」

女性の言葉であなたはウルトラマンですか?からGUYSの方ですか?であると思った護は焦りながらも答えた

「ふふ……GUYSの方なんですか?覚えておきます」

「え?何?」

「ふふふ……私、目が見えないんですよ?GUYSの皆さんは隊服を着ていらっしゃるそうですけど……

私には見えませんから……言葉どおりですよ、ウルトラマン……でしょう?」

 

護の顔に冷や汗が流れ始める

なぜウルトラマンであるとバレているのか、焦って言葉が出てこない

護はこれ以上このひとと居るのはまずいと思い、その場を離れようとした

不思議なことに、目が見えないはずの彼女は、目が見えないと思っている護が、

自分から離れていくのを目で追っているのだ

彼女は白杖を地面につきながら、ゆっくり護のほうへ歩いて行く

「えッ!?」

「どうしたんですか?」

「見えてるんですか……?」

女性は口元に手を持って行き、クスリと笑った

「いいえ、貴方がどんな顔をしているのかも、どんな服を着ているのかも……私は見えませんよ」

なら何故?と護は考えたが、どう考えても目が見えているとしか考えられない

試しに手を顔の前で振ってみると、手を最初目で追いかけた

後ろに回ってみると後ろを振り向いた

護はついに首をかしげた

 

少しすると、護と彼女の元に、二人の男性が近寄ってきた

女性が勢いよく、顔を動かし、二人を見ると、護の背中に隠れるように抱きついた

「え、ちょっと……」

戸惑う護だったがそこに二人の男性が目の前までやってきた

「えっと、彼氏さん?」

「え?違いますけど……?」

「あぁ、よかった!!俺達、その人マークしてたんだ」

マーク?一体何のことだ?と思った護だったが、すぐに理由がわかった

「おねぇさん、ちょっと隠れてないで遊び行きましょ?」

「変なことしないし、ファミレスとか行くだけだから……僕たちおねぇさんと仲良くなりたいんだよ」

二人の男性が声をかけるが

「嫌ッ!!」

バッサリと断った

「いや、ほんとに何もしないんだけど……」

「流石に傷ついたわ……」

すると、一人は彼女を、一人は護に組みつく

「おい!!お前ら!!何しようと……!!」

護は声をあげるが、もう一人は女性を連れてどこかへ行こうとする

これはもうただの犯罪だ

「おい、早く連れてけ!!」

「させるかって!!」

護が男性を突き飛ばした時だ、男性は軽く10m程吹き飛んだ

「あれ?」

「はぁ!?」

その後、道を激しく転がっていく男性

護はその力に驚いたが、すぐに女性のことを思い出し、今こっちを向いて驚いてるもう一人の男性の元に駆けた

男性は急いで自分のポケットの中から何かを取り出そうとするが、その前にその腕を護が掴んだ

「いぃいいッ!?痛い!!痛い!!痛い!!痛い!!」

とても護の腕からは想像もできない握力で、男性はたまらず、その場にしゃがみ込む

「放せッ!!放せよーーッ!!」

護が手を離すと、男性はその場に伏せていたが、先ほど突き飛ばされた男性とともにどこかへ去って行った

「え?」

護はまたもや首をかしげた

その時、後ろからあの女性が体を抱きしめてきた

護が顔だけを後ろに向けると彼女は体を震わせ、眼から涙を流していた

よほど怖かったのだろう

護はどう言葉をかけたらいいのかも分からず背中を貸していた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

女性の目には見えていた

先天盲である彼女には色というものも形というものも見たことはない

しかし、彼女には幼いころからとあるものが見えていた

それは光だ

ただ、普通の光というのなら、数多くいる視力のない人たちでも明暗を知覚することはできる

しかし、彼女が見る光は太陽光などではない

彼女見るのは命の光であった

命あるものが持つ、心の光を彼女は見ることができた

 

 

 




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