転生して脱ヤンデレ清姫を目指そうとしたらヤンデレに狙われた。   作:ヘタレ蛇

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やっと投稿した。その間、エクステラやらfgoのイベントとかで忙がしかった。え、仕事?いつもだよ(泣)

今回の話は何話か続いてしまいます。もう長話しちゃおうかな。短編でやろうとしてもやりたいことあって切り捨てたくないし。

愚痴りました。ではどうぞ。


Q.これは何だ?ー〇〇〇ー A.騒動の印

副題、全て団子にし、団子にて帰る

 

ずずず~。

 

「ふぅ…。」

 

静かな自室に、湯気が揺らめき起つ熱い御茶の啜る音が響く。そして口に入った時に広がる緑茶独特の香り、渋みと甘さを感じ、喉に流れ落ちて内側から伝わってくる熱に一息。どうもヒサギです。

 

現在自室にて御茶ノ時間(ティータイム)を楽しんでいる。やっぱり緑茶だよね~。これで茶柱が立っていたら幸福の極みなんだけど。

別に幸福が薄いという訳ではないんだよ。小さな幸福が感じられるというのが大切だと此処最近思うんだ。うん、別に此処最近事起こす毎に悲惨な目に遇うことを逃避してる訳じゃないです。はい。

 

「…今日の御茶請けは…串団子ですね。」

 

御茶の横の3本の串に刺さる○子三○弟。

 

団子。それは米粉を水で練って丸めて蒸かした物だ。確か昔に田舎の婆ちゃんに練る際に砂糖を入れると柔らかくなるとか、一度蒸かした団子を再度練って蒸かすと斑が無くなるとか言っていた…かな。

その後は御手洗やら餡子、磯辺焼きは香ばしくて好き何だよな。

 

「思い出したら食べたくなってきた。焼きましょう。」

 

とは言え、目の前の三つ串に刺さった団子を付ける醤油も巻く海苔も、況してや熱機器なんてありません。

まぁ前者がなくとも後者は可能だけど。

 

「ふぅ~。」

 

簡単な事、()()()()()()()()()()いいんだよ。オルレアン以来から炎を出すコツを覚えて火力を変えられるようになったんだよ。何時までもポンコツな僕だと思わない事だ。

団子が良い感じで焼けました。

 

「本当は網で焼いた方が良いのですが…。」

 

こればっかりは網を焼き壊れてしてしまいそうだからなぁ~。言っててもしょうがないから目の前の残り2本を焼きます。

 

 

こんがり上手く焼けました、ただ団子の頭と最後の串の部分を除くけど。

では、実食。

 

「あ~…はむっ!?あふっ!はふっはふっ…」

 

熱っ!熱々の団子を1つ口に入れ、口の中で空気を吹き入れして冷ます。

 

「ムグムグ…。」

 

丁度良く冷めたら咀嚼し団子の甘みと芳ばしい香りが口に広がり、御茶の入った湯飲みを手に取る。

 

ずずず~…

 

「…はぁ~。」

 

そして再び御茶を口に含み流し込み一溜息、これぞ幸せの絶頂。

 

この団子は僕が作ったのだ。あの赤い(レッド)事件の後、戦力強化の為にマスターがサーヴァントを召喚したのだ。そしたら何と、アーチャーのエミヤさんが御降臨なされた。ありがたや、ありがたや。

 

 

そしてエミヤさんに頼みこっそりと一通り何ができるか調べた。そしたら「こねる、炙る」の2つができる事が分かった。

炒めたり煮たりしたら何故か別の物に変わっていた。特に赤くなる。

其処はエミヤさんの教官指導で修行中である。

僕は嬉しさのあまり大量に作ったのだ。

スタッフの方も作ってた。現在、カルデアでは月見をやっているのだ。スタッフさんが団子を作り、それをカルデア内で頂くのだ。というスタッフさん作るの上手すぎる。

 

「これぞ、幸せの絶頂…。」

 

思わず口に出してしまう感動があった。食の幸福を噛み締めながら、団子が無くなった串を皿に置き、残り2本の内の1本を手に取り、口に運ぶ。

 

「はむっ!~~~~~~~!!」

 

少し冷めて丁度良い温度になった団子は口の中で幸せが転がります。何を言ってるのか僕は分かっていません。美味し過ぎます。目を閉じて頬が落ちそうで手を当ててしまう。

 

「後、1本……。」

 

感覚で串を皿に置き、残り1本を手に取る。

が串を掴めなかった。手を動かし探るが団子どころか串さえ掴めない。気になり目を開けると、団子が…ない。

 

「ムグムグ…質素であるがこんな上手い物を独り占めとは、あまり良い事ではないな。」

 

横から聞こえる如何にも吹っ飛んで星になりそうな声に引かれ横を向くと、そこには紫色の長い髪を後ろで1つに束ね、紫色の袴を着て、背中にとても長い日本刀を背負った男性が私の残り一本の団子を食べていた。そう…食べていた。

 

「佐々木さん…。」

 

「ん?何でござ」

 

「ふぅ!!」

 

何もなかったように食べているのはエミヤさんと一緒に召喚されたアサシン:佐々木小次郎。否、只の盗人NOUMINNに口から火を吹き当てる。()かぬなら、燃やしてやろう、ホトトギス(NOUMINNを)

 

「危ないで御座るよ、清姫殿。」

 

「っ、私の団子の仇です。」

 

「仇も何もそなたも食べるつもりであったのではないか?」

 

「私のだからです!食べ物の恨みです!」

 

余裕で避けたNOUMINNの手元には串だけを持っていた。あー私の団子を…。

 

「馳走になった。其にしても一人で団子を隠れ食いとは、つまみ食いで御座るか?ずず~…。」

 

「当たり前のように勝手に御茶を注いで飲んでますね。違いますよ、これは私が作った最高傑作です。だから何時食おうと勝手です。」

 

そう此れは私が作った物だ。大量に作った一部である。その他は厨房のスタッフさんに味見してもらって渡しましたし、そうこれは味見だ。

 

「だが大元の食料は此処カルデアという組織の物であろ?そもそも自室で部屋で1人で食しているとは、疚しいことがあるのでは御座らぬか~?」

 

「うぐっ、味見だから大丈夫です。疚しいことなんて無いですから!」

 

はい、ダウトです。私は団子を食べたくて自室に籠りました。皆さんが月見で団子待ちでも食べたくて食べてます、反省も後悔もしてません。

 

「ふむ、だとしてもだ。1人で茶をせずマスターやマシュ殿も誘えばよかろうに。」

 

「………だってその~…二人とも怖いんです。マスターの私を呼ぶ時に違和感を感じますし、今回の月見はマシュさんが1番楽しみにしてたんですよ。」

 

マスターの清姫loveな所は何時もの事だが、個室で二人になったら襲われそうで怖いし、隠れてつまみ食い同然に御茶をして楽しみを損なったら、マシュ、怒りそうだもん。

 

「色より食か、正に花より団子だな。しかしまぁ、哀れなものよ。ずず~…。」

 

何に対して哀れんで茶を啜っているのやら、だがこの様子だと気付いてなさそうだ。

僕はチラリと壁の端を見た。念のためにダヴィンチちゃんに作って貰って正解だった。狸の置物。

部屋が寂しいからという建前で作った狸の置物。何故か狸の表情と姿勢がモナ・リザに見えてしまうのが凄い。だけどそれはフェイク。狸のお腹には冷蔵庫に成っているのだ。只の狸の冷蔵庫を気にしている僕ではない。そう…

 

 

あのぽっこり丸いお腹の中にレア団子(夢と希望)皿一杯に乗ったお皿が入っているんだ(詰まっているんだ)!!

 

 

スタッフが離れた隙に少しギンバ…コホン頂いたのだ。冷蔵庫の温度も団子が固くならないように低冷温設定にしてある。これは最早事案。マシュにシールドバッシュされても可笑しくはない事だ。だが!

 

 

私は団子の虜になってしまったのだ。しかもこのサーヴァントの体、いくら食べても魔力に変換できる(太らない)

 

 

このNOUMINNが居なくなったら食すのだ!

 

 

「何やら思惑を働かせているのは良いが、するならあからさまに狸の置物を見ない事だ。バレバレなのだが。」

 

 

「…レア団子一個で黙ってて貰えないでしょうか。」

 

 

 

 

 

取り敢えず佐々木さんは追い出して(レア団子一個で買収して)、此処には僕しか居ません。

 

 

「よし…では。」

 

 

僕は狸の腹の脇の凹みに手をかけた。そして力を入れて引き開ける。さぁ、開けゴマ(オープンセサミ)

 

 

「……さい………待ちなさい!」

 

 

「御免なさい!御免なさい!御団子をクすねて御免な…あれ?」

 

 

僕は全力で声のした方へ何度も連続で頭を下げ土下座した。が其処には誰も居なかった。

 

 

「あれ?今マシュさんの声が…。」

 

 

だが当の本人は居ない。ビビり過ぎて幻聴を…

 

 

「待ちなさい御団子泥棒!!」

 

 

「……!!?」

 

 

またマシュさんの声で体が跳ね上がる。というか足音付きで廊下から聞こえる。幻聴ではなさそうだ。早い足音で僕の部屋に近付いてくる。

口惜しいけど此処は白状するしか内容だ。さらば愛しい方(レア団子)

 

 

僕は扉を開け、外に出た。

 

 

「マシュさん御免なさい、団子を…」

 

 

罪の告白を使用としたら、()の視界の端から接近する大きく白い何かが…。

 

 

「ふべらっ!?」

 

 

それは僕の顔を弾き飛ばす白く大きい風船、というか巨大な袋のタックルを顔半分に受け体毎吹っ飛ぶ。

 

 

「おいおい、今嬢ちゃんが吹っ飛んだぞ!?」

 

 

「それよりダーリン!逃げるわよ!」

 

 

今、二人の男女の声が聞こえた気がするが巨大な袋はどんどん遠ざかっていく。僕は起き上がり袋が行った方向を見ながら顔半分を撫でた。

 

 

「いったい何ごグアッ!?」

 

 

今度は頭に鈍痛が走る。頭から脳へ走る衝撃と痛みに意識が吹っ飛ぶ。

 

 

「あ…あああ!御免なさい!大丈夫ですか清姫さん!?」

 

 

何とか意識が踏み止まり、マシュさんの声が耳に入る。何とか頭の痛みに耐え、腕を上に伸ばしグッジョブサインを出す。

 

 

「すみません、今団子泥棒を追っていたあまり周りが見えていませんでした。私のミスです。私はこのまま団子泥棒を追うので動けるようでしたら指令室にこの事を知らせて下さい。」

 

 

マシュさんは巨大な袋が行った方向へ走っていきました。痛みが段々引いてきた僕は立ち上がり頭を擦りながら思った。

 

 

「また面倒事…ですか。」

 

 

どうせお月見イベントだろうと。それと同時に心の底で安心して溜息を吐いた。

 

 

良かったレア団子をギンバイした事がバレてない。

 

 

結局バレてないのにマシュさんのシールドバッシュを受けたけど。

 

 

 

 

僕がマスターやロマン、酒瓶を抱えたダウィンチちゃん、その他スタッフがいる指令室に向かい、マシュさんの現状を話した。マスター以外は驚愕と落胆の表情が見て取れる。

 

只マスターは違った。頭を打ったと言った辺りから僕の心配ばかりをしている。僕が気付いた時には頭を擦っていた。というかまだ擦っている。

 

 

「あのマスター…。」

 

 

「何でしょう清姫。」

 

 

「もう擦らなくて良いです。もう痛くないので。」

 

 

「そうですか…分かりました。」

 

 

漸く止めた。全く何時までやってるかと思ったよ。あのまま続けたら心地よ…違う違う、マシュさんに見られたら嫉妬するだろうに。

…その残念そうな顔は止めて欲しいよマスター。

そう思っているとマシュさんが走って戻ってきた。

 

 

「申し訳ありません、取り逃がしました。あっマスター、お早う御座います。」

 

 

「お早うマシュ、今日も元気ですね。」

 

 

「何で二人とも落ち着いているのですか…。」

 

 

マシュさんはあんなに必死だったのに、マスターに至っては落ち着き過ぎでしょ!?

 

 

「全くだよ、誰なんだ団子を盗んだのは!」

 

 

ロマニさんの盗んだという言葉に僕は庭かに体がビクッとした。けど此処は焦っちゃ駄目だ。此処は敢えて黙ってた方が良い。

 

 

「…………。」

 

 

ヤバいダウィンチちゃんがジーって見てるよ。狸冷蔵庫の件もあるから完全にレア団子を保有しているってバレてるよ!

 

 

「ジ~……。」

 

 

口で言っちゃったよ。もう遊んでるなこの人!

 

 

「……これは鯖の仕業だ。」

 

 

やっと話を切り出してくれたよ!ちょっと汗掻いちゃったよ。

 

 

「大体3分前にレイシフトしてる、しかもこれはいつか契約する紐を引っ張っていつか契約した結果を招き寄せたようだね。()()()()()は時空を歪める英霊のようだ。」

 

 

ロマニさんやマシュさんは驚愕している。ダウィンチちゃんはチラリと僕を見る。見ないで下さい、御願いします。

 

 

「しかもロマニ、これは凄い所に飛んだみたいだぞ。」

 

 

「え、どれどれ…なっ!何!?」

 

 

「どうしたんですかドクター?」

 

 

?此処は僕にも分からない。僕の記憶ではフランスの筈なんだけど。

 

 

「大変だヒサギ君!マシュ!その犯人、今観測中の特異点に飛んだぞ!」

 

 

な、何だ、と…!

 

 

「それに観測中なのに特異点にほぼ確実に行けるようになってる!再度解析調整すれば行ける筈だ!」

 

 

「ホントですかドクター!」

 

 

「…………。」

 

 

ロマニさんの言葉にマシュさんは驚いているがマスターは相変わらず冷静なのか声が聞こえない。というかそうじゃない、またイレギュラーなのか。

 

 

「場所は1世紀ヨーロッパ…古代ローマだ!」

 

 

まさかのメインストーリーとイベントの同時進行ですか!?




次回はローマへ。
団子投入も工夫しないと。

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