噛ませ犬でも頑張りたい   作:とるびす

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台風の影響で回線がおかしい…


Z戦士全滅!最強戦士ターレス!

 よう、ターレスの圧倒的パワーによって神精樹に叩きつけられたヤムチャさんだ。

 かっこ悪りぃなちくしょう…!

 

 取り敢えず粉砕された右腕やその他もろもろは口の中に仕込んであった仙豆パイセンの力で回復したが、だからと言ってどうにかなるわけじゃない。強い…強すぎるんですよターレスは…!

 てかあいつ普通にギニュー特戦隊クラスだろ。いや、もしかするとギニュー以上かもしれん。ちょっと戦う時期が違うんじゃないですかね?ていうかこいつらに気付かんままナメック星行ってたら本格的に詰んでたな。うん。

 

 寝転んだままちょうど俺の上空あたりで繰り広げられているサイヤ人同士の殺り合いを見る。

「畑ェ!オレの畑ェ!!」とか言いながら憤慨しているラディッツがターレスの相手をしているが…明らかに後者の方が強い。今はなんとか拮抗しているみたいだがそれも時間の問題だろう。地力が違いすぎる。やはり農耕民族じゃ戦闘民族には勝てねえのか。

 

 さっきの爆発によってみんなもかなりのダメージを負っていたが、すぐに仙豆で回復し、やられたふりをして戦況を見計らっているみたいだ。賢明だと思う。

 さて…どうしようか。繰気弾でラディッツの援護をしてみるか?

 …いや無理だな。実力に差がありすぎては繰気弾は殆ど意味をなさない。陽動か、爆発による目眩しぐらいにしか…な。

 

 ワンチャンあるのは狼牙風風斬、気円斬ぐらいか。だが奴を捉えるにはスピードが足りなすぎる。一撃必殺の隠し玉でもあるから使うんなら確実に一発で決めなければならない。

 そうなるとクリリンの気円斬は威力も技範囲もでかいがスキとスピードがない。この場面においては俺の狼牙風風斬(射出ver)の方が小回りが利いて便利か。

 さて、問題はどうやって狼牙風風斬をヤツに当てるかだが…これにはみんなの協力が必要不可欠だ。早速餃子を起点にしてみんなにテレパスをお願いしよう。てかいつこんなことができるようになったんだろう…?

 

 [応答せよ、応答せよ。みんな、聞こえるか?俺だ…ヤムチャだ]

 

 [こちらクリリン。ヤムチャさん、無事でなによりです!一番こっぴどくやられてましたからね]

 

 [ああ…ヤツは強すぎる。………ちなみにオレは天津飯だ]

 

 [ボクもいるよ!]

 

 よし全員繋がったな!天津飯はもうちょっとブライト艦長ノリで応対してくれてもいいんだぜ?冗談だけど。

 

 [ヤツと俺たちとの間にはとてつもない戦闘力の差がある。真正面から戦っても勝ち目はない。みんなもそう思うだろ?]

 

 […悔しいがな。現にピッコロも悟空も…恐らくラディッツもヤツには敵わん。しかし諦めるわけにはいかんだろう]

 

 [そうですよ。オレたちが負ければ地球はおしまいだ!どんな手を使ってでも勝たないと…]

 

 [そう、どんな手を使ってでも勝たなきゃならない!そこでだ、俺に秘策がある。あのナッパを倒した狼牙風風斬ならヤツを殺すことができるかもしれない]

 

 […確かにあの技ならば…。それに賭けるしかないな。オレたちは何をすればいい?]

 

 [とにかくヤツの気をそらしてくれ、当たれば倒せる自信がある。ラディッツもそろそろ限界だ…頼む!]

 

 [[[分かった!]]]

 

 頼れる仲間たちだぜ…ホント。

 さあ…最大限まで気を溜めて…最高の狼牙風風斬を食らわせてやるぜ!ところで思ったんだが…これって斬でいいのか?未だに刀目的でこの技使ったことねえぞ?もういっそのこと牙突とかでいいんじゃないだろうか(よくない)。

 

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「この…サイヤ人の面汚しめ!」

 

「…ケッ、言ってろ!」

 

 ターレスの言葉を振り払うようにラディッツは勢いをつけて突撃する。しかしターレスとの戦闘力の差は歴然としたものであり、あえなく躱され手痛い反撃を受けることとなった。

 徐々にラディッツの疲労が蓄積されてゆく。しかしターレスは未だに息一つ切らしていない。それもそのはずだ。ラディッツは遊ばれているのだ。

 

「くそ、舐め腐りやがって!死んで後悔しやがれ!!ダブルサンデーッ!!」

 

 ラディッツは両手から必殺のエネルギー波を撃ち出した。それに対しターレスは腕を組んだまま避けるそぶりを見せることなく、それに直撃した。

 手ごたえあり。ラディッツは笑みを浮かべる。

 そして煙が晴れ、そこにいたのは…

 

「やるじゃねえか。ちぃとばかし熱かったぜ?」

 

「…!?ば、バカな…!?」

 

「お返しだァァッ!!」

 

 反撃のエネルギー波にラディッツは飲み込まれた。ラディッツを伴ったエネルギー波はそのまま地面に着弾し大爆発を起こした。

 ーー殺した。そう確信したターレスは一族の面汚しのことを頭からほっぽり去りまた再び悟飯の元へ向かおうとした、その時だ。

 

「「どどん波ッ!」」

 

 二筋の気功波がプロテクターの肩パットを貫く。

 心底面倒臭そうにそちらを見やると、人差し指を突き出した状態で静止する天津飯と餃子の姿があった。戦闘力一万にも満たない矮小な存在からの邪魔だてにターレスは苛つき、二人を吹き飛ばさんと手にエネルギーを込め始める。だがターレスは二人を消そうとするあまり背後から近づいてくクリリンに気づくことができなかった。

 

「4倍界王拳ンンッ!!」

 

「ッ!?しまっーーーー」

 

 クリリンはターレスの後頭部をあらん限りの力で蹴り抜いた。これにはさしものターレスでさえも耐えきれず、地上へと落下していった。

 しかしターレスを倒しきれていないことはZ戦士全員が分かっている。天津飯と餃子もクリリンの元へ飛ぶと3人同時にターレスが落ちた所へエネルギー波を放つ。

 そして地球を揺るがすほどの大爆発が起こった。

 

 3人は肩で息を吸う。

 各々が発動できる最高の倍率界王拳を使用した状態で渾身のエネルギー波を放ったのだ。疲労や消耗も大きい。

 さっさと仙豆を食べてさらなる追撃に移ろうとしていた、その時だった。

 

 クリリンの脇腹をレーザーが貫いた。

 

「ゴフッ!?ガハ……!」

 

「…ッ!!クリリンッ!!」

 

 ぐったりと力を失い下へと落ちてゆく。すぐに掬い上げ、仙豆を食べさせようと餃子が近づくが…煙の中から飛び出したターレスが餃子の首を蹴り、骨をへし折った。

 

「餃子ゥゥゥゥ!!き、貴様ァァァァッ!!」

 

 激昂する天津飯が気功砲の構えを取る。渾身の一撃を喰らわせるつもりなのだろう。しかし至近距離まで近づていたターレスにそれは下策だった。

 

「ふっ飛べぇぇぇッ!!」

 

 ターレスの放った気功波は気功砲を放つよりも早く天津飯に到達し、飲み込んだ。

 なんとか原型を留めていた天津飯だったが既に虫の息であり、下へ下へと落ちていった。しかしターレスの怒りは収まらない。完全に消滅させてやろうと第二波を準備し始めた。

 

「このオレ様に痛みを感じさせた罪は重いぜ…この世から存在すらも消してやる!勿論、あの地球人共もな!!」

 

 そしていざ発射しようした…その瞬間である。ターレスは一つの違和感を覚えた。

 ーー地球人が…一人いない。

 

 その考えに思い至ったとほぼ同時にスカウターが自分の真下あたりに高エネルギー反応を感知した。Z戦士の狙いに気づいたターレスの動きは早い。

 

「…ッ!!なるほどなァァッ!!」

 

 ターレスは本能のままに身を捩る。

 すると一つの回転し硬質化したエネルギー波がターレスの脇腹を掠った。傷ついた箇所からおびただしい血が噴き出すが、直ちに戦闘に影響するほどの怪我でもない。

 ターレスは己の真下をキッと睨む。

 そこには手を突き出したまま固まっているヤムチャの姿があった。

 

「し、しまった……ッ!感づかれたか!!」

 

「チッ、やっぱりてめえも生きてやがったかァ!!キルドライバァァァッ!!」

 

「か、回転ッ!」

 

 ターレスはドーナッツ状の高密度エネルギー弾を放ち、それに対しヤムチャはベジータ戦で披露した回転を慌てて使用する。

 それによりなんとか直接的なダメージを受けることはなかったが、近くに着弾した衝撃により少なくないダメージを受けてしまった。そして爆風に煽られ腰につけていた仙豆袋は消滅、神精樹から滑り落ちてしまう。

 

 ヤムチャを一番の障害と見たターレスは、天津飯に向けてのエネルギー波をヤムチャへと照準変更した。受ければヤムチャは耐えられないだろう。

 

「死ねッ!」

 

 放たれたエネルギー波は一直線にヤムチャへと伸びてゆく。肝心のヤムチャはキルドライバーのダメージで素早く動くことができない。

 覚悟を決めぐっと目を閉じる。

 だが、

 

「魔閃光ー!」

 

 エネルギー波は横槍によって軌道をずらされてしまった。次から次に湧いてくる邪魔者にターレスはイライラした様子で悟飯を睨んだ。

 その鋭い殺気を伴った眼光に幼い悟飯は腰を抜かしてしまう。生まれて初めて重圧な殺気を受けたのだ。仕方あるまい。

 

「このガキィ…!」

 

「あわ…わわ…」

 

 悟飯の近くに降り立ったターレスはその腹を思いっきり蹴り上げた。悟飯は勢いよく転がり、口から血を吐き出した。既に戦意はない。

 しかしまだやり足りないのかターレスは悟飯を掴み上げると何度も何度も腹を殴りつけ、鬱憤を晴らしてゆく。ただの一方的な虐待であった。小さな悟飯の体はその度に跳ね上がる。

 

「このガキが!あわよくば仲間にしてやろうと思ったが、オレに楯突くなら生かしてはおけん!じわじわとなぶり殺しにしてやる!」

 

 とどめの一撃とばかりにターレスは拳を振り上げた。だがそれが振り下ろされることはなかった。

 復帰したラディッツがターレスにタックルを仕掛けたのだ。不意に背後から受けた衝撃にターレスは地面を転がる。なんとか悟飯を救うことはできたのだが、その行動はターレスの怒りに油を注ぐ結果となってしまった。

 

「どいつも、こいつも…!調子に乗りやがってぇぇぇぇぇッッ!!!」

 

「ぐおッ!?」

 

 ラディッツは放たれた回し蹴りによって右腕ごと脇腹の骨を砕かれてしまう。痛みにのたうち回るラディッツに悟飯が駆け寄った。

 

「お、伯父さん!伯父さぁん!!」

 

「ぐ、ぐおぉぉぉ…!!」

 

「へっ…ラディッツよ。この星のど真ん中にお前の墓を建ててやる!そのガキと一緒になァァァ!!」

 

 ターレスは手をパンッと合わせると力を注ぎ込み、ヤムチャに放ったそれとは比べ物にならない大きさのキルドライバーを作り上げた。

 ラディッツは痛みで動けない。悟飯は恐怖で動けない。最悪の展開であった。

 

「消え去れ!!キル、ドライバァァァ!!!」

 

 真っ赤に輝くエネルギー光弾がラディッツと悟飯に迫る。悟飯は迫り来る衝撃を予想し、目を瞑った。

 




ごちゃごちゃした戦闘になるとやっぱ辛いですわい。しかも最近投稿恐怖症。
ヤムチャ活躍少ねえな…おい。

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