目が覚めたら何故かユクモ村に居たのでハンター生活をエンジョイする事にした   作:勇(気無い)者

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村長さんから依頼がきたので、準備を兼ねて温泉へ。

 さて、農場施設がどんなものかも堪能したし、これからどうしようかな。またクエストをこなしにでも行くか。モンスターハンターの醍醐味っつったら、矢っ張り狩猟だしね。

 まぁ、とりあえず自宅にでも戻って考えよう。

 そう思い、農場から出ようとした所で、

 

「ご主人、狩りに行くなら私も連れて行ってくれよぅ」

 

 と、魔理沙が訴え掛けてきた。

 ふむ。まぁそれもいいかもな。どうせみんなLvは20だし。

 という訳で、オトモボードから『オトモ選択』で設定しているオトモを入れ替える。どうせなら全員で行きたいんだけど、駄目らしい。何故だ。変な所だけゲームで困る。

 さてさて。とりあえず、オトモ1に選択している咲夜を外して魔理沙に設定する。魔理沙を選択した際、ステータス画面が表示された。

 そういや、アカム行く前は急いでたからちゃんと見てなかったな。ってかステータス画面が表示されてる事自体に気付かなかった。

 えっと、何々…。

 

 霧雨魔理沙

Lv   20

攻撃力 184

防御力 340

オトモ装備

武器:ボーンネコピック

頭 :装備なし

胴 :装備なし

 

 ……えっ、これだけ…?

 いや、もっとこう……攻撃方法とか標的傾向とか性格とか無いの…? オトモスキルは…?

 そんなものは無かった。マジか。

 っつうか、よく見たらオトモボートのメニュー画面から『オトモスキル』の項目自体が消えている。どういう事だってばよ。

 まぁいいけどさ。咲夜も妖夢もそんなもの無くても充分役に立つ。

 折角だから、妖夢も別の子と入れ替えようかな。

 だーれーにーしーよーうーかーなー。

 チルノ! 君に決めた!

 妖夢を外してチルノを選択する。ステータスは魔理沙と同じだ。

 防具をニャン天に変えてと…。武器はどうすっかな。クエストをどうするかによって変わるよなぁ。何のクエストやろう?

 いや、待てよ。思ったけど、クエストって選べるんだろうか。

 ゲームはゲームだから全てのクエストを受けられたけど、此処はゲームとリアルがごっちゃになった様な世界だ。メニュー画面が開けるのはゲームの仕様だし、肉を焼くのに掛かる時間が現実的だったりとな。英語で言うとリアルファンタジー。

 つまり、ゲームの時の様に好きなクエスト、やりたいクエストを受けられるとは限らない、という事だ。

 なら先にクエストを確認するのが先だな。集会所へ行ってみるか。

 そう思い、ユクモ農場から出て集会所へ向かう途中の事だった。

 

「ハンター様、少しよろしいでしょうか?」

 

 艶やかな着物に身を包んだ女性が話し掛けてきた。どこか日本の『舞妓さん』の様な印象を受ける。耳が長く尖っており、亜人種の人であるのが解る。種類までは解らんが。

 この女性こそ何を隠そう、ユクモ村の村長さんなのである。でーん。

 

「何でしょう?」

「実はちょっとお願いしたい依頼がありまして」

 

 喋り方がおっとりしてるな〜とかどうでもいい事を考えながら、依頼の内容を聞いてみる事にした。

 魔理沙とチルノがどの程度の腕なのか見極めるチャンスだ。村長さんの依頼なら簡単だし、ちょうど良いタイミングである。

 で、依頼の内容は要点を纏めると、二匹のクルペッコが渓流で暴れているから、これを狩猟して欲しいとの事。

 オーケー任せろと、二つ返事でこの依頼を受ける事にした。

 ただ、準備をしたいので少し待ってもらう。装備変えなきゃいかん。

 とりあえず自宅に戻って、アイテムボックスのセット装備から変更する。

 

セット27

武器:エーデルバイス

頭:天城・覇【鉢金】

胴:天城・覇【胸当て】

腕:天城・覇【篭手】

腰:シルバーソルコート

脚:天城・覇【袴】

護石:龍の護石

 

 腰だけを弄ったセット装備である。天城・覇の装備は腰を別のに入れ替えるとスキルを組み易い。何しろ、弓に絶対必要なスキル『集中』が必ずつけられるからだ。

 『集中』の無い弓使いはハッキリ言って、素人同然である。弓の中で一番の攻撃系スキルだからだ。手数が増えれば必然的に与えるダメージが増える道理。必ずつけましょう。

 外見は殆ど弓道少女。腰だけちょっとゴツいけど、そんなに変でもないだろう。俺はそう思っている。

 発動スキルは『氷属性攻撃強化+2』『集中』『通常弾・連射矢UP』『見切り+1』。

 氷属性攻撃強化は装飾品の『氷結珠【2】』のみで無理矢理付けたものなので、属性を変えれば水属性の『スコルピオダート』や雷属性の『アルクドスジョーヌ』でも代用出来る。どちらも溜め段階3が『連射』の武器であるからだ。

 また、火属性の『重弓ヘラギガス』でもイケる。俺はまだ作ってはいないのだが。その内作ろうかな。

 龍属性は現状、アカム殺しセットが一番有用かな。龍属性の弓で連射が射てるのはレラカムしか無いから仕方ないね。アルバの弓とかあれば良いのに。まぁいいけど。

 次に魔理沙とチルノの装備を整える。防具は相変わらずニャン天━━見た目が気に入ってる━━で、武器はー…、ベリオSネコ包丁にでもしておくか。

 

 さて、後は……あ、そうだ。風呂に入ろう。

 

 

 

 

 

 

 という訳で、やって来ました集会所。入り口のすぐ脇には、天然━━かどうか知らんが、多分そうだろう━━温泉露天風呂。普通に集会所内から温泉が見える様になっている。混浴です。

 何故温泉が集会所にあるのか。それは勿論、ゲーム的にその方が便利だから。

 例えば2nd、2ndGの時の事を思い出して欲しい。自宅に設置されたアイルーキッチンで、キッチンアイルー達がご飯を作ってくれるのだが、一々集会所から出て自宅に戻らなければならないときた。

 狩猟するモンスターがもう一度同じだった場合、装備を変更する事も無いので面倒臭い。

 そこでCAPC……ゲーム制作陣は『集会所内で同じ効果が得られる様にしよう』という案に乗りでた。その結果、集会所に温泉が出来た……と、俺は思っている。

 あ、これは考察に過ぎないので、余り真に受けない様に。

 

 まぁ、そんな事はどうでもよくて。

 温泉である。露天風呂。

 早速更衣室へ突撃だぁ。

 俺は身体が女の子なので『女』と書かれた暖簾(のれん)を潜り中へ足を踏み入れた━━━

 

 ━━━と思った瞬間、俺は更衣室から出ていた。

 

「…ッ!?」

 

 あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!

 お、俺は確かに更衣室へ足を踏み入れたと思ったが、いつの間にか出ていた。

 しかも、俺の格好が湯浴み着姿へと変わっている。

 な…何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何が起こったのか解らなかった…。幻覚だとか白昼夢だとか、そんなアホな事じゃあ断じてねえ。もっと恐ろしいゲームシステムの片鱗を味わったぜ……。

 

 とまぁ、一人でボケ倒してないでさっさと温泉へ入りましょうか。この世界ではよくある事。気にしてはいけない。

 早速温泉の所まで移動し、足を入れる。

 

「んぅ…」

 

 ちょっと熱め…かな…? 思わず変な声が出た。

 続いて膝を降り曲げ、身体を湯に浸ける。

 

「んぁ……はうぅ…」

 

 また変な声が出た。何でだ。他に誰も入ってないからいいけどさ。

 魔理沙とチルノも入って来た。気持ち良さげに浸かっている。

 アイルーも一緒に入れるっていいよね。日本だったら絶対無理だぜ。

 しっかし、気持ちいいな〜。貸切状態で開放的だし、最高ー!

 お酒とか飲めたら気持ち良く酔えるんだろうな。俺はお酒飲めないけど。残念。

 

「………」

 

 他に誰も居ないし、少しくらい良いよね。

 そう思い、全身の力を抜いて湯船に身を任せる。背泳ぎの状態だ。

 

「〜♪」

 

 鼻歌を歌いながら、ゆったりゆっくりと湯船に漂う。めっちゃ気持ち良い〜。このまま寝ちゃいそうなぐらい気持ち良い。本当に寝たら溺れ死にかねないからしないけど。

 魔理沙とチルノも隣に漂ってきた。猫の身体も浮くんだな。アイルーだからだと思うけど。

 

 俺と二匹のアイルーは、暫し時を忘れて温泉を堪能するのであった。

 




以下、作者のどうでもいい話。

新しくセット装備を作るに当たって、銀火竜の尻尾が必要になったんですよ。
それで、尻尾を斬るには剣士でなければならないので、太刀のライトニングワークスを携えて渓流の銀火竜討伐クエストに出発した訳ですよ。
これが辛いのなんの……。
まず、尻尾を斬るのにもたついて10分近く時間を取られます。何であんな高い位置にあるんだ。
何はともあれ、
剥ぎ取り→火竜の上鱗
(゜皿゜#;)
やり直し。尻尾斬る。
剥ぎ取り→火竜の逆鱗
(゜皿゜#;)
やり直し。尻尾斬る。
漸く銀火竜の尻尾が出る。
(*´∀`*)
そのまま銀火竜討伐。掛かった時間は27分。
弓の倍以上時間が掛かるとか……。
もう二度とやらないと心に誓った。

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