ラブライブ! 若虎と女神たちの物語   作:截流

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どうも、截流です!

みなさん、長らくお待たせしました!!遂に本編更新再開です!!ようやくモチベーションが整ってきたので筆の進みが早くなりそうです!!

あと総合UA4000突破しました!皆さんありがとうございます!!

それではどうぞお楽しみください!!


16話 ラブライブへの道

「タスケテ・・・じゃなくて、大変です!!」

 

にこを加えて7人になったμ'sが新PVを公開してからしばらく経ったある日、花陽が息を切らしながら部室に飛び込んできた。

 

「どうしたってんだよ一体!?」

 

そんな尋常じゃない様子に幸雄が驚いた。そして花陽は息を整えてから、

 

「大変です!ラブライブです!ラブライブが開催されることになりました!!」

 

とみんなに『ラブライブ』が開催されることを告げた。みんなその言葉を真剣な表情で聞き、穂乃果が真っ先に口を開いた。

 

「え!?ラブライブ!?・・・ってなに?」

 

その穂乃果の言葉を聞くや否や、花陽はパソコンを起動し、ラブライブの公式ホームページにアクセスして、みんなに説明した。

 

「スクールアイドルの甲子園、それがラブライブです!エントリーしたグループの中からスクールアイドルランキング上位20位が決勝に出場、ナンバーワンを決める大会です!!噂には聞いていましたが遂に始まるなんて・・・!」

 

「へえ~。」

 

「スクールアイドルは全国的にも人気ですし・・・。」

 

「盛り上がること間違いなしにゃ~!」

 

「なるほど、そんな大会があるんだな。」

 

「今のランキングから上位20組とすると、1位のA-RISEは絶対出場として、2位3位は・・・。まさに夢のイベント・・・!チケットの発売はいつでしょうか?初日特典は・・・。」

 

いつの間にか自分の世界に入り込んでる花陽に穂乃果が、

 

「って花陽ちゃん、見に行くつもりなの?」

 

と言うと、花陽はキッ!と穂乃果を睨んで突然立ち上がり、

 

「当たり前です!!これはアイドル史に残る一大イベントなんですよ!!見逃せません・・・!!」

 

と穂乃果に力説する。

 

「花陽ってアイドルのことになるとキャラ変わるわよね・・・。」

 

「凛はこっちのかよちんもすきだよ!」

 

真姫は花陽の別人とも思えるほどの変わりっぷりを見て呆れながら言った。

 

「なんだ、出場するのかと俺は思ってたんだが。」

 

「うん、そういうことだから私たちも頑張ろーって言うのかと思ってたよ。」

 

志郎と穂乃果の言葉を聞いた花陽は、

 

「うえええええ!??そ、そんな・・・!私たちが出場だなんて恐れ多いです・・・!」

 

と、部室の端っこにものすごい速さで後ずさってから言った。心なしか、いつものおどおどした花陽に戻ってるように見える。

 

「キャラ変わりすぎ。」

 

「三つ顔を持ってる阿修羅もびっくりやで・・・。」

 

「凛はこっちのかよちんも好きにゃ~。」

 

真姫と幸雄も冷静にツッコむ。

 

「でも、スクールアイドルやってるんだもん!目指すのも悪くないかも。」

 

「ていうか目指さなきゃだよ!」

 

「でも、そうは言っても現実は厳しいわよ。」

 

穂乃果とことりが盛り上がってるところに真姫は簡単にはいかないといった。

 

「確かに、まだμ'sは上位の連中に比べれば無名も同然だからな・・・。」

 

真姫の言葉を受けて志郎はため息をついた。

 

「ですね・・・。確か先週見た時はそんな大会に出られるような順位では・・・。」

 

海未がμ'sの順位を確認してみると、

 

「穂乃果!ことり!」

 

「ん?あっ!」

 

「順位が上がってる!!」

 

「うそ!?」

 

「どれどれ~?」

 

なんと順位が上がっており、真姫も驚いて立ち上がり凛と一緒に順位を確認しに行った。

 

「ほう、急上昇のピックアップスクールアイドルっていうのにも選ばれてるな。」

 

「コメントもたくさん来てやがるな!えっと、『新しい曲、かっこよかったです!』、『7人に増えたんですね!』、『いつも一生懸命さが伝わってて大好きです!』・・・か。こりゃすげえや。」

 

志郎も幸雄もμ'sの躍進ぶりに驚いていた。

 

「うわあ~!!もしかして凛たちって人気者!?」

 

「もしかしなくても、だな。やったな!」

 

目を輝かせる凛の肩を幸雄が叩いた。

 

「そのせいね。最近校門で出待ちされるようになったのは・・・。」

 

と、真姫が合点がいったような表情で呟いた。

 

「出待ち!?うそお、私全然ない・・・。」

 

穂乃果はその単語を聞いて驚いて落ち込んだ。

 

「確かにそういうこともあります。アイドルとは残酷な格差社会でもありますから・・・。」

 

「うう・・・。」

 

花陽の言葉を聞いてさらに穂乃果は落ち込む。

 

「あー、そういうことだったのか。」

 

「どういうことだ?」

 

幸雄の言葉に疑問を持った志郎が理由を聞くと、

 

「いやな?この前真姫が出待ちされてるのを見たんだよ。いやあ~流石、美人さんは格が違いますわ。この前なんかも・・・。」

 

と、ケラケラ笑いながら言った。

 

「どうして見てたなら助けてくれないのよ!」

 

真姫は顔を真っ赤にして幸雄に詰め寄ったが、

 

「断ろうとしたら悲しい顔をされて断れなくなって結局写真撮られてあげたの、見てたんだぜ。ファンの想いを無下にしない西木野真姫さんの優しい思いを無駄にしたくなかったんだもん☆」

 

とおどけながら幸雄は真姫の追及をいなした。

 

「でも、写真なんて真姫ちゃん変わったにゃ~。」

 

と凛が真姫の側に寄ると、

 

「わ、私は別に・・・!」

 

「あ、顔が赤くなったにゃ~。」

 

「へいへーい、赤くなってる~!これぞ顔面赤備えってヤツだな。」

 

と真姫を凛と幸雄がからかうと、

 

「~~~~~~!!」

 

「うにゃっ!?」

 

「うぐおっ!??」

 

真姫は凛の額にチョップ、そして幸雄になんと金的蹴りを照れ隠しにお見舞いした。

 

「痛いよ~!うえ~ん・・・。」

 

急な攻撃に尻もちをついた凛はウソ泣きをし、

 

「おおおお・・・!よくも俺の大事な二文銭(意味深)を・・・!なんで俺ばかりこんな目に・・・!!」

 

幸雄に至っては転がり悶えていた。

 

「あんた達が悪いんでしょ!」

 

「幸雄は完全にオーバーキルな気がしなくもないが、まあ自業自得だわな・・・。」

 

と志郎は三人を見ながら苦笑した。

 

「みんな聞きなさい!重大ニュースよ!!」

 

そんなところににこが屋上の扉を開けて飛び込んできた。

 

「ふふふ、聞いて驚くんじゃないわよ?今年の夏、遂に開かれることになったのよ!スクールアイドルの祭典・・・!」

 

「ラブライブ、ですか?」

 

にこがみんなの期待を煽りながらラブライブの開催を教えようとしたが、全員知ってる上に、全部言い切る前に、ことりに言われてしまった。

 

「知ってたの?」

 

「ええ、さっき花陽から聞きました。」

 

にこに対して、志郎が淡々と答えた。

 

 

 

 

そして、出場の許可を取るべく、穂乃果たちは生徒会室の前までやってきたが、

 

「どう考えても答えは見えてると思うわ。」

 

真姫は穂乃果にくぎを刺した。

 

「学校の許可ぁ?ミトメラレナイワァ!」

 

「ぶふぉ!やめろよ凛www会長に見られたらどうすんだよwww」

 

凛が絵里のモノマネ(?)をして、幸雄は大爆笑していた。

 

「だよねえ、今度こそは学校に生徒を集められると思うんだけど・・・。」

 

「そんなのあの生徒会長には関係ないでしょ?私らのこと目の敵にしてるんだから。」

 

と、にこが吐き捨てる。

 

「どうして私たちばかり・・・。」

 

花陽も絵里のμ'sに対する態度に困惑していた。

 

「それは・・・。あ!もしかして、学校内の人気を私に奪われるのが怖くて!!」

 

と、にこは絵里の目的を推測するが、

 

「「それはない(ねえ)わ。」」

 

と、真姫と幸雄に突っ込まれた。

 

(もっとも、目の敵にしてるのが事実とはいえ、こいつらが思ってるほど単純な問題ではないんだろうがな。)

 

にこにツッコミながらも、幸雄は心中では真剣な考えを巡らせていた。

 

「もう、許可なんて取らずに勝手にエントリーしてしまえばいいんじゃない?」

 

と真姫が言うと、

 

「ダメだよ!エントリーの条件に学校の許可をとることって書いてあるもん!」

 

と花陽が真姫をたしなめる。

 

「だったら直接理事長に申請しちまえばいいんじゃねーの?」

 

「え?そんなことできるの?」

 

穂乃果は幸雄の提案に驚いた。

 

「部活の要望は原則的に生徒会を通じて伝えろ、と言われてるが・・・。」

 

志郎は幸雄の案に反論するが、

 

「そりゃあくまでも『原則的に』って話だろ?別に理事長に直接かけあっちゃいけないなんて誰も言ってないんだからな。あいつが生徒会長の権限を使ってくるならこっちはそれを上回る理事長の権利にすがればいいってものよ!」

 

幸雄は自信満々に答えた。

 

「なるほど、相手が正面から来るならこっちは奇策を用いればいいってわけか。」

 

「その通り。それに、俺たちは一応研究生なんだ。研究生からの意見具申とあれば理事長も無視できまい・・・。」

 

と、幸雄と志郎は不敵に笑った。

 

そして、穂乃果たちは理事長室に向かった。

 

「うう、生徒会室よりさらに入りにくい緊張感が・・・。」

 

「そんな事言ってる場合じゃないでしょ。」

 

「まあまあ、そう言ってやるなよ真姫。校長室とか理事長室とかは学生からすれば普通は入らないところなんだから緊張はするだろ。」

 

理事長室の前で穂乃果は緊張していた。

 

「分かってるし大丈夫だよ!」

 

そう言って穂乃果は覚悟を決めてノックをしようすると、

 

「おお、お揃いでどうしたん?」

 

なんと理事長室から希と絵里が出てきた。

 

「うわっ、生徒会長!」

 

「タイミング悪っ。」

 

と穂乃果はびっくりしながら、にこは顔をしかめながら小声でつぶやく。

 

「なんの用ですか?」

 

絵里がまるで詰問するかのように穂乃果たちに用件を聞いた。すると真姫が穂乃果の前に出て、

 

「理事長にお話があってきました。」

 

と絵里に言ったが、絵里は真姫の前に立ち塞がり、

 

「各部の理事長への申請は生徒会を通す決まりよ。」

 

「申請とは言ってないわ!ただ話があるの!」

 

絵里に対して、真姫の言葉が荒くなってくるのを感じた志郎は、

 

「やめろ真姫。上級生だぞ。」

 

と、制止した。その時の志郎の声音は誰にも口答えや反論を許さない強者としての風格が漂っていた。これには気の強い真姫も、志郎の制止に従わざるを得なかった。

 

幸雄は、

 

(早くも詰みか?)

 

と思ったが、

 

「どうしたの?」

 

理事長室の中から理事長が出てきた。

 

 

そして、なんとか理事長室に入れた穂乃果たち(一年生は外で聞き耳を立てている)は、理事長にラブライブが開催されることを教えた。

 

「へえ、ラブライブねえ・・・。」

 

理事長は、ラブライブの公式サイトを見て、興味を示していた。

 

「はい、ネットで全国的に中継されることになっています。」

 

「もし出場できれば学校の名前をもっとみんなに知ってもらえると思うの。」

 

海未とことりが、ラブライブに出場するメリットを理事長にアピールするが、

 

「私は反対です。理事長は学校のために学校生活を犠牲にするようなことはすべきではないとおっしゃいました。であれば・・・、」

 

絵里は当然反対してきた。だが、

 

「異議ありですな、生徒会長。学校のために学校生活を犠牲にするような行動はするべきではない、とおっしゃってますが、部活が大会に出るのを学校生活を犠牲にする行為と取るのは全ての部活動を否定することになってしまいますなあ。些か早急すぎるかと。」

 

「それに、音ノ木坂学院の名を知ってもらうようにするのも目標の一つですが、彼女たちはあくまでも1つのスクールアイドルグループとして、おのれの実力を試すためにスクールアイドルの甲子園たるラブライブに出場しようとしているのです。彼女たちのエントリーに反対するのは運動部が大会に出るのを反対することになります。」

 

「それこそ学校生活を犠牲にするようなことになると存じますが、反論はおありですかな?生徒会長。」

 

幸雄と志郎が絵里の意見に、真正面から堂々と反論して見せた。絵里は自分の意見を正面から覆されて顔をしかめた。

 

(幸雄、あまり綾瀬先輩を煽るなよ。)

 

(ははは、すまん。昔からの癖だ。)

 

と志郎と幸雄は反論し終わった後、誰にも聞こえないような小声で話した。理事長は三人の意見を聞いていたが、

 

「いいんじゃないかしら?エントリーするぐらいなら。」

 

と口を開いた。

 

「本当ですか!?」

 

と穂乃果が確認すると、

 

「ええ。」

 

と理事長が答えた。

 

「どうして彼女たちの肩を持つんですか!?」

 

と納得がいかない絵里は理事長に抗議した。

 

「別に、そんなつもりじゃないけど。」

 

「だったら、生徒会も学校を存続させるために活動をさせてください!」

 

と絵里は生徒会が廃校阻止に向けた行動に出ることの許可を求めた。

 

「うーん、それはダメ。」

 

理事長は少し考えてから、彼女の案を取り下げた。

 

「・・・意味が分かりません!」

 

「そう?簡単な事よ?」

 

そう言われた絵里は黙ってお辞儀をして理事長室から出て行った。

 

(やれやれ、どうやら感情的になりすぎてて理事長が言わんとしてることが見えてないみたいだな。)

 

(似ている・・・。あの頃の、意固地になっていた俺に・・・。あいつもまた俺と同じように縛られた存在なのだな・・・。)

 

そんな絵里の背を、幸雄は客観的な目線、そして志郎は勝頼だった頃の自分と姿を重ねるという、互いに違った目線で見ていた。

 

「ふん、ざまあみろってのよ。」

 

にこが絵里に悪態をつくと、

 

「ただし、条件があります。」

 

と言った。

 

「条件とはいったい?」

 

志郎が聞くと、

 

「勉強が疎かになってはいけません。今度の期末試験で一人でも赤点をとるようなことがあったら、ラブライブへのエントリーは認めませんよ。いいですね?」

 

と理事長は釘を刺すように言った。

 

「ええ!?」

 

と穂乃果は、理事長の出した条件に驚いた。

 

「まあ、流石に赤点をとる奴なんてそうそういねえよな?」

 

「と、言いたいところだが幸雄。後ろを見ろ。」

 

と、幸雄が後ろを振り向いてみると、穂乃果、凛、そしてにこの三人がこの世の終わりであるかのように俯いていた。

 

「う、嘘だろ?」

 

幸雄が震えながら言うと、

 

「嘘だと思うだろ。これ、現実なんだぜ・・・。」

 

と志郎は虚ろな目をしながら幸雄の肩を叩いた。

 

どうやら、ラブライブ出場への道は実力面だけでなく、別の方面でもまだまだ厳しいものであったようだ。




いかがでしたでしょうか?

遂にラブライブ出場に向けて動き出したμ'sと志郎と幸雄のコンビ、果たして期末テストという最初の難関を突破することが出来るのか!?そして、μ'sと絵里の確執に志郎と幸雄はどのように向き合っていくのか?この物語もいよいよアニメ1期の折り返し地点に差し掛かってきました!



関係ない話ですが、遂に大河ドラマ『真田丸』で小田原北条氏が滅亡してしまいました・・・。しかし、長きにわたって粗略に扱われてきた氏政公の最期が実に丁寧に描かれていて、氏政公を敬愛する自分としては涙なしに見ることは出来ませんでした・・・!

大河ドラマでは滅亡した小田原北条氏ですが、私のもう一つの作品の『ラブライブ!サンシャイン!!Aqoursの戦国太平記』ではAqoursと共に乱世を駆けまわります!!千歌ちゃんたちがひょっとしたら北条家の未来を変えちゃうかも!?こちらもラブライブ!サンシャイン!!のアニメが始まり次第、連載を再開するつもりです!!

これからも拙作の応援をよろしくお願いします!(感想も何とぞジャンジャン書いてください!!)



それでは次回もどうぞお楽しみください!!

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