ラブライブ! 若虎と女神たちの物語   作:截流

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どうも、截流です。

初めての感想をもらってかなり有頂天気味です。

今回はあの三人組との出会いを書いていきます!


3話 始まりとの出会い

「ふああ・・・。学校が変わったとはいえ、集会が退屈なのは共通してるもんだぁなあ。」

 

「分からんでもないけどいきなり居眠りぶっこくのはどうかと思うぞ・・・。」

 

始業式が終わり、志郎と幸雄は教室に向かっていた。

 

「んじゃあ、俺はこっちだからまた後でな幸雄。」

 

「いや、俺もこっちなんだが?」

 

「え?」

 

「いつから転校生は別々のクラスになると錯覚していた?」

 

「なん・・・、だと?」

 

 

 

 

教室にて・・・。

 

「お前らー。今日はうちのクラスに入ってくる編入生を紹介するぞー。」

 

「編入生か~。どんな子が来るんだろう。」

 

「楽しみだね、穂乃果ちゃん。」

 

「小耳に挟んだのですが、どうやら編入生は二人いるみたいですよ。」

 

「二人かあ。どっちが来るんだろう。」

 

まだ見ぬ編入生の話に花を咲かせるのは、茶髪のサイドテールの少女とベージュのロングヘアの少女と流れるような黒髪の少女たちだった。

 

「おーい、入ってきていいぞー。」

 

 

ガラッと教室の扉を開けて入ってきたのは二人の男子だった。教室は突然男子が入ってきたことでざわつき始めた。

 

「お前ら静かにしろー。いきなり男子が入ってきたからびっくりするのはわかるが、こいつらはさっきの集会でも言われていた近いうちにくる共学化に向けた研究生だ。ほら、二人とも自己紹介してくれ。」

 

担任教師の山田に促された二人は自己紹介を始めた。

 

「今日からこの音ノ木坂学院に共学化に向けた研究生として編入することになった諏訪部志郎です。よろしくお願いします。」

 

「同じく研究生として今日からここに通うことになった武藤幸雄です。よろしくお願いします。」

 

「じゃあ二人は教室の窓側の空いてる席に座ってくれ。」

 

「「はい。」」

 

そうして二人は指定された席に行った。

 

「じゃあ編入生の紹介も終わったしホームルームを始めるぞー。」

 

 

そしてしばらく経って・・・。

 

「まるで嵐のような質問攻めだったな。しかもただトイレに行くだけなのにすげー注目されっぷりだったぞ・・・。幸雄の気持ちがよく分かったよ。」

 

「だろ?俺たち男子が珍しいのは分からんでもないが流石に客寄せパンダみたいな見世物状態なのは気が休まらん・・・。」

 

志郎と幸雄は休み時間になるたびに押し寄せる質問攻めに来る女子の大群の相手をしていたので、精神的な意味で疲労困憊だった。帰りの時間になるころにはだいぶ落ち着いてはきたのだが、それでも彼らへの珍しいものを見るような視線は二人をげんなりさせるのには十分なものだった。

 

「そうだな。まあしばらく経てばほとぼりも冷めるだろう。」

 

「だといいんだがねえ。しっかし、世の男子たちが俺たちが今言った事を聞けば贅沢だっつってキレるんだろうな。現実ってもんを見てほしいぜ。ハーレムは精神的にかなり消耗するってな。」

 

「まあ、そりゃ普通の男子は俺たちみたいなことになる機会なんぞ滅多に来ないからな。」

 

「そういう意味では俺たちもラッキーなのかね。」

 

「そうそう。」

 

「そういえば志郎よぉ、女子ん中で誰が印象に残ったよ?」

 

「印象に残った子かあ・・・。一人じゃなくてもいいならあの三人組だな。ほら、最初に来た子たちだよ。」

 

「ああ、穂乃果と海未とことりね。奇遇だな、俺もそう思ってたよ。」

 

二人と、話題に上った少女たちがどんな形で出会ったのか、それはしばらく前の事・・・。

 

 

 

教室にて。

 

「まさかクラスが同じだけでなく席まで近いとはな。」

 

「まあ、いいんでね。お互い仲良くやろうや。」

 

そんな他愛ない会話をしていたところに一人の少女がやってきた。

 

「ねえねえ!あなた達が転校生の諏訪部くんと武藤くんだよね!?私は高坂穂乃果って言うんだ!これからよろしくね!あ、うち『穂むら』っていうお饅頭屋さんやってるんだ、よかったら遊びにおいでよ!それからそれから・・・。痛っ!?」

 

一方的なマシンガントークを繰り広げていた少女の脳天に突然手刀が振り下ろされた。

 

「痛いよ海未ちゃん!」

 

「痛いじゃありません。いきなりそんなに話したらお二人に迷惑じゃないですか。あ、初めまして。私は園田海未と言います。すいません、穂乃果が突然・・・。」

 

穂乃果の脳天に手刀を振り下ろした海未と呼ばれる少女はお辞儀をした。

 

「いやいや、俺たちはそんな迷惑だなんて・・・。」

 

「そうそう、ただそっちの奴がものすごい勢いで話しかけてきたもんだからついびっくりしただけっすよ。高坂って言ったっけ?あんた将来営業とかやってみたら結構大成するんじゃねーか?ははっ。」

 

「ほらね海未ちゃん。別に迷惑じゃないって二人も言ってるよ!あと褒めてくれたし!」

 

「調子に乗らない!あと多分それはお世辞ですよ。」

 

「あ、バレた?」

 

幸雄はいたずらっぽい顔をして舌を出した。

 

「えー!今のお世辞だったの!?せっかく褒められたと思ったのにひどいよー!」

 

「さっきのお返しさ。まあ悪く思いなさんな。」

 

穂乃果は幸雄に抗議するが、幸雄は悪びれる様子を微塵も見せずに彼女をいなしていた。

 

「全く穂乃果は・・・。ことりも何か言ってやってください。」

 

「うーん、二人とも楽しそうだからいいんじゃないかな?あ、私は南ことりっていいます。穂乃果ちゃんと海未ちゃんとは幼馴染なんだ。よろしくね♪」

 

(ん?なんだろう。この子を見るとなんか既視感が・・・。さっきの高坂は多分名字が同じだけで昌信の子孫ではないだろうとしても、南・・・。なんか聞き覚えが・・・。あっ!?)

 

少し考え事をしていた志郎はことりに恐る恐る問いかけた。

 

「いきなりこんなことを聞くのは失礼かもしれないが、南は理事長先生の親族なのか?」

 

「え?お母さんの事?うん、そうだよ。お母さんはこの学校の理事長先生なんだぁ。」

 

「なんかやけにそっくりだと思ったがそういうことだったのか。これで合点がいったな。」

 

「マジか?となると南はこの学院の生徒の中でもトップクラスの有力者じゃねーか!お嬢!何なりとこの武藤幸雄めに指図をお出しくだされ!!」

 

「・・・何してんだよ幸雄。」

 

「何ってゴマすりに決まってんだろ。下手に機嫌を損ねりゃ少数派たる俺らの首なん軽く飛ばされんぞ!」

 

「私はそんなことしないよぉ~!」

 

揉み手をしながらわざとらしいくらいの恭しい態度をとる幸雄にことりは抗議し、志郎は幸雄をたしなめる。

 

「全く仕方のない男だな幸雄。からかってやるのも大概にしておけよ?」

 

「あれ、なんか諏訪部くんいきなり時代劇みたいな口調になったね。」

 

穂乃果は突然志郎の口調が変わったことを指摘し、志郎も指摘されたことで動揺を隠せなかった。

 

「あ、ああ。父さんが大河ドラマが好きでな、小さい頃から一緒になってみてたらたまにこういう口調になっちまったんだよ。はっはっは!」

 

(流石にわしが生まれ変わった武田勝頼なんて口が裂けても言えんからな。しかし流石に苦しすぎたか・・・?幸雄の奴なんかこっちを怪しげに見とるし・・・。)

 

「・・・。いやあ、まさか俺と同じような癖を持っている奴がいたなんて!意外と世間は狭いもんだねえ!!」

 

「武藤さんもなんですか?」

 

「ああ、でも俺の場合は親父が時代劇好きなんだがな。」

 

「あはは、二人とも面白いね!そうだ、志郎くんに幸雄くん!」

 

「な、なんだ?」

 

「あれ、呼び方変わったぞ」

 

「私たちと友達になろうよ!」

 

「ああ、それは別に構わないが・・・。」

 

「わざわざ呼び方を変えんでもいいんでねえか?」

 

「だって名字で呼んでたらなんか他人行儀な感じがするんだもん。だから二人も下の名前で呼んで?」

 

「そうですね、それに関しては穂乃果のいう通りですね。」

 

「うん!ことりも賛成!」

 

「じゃあ穂乃果、海未、ことり。これからよろしくな」

 

「志郎と同じく、俺もよろしくな。」

 

 

 

そして時は戻り・・・。

 

 

「いやぁ、あの三人組は確かにタダものな感じがしないな。」

 

「そうだな。」

 

「そうだ志郎。いきなりなんだが明日は暇かい?」

 

「ほんとに突然だな。別に予定はないが・・・。」

 

「だったら明日アキバに行ってみようぜ!一度行ってみたかったんだよな。」

 

「そっか、幸雄は群馬から来たんだもんな。」

 

「んじゃあ、俺はこっちだから。明日は楽しみにしてるぜ。あばよ!」

 

「じゃあな。」

 

志郎は幸雄と別れを告げ、そのまま家路を進んでいく。だが志郎はまだ知らない。このアキバ行きが二人の関係性を大きく変え、さらに深いものに変えることになることを・・・。




いかがでしたか?

穂乃果、海未、ことりの三人組が3話目(実質4話目だけど)にして満を持して初登場です!

アニメ本編に入るのは次々回になりそうです。次回もオリジナル話ですがとても重要なお話なので・・・。


それでは次回もお楽しみください!!

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