噛ませ犬でも頑張りたい   作:とるびす

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ヤムチャの修行描写のない修行回は初めて…。



アニキ転職物語◆

 よう、俺ヤムチャ。

 ただ今ラディッツとともに緊急生放送中

 

「ーーーーというわけだ。もう一度繰り返すが…今この星に危機が迫っている。二人の異星人は街一つを軽く吹き飛ばすほどのパワーと、命を奪うことを躊躇わない残忍さを持ち合わせていて…はっきり言ってその凶悪さはピッコロ大魔王以上だ。

 やって来る場所とやって来るタイミングはすでにカプセルコーポレーション所長のブリーフ氏が計算、解析を済ませている。場所は東の都、やって来るタイミングは今からちょうど1年後くらいだ。東の都のみんなは避難の準備を始めてくれ。

 もちろん俺を始めとした地球最強の戦士たちが奴らを迎え撃つ。万が一、俺たちが負けたとしてもその後ろには俺の友人であり世界チャンピオンであるミスターサタン氏や地球防衛軍の軍隊が控えている。どうか安心してくれ。決して地球を奴らのいいようにはさせない!」

 

「な、なるほど…!しかしヤムチャさんはなぜそのような事態を把握なさることができたのでしょうか?」

 

「俺の隣にいる人物。彼こそが地球に襲来する異星人の暴挙を見かね、こちらに協力を申し出てくれた正義の宇宙人、ラディッツくんだ。地球にやって来て初めてコンタクトを取った時から意気投合、ともに地球の未来を守ってくれる事を約束してくれた!」

 

「なるほど!ヤムチャさんの友弟子のようなものですね!」

 

「うん?……まあそうだな。そんなもんだ」

 

「(お、おい…なんなんだそのふざけた設定は…!いい加減に…)」

 

「あん?」

 

「…い、いや…それでいい…です」

 

 

 

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 これで原作でも見捨てられたかわいそうな東の都の人々の救済は完了だ。ちなみに来る場所と時間を測定したのは界王様である。

 話の都合上ラディッツにも出演してもらったが…ピーピー言うことにならないでよかった。生放送で漏らしちゃこれから先地球でやっていけねぇもんな。

 それにしてもラディッツが日に日に窶れていってるような気がする。仙豆でも食うかい?

 

 

 悟空や地球Z戦士たちは界王様の元での修行を開始した。悟空を除くメンバーは重力下での修行は経験済みであるため修行は中々スムーズに進んでいるらしい。悟空は持ち前のパワーでなんとかした。ドン引きである。

 天津飯は平和な間に界王様の修行に参加しなかった事を悔やみながらも物凄い勢いで修行に打ち込んでいる。ストイックの権化かこいつは。なお界王様の入門試験で挫折しかけてた。

 餃子も同様、兄弟子に置いていかれないために必死に食らいついている。微笑ましい…実に感動的だな。別に無意味ではないぞ!超能力にもなお一層磨きをかけている。

 クリリンは気の扱いがとても上手いのでもうすぐ界王拳を完全に習得できそうだ。界王様もその素質の高さに元気玉を伝授することを検討しているようでもある。ついに頭角を現したか!負けてらんねぇな。

 ん?俺?爆発してるよ。

 

 さて、問題の異星人+ハーフ組。

 まずは悟空から

 悟空は7年の月日を取り戻すべく凄まじいペースで修行に臨んでいた。一か月…この単語が何を意味するか分かるか?これは悟空が基本戦闘力1500を突破するのに要した数だ。字面では大したことないように見えるかもしれないか…全然そんなことはない。このペースだと一年で戦闘力1万…いや2万くらいはいってしまう可能性のあるペースである。うっは、ベジータ涙目。仙豆使い放題、蛇の道によるロスがない悟空なんてこんなもんさ(白目)

 悟飯に関してはブートキャンプを決行中である。なぜそうなったかの経緯を話すとだね…とあるラディッツ案件で孫家に来ていた時、俺に喧嘩をふっかけようとピッコロがやってきたわけだ。

 その時は気分もあまり乗らなかったしそろそろ悟空と戦わせた方がよくね?と思ってピッコロと悟空を戦わせてみた。結果はピッコロが圧倒、この頃の悟空はまだまだ地力が足りなくて界王拳を発動してもピッコロには勝てなかったんだ。というわけでボコボコにされていた悟空だったがその光景をたまたま見てしまった悟飯が泣き叫びながらキレた。んでもって「おとうさんをいじめるなーっ!」とピッコロへ突撃、ピッコロは血反吐吐いて吹っ飛んだ。ピッコロが転がる…ピッ転がる…うまいこと言った。

 こうして悟飯の才能が露見。悟空が嬉々として鍛え上げようとしたがチチさんからの猛反対が出る。そして場が混迷を極めようとしていた時だ。ピッコロが何を思ったのか悟飯を拉致、そのまま飛んで行ってしまった。呆気にとられる悟空、慌てまくるチチさん、終始オロオロし続ける俺の図である。

 勿論その後俺と悟空で様子を見に行ったがそこには荒野にて悟飯にブートキャンプ方式の訓練を指導しているピッコロの姿があった。しばらくそのその様子を見守っていた悟空と俺だったが、多分大丈夫だろうと判断してその場を離れた。

 しかし原作通りとはいえ今の展開ではピッコロの行動は奇行にしか見えない。一体何が狙いなんだ…?内に眠りしショタッコロとしての本能が開花したのか?なお悟飯は大泣きであった。

 そのピッコロであるが…こいつ実は界王様の修行を受けてない。そのくせに今も脅威的な成長を遂げている。なんだこいつ…え、いや…なんだこいつ!?どんな修行してんだよ!そう思った俺は敵情観察という名目でピッコロの修行風景を観察したのだが……四人に分裂してセルフ組手をしてたり、ピラミッドを念力で持ち上げたり粉々にしたりしてました。なるほど、真似できねぇやそれ。いや、四人に分裂ならできるかもしれんが…。

 なお月は悟飯(大猿)のためにピッコロの手によって吹き飛びました。ごめんウサギ団の人たち、君たちの存在忘れてたよ…。

 

 

 さて、最後にアニキであるが…

 

「いくぞラディッツ!今日こそは負けん!」

 

「ボクの超能力を、くらえ!」

 

「修行の成果を見せてやる!界王拳ッ!」

 

「はっはっは!無駄だ!貴様らがどんな攻撃を仕掛けたところでこのオレには通じん!サイヤ人にたてつこうなどと二度と思えぬほど完膚なきまでに叩き潰して……おい待て、そこのチビはやめろぉ!腹痛は効……お…おおお……う…!!」

 

「にいちゃんがんばれー」←悟空

 

 こんな感じでZ戦士たちと殴り合っている。

 最初はこれに悟空も参加していたが、今では単体でもラディッツと互角に渡り合えるため筋トレをしながら見物だ。その横では界王様が動きの注意や界王拳の良し悪しを言っている。

 ラディッツの持つ劣等感はかなり強い。最下級戦士としてこれから先の人生を産まれた時から決定づけられたのが随分と効いているようだ。そのせいか瀕死からの超回復を行いサイヤ人の特性によるパワーアップを図っても悟空ほど伸びしろがない。やはりサイヤ人の特性によるパワーアップは意志の強さに影響されるものなのだろうか。

 しかし段々と強くなってきているのも事実だし、みんなの修行相手(サンドバック)になってくれているのも大きい。ラディッツは着実にZ戦士の中で存在感を示すようになってきたのだ。…まあ腹の中では何を考えているのかは知らんが。

 

 そんなラディッツくんには道徳の勉強としてとあることをやらせている。それは…畑仕事(inパオズ山)である。

 始まりのきっかけは悟空が修行に夢中で働き手がいないと嘆いていたチチさんにラディッツという名の労働力を貸し与えた時だ。

 ラディッツは一から土をほじくり返して畑を耕した。勿論始めは反発していたが俺が「畑の肥やしを出したいのか」と言ったら何も言わなくなった。

 ちなみに鍬は使わせない。己の手のみで畑を耕し、種を植えるのだ。どこか亀仙流の修行を思い出すだろう?

 チチさんも突然の労働力(義兄)ができて大喜びだ。ラディッツ自身も孫一家にはいくらか態度が柔らかいから実は満更でもないのかもしれない。…チチさんを恐れているという線もある。

 

 

 

 まあこんな感じで各々の修行は結構順調だ。みんなただただ1年後の3ラディッツと12ラディッツに向けてがむしゃらに頑張っている。やっぱり具体的な目標があるのはいいよな。俺ももっと頑張らないと。

 さあ、界王拳と新技の練習だ!

 

「ところで…ワシをいつ帰してくれるんだ?」

 

「あ、えっと…あともうちょっと先でお願いします…はい、すいません」

 

 ごめん界王様。

 

 




ピッコロさんは悟飯の潜在能力の高さを目の当たりにして今のうちに手懐けてしまおうとか考えています。(なお手懐けられるのは逆の模様)
ラディッツ、地上げ屋からサンドバック兼農家に転職。さあ、兄貴の明日はどっちだ!?ちなみに態度は悟空とチチ、悟飯に対しては若干柔らかいです。怖いのはピッコロとヤムチャ。

ザマスと「私、ザマスが粛清しようというのだ!人間よ!」「エゴだよそれは!」なんてやりとりがしたい今日この頃。



【挿絵表示】


よく見ろぉ、地獄に行ってもこんなに素晴らしい画像は見られんぞ。
カミヤマクロさん、ありがとう!個人的にはタンクトップラディッツが非常にグットッ!!


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