星の一族の末裔が幻想郷で暮らすようです   作:ジョースター

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どうもジョースターです

今回は、割とシリアスは少なめ…………のはず

ではどうぞーー


第98話 初めての料理を食べる時の期待具合は半端ない

前回のあらすじ

 

とっとと腹決めろ武

 

 

妖「やあっ!」

承「危なっ」

妖「くっ!」

 

妖夢は始まったと同時に間合いを詰め縦に一閃

俺はギリギリ躱しカウンターを入れるがもう片方の竹刀でガード

そしてお互いに後ろの離れる

 

妖「これでもダメですか」

承「今のは危なかった。普通じゃ間違いなくやられてたな。たまたま、反射が良かっただけだ」

妖「そうですか…………」

 

その割には割と余裕そうでしたがと妖夢は口に出かかったが、出さずに竹刀を構え直す

お互いに1度真剣で斬り合ったものだから大体、なんとなく相手が何してくるかが予想がついてしまう

故に勝負は互角となっていた

 

承「むっ」

 

俺は妖夢が攻撃してきたので防御しようと右手を動かすが、少し反応が悪く

今はギリギリガードできもののそのうちやられるな

おそらくこの木刀の重さと、それをいつも通りの回数降ってるからそのせいだろうな

言い訳だけど

だが、もうそろそろ決めにいかないとな

 

俺はそう思い木刀を一本地面に刺す

そして両手で1本の木刀を持つ

俺は目を瞑り呼吸を整える

 

妖「今だ!」

 

そう言い好機と見たか妖夢が果敢に攻撃して来た

 

承「残念、その読みはハズレだ」

妖「しまっt」

 

二刀流から敢えて一本減らして、一本だけでやる

たしかに攻撃幅は狭まるが

その代わり両手で木刀を持つため、二つのことを同時にせずに一つに絞って、攻撃できる

 

結果どうなるか

俺は妖夢の攻撃を捌き、木刀を妖夢の首に向け、あと少しで首に当たる寸前までで止めた

 

承「………………」

妖「参りました…………流石ですね。完敗です。」

 

妖夢がそういい俺は木刀を戻す

ギリギリだけど勝利

正直、俺がいつ負けてもおかしくない

今は俺の方が強いがそれがいつまで続くかわからん

自分じゃまだ未熟とか言ってるけど、成長したら一気に化けるぞ

そうだな……………下手したらあのチート技無しの霊夢なら勝てるぐらいには

 

妖「どうかしましたか?承太郎さん」

承「いや、なんでもない。さてと朝飯作るぞ、そろそろだろ?」

妖「はい、では行きましょう」

 

そう言い俺と妖夢は調理場へ行き朝ご飯を作った

なおその9割は幽々子のお腹の中へときえていった

悲しいなぁ

 

 

 

 

妖「ここをこうして、でもダメだ。そうなると承太郎さんみたいな型がないタイプの相手だとこう返されるから……………」

 

妖夢は朝ごはんが食べてからずっと竹刀を振り、どういう攻撃がいいかと悩んでいた

アレではない。これではないと考え早2時間

その間ずっと竹刀で動きを確認していた

こういった根性は凄い

 

ブ「承太郎も大概でしょ、師匠に一撃喰らわせるために黙々と考え続けてその時は4時間考えていたじゃん」

承「あったな、その時は師匠に一撃を与えることが全てだったからな」

 

まぁそれがあって今があるのだけど

 

妖「うーんこれもダメですか、では次の…………」

 

さらに時間は流れ昼

それでもなお、色々試している妖夢を前に俺は時計を見る

うん、そろそろ昼食の時間だな

 

承「妖夢、そろそろ休憩したらどうだ?考えすぎても、いい案は浮かばないぞ。一旦休め、飯食うぞ飯」

妖「はい、分かりました!」

 

そう言い妖夢は竹刀を直し調理場へと行く

今日のお昼はなににしようかな

 

 

 

承「成る程、俺がいない間にそんなことが…………」

武『あぁ色々あったよ』

 

俺は武にどうかと聞くため、それとまずここから通じるかのテストも兼ねて電話をかけた

そして電話は繋がった、そして武の口から今何が起きてるかを聞いた

俺はそれを出来るだけ聞き取り、紙に片っ端から書いていった

そして武にやるべきことを言い電話を切った

 

承「結構自体は深刻になるだろうな、俺が思ってる以上には…………」

 

俺はそういいながら紙とにらめっこする

 

妖「承太郎さん?」

承「ん?あぁ妖夢か、どうした?」

 

考え込んでいると後ろかあ妖夢が声をかけて来た

 

妖「いえ、ただ何をずっと見てるのかなと」

承「あぁ……………これは……」

 

俺は妖夢に事情を話した

 

妖「なるほど…………あれ?可笑しいですね」

承「え?」

妖「あっいえただ気のせいというか、嫌われている理由が白髪だったからと言いますが、私や咲夜さん、あと慧音先生とかもそんな髪色だけど、そんなには…………」

 

確かに、一理あるな

 

承「確かにな………………だが、本当の純粋な人間からそれが生まれたら…………ね」

妖「そうですね。やっぱり気の所為でしたね。」

承「さて、この話は終わりだ。さっさと飯作ろう」

妖「なんか承太郎さん。ここに来てから飯を作る事ばっかしてません?」

承「そうでもしないとマジで間に合わないと昨日分かったからな!」

妖「そ、そうですか」

 

料理のやり過ぎで過労死とかそんな死に方はゴメンだ

 

今日一日をわかりやすく簡潔に言えと言われればこうなる

 

妖夢と勝負した、武の現状を確認した、あとはひたすら料理をした

以上

 

料理時間だけで6割ぐらいの時間が削られている気がする

まぁこう行った感じで2日目終了

 

 

 

ーーーーーーーー

 

3日目

武サイド

 

武は朝起きて、身支度を済ませて紅羽ちゃんの所、もとい人里へと行った

無論、茜の引率はあり

 

武「さて、紅羽ちゃん今日は何しようか!」

紅「えっと…………なんでも……いい」

武「え?今なんでも良いって」

茜「………………」

 

背後からゴキゴキと音が聞こえるだけど

俺が恐る恐る振り返ると、冷たい目、つり上がった口角、隠す気がない殺気

俺は即座に誠意を見せるためにDOGEZAをした

 

武「嘘です。冗談なんです。こういうのはこういうのがお約束というかなんというか…………」

茜「そんなお約束、ありませんよ」

武「アウチッ!」

 

土下座してる状態なので後頭部にチョップが入る

頭がカチ割れそう

というか割れてない?大丈夫?中身で出ない?

 

茜「手加減してますよ」

紅「いいですよ…………」

武「ヒョエ?」

 

俺は思わず変な声が出る

紅羽ちゃんは相変わらず無表情

 

紅「武お兄ちゃんになら…………何されてもいい。

なんでもいうこと聞く」

武「…………」

 

俺は茜と目を合わせ頷く

 

茜「あーそういえば、ここら辺で美味しいお店があると聞きました。行ってみましょう」

武「そうだな、行くか。一緒に行こう紅羽ちゃん」

紅「はい、喜んで」

 

俺と茜は強引に話を逸らし、さっきの話を無かったことにした

そして手を伸ばし紅羽ちゃんの手を繋いだ

俺が思ってたよりかなり深刻な問題になってるな

 

そういや、承太郎が言ってたな

虐待などをされてる子はある特定の人物に重度な依存をしてしまうと

どうやら、紅羽ちゃんの場合は俺か…………

虐待………ね

本当に嫌な言葉だ

生まれた子は何一つ悪くない、悪いのはやる側だ

当たり前といえば当たり前だ

それなのに、変に頭があるから。鈍臭いとか、ご飯をこぼしたからとかそう言った、小さすぎる理由で暴力を振るう

紅羽ちゃんの親がどれほど酷いかは分からないが、ただ言えるのが絶対にロクでもない親だろうな

外の世界でも、幻想郷でも結局はこう行ったことは無くならないだな

そういった点では絶望した

 

俺は紅羽ちゃんの手をギュッと握る

紅羽ちゃんは不思議そうな顔をする

俺はそれを見てなお一層助けてあげたいと思った

 

茜「こっちです」

 

少し先に行っている茜が声を出す

 

武「あぁ分かったーじゃちょっと急ごうか」

 

紅羽ちゃんは無言で頷く

 

 

「いらっしゃいませー」

 

そんな声が店に入ると、聞こえてくる

その声は若々しく…………というか若過ぎるというか幼女の声というか…………

そして店の奥から小さなお盆を持ち綺麗な動作で幼い女の子が来た

なんだこの店。神かよ

 

店員「何名様で?」

茜「3人で」

店員「はい…………って茜さん?」

茜「えっ…………あっ由紀ちゃん!?」

 

そう店の奥から来た店員さんは由紀ちゃんである

和服を動きやすいように袖を縛っている姿…………いいぞ実に良い

 

武「由紀ちゃん、どうしてここで?」

由「えーと母の手伝いで…………」

 

成る程親の仕事の手伝いか

まぁ今は春休み、承太郎も親の手伝いは積極的にと言っていたし

いい子だな。俺だったら、寝るかゲームか幼女ウォッチだな

 

由「えーとその子は?」

紅「ッ!」

 

紅羽ちゃんは由紀ちゃんがそう話すとビクッと怯え俺の背後に隠れた

俺は紅羽ちゃんの頭を撫でて、落ち着かせる

 

武「この子は…………うんあれだ、なんて言えばいいだろう」

茜「そうですね、割と簡単に説明をやり辛いですね」

由「…………綺麗な髪…………」

紅「え?」

由「いえ、あまりに綺麗な髪の色でつい…………」

 

紅羽ちゃんはブンブンとそんなことはないと言いたいかのように顔を横に降る

 

武「いや、滅茶苦茶綺麗だよ。言わなかったけどこの際だから言うよ。とても綺麗だ」

 

紅羽ちゃんは俯き赤面になる

 

由「まぁ詳しいことは聞きませんがとりあえず席へご案内しますね」

茜「はい、よろしくお願いしますね」

 

そう言い由紀ちゃんを先頭にして俺たちは席へと案内された

 

由「こちらがお品書きです。ご注文がお決まりでしたら、お呼び下さい、ではごゆっくり」

 

そう言い由紀ちゃんはペコリと礼をして、仕事に戻って行った

 

茜「さて、何にしましょうかね」

武「紅羽ちゃんは何がいい?」

紅「く、紅羽は………………どれも食べたことないから………………なんでもいいです」

武「紅羽ちゃん、一つ質問だけど。今までで外食したことある?」

 

紅羽ちゃんは無言で首を横に降る

 

武「じゃあ、ここ最近お腹いっぱいご飯食べたことは?」

 

紅羽ちゃんはさっきと同じように首を振る

やっぱりか、外の世界でもそうらしいが、児童虐待がある家では食事も満足に食べさせてくれないってケースもあるって聞いたことがあるからまさかと思って聞いたらビンゴかよ

物理的、精神的に、そして飢え

とことんロクでもない親だな

 

武「茜、お前今お金いくらある?」

茜「まぁ結構持って来てますね………」

武「そうか…………なぁお願いがあるんだが」

茜「いいですよ、いつもならふざけんなで済ませますけど今お兄さんが金欠なのは、自分の為ではなく紅羽ちゃんのために全て使ったので、今回だけ許します」

武「すまない、茜」

 

俺はそういい紅羽ちゃんの目の前にお品書きを出した

 

武「紅羽ちゃん、好きなだけ食べでいいよ。満足いくまで、いくらでも。なんでも頼んでいいよ」

紅「えっ、でも…………」

茜「大丈夫ですよ。お金ならご安心ください」

武「というわけだ。何がいい?」

 

紅羽ちゃんはえっとえっとと言い必死に考えている

 

由「この店の自慢の甘味はこちらですね」

 

そう言いいつ間にかいた由紀ちゃんな宇治金時を指す

そこには、通常の宇治金時にさまざまなフルーツが乗っている宇治金時だった

 

紅「美味しそう…………」

武「じゃそれ3つで」

茜「そうですね」

紅「お願いします」

由「かしこまりました」

 

そう言い由紀ちゃんは注文書を書き厨房に「宇治金時3つーー入りまーす」と声を出す

今はそこまで混んでいないから、すぐに由紀ちゃんが宇治金時を4つ持って来た

アレ?4つ?

 

由「せっかくなので、休憩貰って来ました」

武「流石、由紀ちゃん」

由「そして、一つ質問なのですが」

 

そう言い由紀ちゃんは苦笑いする

 

由「どうして紅羽ちゃんはずっと武さんの膝の上に乗っているのですか?」

紅「離れたくない…………から…………武お兄ちゃん嫌だった?」

武「全然全くノープロブレム」

 

俺はそう言い紅羽ちゃんが膝の上で座るのを続行させる

というかこんなご褒美をみすみす逃すかよ

 

茜「さて、では食べましょう、いただきます」

 

そう言い先に茜が宇治金時をスプーンで掬い一口食べる

 

茜「美味しい、美味しいです。控えめな甘さがちょうど良いです」

 

そういえば、茜って麻婆とかは辛いの万歳の癖に、こういったものに割と目がないだよな、まぁそこらへんは年頃の女子であってよかった

たまに承太郎と一緒にスイーツを作って食べてたしな

というかここら辺しか女子要素がない…………いやあるか

一応

 

茜「木っ端微塵にされたいのですか?」

武「さぁて、じゃ食べようか紅羽ちゃん」

 

紅羽ちゃんは無言で頷き、茜がしたように拙い動きで宇治金時を掬い食べる

きっと美味しいって言ってくれるだろう

俺はそれさえ聞ければ満足だ

しかし紅羽ちゃんのリアクションは予想の斜め上を行った

 

武「えっ?」

紅「ひっぐえっぐ…………お、美味しい。美味しいです」

 

泣いた、俺は予想外すぎる出来事だったので、パニックになる

とりあえず抱きしめればなんとかなる?

なる!

そんなノリで優しく抱き締める

温かくて柔らかな感触が伝わってくる、筈だった

結論から言う、この子は痩せすぎている

そりゃそうだ、言われなくても分かっていた。さっきの話。そして膝の上に乗った時思ったんだ、異常な程軽かったんだ

 

紅「初めて、こんな美味しくて甘いの初めて…………」

由「泣かないでください」

 

そう言って由紀ちゃんはハンカチを差し出す

この子は本当に冷静すぎだろ、まぁ承太郎ですら由紀は色々おかしい、あの年であの冷静さはやばいという程だからな

紅羽ちゃんはハンカチを受け取り涙を拭く

 

武「まだまだ、あるからいっぱい食べようね」

紅「ッ、はい!」

 

そう言い俺たちは紅羽ちゃんが満足するまで食べた

俺は、すぐにリタイアしたけど、茜は結構食べてた

これで少しでいいから変わって欲しいものだ

そして会計を済ませて(若干値引きして貰った。由紀ちゃんの母さんに娘がいつも世話になってますということで値引きしてもらいました)

外に出る

そしてしばらく3人で人里をブラブラとして夕方になり、帰る時間になった時、不意に紅羽ちゃんが口を開く

 

紅「今日は、本当にありがとう…………ございました。こんなに楽しいのは初めてだった…………」

 

そう言い始めて笑顔になった

 

武「どういたしまして、俺も楽しかったよ」

 

茜もうんうんと頷く

俺はその笑顔を見てより一層助けてやらねばと固く決心した

 

To be continued ーーーーーーー>




この後の展開を考えると今ほのぼのを入れておかないと、シリアスすぎて作者さんが鬱になりますので、こういう話を入れてみました


感想、誤字、アドバイスなどございましたらよろしくお願いします

次回もお楽しみにーーー

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