目が覚めたら何故かユクモ村に居たのでハンター生活をエンジョイする事にした 作:勇(気無い)者
それは、俺が今日は何を狩ろうかなーと集会所のクエストボードを眺めていた時の事だった。
「エクシア、ちょっと良いかしら」
背後から声を掛けられ、振り返ればそこにはセツナが立っていた。
「どした? クエストならまだ決めてないよ」
「いや、実は折り入ってあなたに頼みがあるのよ…」
「頼み? 何?」
「……ちょっと、手伝ってほしいクエストがあるの…」
手伝ってほしいクエスト? はて、珍しいな。セツナからの手伝ってほしいなんて。彼女の腕なら何でも狩れるだろうに。
何だろうか。セツナが苦戦する様な相手…? アルバトリオンとか? 確かに、アイツを双剣でやるのは骨だろう。ホーリーセーバーでは無理がある。
「これなんだけど……」
セツナが依頼書を見せてきた。どれどれ……。
採集クエスト
美食家達の宴
クエスト内容
黄金魚30匹の納品
報酬金 18000z
契約金 1500z
指定地 孤島
「━━━。」
黄金魚
………。
いや。
いやいや。
いやいやいやいやいやいやいやいやいやいや。
30匹って何だよ!! 漁師を雇えよ!! 何でハンターに依頼出すんだよ間違ってんだろうが!! ギルドもそんな依頼通してんじゃねーよ!! 漁師に回せよ!!
しかも、この『美食家達の宴』ってクエスト名は何!? 食べるの!? 黄金魚食べるの!? 食べられるの黄金魚って!? 金持ちの食い道楽かよ!!
つか、
「お前、何でこんな依頼受けたんだよ!?」
「やっ……受けたかった訳じゃないのよ!?ただ、手にとった依頼が偶々これだったってだけで…!!」
「確認しろよ! 受ける前に! どう考えても一人じゃ無理だろ!」
「だ、だって、確認しなくても大概のモンスターは狩れるし…」
「こういう採集クエストだってあるだろうが! バカチン!」
「なっ……ば、バカですって!?バカは無いでしょバカは!!」
「じゃあ〜マヌケかこのスカタン!」
「………ッ!!もう、良いわよ!!一人でやるから!!……バカ…ッ!!……うっ…ひぐっ…」
トボトボと重い足取りでカウンターへ向かおうとするセツナ。
「〜〜〜ッ! ああ、もう! 解ったよ、手伝ってやるから、泣き止みなさい」
「……ほんろ…?」
う…っ。セツナなのに可愛いだと…。上目遣いの破壊力…これ程とは…。
「本当だ、本当。ほら、泣き止みなさい。よしよし」
「……うん…」
……あれ。いつもなら『泣いてない』とか『子供扱いするな』って怒るのに。今日は腕を払わないどころか、抱き付いてきた。よっぽど堪えたんだろうか。ちょっとキツく言い過ぎたか…。よしよし。
「あの…エクシアさん…」
ふと、青撫子に身を包んだユーカが話しかけてきた。
「集会所内で騒ぐのと…イチャつくのは…ちょっと…」
えー…。イチャついてる様に見えるんですか、これ……。個人的には子供をあやすお姉さんの図だと思っているのだが…。
っていうか、ユーカも何でそんな今にも泣きそうな表情してるんだ…。
「いや、セツナが不注意でこんなクエストを受けてしまって…」
「クエスト………ええっ!? これを受けたんですか!?」
…まぁ、そんな反応するよね…。明らかにハンターの仕事じゃないし。漁業だし。
「こんなクエストを受ける
「……うぅっ…」
「……すみません……馬鹿とか失礼な事を…」
実際お馬鹿だと思うし、良いんじゃないかな。ちょっとくらい。
「まあ、そんな訳で。私はちょっと人を集めてくるから、セツナはここで待ってて」
「…うん」
「あ、エクシアさん。待って下さい」
集会所から出ようとした所で、ユーカに呼び止められる。
「あの、実は今、孤島にリオレウスとリオレイアとジンオウガとアオアシラとドスジャギィとドスファンゴとロアルドロスとクルペッコが集っているらしいので、気をつけて下さいね」
「━━━。」
……孤島オールスター勢揃いじゃねぇかよ!
★
再び集会所へと戻って来た。
「━━━という訳で。今からみんなで孤島へ釣りをしに行きます」
「「「おー!」」」
集まった面子を紹介しよう。まず、俺とセツナ。リリーとサニー、レベッカ。以上の5名である。クエストは少なくとも6名までは受けられる様だ。6人組のハンターがクエストを受注して出発したのを見た。7人以上はわからない。
さて、加工屋の孫娘であるレベッカがメンバーに入っている事を不思議に思う人もいるだろう。しかし、彼女は鍛冶師であると同時にハンターでもある! ……とは、本人の談。
小さな身体に似合わず、ハンマー使い。武器は『アイアンストライク』という鉄製の鎚。防具はベリオ一式。可愛い。
リリーとサニーは相変わらず『真ユクモノ弓』。まぁ、上位に上がるまではそのままだろう。防具も前と変わらずジンオウガ一式とナルガ一式。……今更だけど、サニーのナルガ一式って、2ndG時代のものの様な気がする…。
セツナはいつも通りドーベル一式とホーリーセーバー。早く武器変えろと思う。今度プレゼントしてあげようかな。ツインチェーンソー(笑)とかどうだろうか。いや、冗談だけども。
俺はというと、攻撃力を追求した弓のセット装備。
武器:ファーレンフリード
頭 :シルバーソルキャップ
胴 :天城・覇【胸当て】
腕 :シルバーソルガード
腰 :シルバーソルコート
脚 :シルバーソルレギンス
護石:王の護石
発動スキルは『見切り+2』『攻撃力UP【小】』『弱点特効』『集中』『通常弾・連射矢UP』。
ファーレンフリードは攻撃力245(武具玉ブースト済)、会心率は15%。曲射は集中型で、溜め攻撃は1段目から『貫通Lv2』『貫通Lv3』『連射Lv3』『連射Lv4』である。『見切り+2』によって会心率は35%となり、『弱点特効』によって弱点部位に当てた際の会心率が+50%。合計会心率が85%という意味不明な数字を弾き出す。
しかし、見切りが+3に出来なかったのが悔やまれる。もし実現出来れば最大会心率が95%。弱点部位に当たれば、ほぼ確実に会心が出る。でも現状の護石じゃあ+2が限界だったよ…。残念無念。また火山へ採掘でもしに行こうかな。
オトモアイルーを連れているのは俺だけで、今回は魔理沙と霊夢。武器は2匹共『覇剣ネコカムトルム』、防具は相変わらずニャン天一式。服だから抱っこした時にゴツゴツしないのがニャン天の良いところ。デザインした人、マジグッジョブ。
アイテムもいつも通りきっちり持ってく。
回復薬 10
回復薬グレート 10
強走薬 5
クーラードリンク 5
ホットドリンク 5
秘薬 2
いにしえの秘薬
力の護符
力の爪
守りの護符
守りの爪
ペイントボール 99
閃光玉 5
こやし玉 10
モドリ玉
ピッケルグレート 5
上記の常備アイテムに『黄金ダンゴ 5』『釣りフィーバエ 10』『ツチハチノコ 10』。この3種類のアイテムは、他4名にも渡してある。
更に調合書入門編、初級編、中級編も持っていく。こんだけ準備すりゃあ、すぐに終わるだろ。人数も5人だし。
そして、忘れちゃいけないのが『肉焼きセット』。これは狩り祭り以後に常備する様になった。狩り祭りの時は本当に空腹が辛かったからな…。これがあれば、ガーグァとかアプトノスとか適当なモンスターを狩って肉を食べる事が出来る。
ゲーム時代は全く使わなかったけど、こっちの世界に来てからはハンターの必需品だというのを理解した。
「さて、今回の私達の目的は黄金魚を30匹納品する事だ。エリア10番での釣りになる。しかし、ユーカから聞いた話だと、孤島には大型モンスターが集まっているらしい。その中でもリオレウスとリオレイアとジンオウガが現れた場合は私とセツナで対応するが、その他のものについてはみんなで囲ってリン
……特に無いらしい。
「じゃあ、出発しようか」
まず、先にリリーとサニー、レベッカの3人に出発してもらい、少し遅れて俺とセツナが出発。
…こうしないと、また瞬間移動の事を言及されかねないからね!
以下どうでもいいおまけ。
エクシア先生の質問コーナー。
レベ「はいはーい!」
エク「はいレベッカ君」
レベ「バナナはおやつに入りますかー?」
エク「おやつに入ると思えば入るし、入らないと思えば入りません。因みにおやつは300zまでです」
リリ「はい」
エク「はいリリー君」
リリ「釣りに使うルアーはスピナーベイトですか? それともラバージグの方が良いですか?」
エク「バスフィッシングじゃなくて黄金魚を釣りに行くので黄金ダンゴを使って下さいねー。っていうかそんな専門的な事言っても読者の方は解らないですからねー」
サニ「…先生…トイレ…」
エク「先生はトイレじゃありません」
レベ「ドクシャ…? の方とは何の事なのですかー?」
エク「毒を操る者の事です」
リリ「ドーモ、エクシア=サン。リリーです」
エク「それはニンジャですよ、リリー=サン」
レベ「ニンジャとは何の事なのですかー?」
サニ「…刀一本のみで…あらゆる敵を斬り伏せる…
エク「それはサムライでござるよ、サニー=サン」
セツ「あんたら、何言ってんの…?」
エク「暇を持て余した」
リリ「ハンター達の」
サニ「…遊び…」
レベ「なのです!」
セツ「………」
オチはない。