転生して脱ヤンデレ清姫を目指そうとしたらヤンデレに狙われた。 作:ヘタレ蛇
ちょくちょくキャラが空気なのは勘弁。
次は締め!
オルタガチャ、ド外れ起こした!!
泣きたい。
白いの!あんたじゃない!
どうもヒサギです。
僕は現在、夜営地で夜の空を眺めています。
現在まで色々ありました。ほんと…
「色々あって正直疲れました…。」
いや、ホントに草臥れました。決戦前なのに。
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あの後、マスター(ぐだ男だった)の名前を聞いた時にあの場で大声で悲鳴を上げそうになってしまった。
『初めまして私の愛しい清姫さん、私は…
同じ名前の別人だろうと思う。
でも初対面なら、まだ名乗ってないにも関わらず
その後の会って直ぐに仮契約を結ぶ所はまだ良かった。何故か契約方法が指切りだったのは寧ろ僕からやるべきだと思った。
そして一番驚くのが
『さて、では直ぐに近辺の敵を排除してジャンヌさん達と合流しましょう。』
ヒサギと名乗った青年、マスターはまるで未来予知並みに此処でエネミーと戦うという事を言ったのである。
自分を含めその場のサーヴァントは目を丸くした。
僕は思った。
もしかしたらこのマスター、転生者かもしれないと。
でも相手が相手なだけに1対1で話す勇気が無かった。
だって襲われそうな予感が凄いするもの。
がその後、エネミーとバトる事になった。
(その時、僕は後方支援で火の玉をぶつけていた。実際に効いていたかは自信がない。)
そしてそのままエネミーを潰し潰し進んで行くとジャンヌとゲオル先生と合流した。
この次点でマリーアントワネットは居なく、アマデウスは暫く僕達から離れた。マシュは追おうとしたがマスターがそれを制した。
そして洗礼詠唱でジークフリートの呪いを解くことに成功した。此処まではストーリーと同じだ。
取りあえずは一安心、が
正直、自分の中にやるせない気持ちがあった。本当に別の道は無かったのかな、という思いが頭を過った。
と思ったらゲオル先生が話し掛けてきた。
『また御会いしましたね、清姫。』
正直、最後の質問が強い衝撃的だったので僕自身はビクついていた。
『は、はいそうですね。ゲオルギウスさん。』
『すみません、また1つ質問があります。』
また?今度は何を聞かれるのだろう。
『汝は竜か?』
『イイエ、竜違ウ、私大蛇デス、なので剣を向けないで下さい!』
それは空気を変えるためにやってるんですよね!?
『何言ってのよ、ド田舎リス。貴女は竜じゃない。』
『エリザベートさん!?』
『フフ、嘘はいけないですよ、ゲオルギウスさん。特に清姫さん。令呪で嘘をつけないようにしましょうか?』
特に!?何で僕!?
『…ふっ冗談ですよ、清姫。仲間に刃は向けません。』
悪い冗談ですよ!
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という事があった。はぁ~、思い返せばまともにバトルでの活躍が無い。
「このままじゃ合成素材かマナプリズム変換だよ…。」
思わず両手で頭を抱えて、しゃがんでkarisumaガードの体操…って事で現実がどうにかなるわけ無い。何とか決戦中に活躍しないと…
「君も気分転換かい?」
「ひっ!?」
背後から声が、マリーのゴースト!?
「其処まで驚かないでくれ、って僕が背後から声を掛けるのが悪いか。」
貴方は…
「えー…と、ヴォルフ
「僕にどんな曲を作れって言うんだい?できたとしても悪魔が料理していそうな物しかできないよ。
それに僕の名前はヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトだよ。」
「じゃあモーさんで。」
「それだと別の英霊と名前が被るから、アマデウスでいいよ。」
そりゃ残念。
「隣、ちょっといいかい?」
「ええ、いいですよ。」
僕がそう答えるとアマデウスさんは僕の隣に来て空を見上げた。
「やっぱり何処に居ても空だけは変わらない。土地も変われば自然の音楽も変わるのに。まぁ、あの空の輪状の光が邪魔だね。」
自分も空を見上げる。暗闇で光る星々を遮るように空を囲むようなリング状の光が存在した。
あれこそ人理の崩壊を起こそうとしてる奴の宝具。転生者だから分かる知識。だけど…
「(初期段階の僕じゃ、太刀打ち処か其処まで行ける自信が無いよ。)」
「…思い悩む顔をしているね、お尻でも気になるのかい?」
最低だ。取り敢えずアマデウスさんに扇子で軽めに殴る。
「おっと!?暴力的だね!」
当たり前だろ。自分が女の子(精神が)だったら殴りかかってる。今のは八つ当たりだ。
でもまぁ…。
「(何時、
また視線を感じてるのは嘘だと思いたい。
「…君もマリアの事を気にしているの?」
君も?…ああジャンヌさんか。ジャンヌさんとマリーさんは友達だし、気にならない訳が無いね。
けど、もしも…
「…君がもしゲオルギウスと共にしてても、マリアは変わらず民の人の避難をやっていたと僕は思うよ。聖女様もね。君と彼が東と西のどちら側に居ようとも、竜の魔女は西の街に向かってただろうしね。」
「…貴方はエスパーですか。」
「君からそういう音色を醸し出しそうな感じがするからね。どちらにしろあのマスターだから君が何処に居ようと来るかもしれないな。」
「何ですか、それ。」
逆に怖いんですけど。
「マスターに会ってから今まで見てたけど、だいぶ君に執着しているね。だから君を何かの素材にはしないと思うよ?」
「…聞いてたんですか。」
「僕は耳が良いからね。」
その後、アマデウスさんと他愛ない話をした。
翌朝、僕達はオルレアンへと進んだ。途中で狂化されたケモ耳系アーチャー・アタランテと遭遇し、倒して先に進んだ。
そしてオルレアン手前まで来た僕らの眼前に、戦場となる荒野に黒い巨竜の周りを赤・緑・黒と大量のワイバーン'sが待ち構えていた。
僕は少しでも役立とうと注意を惹き付ける役を買って出た。マスターからは却下されたが、マスターには
が後悔した。
「何で何時もこんな目にぃぃぃぃぃ!」
惹きすぎた。大半のワイバーンに目をつけられ追い掛けられながら火玉の弾幕を避けながら逃げ回っていた。
逃げてる最中、木や岩の杭が地面から飛び出したり、
「はぁ、はぁ、よし、逃げ切った!」
右腕を上げながら荒野の地面に仰向けに倒れ込んだ。正直、超音波は無理でした。今も耳がキーーーーンって。
「はっ、全然戦って無かった!?」
結局、逃げることしかできなかった。ワイバーンやサーヴァント達は他の皆が倒してくれたらしい。
いや、もうね。
「この作品のタイトルを変えた方がいいよね。」
『転生者が清姫になって逃走劇』とかさ。だって三話続けて戦えてない。逃げてばっかだし。
「ちょっと、何泥だらけで寝転んでいるのよ。ほらさっさと立って。」
あっエリザベートさん。
「
「え、マスターから?ジークフリートさん達からじゃなく?」
寧ろ、マスターからなら自分は残るべきだと、足手纏いだし、逃げてしかいないし。
「あの竜殺しが私を連れて行くように薦められたけど、先ず仔イヌが貴女を連れて行くって言ったのよ。随分と気に掛けられてるわね貴女。」
それは言わないで欲しい。複数的な意味で。
その後、黒いジャンヌを追い、オルレアンに乗り込んだ。其処でわらわら出てくるワイバーンやサーヴァント達、けど後方射撃しかできてない僕自身は1つの思いが浮上する。元々一般人である僕が戦場を前にしてよくやってると自分を誉めた。けど結果的には戦果は無く逃げ回る囮でしか無かった。城を進んでいく内に自信の無力感に嫌悪が増していった。この時、僕はマスターへの評価を忘れた。
そして
「ジル…。」
「ジャンヌ、例え貴女でも彼女の邪魔はさせません。貴殿方はこの不肖ジル・ド・レェが御相手しましょう。」
「クー・フーリン、エリザベート、此処は任せます。」
「いえ、此処は僕っ…私とエリザベートさんがやります!マスターは黒いジャンヌさんを止めて下さい!」
するとマスターは驚いた顔をしたが直ぐに真剣な顔に戻した。
「ならばジル・ド・レェをさっさと倒して」
「いえ!これ以上シャドウサーヴァントを増やすのは危険です!マスター達は先に黒いジャンヌさんを優先を!その間、この方の足止めをします!」
僕はマスターからジル・ド・レェの方を向き、扇子を構えた。
「ですが貴女は」
「まぁいいんじゃねぇかマスター。此処はこの嬢ちゃんを立てて、俺達は黒い聖女様の所に行こうや。それに…。」
するとクー・フーリンはマスターに肩を回して僕に聞こえないようボソボソ言っている。何の話を…
「…良いでしょう。では二人に任せます。」
何を話して納得したのか気になるけど、まぁいいや。
「目の前で相談事とは、随分と余裕なのですね。ですがジャンヌ、例え貴女で在ろうと、此処から先は通しません。さぁ出でよ、海魔達よ!」
ジル・ド・レェの足下から浮き出てくるように召喚される海魔達、たった十数秒で通路が海魔で埋め尽くされた。さて…どうしよ。
「清姫、貴女の宝具は使えますか?」
「…変化なら、でも宝具は使ったことがないので。」
「ならば…令呪をもって
今、聞こえたワードが別に聞こえた気がするけど…。
「宝具で彼の者等を焼き殺し、道を開きなさい。」
すると胸の内側から膨れ上がるように熱いものが溢れだし、自身の体も完全に竜の形に成り変わっていく。すると僕の視線はジル・ド・レェと海魔達を見下ろす位になり、背骨がなんか凄く動くし天井が近かった。竜に成れたなら…
「転身、火生三昧!」キリッ
こうキメ顔で宣言したかった。竜にキメ顔があるかどうかだけど。するとジル・ド・レェが余裕な顔で僕を見て
「たかが小娘一人が竜になったからと言って。」
と途中で聞いていたら喉の奥から膨れ上がり昇っていくような感覚が強くなってきた。
「私が呼び出した多くの海魔に勝てると思いで…」
やば、
「ブフゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!」
取り敢えず、炎を吐くのがリバースした物が熱気に変わったような物だと覚えた。
「う…うぷ…っ。」
何かまだ気持ち悪い。あっ、体が戻っていく。
「ちょっと!こんなところで吐かないでよね!何自分の宝具で吐きそうになってんのよ?」
「仕方ないじゃ…ないですか…実際に使うの初めてだったんですから…うぷ。」
口元を抑え、目の前は業火に包まれていた。海魔も焼かれ変な異臭も漂い始める。やば、また気分が…。
「それで、マスター達は?」
「子ジカが先頭になって持ってる盾で道を開いて走り抜けていったわ。」
炎の中を見ると炎の中に一ヶ所だけ山になって燃えている場所があった。
「今度は逃げんじゃないわよ、逃げようものならギョロ目の次はあんただからね、負け蛇。」
「逃げようにも後ろにはワイバーンだらけですよ。それに貴女も、マスターも見捨てるつもりも御座いませんとも、何か不服ですか?エリマキトカゲ。」
「生意気よ、アオダイショウ。」
すると燃えていた山になっていた中からジル・ド・レェが無傷で出てきた。
「ジャンヌは行ってしまいましたか。ですが、貴女達ごときが私に勝てると思いですか?」
ジル・ド・レェの出てきた所から再び海魔が溢れ出てきた。
「やっぱ御免、少し待って、うぷっ。」
「…もう帰りなさいよ。」