本当にすいませんでした!
お詫びに今日の作者は徹夜で次を書き上げます!
◇ギルガメッシュ◇
俺が神殿に戻り神と戦う決意をしたことを伝えると、アヌ様は一言礼を言った後、明日の朝もう一度この神殿にやって来いと言った。
王宮に戻った俺は戦いに備えて準備を始めた。
「ギルガメッシュ王、何をしておられるのです?」
近くを通りかかったシェムが武器の手入れをしている俺を見て尋ねて来た。
「あぁ、実は神退治をすることになったから武器の手入れと本数を確認しようと思ってさ。」
「なるほど、神退治ですか..........はっ?」
「俺が留守の間も今まで通りに城壁の建設は続けさせてね。」
「..........。」
「どうしたのシェム?」
「..........なんで、貴方が神退治を?」
シェムが押し殺したような声で訳を尋ねてきた。
とりあえず、事情を説明する。
「..........なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?貴方が?」
しかし、いきさつを話したにも関わらずうわごとのように繰り返すシェム。何やら様子がおかしい。
「貴方は!この国に、私たちに必要なお方です!駄目です!絶対に..........神に挑むなど..........駄目です。」
急に怒鳴ったかと思えば、次第に泣き始めたシェム。
..........彼女が泣いているところなど初めて見た。
しかし、どうやら彼女は勘違いをしているようだ。
「おい、なんで俺が死ぬこと前提で話しているんだ?神は神でもアヌ様みたいなとんでもない神様じゃないから大丈夫だ。」
説得力を持たせるためにいつもより強い口調で言ってみる。
「いいえ無理です!貴方は死にます!考え直して下さい!だいたい、神々の争いなど私たちには関係ないじゃありませんか!アヌ様に全てお任せしたらいいじゃないですか!..........もうこのことは忘れて明日からまた一緒にこの国のために働きましょう?」
感情に任せて叫んでいたシェムは最後に弱弱しい声で俺に見て見ぬふりをしろと頼んできた。
「..........それはできない。考えてみろ、神々の間で戦争が起こって人間が巻き込まれないと思うか?それに、アヌ様たちが勝利するという保証がどこにある?俺が行くしかないんだ。分かってくれシェム。」
おそらく、俺が言うまでもなくシェムは分かっているんだろう。それでも感情が納得できていないのだろう。そして、それは俺がそれだけ大事に思われているということだ。
「俺にお前を、お前たちを守らせてくれ」
「..........生きて帰って来て下さい。絶対にですよ?帰って来なかったら王が幼かった頃の恥ずかしい記録を石板に載せて後世まで残しますから。」
それは勘弁してほしい。勘弁してほしいので、改めて勝利を誓う。
「任せろ、必ずや勝利をこの『剣』..........エアに誓おう!」
ちょっと締まらなかったがシェムは少しだけ笑って頷いてくれた。
ーー次の日の朝になり、俺はシェムの「いってらっしゃいませ」に見送られて神殿に向かった。
「ギルガメッシュ参りました。」
神殿にはアヌ様ともう一人、体の所々に黄金の装飾品を身につけた神がいた。..........正直趣味が悪そうだ。
だが、アヌ様に勝るとも劣らない神格に、そこに在るだけで周りの物を灰にせんとばかりに感じる熱量。おそらくは太陽神シュマシュ様だろう。
「うむ、よく来たなギルガメッシュ。早速だがお前に加護を与えるとしよう。」
アヌ様は俺のところまで来るとその手を俺の頭に乗せた。
その瞬間、身体の奥底から力が沸き上がり、波打つ魔力が身体のありとあらゆるところを駆け巡るのを感じた。
「さて、わしの加護はそれじゃ。ただの身体強化ではないぞ。身体が羽のように軽くなったのを感じるじゃろう?他にもお前がその身体を上手く扱えるように動体視力、聴覚、嗅覚、そしてさらに舌まで敏感にしておいた。感謝するのだぞ?」
..........それ、ただの身体強化じゃ?
「ついでに、これをやろう。風を呼ぶ剣じゃ。」
渡されたのは黄金の双剣だった。
..........千里眼で見た感じ、エアの風のほうが強いな....
「さて、わしからは以上じゃ。次はシュマシュからじゃな。」
アヌ様が退くと、後ろからあの趣味の悪そうゲフンゲフン、シュマシュ様が俺の前までやって来た。
「..........フン、なかなかの面構えだな。まぁ、確かにこいつになら俺様の加護を与えてやらんこともないかもしれんな。」
..........キャラ濃い神様来たーーーーー!
まぁ、加護とやらが気になるのでここは叫びたいのを我慢する。
..........ぶっちゃけアヌ様のだけでは心もとないので。
「お任せ下さいシュマシュ様。フンババめは必ずやこのギルガメッシュが退治してご覧に入れましょう。」
「..........フン、いいだろう。貴様には特別にこれをやろう」
シュマシュ様が指を鳴らした瞬間、何かが俺の身体を包み込み、それと同時に少しずっしりとした重さを感じた。
これがシュマシュ様の加護か..........しかし、身体が重くなるのはいかがなものだろうか。アヌ様の加護のおかげでどうってことはないのだが。
「フン、なかなか似合っているではないか。その『鎧』」
..........現実逃避するのはやめよう。俺は今、原作のギルガメッシュが着込んでいた全身黄金の鎧を身に纏っていた。
「流石に神退治に出掛けるのだから、それに相応しい戦装束をと思って特別に用意してやったのだ。その鎧ならば、フンババの放つ石化の呪いからも逃れられるだろう。」
なるほど、フンババ対策の鎧ということか。
「黄金は太陽の加護の証だ。俺様の加護を受け取ったのだから必ず勝てよ小僧。」
俺はどちらかと言うとシンプルなデザインのものが好みだが、この鎧もよく見てみると、なかなかカッコイイ鎧に見えてきた。
「お任せ下さい!」
俺は機嫌よく神殿を出た。
ーーいよいよウルクの出口が見えてきたところで城門に誰かがいるのが分かった。
「ギルガメッシュ!」
城門までたどり着くと誰か、つまりイシュタル様が駆け寄ってきた。
「イシュタル様!なぜ此処に?」
「実は、貴方に渡したいものがありまして。」
そう言ってイシュタル様は一歩横に退いた。するとそこからドラゴン退治のときにお世話になったライオンさんが堂々と俺の前まで歩いてきた。
「私なりに貴方に何ができるか考えてみました。この子を連れて行って下さい。きっと貴方の役に立ってくれる筈です。」
ライオンさんが付いて来てくれれば百人力だ!
「イシュタル様!ありがt
ーー俺がイシュタル様にお礼を言おうとした口はイシュタル様の唇によって塞がれていた。
「..........私からの加護です。ご武運を、ギルガメッシュ王」
イシュタル様の唇から力が流れ込んでくるのを感じた後、イシュタル様は静かに唇を離し、真剣な表情で俺に言った。
「..........お任せ下さい。この口付けに誓って必ずや神に打ち勝って見せます。」
俺はライオンさんに飛び乗り、アヌ様に教えられた森の方角へと駆け出して行った。
ちなみにこのギル君は髪を上げてません。
正直、上げるべきかそれとも原作の「彼」と明確な区別を付けるために下したままにしておくべきか迷っています。
皆さんの意見が聞きたいので髪型以外のことでもドンドン感想欄でコメントお願いします!
(勘違いしないでよね!別に感想少なくて拗ねてるわけじゃないんだからね!)