噛ませ犬でも頑張りたい   作:とるびす

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最新話ではないのです申し訳ない…!

ナメック星の話を修正します
ぼちぼち再開しないとね


激突!とびっきりの最強対超サイヤ人だ孫悟空!…と噛ませ犬
始まりそうな劇場版


 よう、俺ヤムチャ。

 

 神精樹が地球へともたらした被害たるや、それは甚大なものだった。

 元気玉の力によって神精樹に吸い取られていた分のエネルギーが地球に還元されたとはいえ、それですぐに元どおり……と都合よくいくはずもなく、全世界で食糧難が発生している。

 それに対処すべく仙豆をすり潰した栄養満点の水を国防軍に配布してなんとか凌いでいるが、根本の解決には至らないだろう。

 ドラゴンボールがあればこんな問題など即解決なのだが……ターレスとの戦闘でピッコロが死んでしまった。あまりにも大きすぎる損失。俺たちの中で最も死んじゃいけない奴が死んでしまったんだ。

 

 俺はともかく他のみんなはピッコロの死になんとも言えない顔をしていた。

 ピッコロは一応の敵ではあるが、なんだかんだで地球のために戦ってくれた一人の仲間だった。その功績はピッコロ大魔王の悪行を帳消しにできるほどだ。

 

 特に悟飯の落ち込みようが一番酷い。

 勉強に手もつかないようで毎日しょぼくれて外を眺めているとか。ラディッツが「オレの野菜を食べてくれない……」とか言ってショボくれてた。二次被害が出てんじゃねぇかちくしょう!

 

 地球のことも合わせてなんとかならないかと、カプセルコーポレーションに全員が集まって会議の日々。しかしいい案は全く出ない。

 そして俺はいかにナメック星のことをそれとなく伝えるかを考えていた。俺ェ……。

 

 あ、そうそう。ブリーフ博士に奇跡的に吹き飛ばなかった潰れた神精樹の実をターレスの宇宙船の保存データとともに渡しておいた。

 研究を進めれば栽培も可能になるかもしれないからな。栄養は……まあ仙豆でいいんじゃない?(適当)

 

 

 

 少し経ったある日、なんの前触れもなくミスターポポがやって来た。

 そしてユンザビット高原の宇宙船を始めとした俺が伝えたいこと全てを語ってくれたのだ。最高だぜポポさん!

 

 ピッコロさんを生き返らせれる!とのことで悟飯が当然の如く猛った。

 チチが猛反対したが悟飯はキレてその反対を一蹴、自分のスタンスに揺るぎはないことを証明したのだった。5歳児ってスゴイナー。

 

 ユンザビットにあったナメック製宇宙船よりブリーフ博士が前々から開発していた悟空のポッドを改良した宇宙船の方が性能が格段に上だったためそちらを利用することに。

 データを全て大型ポッドに写し変えればナメック星行き修行客船の完成だ。ついでに100Gまでの重力装置付きである。

 

 メンバーは───うん、悟飯は行くと言って聞かなかった。悟空は悟飯の親だから(ついでにナメック星人にも興味があるそうで)

 クリリンは観光気分、天津飯&餃子は修行の一環で同行決定。勿論俺もついて行くぜ!

 意外だったのはラディッツ。こいつは畑に引き篭もってるんだろうなー…と思っていたが、なんと俺たちの中では一番早くに遠征参加を表明した。

 なんでも畑が元に戻らないんだそうで。ああ、うん、なるほどね。まあ……こいつも(副産物といえ)ピッコロに助けてもらった身だし、思うところがあるんじゃないかな?

 要するに遠征メンバーは戦えるやつ全員だな。

 

 え? ヤジロベーはどうしたかって?

 最近は俺の友達ってことでいろんなところでタダ飯を食ってるらしい。ま、まあ……仙豆をカリン塔(仙豆貯蔵庫になった)から持ってくるのに貢献してくれてるからいいんじゃないかな?

 

 ちなみにブルマは付いて行かないんだと。まあピッコロみたいなのがいっぱいいるだろう未知の惑星に修行目的で行くむさい男たちなんかとは絶対一緒に行きたくないよな。分かるぜ。

 てなわけで操縦なんかは俺が覚えた。

 

 乗って行く宇宙船は全部で二機。うち先頭一機で舵を取って後ろのもう一機が自動追尾でそれに続くといった感じだ。もしものことがあってもマニュアルもあるから大丈夫とブルマからのお墨付きだ。

 

 二機……ということは3、4にチーム分けしなければならない、

 取り敢えずサイヤ人はサイヤ人で固めた方がいいんじゃないかな? ナメック星に着いた時どんな化け物どもが生まれるかは知らんが。

 

 というわけで、Aチームは地球人組。Bチームはバーダック一族で分けるとしよう。

 特攻サイヤ野郎Bチームはともかく、俺らは成長率はいたって普通な地球人だ。100Gは無理かもしれんが、せめて70Gまではいきたいな。

 ついでにクリリンから気のコントロールをもう一回じっくりと教えてもらおう。いい加減爆発する頻度は減らさないと話にならん。

 

 

 というわけでナメック星遠征の準備は完了した。早速明日にでも出発しよう!

 

 という話だったのだが……そうもいかないのがこの世の中だ。

 

 

 

 

 

 

 界王様はナメック星へ出発間際の俺たちをカプセルコーポレーションの庭にある界王星へと招集する。全員が若干のデジャブを感じた。どうにも嫌な予感しかしねぇ……。

 やがて界王様は重苦しく口を開く。

 

「この星に新たなる危機が迫っておる……。どうやら今度はスラッグ一味というとんでもない連中に目をつけられたようじゃな。わしのセンサーによると……2週間後には地球にくるぞい……」

 

『な、なんだって!?』

 

「……いや……は?」

 

 新たなる敵の出現に戦士たちはどよめき、俺はただただ呆然とするしかなかった。まさかこんなスピード周期で劇場版が始まるなど誰が予測できようか。いや、誰も予測できまい!

 やばい、引き攣った笑みしかできねぇ…!

 

「それで…そのスラッグ一味とやらの強さは?」

 

「…ターレス以上じゃ」

 

 天津飯の問いに界王様が簡潔に答えた。

 本日二回目の戦士たちによるどよめきが起こり、俺はひたすら考える。考えろ、考えるんだヤムチャ。何か手は……!

 

「うーん…それじゃあナメック星出発は延期するしかねえよなぁ…。そのスラッグっちゅうヤツに備えて修行もしねえと」

 

「ふ、ふざけるなァ! そうなったらオレの畑はいつ復活するんだ!? 貴様らが行かないのなら、オレ一人でもナメック星に行くぞ!」

 

 こいつは勿論ラディッツ。

 すかさず俺がフォローを入れる。

 

「願いを叶えて地球を元に戻しても、スラッグ一味って奴らをどうにかしないとどうにもならないだろ。まず奴らに勝てるかどうかが問題であってだな」

 

「ぬぅぅ……」

 

「ブルマさんの計算によるとナメック星への到着には早くても一週間かかるらしいですし、往復で計算すると二週間。ドラゴンボールを集める時間を考えても圧倒的に時間が足りませんよね……」

 

「ピッコロさん……」

 

 全員が各々の不安の声を上げていく。

 くそ、どうすればいい?

 

 ナメック星に行かない状態でスラッグに勝つのはほぼ不可能だろう。だがナメック星に行けばスラッグ襲来に間に合わん。

 ドラゴンボールの力で帰りの分はショートカットできるかもしれんがフリーザやベジータとのいざこざを考えると一週間じゃあなぁ……八方塞りか?

 ちなみに言うとナメック星に行かないという選択肢はない。どうにかしてナメック星には行かねばならんのだ。

 スラッグなんか口笛と太陽があればどうとでもなりそうなヤツだし、いっそのこと俺一人だけ地球に残って迎え撃つか? しかしな……

 

 

 

 

 

 うん? 太陽…?

 

 この時、俺に電流が走った。

 

 

 

 *◆*

 

 

 

 帝王フリーザ。宇宙最強にして最恐の暴君。

 

 大宇宙の星々を股にかけて支配、征服。

 そしてそれらを高値で売りさばく死のブローカーだ。その残虐、冷酷極まりない行為は悪名となって全宇宙に轟かせていた。

 

 この惑星フリーザNo79はそのフリーザが持つ惑星の一つである。

 数あるフリーザ軍駐屯星の一つであるその星に、二人のサイヤ人が帰還していた。

 しかしなんらかのトラブルがあったらしく、奇妙なことにうち一人のサイヤ人は満身創痍の大怪我を負っており、片やもう一人は全身真っ裸という状態であったそうだ。

 

 一室に満身創痍のサイヤ人──ナッパの回復を今か今かと待っている(元)真っ裸のサイヤ人、ベジータの姿があった。

 すぐにでも地球へと向かい自分を散々コケにしてくれた連中を殺してやろうと息巻いていたのだが、勝手な行動の責任としてフリーザよりしばらくの謹慎が言い渡されてしまった。

 流石のベジータといえども表立ってフリーザに反抗することはできない。苛立つ思いを抑えながらナッパの回復を待つ。

 

 そんなある日のことだった。

 屋外を何を思うでもなく歩いていたベジータだったが、ふと空を見上げるとフリーザの大型宇宙船が宇宙へと飛び立っていく光景があった。

 フリーザ自らが動くのは珍しい。

 何かあることを感じ取ったベジータは、ちょうど近くをほっつき歩いていたキュイへと掴みかかり詳しい事情を聞くことにした。

 

「フリーザ様はどこに行かれた! 答えろ!」

 

「あぁ? なんだベジータ……うるせぇな。フリーザ様は7つ揃えるとなんでも願いを叶えることのできる玉を探しに行ったらしいぜ」

 

 キュイの言葉にベジータは言葉を詰まらせた。なぜドラゴンボールの情報をフリーザが有しているのかと。

 そんなベジータの思惑を知らないキュイは続けて得意げに話を進める。

 

「クックック……どうもてめぇら以外にもフリーザ様に降ったサイヤ人がいたらしくてよぉ、そいつらには忠誠心の関係からか日頃からスパイロボットがくっ付いていたらしいんだが、生き残りのサイヤ人が地球を攻めた折にそのスパイロボットが地球でデーターを採取したらしい。その結果、その7つの玉のことをお分かりになられたんだとよ!」

 

 初めて聞く生き残りの情報にベジータは面食らった。

 

「な、なにぃ!? サイヤ人の生き残りだと!? ふ、フリーザの野郎…敢えて黙ってやがったな!! ……いや、それはこの際どうでもいいッ!! それでフリーザの野郎は地球に行きやがったのか!?」

 

「いいや。なんでもそのサイヤ人が地球にいたナメック星人を殺しちまったらしくて、その玉は消滅しちまったんだと。だから奴らの母星であるナメック星に向かわれたそうだ! フリーザ様は永遠の命を手にされるんだろうな!」

 

「ふ、ふざけるなァーーッッ!! あれは、オレのもんだーーッ!!」

 

「なに!? お、おい待て! ベジータッ!!」

 

 ベジータはキュイから離れると、真っ先にメディカルルームへと向かった。

 部屋に入るとそこにはちょうど治療を終えたナッパの姿があった。すでに全快し、プロテクターやスカウターを着込んでいる。

 

「よおベジータじゃねえか! 地球じゃすまなかったな。さあ、ひと暴れしに行ってやろうぜ!!」

 

「黙れ単細胞ッ! 地球は後回しだ、ナメック星に向かうぞ! 急げッ!!」

 

「お、おいベジータ! どういうーーーー」

 

「急げと言っているだろォォーーッ! 間に合わなくなっても知らんぞォォーーッ!!」

 

「ベジータァァッッ!!?」

 

 なにが起こっているのか分からないまま、走り出したベジータを必死に追いかけるナッパ。超回復によりパワーアップした体を持ってしてもベジータに追いつくことはできなかった。

 

 そして──。

 

 

 

 *◆*

 

 

 

「──フリーザが動き出した…? どういうことだ。サウザー、モニター確認ッ!!」

 

「はい!」

 

 大画面モニターはフリーザの宇宙船を映し出す。スカウターが叩き出したのはフリーザを始めとして、ザーボン、ドドリアの両側近の戦闘力。一つの星を制圧するには過剰すぎる戦力であった。

 モニターを見つめる一人の男は己の尾で床を打つと黙考する。そして暫く経った後に考えがまとまると、すぐさま部下へと指令を出した。

 

「フリーザめ、何かを狙っているな? もしかしたら思わぬ収穫があるかもしれんな……よし、ヤツの元へスパイロボットを飛ばせ。そして機甲戦隊がすぐに出動できるよう、準備を整えておけ」

 

「はっ!仰せのままに!」

 




大まかな話は変わりません
取り敢えずハイペース投稿を心掛けてみる

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