噛ませ犬でも頑張りたい   作:とるびす

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因縁の天津飯戦です。応援してネ!


噛ませ犬vs天津飯①

 よう、俺ヤムチャ。

 

 クリリンが初見でかめはめ波を使えたことに殺意を覚えたのは内緒だ。やっぱりクリリンは気の使い方が上手いんだよなぁ…。見習っていきたいものだ。妬ましいが。

 

 まあ餃子との戦いで特筆すべきところはない。

 強いて言うなら低学歴乙…といったところか。亀仙流のよく学びの部分が大切ってことがよく分かる。てか天下一武闘会なんだから武闘使えよ、お互い。

 桃白白に続いて餃子も…ましてや亀仙流の門徒に負けてしまい鶴仙人の顔が面白いことになっている。ザマァねぇや。

 

 悟空vsパンプットについても特に特筆することはない。

 パフォーマンスのうまさは見習っていきたいね。

 しかし悟空はホント強いな。流石は主人公といったところか。下手したら原作以上に強くなってるんじゃないだろうか。

 なんにせよ、パンプットお疲れさん。

 

 さて、こうして二回戦に進んだのは俺、天津飯、クリリン、悟空となった。

 これでもし天津飯が武天老師様に負けてたら鶴仙流がめちゃくちゃ可哀想なことになってたな。よかったよかった。

 二回戦が始まるまでは小休憩が入るみたいなのでこれから先の方針について再確認しておこう。

 

 まず、俺が天津飯に華麗、かつ大胆に勝つ。そして恐らくクリリンを降すであろう悟空に勝ち、優勝する。

 

 次に俺の大会分の疲労を仙豆で回復し、四星球をあのなんとかとか言う魔族に奪われクリリンを殺されてしまう前に俺が殺す。クリリンを見殺しにするのが一番手っ取り早かったりするんだが…な?クリリンは俺の強敵(とも)だ。とてもじゃないが助けることが出来るのに見殺しにすることなんてできない。

 

 最後に十分に休んだ状態で俺と悟空、クリリンに天津飯、餃子に武天老師様でヤジロベーの元へ向かい、ピッコロ大魔王を迎え撃つ!これぞパーフェクトプラン!厳しかったら武天老師様の魔封波をチラつかせてスキを見ればいい。パーフェクトオブパーフェクト!

 

 これからは賢将ヤムチャとでも呼んでくれ!

 HAHAHAHAHAHAHAHAHAHA‼︎‼︎

 

 

 

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 *注意!

 このプランを実行すると悟空が超神水で強化されなくなり、さらには悟空が神様の元へ修行に行けなくなる恐れがあります。しかもピッコロ大魔王が老いているとはいえ勝てる保証はありません。もし倒せたとしても分身であるピッコロが生まれないということも十分考えられます。

 色々なデメリットがあるので真似しないでください。ちなみにヤムチャはここまで考えていません。自分が活躍することに躍起になっています。

 賢将ヤムチャ(失笑)とでも呼んであげてください。

 

 

 

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 さて、二回戦が開始する。

 準備十分、気力満タン!俺の未来は明るく輝いているぜ。

 

 天津飯とともに入り口に並び立つ。さっきから天津飯が俺に殺気を飛ばしているがガン無視。俺は強くなったんだ、そんなもんに飲まれやしないよ。

 

「本当にお前と当たることになるとはな。白白さんをマグレで倒したからといっていい気になるんじゃないぞ‼︎」

 

 うーん…それはちょっと無理があるんじゃないか?天さんよ。本当は俺と桃白白はどっちが強いか、自分と桃白白はどっちが強いか分かっているくせに。

 

「……あの試合がマグレに見えたのか?それなら俺はお前への評価を三流以下まで下げなきゃなんねぇな」

 

「なんだと…」

 

「実際、幻滅したんだろ?桃白白に。長年目標にしてきた奴が自分よりも下だと分かったらそりゃショックだろうよ」

 

「だ、黙れ!お前に何が分かる!俺はな…白白さんのような世界一の殺し屋を目指してるんだ、お前みたいな平和ボケしたドン亀と違ってな‼︎」

 

「そうか、お前は武闘家じゃなかったのか。正々堂々の真剣勝負の最中にナイフを取り出して不意打ちを仕掛けるような奴を目指しているんだな?こりゃ呆れを通り越して幻滅したね」

 

 天津飯には武闘家として立派な精神がある。そこを弄り倒してやれば少しの精神攻撃にでもなるか?も、もちろん天津飯を正しい道に戻してやりたいっていう気持ちもあるよ?本当だよ?

 

「……お前は試合で徹底的に叩きのめす」

 

「は、やってみな。あっという間に白目をむかしてやるぜ」

 

 よし、煽りも十分だ。天津飯よ、俺の輝かしい戦歴にさらなる華を付けてくれよ!

 

 

 

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『それでは二回戦、第一試合を行いたいと思います!ヤムチャ選手と天津飯選手です、どうぞ‼︎』

 

 アナウンサーの宣告とともにヤムチャと天津飯が入場する。クリリンvs餃子に続く亀仙流vs鶴仙流の戦いに会場は大いに盛り上がるのであった。

 ヤムチャは余裕を持った不敵な表情、天津飯は闘気を漲らせながらもどこか思い詰めるような表情をしていた。ギャラリーの第一印象ではヤムチャの方が有利といったところか。

 

『ヤムチャ選手と天津飯選手はどちらも一回戦を圧倒的な力で勝ち上がっております!非常に勝敗の気になる試合ですッ‼︎

 それでは、始めてくださいッ‼︎‼︎』

 

 アナウンサーによる開始の合図とともに観客たちの肉眼から二人の姿が消え去る。文字通り、一瞬にして消えたのだ。

 

「は、速い…!」

 

「ああ、すげぇスピードだ」

 

 悟空とクリリンには見えていた。二人は高速移動を繰り返しリング上を縦横無尽に駆けていたのだ。観客たちの肉眼から二人が消え去ったのはその速さ故である。

 ビュッ、ビュビュッという不気味な音のみがリング上に響き渡る。そして、

 

「はッ!」

 

「ふッ!」

 

 突如現れた二人が腕と腕を交わらせる。ガゴッという鈍い音ともに動きが止まり、拮抗状態へと移行。共にパワーの出力を増幅していく。

 

 《何を馬鹿正直に力比べなどしておる!今がチャンスじゃろうが‼︎》

 

「っ!はぁ‼︎」

 

 鶴仙人からの念話による一喝によりハッとした天津飯は拮抗状態を崩しヤムチャの腹へ蹴りを繰り出す。しかしヤムチャは体を半身分逸らし天津飯の蹴りを回避、ヤムチャもお返しとばかりに蹴りを放つが天津飯は膝を曲げ蹴りを受ける。これを機に両者は一度互いに距離を取り隙の探り合いに移行する。

 

「(流石天津飯だ…俺の動きに楽々付いてきやがる…。やっぱりこいつと桃白白なんか比べものにならねぇぞ…)」

 

「(速い…が、俺の速さはまだまだこんなものではない。しかし奴もまた本気を出してないだろう…ゆっくりと見極めていく必要があるな)」

 

 互いに睨み合う二人。先に隙を見せたほうが敵に先手を打たれることは明白。不気味な緊張を孕んだ沈黙がリングを支配する。観客もそれを黙って見守るが、一人抑えきれない者がいた。

 鶴仙人だ。

 

 《何をぐずぐずしておる!さっさとそのヤムチャとか言う男を叩きのめさんか‼︎》

 

 《つ、鶴仙人様…し、しかし…》

 

 鶴仙人からの念話によりどうしても集中力を切らしてしまう天津飯。もちろん、その隙をヤムチャが見逃すはずがない。

 

「っ!せぇやッ‼︎」

 

「っ⁉︎く…!」

 

 ヤムチャは一気に距離を詰め天津飯へと殴りかかる。目の良い天津飯はなんとかそれに対処できたもののヤムチャに距離を詰められるという失態を犯してしまったのだ。

 

「はぁぁッ‼︎」

 

「く、くそ…!」

 

 ヤムチャのラッシュ、ラッシュ。天津飯を攻めに転じさせない高速の連撃。拳が、脚が、絶え間なく天津飯を攻め立てる。距離をとりたい天津飯はなんとかヤムチャから離れようとするが、いざ離れようとするとヤムチャは即、天津飯の退路を塞ぎにかかる。

 実はヤムチャと天津飯のバトルスタイルは案外似ているものだ。それも一重に体型、体格ともに共通している部分が多いからだろう。それ故に自分がされると嫌な戦い方というのも共通する部分が多い。それをヤムチャは実践しているのだ。

 

「はいッはいィッ‼︎」

 

「こ、の…調子に乗りやがって…!」

 

 《何をしておる天津飯‼︎この鶴仙流の面汚しめっ‼︎》

 

「…!おおぉぉおぉぉぉ‼︎‼︎」

 

 ここで天津飯、背中のバネを力強く反発させヤムチャの顔に頭突きをぶつける。この場面で天津飯がこのような戦法に出るとは思っていなかったヤムチャは衝撃により思わず後ずさってしまう。

 

「っく…。そこで頭突きか…恐れ入ったぜ」

 

「…次は、俺の番だ」

 

 そして次に攻撃を仕掛けたのは天津飯。先ほどとは反対に天津飯が距離を詰めヤムチャに攻撃を仕掛ける。攻守一転、天津飯の反撃は苛烈を極める。ヤムチャはそれを捌きにかかるが今の天津飯の攻撃スピードはヤムチャを上回った。

 気迫を入れ直すだけでここまで変わるのかとヤムチャは天津飯への評価を数段階引き上げる。

 

「(やべぇ…結構な速さだ。しかもさっきの俺の戦い方を真似てきてやがる!ちとまずいな……なら!)」

 

 ヤムチャは天津飯の攻撃を無視し攻撃の姿勢を見せる。しかし…

 

「…ふんっ!」

 

「ぐほぉっ⁉︎」

 

 天津飯はそのヤムチャを無視し、背後へ裏拳を放つ。その裏拳が捉えていたのは…ヤムチャだった。

 ヤムチャは残像拳を使っていたのだ。捨て身の攻撃を仕掛けると見せかけ残像拳による撹乱、そして天津飯の背後を取ろうとしていたのだ。

 しかし天津飯の三つの目はそれを見逃さなかった。ヤムチャの動きを的確に捉え、策を真っ向から叩き潰したのだ。

 

「う、嘘だろ…?おれヤムチャさんが何してたかなんも見えなかった…」

 

「あの天津飯って奴すげぇなー。あいつは本当につえぇぞ」

 

「うむ…天津飯は正真正銘の達人じゃ。それに拮抗しておるヤムチャも凄まじいがそれを真正面からねじ伏せる天津飯の底が計り知れん…」

 

 どうやらクリリンには先ほどのやり取りがよく見えなかったようだ。悟空と亀仙人は天津飯とヤムチャの強さを図ろうとしていた。そして二人の共通の見解はいずれも天津飯の強さは恐ろしく、ヤムチャに匹敵しうるということであった。

 

 そんな雰囲気を感じ取ったのか、ヤムチャは拳を打ち付けられた顔をさすりながらもニヤリと不敵に笑う。見るからに秘策あり…といった感じか。

 

「…ふぅー……決勝まで取っておきたかったんだがなぁ。出し惜しみしてる場合じゃねぇか」

 

 天津飯は眉をひそめる。いきなりこんなことを言われれば当然か。

 

「なにを負け惜しみ言ってやがる。頭を打ってイかれたか?」

 

 ヤムチャをせせら嗤う天津飯。だがヤムチャの言っていることは大真面目だ。彼には秘策がある。

 

「まあ、試してみろよ……いくぜ、『繰気弾』ッ‼︎‼︎」

 

 




眠くてなにを書いたか覚えていない…。
後から改稿する可能性大です。

キャラ補足については天津飯との戦いが終わった後に

感想、評価が作者の生きる希望です。皆さんありがとうございます…!感想にはあまり返信を出せていませんが全て見させてもらっています。感想が来るたびにドキドキしてます、お手柔らかに叩いてくださいね(^^;;

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