ありがとうございます!
しかし、新ギルが原作に勝てない決定的な弱点を忘れてはいませんか?
それ即ち.......「うっかり」!
ほ、本編始まるよ!(震え声
ー追記ー
少し書き直しました。
「さて、行くか。」
真っ白なシャツに黒いジャケットを羽織り、首に金細工のネックレスを巻いたカジュアルな装備の英雄王ギルガメッシュは小さく呟いた後に億劫そうに立ち上がった。
「王さまどこ行くの?」
一緒に遊んでいた凛が急に立ち上がったギルガメッシュに尋ねた。
「なに、ちょっとお前たちの父の敵を倒しに行くだけさ。」
時臣に釘を刺した後、暫くの間凛と桜の二人に混ざって遊んでいたギルガメッシュだが、じっとこちらを見つめてきては念話で"王よ、どうか迅速にキャスター討伐を......!”と囁いてくる時臣の鬱陶しさに耐えられなくなり、ようやっと重い腰を上げることにしたのだ。
「私も行く!」
すると案の定、自分も行くと言い出したファザコン娘、遠坂凛。
「ダメに決まっておろう。」
「どうしてよ!?」
「危ないからだ。」
「自分の身くらい自分で守れるわ!」
「ほう?ならば.....レオ・レクス!」
ガオォォォォォォォォ!!
「キャッ!」
ライオンさんの咆哮にビビッて腰を抜かしてしまう凛。
ちなみに桜はビクともしていない。
「それ見たことか。ライオンにビビッていては、殺人鬼の相手は務まらんぞ?おとなしく家で待っていろ。.....桜!そのお転婆姫から目を離すなよ!」
コクリと頷いた桜に頷き返したギルガメッシュはキャスター討伐に出掛けた。
◇◇◇◇◇◇
間桐桜.....いや、遠坂桜は顔には出ないものの困惑していた。
「凛、桜!ご飯できたわよ!運ぶの手伝って!」
はーい!と元気よく返事をして暖かい料理の乗った皿を運んでいく姉に見習って一緒に皿を運びながら桜はどこか客観的に自分の状況を整理していた。
遠坂の家を離れて間桐の家に養子に出され、何も感じられなくなるまで心と体を蟲に嬲られた。
苦痛の中で感情が麻痺し、段々と別の何かに染め上げられていく中で、かつての桜はおぼろげながら自分の未来を悟っていた。
即ち、このまま間桐の家で胎盤として意味もなく自分に群がるこの蟲たちのように生涯を終えるという未来を.......
常人ならば発狂しかねない現状にも、未来に対しても桜が何かを思うことはなくなっていった。
だからこのまま
生きる意味も
生の喜びも
悲しみも
何も感じず、
ましてや誰かに思われることなどなく自分の生涯は終わると思っていた。
「どう?美味しい?」
母の作ったお昼ごはんを機械的に口に運びながら桜は取り敢えず頷いておいた。
自分のことを諦めていた桜の日々が一変したのはあの「王さま」がやって来た頃からだった。
コンコン
「邪魔するぞ.....お前が桜か?」
ごく普通のドアノックと共にその人は私の自室に入って来た。
私はおろか私の自室まで威圧せんばかりの圧倒的な存在感に、人ではあり得ない完璧な容姿。
最初の印象はとても眩しい人、だった。
「ふむ。酷い目をしているな、普通はギルガメッシュ様~と目を輝かせるところなのだが......まぁよい、あの見るに堪えん害虫は燃やしておいた。取り敢えずお前は自由の身だが.....まぁ実感もないだろうしな、今度は遠坂の家に逆戻りとでも思っておけばよい。」
おじいさまが燃やされたことは何となく分かった。しかし、そのことに桜が喜びを感じることはなかった。ただ....
「.....私はどこに行くんですか?」
「ん?だから遠坂の家だと.......いや、そういうことか。残念ながらその問いには答えられんな、それはお前自身で見つけることだからだ。.........まぁ、ゆっくりと探せ。」
圧倒的な覇気を放つその王さまはしかし、私に語りかけた時だけ少し複雑そうな顔をしていた。
まるで遠い昔に出会った誰かを思い出すように......
「......ごちそうさまでした。」
丁度回想が終わった頃にご飯を食べ終わったので、取り敢えず形式上の挨拶をしてから皿を流し台に運ぶことにする。
「はい!お粗末様でした!」
すると、桜の挨拶に反応した母の葵が満面の笑みで挨拶を返してきた。
「桜早く!今度はライオンさんに空飛んでもらいましょ!」
先に食べ終わっていた姉の凛が桜を急かす。
「待ちなさい凛!取り敢えず認知阻害の結界を庭に張らなければ....」
家訓の優雅はどこへ行ったのか、慌てて結界の準備を始める父の時臣。
.......彼らが桜を困惑させている原因に他ならない。彼らといると昔の暖かな気持ちが蘇ってきそうで.......
「桜?」
取り敢えず思考を無理やりストップさせた桜は首を傾げた姉の方へと駆け出した。
◇◇◇◇◇◇
「なに?ライダーが?」
冬木市の上空、光学迷彩を発動させた空中戦艦「天翔る王の御座(ヴィマーナ)」の玉座に座りながらギルガメッシュは自身専用アサシン、アサ子の報告を聞いていた。
「はい。マスターの少年と共にキャスターの工房を襲撃したようです。」
「ほう?してキャスターは?」
「それが不在のようでして.....見つけ次第報告致します。」
「分かった、報告ご苦労。あぁ、それからライダーを見張っているアサシンに伝えておけ。くれぐれも勝手な真似をするな、とな。」
「かしこまりました。」
◇◇◇◇◇◇
ウェイバー・ベルベットは人の法から外れた魔術師である。それは自分が自信を持って断言できることであり、揺るがぬ事実である。
そして魔術師とは、真理の探求者の名である。自分の全てをかけてこの世界の外側、即ち根源を目指す。
そんな生き方にウェイバーは憧れていたし実際に魔術師として真理の探求、根源への到達までの努力を怠ったことはなかった。
当然人の法から外れているからには人の道を外れた行いをする魔術師も大勢いると聞いている。
ウェイバーには経験のないことだが、人の法から外れているのだからたとえ死体を見たとしても動揺しないという自信のようなものがあった。
しかし、
「.......なぁライダー、この子達は何を思いながら死んでいったのかな?」
キャスターの居場所を突き止めたウェイバーはライダーと共に意気揚々と工房に乗り込んできた。
しかし、そこに待っていたのは人としての尊厳を全て剥奪された未来ある子供たちの死体.....とすら言えない物体だった。
子供たちの身体を使って創作された食器、楽器等のオブジェ。
その命を使い尽くした創作物を見せられたウェイバーは胃の中の物を全て戻してしまい、ライダーは苦虫を噛み潰したような顔をしていた。
「そんなこと、余が知るわけなかろう。だがそうさな、きっと早く終わらせて欲しかったんじゃないか?」
苦しみ続ける子供たちをみていられなかったのかライダーはキュプリオトの剣でその苦しみを断っていった。かすかに聞こえた
"ありがとう”の言葉を噛み締めながら。
その後、一刻も早くキャスターを討つためにその工房の中の探索を始めた。しかし、行き先を示すものも真名の手掛かりも見つからず、完全に手詰まりになっていた頃に、その男はやって来た。
「久しいな、征服王イスカンダル。」
何時の間にか現代の衣装を纏った英雄王ギルガメッシュが探索を続けるウェイバーたちの後ろに立っていた。
「おう、英雄王か。悪いが余は今少し機嫌が悪くてな..........だが、相手をしてほしいなら相手になってやってもよいぞ?」
何時の間にか戦車の隣に移動していたライダーが腰の剣に手をやりながらいつもよりも低い声で挨拶を交わす。
「.........なるほど、いや今回は止めておこう。」
辺りを見渡し、キャスターたちの凶行を目の当たりにした英雄王は納得したように頷くと、あっさり背中を見せるとライダーによって介錯された死体に歩み寄っていった。
そのまま死体を眺め続ける英雄王の背中を見つめていたウェイバーは気がつけばあれほど恐れていた敵サーヴァントに尋ねていた。この王なら知っている気がしたのだ。
「.......この子達の死に何か意味はあったのか?」
魔術師にとっての"死”は、次の世代に自分の生涯をかけた研究結果を譲り渡すことに他ならない。少なくともウェイバーはそう思っている。だから魔術師の"死”は死ではない。
しかし、苦しみながら死んでいったこの子供たちに何か意味があったのかどうか......それがウェイバーにはどうしても分からなかった。
「.......“死”というやつには2種類ある。その死によって生きている者たちに影響を与える意味ある“死”。そしてただ自然の大循環によって死ぬ自然現象としての“死”。どちらも死に変わりはないが、この子供たちの死がどちらかはわかるだろう?」
殺人鬼の愉しみのために死ぬことになった子供たち。果たしてその“死”に意味はあったのか?殺人鬼に快楽を与えたという意味では役に立っているのかもしれないが......
悩むウェイバーを見かねたのか今度は英雄王から語りかけて来た。
「我々英霊を見ろ。この身は過去に一度死に、肉体はとっくに滅んでいる。しかし、ならば何故我々が写し身とはいえ再び現世にやって来ることができたのか?しかと考えよ。」
「そ、それは......英霊の座があるから?」
「その通りだが......まぁよい。答えはお前達が我らのことを“覚えている”からだ。我ら英雄の生き様を、その死を実際に見てはいないとは言え覚えているから我らはここにいる。だから.....忘れるなよ。この子たちの"死”を。今生きているお前が覚えていればこやつらにも意味を持たせてやることができるだろう。.....酷なようだが、お前の生きる糧とするのだ少年。」
英雄王の宝具によって火葬されていく子供たちの死体を目に焼き付けながらウェイバーは戦車に乗った。
「場所はセイバーの城でいいかの?」
「まぁそこが妥当だろうな。」
戦車の上で飲み会の相談をしているサーヴァントたちを見ながら英雄の条件には切り替えの速さも必要なのかと若干呆れながら。
◇◇◇◇◇◇
「ふぅ.......よし!」
遠坂邸を囲っていた時臣の結界は英雄王の「邪魔」の一声で撤去され、代わりに英雄王の防御宝具が展開された。
英雄王の防御宝具は普段は球体のような形で宙に浮いているものの敵の攻撃に対して自動的に反応、発動し、すぐさま防御形態に移行するという優れた宝具だ。
しかし、そんな優れた宝具でもじゃじゃ馬お転婆娘の家出を防ぐことは出来なかったようだ。
あっさりと遠坂邸を抜け出した遠坂家長女の凛は心の中で両親と妹に謝りながら夜の冬木市へと駆け出して行った。
冬木の遠坂邸に帰って来てから暫くの間、凛は友人のコトネと連絡を取り合っていた。別の家の子になってしまった筈の妹と再開できたこと、凄く綺麗で偉い人に会ったこと、ライオンさんと友達になったことなどなど。
しかし、ここ最近連絡が取れなくなってしまっている。おまけに英雄王が無理やり家に持ち込んできたテレビでは連日、児童誘拐事件が取り上げられている。
極めつけは、英雄王の言っていた「父の敵」、「殺人鬼」これの意味するところは凛の聡明な頭脳を持ってすれば直ぐに分かった。
間違いなく聖杯戦争に参加しているマスターかサーヴァント、あるいはその両方がこの事件を引き起こしている。
サーヴァントが如何に強力な存在なのかということはあの王さまのおかげでよく分かっている。だから決して正面から立ち向かったりはしない。取り敢えずはコトネを探すことに専念してもしも敵に遭遇した場合は直ぐにその場に隠れて王さまを呼ぶ。
そんな凛の装備は3つ。
1つ目は王さまに渡された古代ウルク特製の通信機だ。普段はネックレスのような形をしているものの石の部分を耳に当てながら魔力を流せば英雄王と通信できるのだ。
2つ目はお父様から貰った魔力針だ。これを使ってコトネを探し出すつもりだ。あわよくばサーヴァントも.....
3つ目は水晶片だ。王さまには全く効かなかったものの、目くらましくらいにはなってくれる筈だ。
「大丈夫、大丈夫、あなたなら行けるわ遠坂凛。さぁ、行くわよ!」
「どこに?」
「どこにってこの魔力針の指す方向に.....って桜!?」
凛の出鼻をくじいた者の正体はちゃっかり凛に付いて来た桜だった。
「どうしてここに!?というか何でついて来ちゃったわけ!?」
「何でって.....王さまに姉さんから目を離すなって言われてたから。」
詰め寄る凛に対して桜はあっさりと理由を明かした。
「......はぁ、仕方ないわね。一緒にいきましょう。ただし!私から絶対に離れないこと!」
家に帰そうかとも思ったものの今帰ってしまうと両親に凛が家を出ていったことがばれてしまう。ならば連れていって自分が守るしかない。
凛は覚悟を決めた。
そんな姉の覚悟を決めた横顔を見ながら桜は何故自分が姉に付いて来たのかを今さらながら考えていた。勿論姉に言った王さまに言われたからというのも嘘ではない。嘘ではないがしかし、それだったら両親に凛の行動を伝えれば全て丸く収まっていただろう。
桜は困惑していた。何故自分が姉に付いて来たのか?何故姉は友達だからといって両親に叱られることを覚悟してまで探しに行くのか?
「可愛いね~君たち。お兄さんと一緒にパーティーしない?」
何故運よく....いや、運悪く殺人鬼と遭遇してしまったのか?
「っ!桜に近づくな!」
何故姉が命の危機にありながら血の繋がりしかない妹のことを助けようとするのか?
何故恐怖に震えながらも殺人鬼の前に立ちふさがり、桜のことを守ろうとするのか?
「こらこら、女の子がそんなに怖い顔をするもんじゃないよ?」
優しい笑顔を張り付けながらこちらに近づいて来る殺人鬼に対してそれでも遠坂凛は妹の前から退くことはなかった。
キッ!と殺人鬼を睨みつけたままポケットに手を伸ばし....
「これでも喰らってなさい変態!」
魔力を込めた水晶片を思いっきり投げつけた。
悪戯の一環として英雄王に隙あらば投擲し、通じずにどや顔を見せられるたびに屈辱をエネルギーに変えて改良を重ねてきた水晶片は綺麗な放物線を描きながら殺人鬼に迫り........
ピカッ!
「ぐっ!」
スタングレネードが如く発光し、殺人鬼の目を一時的に潰した。
「走るわよ桜!」
水晶片を投げつけた瞬間に桜に覆いかぶさって視界を防いでいた凛はすぐさま立ち上がり、殺人鬼の悲鳴を聞きながら桜の腕を強引に引っ張って走り始めた。
相手は大人だ。どう足掻いても力では敵わない。ならば一旦安全な場所まで逃げてから助けを呼ぶ。
凛は一瞬で状況を判断し、撤退を選択した。
「はぁ、はぁ、桜、がんばって....」
再開して間もない妹を励ましながら凛は路地裏を記憶頼りに駆け抜けていく。優雅さを捨てて必死に、息を切らせながら。
「.......」
桜は強引に腕を引く姉の掌から伝わる暖かさを感じながら胸の内側からあふれ出しそうな気持ちに戸惑っていた。
しかし、それでも分かることがある。それは.....
「(なんだか、安心する)」
この姉に強引に手を引かれる感覚が嫌いではないということだ。
「見~つけた......やってくれたな餓鬼。」
しかし、鬼ごっこは終わりを告げる。何時の間にか凛達の進行方向には片目だけを開き、狂気的な笑みを浮かべたあの殺人鬼が立ちふさがっていた。
「っ!どうして......」
唖然と凛が呟いた。いくらなんでも立ち直るのが早すぎると
「いや~あの時片目だけはなんとか服でガードできたみたいでねぇ~危なかった。......下手したら失明してたよ?」
ゾクッ
片目の殺人鬼が放つ殺気に思わず凛は一歩後ずさってしまいそうになった。しかし、自分の後ろにいる桜の存在が自然と凛の足を後ろではなく前に押し出していた。
「(そうよ!後ろには桜がいる。しっかりしなさい遠坂凛!それにこの程度の殺気、あの王様に比べればどうってことない!)」
キッ!と凛は目の前の殺人鬼もとい変態を睨みつける。
「......へぇ~なかなか面白いね君。」
己の殺気を物ともせず正面から睨みつけてくる少女を前に殺人鬼雨竜龍之介は嬉しそうに笑って舌なめずりをした。
「でも、度胸だけじゃ何もできないよ?」
殺人鬼の手が迫る。その手で少女を自分の思うがままに弄るために、欲望に従ってその幼き肢体を汚すために.....
ーーしかし、そんな狼狽を許さぬ獣が一匹いた。
「グルルルル....!」
暗黒の路地裏に聞こえないはずの唸り声が突如響いた。
「っ!誰だ!」
その本能を揺さぶるような恐ろしい響きに雨竜龍之介は凛達から目を外して虚空を睨みつけた。
すると龍之介の言葉に応えたのか唸り声の主が徐々に姿を現した。
ーーそれは『王』だった。この世に存在する全ての獣の頂点に君臨する『獣の王』。
周りを威圧する巨体に金色に輝く鬣、4本の脚でこちらに悠々と歩み寄ってくる姿には優雅さすら感じる。
「ライオンさん!」
凛の喜びの声に答えるようにライオンさんことレオ・レクスは首を一振りした後、殺人鬼を見据えて一歩を踏み出し.....
「っ!なに!」
その“一歩”で殺人鬼との間合いを瞬時に詰めてその鋭利な爪を振り下ろした。
「まじ.......か..よ?」
その瞬間移動とも呼べる速度もさながら龍之介を切り裂いた後からの流れるような後ろ足による蹴りも見事で.....
「グッ!」
その全てを受けて壁に叩き付けられながらも龍之介は意識を失う最後までその美しい獣に魅せられていた。
帰り道、隠蔽宝具を使って姿を隠したライオンさんの背にまたがって夜空を駆けながら気がつけば桜は景色を楽しんでいる凛に問うていた。
「....ねぇ、姉さん。姉さんはどうして友達を探しに行こうとしたの?」
「何でって....そんなの私が遠坂凛だからに決まってるじゃない。」
なるほど、姉らしい答えだった。実際にあの現場には姉の友達のコトネもおり、気を失っているだけと分かったので近くの公衆電話から警察に通報しておいたのだ。ちなみにあの殺人鬼もライオンさんの絶妙な手加減によって重傷ながら生きている。今頃は警察署だろう。
「....ねぇ、姉さん。どうして私を守ろうとしたの?それも命懸けで。」
「何でって....そんなの私が遠坂凛であなたの姉だからに決まってるじゃない。一体どうしたの?」
何でもない、と首を振ってから桜は謎が解けたように少しだけスッキリしたような顔をしていた。
そうだ、悩むまでもなくこの姉は、遠坂凛という少女はこういう人だった。どこまでも優しくてどこまでも誇り高い少女。
「ねぇ、ほんとにどうしたのよ桜!ちょっとニヤニヤして。もしかして....あの変態殺人鬼に何かされた!?」
そして....どこまでも妹に甘い姉。
その後、家に帰った二人の姉妹は両親にこっ酷く叱られた後に思いっきり抱きしめられた。
4人の家族の抱擁の輪の中で桜は居場所を見つけた幼子のような笑みを浮かべてそのまま眠りについた。
英雄王のうっかり連発!!
でもまぁ、家族の仲が近づいたからいいよね?
結果オーライさ!