半人半霊の魔法界生活   作:くるくる雛

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どうも皆さんくるくる雛です。
まずは一言…半年間活動せずにいてもうしわけございませんでした。
今はそれだけ申して、活動しなかった理由は後書きにて説明いたします。

少々今までだらだらとやりすぎてしまいましたので今回は余分な話をカットして投稿します。
そして物語は加速する…!
それでは今回もどうぞ!



第八話 少女、事態を把握する

「ただいま。」

「あら、おかえりなさい。何か見つけることはできたかしら?」

 

お母さんはそう言って私の方を振り向くが、私は小首を振って返した。

するとお母さんはそう、残念ね。とだけ言うとまたテレビに視線をもどした。

クリスマス当日、私は図書館に行きまたあの赤石の事を調べていたのだが特に収穫を得ることはありませんでした。

…いや、名前だけで調べること自体がおかしいんでしょうけど、魔法界の偉人まで名前順に並べられている訳でもないでしょうし。

 

「うーん、やっぱり名前だけで探すのは無理があるのかな…」

 

そう言って私は日本文化の極み、冬にはコタツの流儀に従ってコタツに入るとお母さんが入れてくれたお茶を飲んだ。

そして、私が一息吐いた所を見計らってお母さんが口を開いた。

 

「そうねぇ、魔法界の人間となると歴史書なんかにはのってないものねぇ。」

 

それから少しの間お茶を飲むだけの沈黙が流れる。

魔法界ではお母さんに茶葉を送ってもらう以外の方法では手に入らない緑茶は久しぶりにのんでもやはり美味しい。

少し逃避気味にそんなことを考えているとそうねぇ、とお母さんが口を開いた。

 

「貴女が調べている人は本当に魔法界の人なのよね?

「うん、ハグリッドが名前をしっていたし多分そうだと思う。」

「それを人間界で探すなら図鑑で探すよりもいい方法があると思うの。」

「いい方法…?」

 

頭に疑問符を浮かべながら私が聞き返すとお母さんは優しく首を縦に振って続く言葉を話す。

 

「妖夢、魔法は人間界ではどんな扱いかしら?」

「え?えっと…様々な言い方があるけど言うなら幻想かな?」

 

私の言葉を聞くとお母さんは満足そうに頷いた。

 

「そう幻想、つまりファンタジー、こちらでは空想の域をでないもの。つまり空想で探せばいいのよ。」

「空想で探す…そうか!」

 

お母さんの言葉の意味を把握すると、私は立ちあってすぐさまもう一度探し物を始めようと頭のなかで算段をつけた。

 

「ふふっ…どうやら探し方は見つかったようね。」

「うん、ありがとうお母さん!私、ちょっとでかけてくるね!」

「おゆはんまでには戻るのよ~」

「わかってるー!」

 

私は玄関で靴を履きながらお母さんに返答をし、自転車に乗ってガレージから飛び出すとまた図書館へと向かう。

図書館までは歩いても10分もかからない距離だが、私ははやる気持ちを抑えれずに自転車を全速力で飛ばす。

そうして図書館についた私はすぐさま館内に滑り込み、空想本などが置いてある棚から実在、空想の魔法使いと書かれた本を抜き出して図書館に設置されている机に広げた。

しかしそこにもフラメルという名前は記載されておらず、私は落胆した。

だがすぐに私はもうひとつの考えが脳裏に浮かび、実行にうつす。

 

「確かハグリッドがニコラスフラメルとダンブルドアの秘密と言っていた…なら!」

 

そしてどうやらその考えはあたりであったようで、その本の中からニコラスフラメルの名を見つけることに成功した。

 

「アルバス・ダンブルドア、実在空想のどちらかの区別はついていないが最強の魔法使いの一人とされる。ニコラスフラメルが作ったとされる賢者の石の制作に関わったとの逸話もある…賢者の石?」

 

賢者の石って確か前にハーマイオニーが私の代わりに図書館で借りてもってきくれた本にのってましたよね。

確か卑金属を黄金に変えたり永遠の命を手に入れる媒介になったりだったような気がします。

…なるほどあれを作った人だったのですか。

 

「で、共同制作したニコラス・フラメルから受け取りダンブルドア校長がホグワーツに隠したといったところでしょうか。」

 

だとしたら何故ホグワーツに隠したか、ですが…

ホグワーツに隠す…隠すということは何かから守ろうとしている。

ダンブルドア校長が石を隠しているということはつまりダンブルドア校長が何かから守ろうとしているわけで、逆に言えばダンブルドア校長が守らないといけないくらいの相手ということ…?

私はそこまで思考を進めると、ある一人の人間を思い出す。

 

「ヴォルデモート…?」

 

そう、魔法界では名前を呼ぶことすら恐れられ、ハリーに倒された闇の魔法使い。

彼なら確かに賢者の石を欲するかもしれませんが…さっきも言ったとおりに彼はハリーに負けて死んだとまで言われています。

ということは本人以外の誰かが狙っていることになりますが…流石にこれは考えてもわかりませんね。

 

「仕方ないですね、マグルの世界でこれだけわかっただけでも良しとしましょう。」

 

そう納得すると私は本を棚にもどし帰路につくのでした。

 

 

 

 

 

「ハーマイオニーあけましておめでとうございます。」

「あ、妖夢じゃない、あけましておめでとう。クリスマスはどうだった?」

「ええ、久しぶりの故郷はよいものでした。それよりもクリスマスプレゼントありがとうございました。」

「妖夢こそあんな最高のプレゼントをありがとう!でも変わったアロマキャンドルだったわね。あなたの国のアロマキャンドルは粉なの?」

「ええまぁ、一応棒状のものもありませけどね。」

 

…お墓でつかったりとか夏の虫を落とす目的ですが。

そんな話をしながら私とハーマイオニーは空いているコンパートメントに入ると早速とばかりに席に座り、例の件についての話を始めました。

 

「それで妖夢はあの犬が守っているのがなにか…って愚問だったわね、流石に人間界じゃなにも…「わかりましたよ」えっ!?それってなに!?というかどうやって調べたの!?」

 

私が石についてわかっていると発言するとハーマイオニーは急に身を乗り出し、私の肩をガクガクと揺らしながら質問攻めをしてきました。

というかま、待ってそんなに揺らされたら頭が・・・!

私は幾ばくかの気持ち悪さを感じてどうにかハーマイオニーの手をつかんで方からはずさせ、少しふらつく頭を押さえながら返答を返しました。

 

「あぅ…え、ええとまず調べ方ですが、これは私のお母さんに教えてもらったやり方なんだけどファンタジー物の考察本をしらべたんです。」

「ファンタジー…あぁ!そうよ!マグルの世界なら魔法はファンタジーになるじゃない!」

 

その話を聞くとハーマイオニーは盲点だったわと少し悔しそうに顔をしかめながら呟きました。

 

「ええ、そして考察本の魔法使いなどの項目を調べたのですがそこにもフラメルの名前は載っていませんでした。」

「そう…でも守っているのがなにかわかったっていってたわよね?それはどうやってしらべたの?」

「それはハグリッドの言葉をヒントにまずダンブルドアでしらべたんです。そしたらそこにニコラスフラメルとの共同製作というのがかかれてましたので。」

「そっか、ハグリッドの言葉もヒントになったのよね…もう、あたしったら何でそんなことにもきがつかなかったのよ!」

「まあまあ…それで共同製作の内容ですが、どうやら賢者の石というそうで、賢者の石は以前ハーマイオニーが借りてきてくれた本に乗っていましたのですぐにわかりました。」

 

そういいながら私は休みの間に本の内容を思い出しながら書いた賢者の石に関するメモを取り出すと、ハーマイオニーはそれを引ったくるように私の手元から取り、すぐに読み始めます。

 

「なるほど…これほどのものならダンブルドア先生が自ら守ろうとするのもうなずけるわね。」

「はい、そしてそれを狙うものがだれかなのですが…ダンブルドア校長が直々に守るとするなら…」

「…名前を言ってはいけないあの人ってわけね。」

「はい、ですがヴォ…例のあの人自身はハリーに負けて死んだとされています。なので彼を蘇らせたい人と考えるのが妥当ではないかと。」

 

そうして私たちは考察を重ねながらホグワーツまでの時間をすごしました。

 

 

 

 

 

時は飛んでホグワーツでの日々がまた始まって数週、グリフィンドールにとってこれ以上なく大事なクィディッチの試合の日がやってきた。

肝心のハリーの様子は相変わらずで、前回のクィディッチの時同様緊張から体が震えたりとしていますがそれは暗に前回のスーパープレイで天狗になってたりはしていないという証拠になりますので私は特に心配もせずにロンとハーマイオニーとともにネビルの隣に座ると試合開始時間までのんびりと過ごしました。

…ロンとハーマイオニーはなにか拘束用の魔法を復習してたりもしていましたが。

 

「そういえば妖夢は選手控えにいなくていいの?」

「ええ、ウッドさんの作戦でして。控えのプレイヤーをなくして背水の陣にして皆のやる気を上げようというはなしだそうで。」

「そんなことをしても無駄なのにね。」

「アイタッ」

 

私が二人に説明をしていると割って入るかのように背後から話され、その声の主はロンの頭をこづきながら平然とした顔をしていた。

 

「ああすまないウィーズリー、気が付かなかったよ。」

 

そういいながらマルフォイさんはいつもの取り巻きの二人にニヤリと笑みを返していました。

…ある意味ここまでふてぶてしくいられるのも一種の才能でしょうか?

そんな少し的外れなことを考えているとまたマルフォイさんはニヤリと笑いながら口を開きました。

 

「そうだ、ポッターがどのくらいホウキに乗っていられるかだれか賭けをしないかい?ウィーズリーはどうだい?」

 

マルフォイさん告げるとロンはその問いに答えず、試合のスネイプ先生の裁定について注視していました。

ロンはいつもなら挑発に乗るのですが…試合に注目していて聞こえなかったのでしょうか?

その後もスネイプ先生がグリフィンドールに対し、明らかに不利になるようにペナルティーを与えてるいるのをみたところでまたマルフォイさんが口をひらきました。

 

「そうそう君たち、グリフィンドールの選手がどんな風に決められているのかしっているかい?」

 

そう告げるマルフォイさんの言葉に私は明確な意識はむけずとも、耳だけは情報をとらえようとする。

一応自分も選手なので何かしらの伝統などで選手が決まっているのであれば少し興味があるからだ。

もし、なにかそういう伝統があるのであれば私も守らないといけませんしね。

そう考えながらぼんやりと聞いているとマルフォイさんは答えを口にした。

 

「気の毒な人が選ばれてるんだよ。」

 

その答えを聞いた瞬間、珍しいことにネビルが赤い顔のままマルフォイさんに食って掛かり、ロンさんもそれに加勢して取っ組み合いとなりました。

そこにグラップさんとゴイルさんも加勢しようとしましたが私は2対3になるのは不公平だと考え、私はゴイルさんに視線をむけるとコンッと刀で軽く椅子を叩き威嚇して加勢をくいとめました。

そしてそんなことをしている間にハリーは急降下ダイブでスニッチを獲得するという離れ業でゲームを終了させていました。

 

 

 

 

 

そんな試合から数週間、ダンブルドア先生が隠しているものが賢者の石と判明したり、グリフィンドールの点数一夜にして大幅にひかれていたりと色々ありましたがいまだ隠している物は盗まれたという様子はなく私は比較的穏やかに過ごしていました。

しかしながら私は毎日賢者の石の事を考えているとひとつだけ引っかかることがありました。

いくつか偶然が重なった結果とはいえ、あまりにもあっさりと隠しものが賢者の石であること、隠している場所がわかってしまったことです。

私は実体験としては知りませんが校長先生は魔法界に名が知れ渡るほどの偉人です。そんな人が情報戦の重要性が解らないとは思えません。

ですが、もしわざとわかりやすくしていると仮定すれば…

 

「そっちはブラフで別の隠し場所がある…?」

 

もしこれが本当だとすればひとつだけ心当たりがある。

けれど確信にはいたらず、私はひとまずこの考えを流し、妖精の魔法の授業へと向かおうと脇道にそれた瞬間に声がきこえてきました。

 

「…では本日に…?」

「そうだ…今日こそあれを手にいれるのだ。」

 

片方はあまり特徴のつかめない男性の声、もうひとつはかすれたかのようなまとわりつく声がした。

しかし、そのかすれた声は聞くだけで何故か悪を感じるものでした。

…こんな人目につかないようなところで名前を指さずにアレと表現するものですか。

…タイミングを考えると十中八九賢者の石でしょうね。

もしくは賢者の石に匹敵するなにかの可能性もあるが、おそらく今の私のもつ情報内では賢者の石が的確でしょう。

そんなことを考えながら私はすぐ逃げ出せるギリギリの距離を保ち、声の聞こえる方へにじりよりました。

 

「…なるほど、流石かの魔法使いですね。」

 

私が慎重に近寄っていた間に話が進んでいたようで、前後の話が繋がらなくなってしまいましたが、それでも少しでも多くの情報を集めようと耳を傾ける。

どうやらこの声は女性のようです。

 

「あぁ…必ず二つの石を手にいれるのだ。」

 

二つの石…もしかしてさっき私が考えていた賢者の石は二つあるというのはあっている…?

それに今の女性の声は…

いえ、考えるのは後にしましょう。

ある程度情報を聞けたならバレる前に離れるべきですし。

 

 

 

 

 

「よし、こんなものでしょうか。」

 

私はできる限りの装備(杖と刀)を準備して靴を履き、コツコツと音をならして履き心地を確かめる。

うん、どうやらいつもとかわりない履き心地だ。

 

「私がするべきことは賢者の石…それも外の石の回収。」

 

自分に言い聞かせるように呟くと私はグリフィンドールの寮をでる。

私の考えたところ、賢者の石はふたつある。

そしてその隠し場所は内と外に一つずつ、内の賢者の石は以前ハリーが入ったというケルベロスのいる部屋でしょう。

だがそちらにはハリー達がこっそりと出ていくのを見つけまじたので大丈夫でしょう。

ならば私はもう一つの石を回収するべきでしょう。

そしてそのもうひとつは…

 

「…やっぱりここですよね。」

 

そう呟いて私は予想を確信にかえる。

そう、外の賢者の石は以前ハグリッドに城送ってもらった時にマダム・フーチがこそこそと何かをしていた場所だった。

思えばあのときも怪しい行動はとっていた。

フィルチさんがいるにも関わらずあの人は見回りをしていると言った、それはよく考えればおかしいことなのだ。

そんなことを思いながら石垣を探るとパッと見ではわからないように岩のくぼみに紐があり、それを引っ張ると石垣が動いて入り口ができる。

 

「…いきましょう。」

 

私は自分に言い聞かせるようにそう呟いて刀を腰に装備して入り口へと入り、薄暗い一本道となっている階段を上がって行く。

コツン、コツン、と歩くたびに音が反響して嫌が応にも警戒をさせられる。

相手に聞かれてはいないだろうか、逆に相手の足音は聞こえないだろうか。

私は注意を解くことなく、まるで城を縫うように作られている階段を上っていくと少しだけ開いた空間にでる。

しかしその場所は誰かが戦っていたのかところどころ弾痕のようなものが多々あり、ひどいものではクレーターと言えそうな穴まで空いていた。

 

「これは誰が…っ!?」

 

瞬間、何か動くものの気配を感じて私は刀に手をかけてそちらを向く。

するとそこにはこんな薄暗い空間にいるには似つかわしくない鮮やかな小金色の髪を持ち、ところどころ破けているフリルのついた赤い服を着た少女がたたずんでいた…




今回もお読みいただきありがとうございました。
それでは早速前書きにて言っていた活動しなかった理由は…就職活動してました。
はい、よくあるつまらない理由ですね。
しかしながら就職活動も一段落致しましたのでまた細々と活動を開始いたします。
よろしければこれからもどうかお付き合いいただけると幸いです。
それではまた次回!

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