星の一族の末裔が幻想郷で暮らすようです   作:ジョースター

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どうもジョースターです

紅羽ちゃんは一体どうなるか

ではどうぞーー



第107話 意思

前回のあらすじ

 

急げ武

 

 

 

武「ハハ、速い速い!やっぱバイクってスゲーなぁ!」

 

武は紅羽ちゃんの居場所へ向かいながらそういう

バイクのメーターとかがある場所に承太郎の粋な計らいか、たまたまなのかどうかは知らないがスマホがぴったり入る窪みがあった

そこにスマホをはめ込み例のGPS擬きの機能を使い場所を確認する

そして何かに気付く

 

武「アレ?これって………………」

 

そう言い何度も目で確認してみる

結果は同じであった

 

武「これ、あとは一直線で着くよな?」

 

瞬間、武は迷う

とある方法を使えば、文字通り一瞬でたどり着ける方法がある

しかし、それを使ったら最後一切操作が効かなくなってしまう

もしものことを考えるとやらないのが当然であろう

しかし!

 

武「テイ」

 

カチッとボタンを押す音が響く

そう武は後のことを一切考えていなかった

ただ紅羽ちゃんを一刻も早く助けたいという事だけを考えていた

 

バイクは形状を変えてゆく、そして形状が変わり終わった直後

バイクはドンドン加速してゆく

そして気がつけば目では到底追えない速度まで上がってしまった

 

 

武「はえぇ!」

 

果たして武は止まれないから、どうやって降りることが出来ない状況に自ら招いたことに気が付いて………………いないね

 

 

ーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、流石に暇だなぁ………………そうだ、紅羽ちゃん、少しだけお話ししようか」

紅「………………」

「…………おっと心が壊れちゃったから聞いてないか。

まぁいいや、僕はねいっつも思うんだ、友情、愛情、そういったものが大切だ。

友人をいっぱい作る、大切な好きな人と結ばれる、子宝に恵まれる、いい仕事につけて何不自由のない生活が出来る。

いやぁ、素晴らしいねぇ、誰もが憧れることだねぇ」

 

そう言い男はケタケタと笑う

 

「でも、そんなもの死んでしまえば何もかもが無駄になる。

だってそうだろう?

死んだら自分には何も残らない

それなのに人はそれを求めて生きてゆく、いつかは枯れ葉のように朽ちていくのを知っている癖に生きている

不思議だよねぇ」

紅「………………」

「難しい?じゃ、話を変えようか。

人は口では『争いはいけない』『平和に生きよう』『死にたいなんて言うな、諦めないで生きろよ』とか言ってる癖に、自分達がそれをそうなる原因を作っている。

だってそうだろ?

争いが嫌ならそれの原因になる差別とかそういったのをしなければいいのに、さも当然かのようにやる

自殺を止めようとしてる癖に、反面いじめとかでその人を傷つける

おかしいと思わない?」

 

紅羽ちゃんは一向に口を開かない

 

「…………君は立派な被害者だ。全てが全てでは無いけど君のせいではない。君は本来ならば真っ当に生きて、真っ当な生活をするべきなんだ…………だから」

 

男はそう言い紅羽ちゃんの背後にいた妖怪を瞬く間に殺す

 

「君にはまだ生きてもらおう、そしてもっと絶望してもらおうかな

その為に僕は、こうした」

紅「………………なんで…………」

「あぁ勘違いしないで欲しいのだけど、僕はさっき言った通り絶望が見たいんだ。

今の君は心が壊れているからある種の無感情なんだ、そんな君を殺した所で僕はなぁんも楽しくない。

絶望を見るのって意外と難しいだよねぇ」

 

そう男は苦笑いして言う

 

「あとそうそう、よく間違われるのだけど、僕は決してハッピーエンドが嫌いな訳じゃない。

むしろ好きな方だ、だから僕にとってのハッピーエンドを求めている

そのためなら僕は善にも悪にもなろう

絶望から希望に変わっていくとか割と好きな展開だよ

ただ、ありもしない薄っぺらい希望を掲げ、勝てない相手に立ち向かうのは嫌いだ。

だから僕は君たちを襲った

あのままじゃ一向にハッピーエンドへとはいかないからね、ただ同じことをグルグル回るだけじゃ、面白くない」

 

紅「………………あなたは、いい人なの?悪い人なの?」

「そりゃもちろん、悪い人だよ。人の心なんてロクに理解出来ず、ただ絶望が好きなくせにハッピーエンドが好きな矛盾したロクデナシさ、間違っても僕のことを信頼とかしちゃうダメだよ?自分の事しか考えてないロクデナシだからね救ったのも自分のためだからね」

 

そう言いハハッと笑う

 

「………………さてと、でもこのまま僕が君を守り続けても意味ないから、じゃぁね、あとは君が何をしたいかだね」

 

そう言い男は紅羽ちゃんを残して去る

残された紅羽ちゃんは特に何もすることなくボーッとしていた

少し話せる様になったと言え心が壊れたまま

そんな彼女が何かするというのは無理がある

 

 

妖怪「グルアアアアアアアアアアアア!」

 

理性すらない本能で生きている妖怪が紅羽ちゃんを見つけ吠える

しかし紅羽ちゃんはピクリとも動かない

 

紅(あぁ紅羽は死ぬんだ………………最後にお兄ちゃんに撫でてもらいたかったな………………でも、私は死なないといけない人なんだ

これで………………これでいいの、生まれ変わったらお父さんとお母さんには優しくしてもらえるかな?)

 

妖怪は鋭い爪を振り上げる

しかし動かない

そして爪が振り下ろされる

 

 

 

武「イヤホゥウウウウウウウウ!」

 

 

ガッシャァアアアアアアン!ドガアアアアン!

 

しかしないからな振り下ろされた爪は紅羽ちゃんに当たることはなかった

あたる直前、超高速に動く黒い物体がぶつかる

そしてそのままその物体は木にぶつかる

直後爆散する

まぁかなりの勢いでぶつかったら当然ではあるが

 

紅「………………え?」

 

あまりの急すぎる展開で理解が追いつかずただ爆風にあおられる紅羽ちゃん

思考停止しかけている頭で無理矢理考える

爆発した方を見ると人影らしきものが見える

それもフラフラと立ち上がっている気がする

 

紅「………………お兄………………ちゃん?」

武「イッデェエエエエエエ!格好つかねぇなオイ!」

 

そう叫びながら武は立ち上がる

 

紅「嘘………………」

武「紅羽ちゃん!無事だった?」

 

武はさっきの爆発でついた傷など一切気にせず、紅羽ちゃんの所へ走る

紅羽ちゃんは首を縦に降る

安堵の表情を浮かべる武

 

武「じゃあ、帰ろうか。紅羽ちゃん」

紅「……………………いや」

武「え?ここから離れないと殺されちゃうよ?」

紅「もう、紅羽は、死にたいの……………………」

 

弱々しい震えた声でそう言う

 

紅「私は………………何やってもうまくいかないし、私のせいでお兄ちゃんが傷だらけになっちゃったし、私なんていない方がいいんだ」

武「………………そうか、じゃぁ一つ言っていいかな?

くれはちゃんは本当に死にたいんだな?

心の底から死にたいんだな?」

 

無言で頷く

 

武「そうかじゃぁ分かった……………………でも一ついいか?

本当に死にたいなら」

 

武はそういい一呼吸おく

 

 

武「泣いてないで笑えよ」

 

紅「!?…………アレ?なんで?なんで…………泣いているの?紅羽」

武「それは心の何処かで生きたいと思っているからだよ」

 

紅羽ちゃんは涙を拭う、しかし拭っても拭っても涙は出ていた

それどころか、むしろ増えていく

 

武「俺はな、昔に自分の妹の茜に大怪我を負わせたしまったんだ、俺のせいで」

 

そう言いあの事件を思い出す

武にとってはある意味原点でもありトラウマでもある

 

武「俺の方が怪我は酷かったが、そんなことよりも茜を傷付けてしまったほうが苦しかった、辛かった。

自殺も考えた、もういっそ死んだ方がいいんじゃないかなと

俺は何もできない人間だけど茜は俺より優秀だった、劣等感も多少あった」

 

紅羽ちゃんは黙ったきいている

 

武「それでも俺は必死に生きた、足掻いて、醜く地べたを這いずり見苦しく足掻いて生きた。

人は簡単に死ぬ、ちょっとしたことで死ぬ。

でもそれでも人は必死に生きている、いつ死ぬか分からない、明日死んでしまうかも知れない、全て無駄になるかも知れない。

それでも必死に生きて、足掻いて生きて、生きて生きて生きるんだ」

 

武「自殺ってのは悪いことではない。死ぬのは辛いことだ、それに耐えて自ら死ぬなんて俺にはとてもそんな勇気はない」

 

武「だから紅羽ちゃん、俺は君の選択を尊重する。

ただ一つだけ言うならば、君は決して悪い事をしたわけでも、悪い子でもない。むしろ褒められることばっかりをしている子だ」

紅「じゃぁもし…………紅羽が悪いことしたら…………どうするの?」

武「もちろん怒るよ。いっぱい怒る、一番怒る。

でも、その分俺は紅羽ちゃんを守る、紅羽ちゃんと言う存在を決して何があっても否定はしない」

紅「………………」

 

紅羽ちゃんは下を向く

その目は迷っている目だった

 

武「で?どうするの?」

紅「分からない………………紅羽一体どうすればいいの?

紅羽は生きてていいの?生きてちゃダメなの?」

武「それは自分で決めるんだ。生きてていいとかダメとかはそんなの自分でしか分からない、人に決められることではないよ」

紅「………………私は………………生きたい」

 

 

生きたい!

 

 

そう叫ぶ、武はそれを聞くなり頷く

 

武「じゃぁ帰ろっか」

紅「うん」

 

俺はそういい手を差し伸べる

紅羽ちゃんは手を握った

 

しかし、その直後に武の表情が鋭くなる

 

武「あのさぁ………………今、お前らみたいなのが出る幕じゃないだよな………………だから、どっか行ってくれよ」

 

俺はそう言う周りからゾロゾロと妖怪が出てくる

 

妖怪「ニンゲンコロス………………オマエコロス」

武「ったく、テメエらに食わす人間はいねぇよ、ぶっ飛ばされたくなかったら失せろ」

妖怪「ホザケ!」

 

妖怪は俺に飛びかかる

作戦もへったくれもないただの飛び込み

まさに知性もない攻撃

 

武「当たるかバーカ」

紅「ッ!」

 

俺は紅羽ちゃんを抱き抱え、妖怪の攻撃を躱してそのまま蹴りを入れる

ダメージは然程だが、妖怪は転がっていった

 

武「紅羽ちゃん、大丈夫?」

紅「うん、でも………………」

 

そう言い周りを見渡す

俺と紅羽ちゃんをぐるりと完全に包囲している

 

武「囲まれたか、多少は知性があるやつがいるみたいだ」

妖怪「ほう、動じぬか。普通なら多少は狼狽える筈だが………………まぁいい」

武「テメェがここのリーダー格か」

妖怪「いかにも、貴様らを殺すものだ」

武「上等、やってみろよ」

 

俺はそう大胆不敵に笑う

紅羽ちゃんを安心させるためでもある

俺は不安がってしまったら紅羽ちゃんはもっと怖い思いをしてしまう

能力が使えれば、いや使えても厳しいか

リーダー格のやつは前戦ったやつと同等ぐらいはある

さらに他にも弱いけど妖怪が沢山

さぁーて詰んでね?コレ

いや、だが霊夢と茜たちが来れば、いやだが来るまでに何分掛かる?

それまでに死なずに行けるか?

逃げるのは難しい、戦うにしても戦力差がある

それに紅羽ちゃんを守りながらだ

いや、何弱気になっている、落ち着け。

俺がやらなきゃ誰がやる

誰も出来ねぇ、俺がやるんだ

 

リーダー妖怪「貴様ら、男の方は殺せ、あいつはそこそこ厄介なやつだ、数の暴力で殺せ。

女の方は………………好きにしろ、殺すなりいたぶるなり、子を植え付けるなりやれ」

妖怪「ヒャッホーウ!ヤッテヤルゼェ!」

武「………………ア“?おい、今なんつった?紅羽ちゃんに何するって言った?

場合によっちゃ………………殺すぞ」

 

武から発せられたのは純粋な、ただただ純粋な殺意

 

妖怪「アァ?ナニキレテヤガr」

 

そう言って近付く妖怪

瞬間、消える

 

リーダー妖怪「ッ!貴様…………何を」

武「ただ、殴っただけだ」

 

そう言いリーダー妖怪は絶句する

武は近付いた妖怪に一瞬で近付き、殴り飛ばしたのだ

武は瞬間的に自分の体に何が起きたか理解する

 

武「成る程、今の俺は………………いつもと違うぞ」

 

自分が散々使えない能力と見なしていた能力

それは、身体能力を上げる能力

しかし、発動条件は守りたいという意思を強くすること

故に、最弱の能力

がしかし、今この状況でその守りたい意思が強いには当たり前だ

故に発動した

 

武「来いよ!三下四下共が、格の違いってやつを見してたらあぁ!」

 

 

To be continued ーーーーーーー>




最近本当に承太郎が主人公してねぇや
まぁ今回は武メインだけども………………
一番武メインがやりやすい


感想、誤字、アドバイスなどございましたらよろしくおねがいします

次回もお楽しみにーーー

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