髪型は皆さんのおかげでだいたいイメージ出来ました。
でも暫くの間はこのままだと思います。
ーー追記ーー
戦闘描写の難しさは異常
◇ギルガメッシュ◇
ライオンさんの背中の上で鎧の着心地を確かめたり、エアの回転具合などを確かめながら森へと向かうこと3日。前方に何やら紫色の不穏な瘴気が漂う森へとたどり着いた。
「........此処か。ライオンさんここから先は慎重にお願いします。」
無言で頷き歩き出したライオンさんに合わせてこちらもライオンさんから降りて、エアを空間から抜き出す。
こうして俺たちは森に足を踏み入れた。
森の中は静かなもので.......いや、静かすぎるな。動物の姿などどこにも見当たらない。
もしかすると、あのウルクにやって来た魔物たちはこの瘴気漂う森から逃げてきた、もしくは瘴気に充てられておかしくなったのかな?
暫く歩いていると木々の生えていない開けた場所に着いた。
ーーそこに「それ」はいた
見上げるほどの巨体。白く不気味な表面の肌に口と思われる箇所に牙が十数本口を覆うように生えている。顔はない........口が顔なのだ。
(読者の皆さんにも分かり易く伝えるのならば、某狩りゲームのフ○フルみたいな感じだ。)
ーーそれは、ただ何もせずこちらを観察している。
........冷や汗が止まらない。やばいな、千里眼を使うまでもなく分かってしまった。こいつはやばい........!
ーーただこちらを見るだけだったそいつは「エア」を見た瞬間、大きく身体を痙攣させた後、『鳴き始めた』
「ぐっ!」
ーー鳴き声などという可愛いものではない。その音だけで周囲の物体をすべて破壊せんとする声にたまらずギルガメッシュは耳を押えてしまう。
その隙にそいつが大口を開いて迫ってくる。
「っ!ありがとうライオンさん!」
そんなギルガメッシュをすぐさま口にくわえて離脱するライオンさん。
実に優秀である。
「さて、あいつが森の神フンババか、全然神様って感じじゃないが........そんなことより、あいつ『エア』を見てから急に暴れだしたな。........まさか、『エア』を恐れているのか?」
空中でライオンさんの背中に乗りながら思考する。
「だとしたら、これは相手が真の姿とか出す前にさっさと決めたほうがよさそうだな。千里眼によるとあと1回変身を残してるみたいだし。」
ギルガメッシュはエアを突きを放つ前のように構えると魔力を流し始めた。エアが唸りながら3本の円柱が回転を始める。
「3本目まで回すのは久しぶりだな。よし!ライオンさん、奴の近くまで接近して下さい!」
いつの間にかエアを使いこなせるようになっていたらしいギルガメッシュがライオンさんに指示を出し、フンババに迫る。
「喰らえ!『天地乖離す開闢の星』!」
時空を切断する紅い風が森の神の身を切り裂こうと迫りくる。とある時空においては人類最強の聖剣すら軽く凌駕してみせた一撃だ。
ーー果たしてその一撃は森の神に直撃し、その身体を削っていく。
「ピギャーーーーーーー!」
形容し難い声が森の中に響き渡る。
「.......やったkゴホッ!どうなった?」
フラグ立ては断固阻止するギルガメッシュ。警戒を怠らずに空中から着弾地点を見る。
ーー瞬間ギルガメッシュとライオンは地面に叩き付けられた。
「ぐっ!何が起きた?」
地面に巨大なクレーターを作りながらも鎧と加護のおかげで幸い無傷だったギルガメッシュが状況確認のためにすぐさま起き上がる。
「..............嘘だろ?」
ーーそれは「神」だった。
先の身体など比べものにならないほどの真っ黒な巨体。全身に紫色の模様が走っている。全長40メートル以上はあるのではないだろうか?その巨体からさっきまでなかった腕が左右に三本ずつ、合計六本の腕が生えている。さらにはご立派な尻尾まで生えている。はるか頭上にある紅い一つ目がこちらのちっぽけな身体を見下ろしている。
「っ!やべ!ライオンさん!」
巨大な腕がこちらを踏みつぶそうと迫ってくる。何とか無事だったライオンさんの背中に飛び乗り、何とかその場を離脱する。
「どうやらあの手に叩き落とされたらしいな。白い肌じゃなくなってるし、脱皮したってところか?」
あの神様はギルガメッシュの一撃を脱皮するかの如く前の身体を盾にして受け流したらしい。そして後ろから忍ばせていた手でギルガメッシュたちを叩き落としたと..............
しかもあきらかに最終決戦使用っぽい巨大な姿を見るに、制空権もあちらに奪われたようだ。
「まぁ、一撃で終わってくれるとは思っていなかったがな。それに、あの姿にエヌマ・エリシュを放っても通らなそうだな。」
千里眼を発動させたギルガメッシュが呟く。
「まぁ、悪いがいろいろと約束をしてきたんでな。今回の俺は諦め悪いぜ?あんたの命が尽きるまで付き合ってやるよ!」
ギルガメッシュはエアの一番下の円柱に魔力を流して風の刃を作り出すと森の巨大化した神に切りかかっていった。
ーーフンババーー
我(われ)は神だ。この命溢れる森を守る番人だ。
我にはこの森さえあれば他には何もいらなかった。
そう、「人間」など微塵も興味が沸かなかった。
しかし、何時からだっただろうか?我が「人間」に憎悪を抱き始めたのは。
あの『黒いローブの男』が現れてからだっただろうか?
「人間」が憎い!滅ぼさなければ..............
そんな訳の分からない義務感によって「人間」の住む場所へと向かっている途中でその男は現れた。
神獣を従えているようだが、「人間」である以上は我には勝てない。
しかし、問題はその男の持っている『剣』だった。
あれはまずい!あってはならないものだ!
あの『剣』は..............!
◇ギルガメッシュ◇
迫りくる腕を躱しながら時折「エア」の風のロングソードで切りかかる。先程からその攻防が続いている。
正直このままでは埒が明かない。それどころか、こちらの状況は悪くなる一方だ。
というのも、ライオンさんの消耗が激しいのだ。
此処は瘴気に蝕まれた森。俺は神々の加護があるから大丈夫だが、ライオンさんはそうもいかない。段々と動きが鈍くなっている。
..............仕方がない。
「ライオンさん。一度俺の開く空間の中で身体を休めて下さい。俺なら大丈夫です。暫くの間なら、持ちこたえられます。」
ライオンさんは少し迷っていたようだが身体を休めるのが先決と思ったのか俺を地面に下した後、俺の開いた「王の財宝」の中に入って行った。
さてと、千里眼で見た限り、今のフンババにはエヌマ・エリシュは効かない。
しかし、そうなると分からないことが出てくる。
ーーなぜ奴は「エア」を恐れたのか?
効かない攻撃にビビるやつはいない。だが、最初からあの神は間違いなくこの「エア」にビビっていた。同じくビビりの俺が言うのだから間違いない。
そうなると、奴には少なくともこの「エア」をビビる箇所があるということになる。そこを見極めることができれば.........
ーー俺はそんなことを考えながらこちらを捕まえようと蠢く巨大な腕に「王の財宝」から剣群を放ちながらエアジェットで空へと逃れる。
「王の財宝」も未完成なので本数に限りがある。よって無駄打ちはできない。
ーー攻撃を避けながら頭痛覚悟で千里眼を使ってみるが変なノイズが入っていて相手の過去はおろか、弱点なんて見えやしない。
「ぐわっ!」
考えに集中し過ぎたのか巨大な裏拳を頂戴してしまい、一気に森の木々を倒しながらはるか遠方に吹き飛ばされる。
「ぐっ!.........くそっ!」
まるで歯が立たない。こちらの斬撃は身体の芯までは届かず、あちらの攻撃は身体はおろか精神まで粉々に磨り潰さんとばかりに迫りくる。
「ふぅ、だが生憎だったな。この俺を諦めさせたければこれの三倍は持ってこいというものだ!」
エアを杖代わりにして立ち上がる若き英雄ギルガメッシュ王。
「いくぞ森の神。腕の準備は十分か?」
フンババの姿はpixivにて掲載されているPFALZさんの作品
「万瘴森羅-フンババ-」を参考にさせて頂きました。
是非ご覧になったほうがイメージしやすいと思います。