半人半霊の魔法界生活   作:くるくる雛

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どうも皆さんくるくる雛です。
1ヶ月程度で更新できて何とかホッとしています。
本来ならばそんなに更新できないと思っていたのですが…不思議です。
それでは今回もどうぞ!


第3話 少女、組み分けを体験する

ツタのカーテンを船団が一斉に潜ると地下と思われる場所の岩と小石でできた船着き場に到着した。

そして皆が一斉に狭い小舟から飛び降り、各々体を曲げたり背伸びをしたりして大地の安定感を感じている。

そんな時に先ほど駅からここまで私達を先導してきた大男が一人の少年に近づき、手のひらにのったカエルをその少年に差し出しながら言った。

 

「ホイ、お前さん!これ、おまえのヒキガエルかい?」

「トレバー!」

 

そう叫ぶとその少年は大喜びで手を差し出しカエルを受け取った。

カエルを無くしていたということはおそらく彼が列車の中でハーマイオニーが言っていたネビルという人なのでしょう。

…まぁ、ホグワーツ生がよくカエルを無くす特殊な人たちでなければですが。

そのようなことを考えているうちに例の大男が樫製の大きな扉の前に立ち、その背丈同様に大きな拳で城の扉を叩いていた。

するとその大きな扉が少しだけ開き、そこにはエメラルド色のローブを着た背の高い黒髪の魔女がたっていた。

 

「マグゴナガル教授、イッチ()年生の皆さんです。」

「御苦労様ですハグリット、ここから先は私が請け負いましょう。」

 

そういうとその女性…マグゴナガルと呼ばれた人は扉に手を触れずにその大きな扉を全開にして私達新入生を中へと招き入れた。

玄関ホールに入ると周りから歓声の声が沸く。

おそらく玄関ホールの広さ等のせいだろうが私からすると普段からあの白玉楼の広い家に住んでいるので特に感動は無く、皆が固まってるこの瞬間を利用して生徒を見渡すと視界の端にハリーとロンを見つけることに成功して自身の小柄な体を利用して人ごみをぬうように移動し、二人の側へと移動した。

 

「お二人ともちゃんとまにあったんですね。」

「あ、うん。ちょっと危なかったけどなんとかね。」

「あんなにお菓子を広げるからですよ、そもそも食べ切れないならどうして買ったんですか…」

「あはは…ついね。」

 

そして皆の驚きの声が静まるとマクゴナガル先生からの説明話が始まった。

 

「皆さんまずはホグワーツへの入学おめでとうございます。これより新入生の歓迎会が始まりますが、皆さんが入る寮を決める組み分けの儀式をしなければなりません。この儀式はとても大切なもので、ホグワーツにいる間はその寮にいる人が皆さんの友人であり家族となるのです。教室でも寮生と共に勉学をし、寝るのも寮、自由時間は良の談話室で過ごすことになります。」

 

そこまでを一息に言いきり、次にそのマクゴナガル先生は寮についての話に移る。

 

「そしてその寮は4つあり、それぞれグリフィンドール、ハッフルパフ、レイブンクロー、スリザリンという名です。それぞれの寮に輝かしい歴史があって、偉大な魔法使いや魔女が卒業していきました。ホグワーツにいる間は皆さんの良い行い次第で寮へと得点が入り、また罰則を破ったり良くない行いをすれば寮の点数が減点されます。そして学年末には最高点数を叩きだした寮に大変名誉ある両杯が与えられます。どの寮に入るとしても皆さん自分に恥じない行いをするように望みます。」

 

長台詞を連続で話したことで少し疲れたのか先生はふぅ、と息を吐くと私達に対して身なりを整えて待つように指示を出して少し奥にある全校生徒が集まってるかと思うほど騒がしい部屋へと入っていった。

 

「組み分けの儀式ですか…一体何をするんでしょうか。ロンは知っていますか?」

「多分試験みたいなものじゃないかな、前に僕の兄さんのフレッドに聞いたんだけどすごく痛いって言ってた…たぶん冗談だと思うけど。」

 

試験ですか…皆ここに魔法を学びに来てるのにいきなり魔法をつかえ、なんて試験はありえないでしょう。

ならば一般常識とかなのでしょうか…うーん、魔法界の常識が人間界と違うならば自信はありません、でも…

 

「きっと試験ではないのでしょう。」

「どうしてそう思うんだい?」

「だって今から歓迎会をするのであれば寮決めにそんなに時間をかけられません。そうなってくると時間のかかる試験は合わないんです。」

「なるほど、なら妖夢は一体なんだと思うんだ?」

「え?いや、えーと、その…」

 

私がここまで言っておいてなにも言えないというのも恥ずかしいので何か言わないといけない、と必死に頭を動かしていると後ろから悲鳴が聞こえ、反射的に袋の中の刀を取れるように手を構えながら後ろを向くとそこには10を用意に超す数のゴーストがそこらじゅうを漂っていた。

それをみたハリーはおどろきに30センチばかり宙に跳びあがってしまい、ほかの生徒たちからは次次と悲鳴が鳴り響いた。私?私はいつも半霊がそばにいるから多少は慣れてます。

 

「いったい…」

 

皆はそのまま驚いた状態で固まっていたがおかげで悲鳴も鳴り止み、ゴースト達の議論する会話が耳へと届き始める、

 

「もうゆるしてやったらどうです?そしてもう一度だけチャンスを与えてあげるのです。」

「修道士さん、我々はこれまであいつに十分すぎるチャンスを与えました、しかし結果は記憶にある通りだ。あいつは我々の面汚しですよ――おや、皆さんこんなところで集まって何をしてるんだい?」

 

ひだがある襟の付いたゴーストが私達に問いかけますが私以外誰も驚きで微動だにせず、私は特に危険がないことを察すると刀に伸ばしていた手を戻し、袋の縛り口をしっかりとしめなおしてまた肩へと背負いなおした。

そして修道士のような服を着た太ったゴーストが私のその様子をみていたようで、私へとふわりと近づいて話かける。

 

「ふむ、新入生じゃな。これから組み分けされるところかな?」

「えぇ。そういえば皆知らないようなのですが組み分けってどうやって決めるのですか?」

 

修道士に対してずっと気になっていた疑問を問いかけるとさっきまで周りで固まっていた人たちが一斉に私と修道士の会話に耳を傾ける。

その様子をみつめた修道士は苦笑いしながら困ったように答えを返した。

 

「残念じゃがそれについては答えてはいけんことになっとるんじゃよ。じゃが…ふむ、主とはハッフルパフで会えるとよいな。わしはそこの卒業生じゃからの。」

 

それじゃあの、と言ってそのゴーストは部屋から壁をすり抜けて去って行き、入れ替わるかのようにマクゴナガル先生が巨大な扉を開けてホールへと入ってきた。

 

「それでは皆さん、まもなく組み分け儀式がはじまります。さぁ、二列になって私についてきてください。」

 

マクゴナガル先生の導きに従って皆が二列に並び始め、私もそれに従って並ぼうとすると横にいるハリーがまるで足が急に重くなったかのようにその場で立ち止まって動かなかった。

おそらく緊張のせいでしょう。

 

「ハリー、そんなに緊張せずに行きましょう。ここに来たからはいきなり帰れなんてこともないでしょうし。」

「うん、そうだね…ありがとう妖夢、同じ寮になれるといいね。」

「そうですね、ですが他の寮になったとしてもまた話ましょうね。」

 

そういいながら二重扉を潜って大広間に入るとそこまでハリーと話しあっていた私は急に言葉を失ってしまったかのように部屋を眺めてしまう。

その部屋の空中を見るとそこに屋根は無く、代わりに星空が映され、何千というロウソクが空中に浮かび一つ一つは柔らかく弱い光を放っていて幻想的な風景を見せ、地上を見るともはや何故作ったのか訝しむほどの長さの長テーブルに上級生がずらりと並んで机の上には金色のゴブレットとお皿が並んでいた。

私達はその圧倒的な光景に目を奪われながらも前に進むマクゴナガル先生に従い汚らしいつぎはぎだらけの帽子の置かれた椅子の前まで進んだ。

…あの帽子なんなんだろう。

そんなことを考えていると急に帽子の口?が開いて歌のようなものを口ずさみはじめた。

 

私はきれいじゃないけれど

私を凌ぐ賢い帽子

あるなら私は身を引こう

山高帽子は真っ黒だ

シルクハットはすらりと高い

私は彼らの上を行く

私はホグワーツ組分け帽子

かぶれば君に教えよう

君が行くべき寮の名を

 

グリフィンドールに入るなら

勇気ある者が住まう寮

勇猛果敢な騎士道で

ほかとは違うグリフィンドール

 

ハッフルパフに入るなら

君は正しく忠実で

忍耐強く真実で

苦労を苦労と思わない

 

古き賢きレインブンクロー

君に意欲があるならば

機知と学びの友人を

必ずここで得るだろう

 

スリザリンではもしかして

君はまことの友を得る?

どんな手段を使っても

目的遂げる狡猾さ

 

かぶってごらん恐れずに

君を私の手にゆだね(私に手なんかないけれど)

だって私は考える帽子

 

歌が終わると広間にいた全員が拍手喝采をした。

今のはそれぞれの寮の説明なのでしょうか。

でもそうだとしたらテストで決めるわけではないという予想は当たっていそう等と考えているとロンが私とハリーに向かい囁いた。

 

「僕たちはただ帽子をかぶればいいんだ!フレッドのやつトロールと戦わされるなんていいやがって!」

 

私とハリーは憤慨するロンに対し曖昧に微笑むことしかできなかった。

ふむ、確かに帽子を被るだけならそんなに時間はかからないしいいかもしれませんね。

と、組み分けの儀式の仕方に納得しているとマクゴナガル先生がとても長い羊皮紙を手にして椅子のそばへと立ち、一人一人生徒の名前を呼び始める。

 

「アボット・ハンナ!」

 

マクゴナガル先生がそう叫ぶとピンクの頬と金髪のおさげが特徴的な少女が転がるように前にでる。

どうやらランダムではなく、名前順のようだ。

 

「ハッフルパフ!」

 

帽子が女の子の寮を宣言すると右端のテーブルから歓声が上がり先ほどホールで出会ったふとった修道士が嬉しそうに手を振っていた。

 

「十六夜咲夜!」

 

次に先ほど船で同席だった咲夜の名前が呼ばれてどこの寮に入れらるのか気になって少しだけ耳から聞こえる情報に集中して聞き逃さないようにした。

しかし今度は直ぐに寮の名前は響かず、代わりに帽子が少し悩んでいるうめき声がこちらに届いた。

 

「む、これは…勇気も忠実さも兼ね備えて学びに対する意欲もある…だが野心はあまりない…ふむ、ならばレイブンクロー!」

 

そう高らかに宣言されるとこともなげに咲夜は帽子を脱いで椅子に置くと見るものを魅了するように歩いて歓声に沸くレイブンクローの席へと着席した。

ふむ、咲夜はレイブンクローですか。私はどこに配属されるのでしょうか…

等と考えている間にも次々と順番は進みハーマイオニー、ロンの二人がグリフィンドール、魔理沙がレイブンクローに選出され、次に私の番へとなっていた。

 

「魂魄妖夢!」

「はい!」

 

その呼び声に答えて前に出ると全校生徒からの視線が私に向けられ一気に自分が緊張しているのが自覚でき、そのせいで余計にあがってしまった。

それでも椅子のもとまで歩いて震える手で帽子を被ると、帽子から声が聞こえ、ついビクリとしてしまった。

 

「ふむ、君は東洋人じゃな。今年は東洋人が複数人とは珍しいのう。さて…勇気があり、勤勉さも兼ね備えているが…信念が強いとなると…グリフィンドール!」

 

帽子は高らかに私のこれから過ごす寮を宣言した。

すると私を歓迎してくれるグリフィンドールからの歓声が少し騒がしくも私を優しく迎え入れ、あれよあれよと席に座らされた。

そして椅子についたことによって緊張も少しづつはれていき、その間に組み分けの儀式が終わって教員席の一番中央に鎮座していたとても長い白いひげが特徴の老人が立ち上がり、腕を広げて喜の表情を前面に押し出した顔で私達を見つめた。

 

「皆!ホグワーツの入学まずはおめでとう!小難しい話は後にしてまずは二言三言だけ言わせてもらおう。では、いきますぞ。そーれ!わっしょい!こらしょい!どっこらしょい!以上!」

 

言い切るとその教師は席について出席者全員が拍手し、喝采をあげた。

魔法界と人間界とでは笑いのツボのようなものが違っているのでしょうか…

 

「妖夢、少しあの人おかしくないかい?」

 

と、ハリーが小さな声で私に聞くと側にいたパーシーさん(グリフィンドールの椅子に来たときに寮監の名前だけ聞いていた)がハリーの言葉を聞いたのかなにやらウキウキしながら割り込んできた。

 

「おかしいだって!?あの人は天才だよ!世界一の魔法使いさ!でも確かに少しだけおかしいかもしれないな。君、ポテトでも食べるかい?」

 

ポテト?といいますかそれはどこから取りだしたのでしょうか?

そう思いながら視線をパーシーさんから机に戻すと先ほどからあった金のお皿の底が見えなくなっており、代わりに山盛りの食料でいっぱいになっていた。

 

「わぁ…すごい料理。」

「うん、僕こんなごちそう食べたことないよ…」

 

そういうと私もハリーも目の前にある大皿から好きな料理をとりわけ食べ始めた。

ローストビーフにローストチキン、ポークチョップにラムチョップ、ソーセージやベーコンに厚切りのステーキ、ゆでたポテトに揚げた物や焼いた物、豆類にサラダやヨークシャープディング、そこになぜかハッカ飴が一緒に置かれていた。

…食事にハッカ飴?口直しにでも使うのでしょうか、それにしては大きすぎるような気がしますが…?

隣を見るとハリーもハッカ飴以外を皿に移していた。

…そんなに一気に取らなくてもいいと思うのですが。

まぁ、ご馳走を食べてるときに小さなことを気にするのも無粋ですね。

自身の考えを軽く流して小皿に移したローストチキンを小さく取り分けて口に運ぶと、その柔らかさとジューシーさに驚いてしまった。

その味に調子づいた私は他にも小分けにしては口に運び、そのおいしさに舌鼓をうちながら周りを見渡すと先ほど入り口でみたゴーストたちが其処此処に現れていた。

どうやらこのゴーストたちも私達を歓迎してくれているらしく新入生に対して話しかけていた。

…このゴースト達なら半霊と話したりすることもできるのでしょうか?

そんなことを考えながらハリーと話したり食事を進めたりして夕飯を食べ終えたころにお皿の上から料理が消え去り、一瞬綺麗な金の皿の底が見えたかと思うとすぐさまデザートで埋め尽くされた。

ひとつひとつが綺麗に盛り付けされていてたくさんたべたはずなのについつい手を出してしまう。

 

「むぅ…私が作るよりおいしい…」

「ん?妖夢って料理できるの?」

「えぇそれなりにはできますよ。たとえば…」

 

そう言ってナイフとイチゴを手に取ると苺の先っぽの方を少しずつ切り始め、チューリップと薔薇の形、それにスライスしたタイプの薔薇の飾り切りをハリーの目の前に置くとハリーとその様子を見ていた何人かのグリフィンドール生から小さな歓声があがった。

そんな中、ハリーはまるで宝石を見るかのように私が切った苺をみていた。

 

「君ってとても器用なんだね。」

「これは器用というよりも慣れですよ。本当に器用さが必要になるのは…」

 

そういいながら林檎を手に取ると先ほどよりも少し時間をかけて細工していき、リンゴでできた白鳥を完成させた。

 

「こういうものですよ。」

「わぁ…すごい。僕こんなきれいな切り方見たことないよ。」

「それはどうもありがとうございます。本当はもう少し色々できるのですが他に食材が無いと無理ですね…」

「これでも十分すごいのにまだほかにもできるのかい!?」

「ええ、機会があればまたお見せしますね。」

 

そういうと私は白鳥を皿に載せて端へと置くと先ほどからずっと気になっていた糖蜜パイを皿に取り分けるとすぐさま口へと運んだ。

ふむ、名前的に甘ったるいのかとおもってましたが案外程よい甘さなんですね。

糖蜜パイの美味しさに舌鼓を打って少しだけ幸せ空間に浸っているとロンのお兄さんのフレッドさんが先ほどの白鳥の形に切ったリンゴが乗ってあるお皿を手に取って私へと話しかけた。

 

「そこのお嬢さん、君が作ったこの白鳥をお借りさせてもらうよ?」

「え?あ、ロンのお兄さんでしたか。どうぞ、別にかまいませんよ。」

「よ~し、それじゃあ…いくぞジョージ!」

「よしきた、フレッド。」

 

言うが早いかフレッドさんは林檎に杖を振ったかと思うと皿の上から林檎を弾きジョージさんの方へとなげてしまった。

 

「え、ちょっと何を…!?」

 

簡単とはいえ自信が作ったものを無碍にされたのかと言葉を発しかけるがその続きの行動を見てつい言葉を失ってしまった。

なんと林檎で作った白鳥が空を飛び、ジョージさんの元まで飛んでいったのです。

それをジョージさんはさも当然のように杖の先端で跳ね返すとその林檎は本当の白鳥となり少し飛んだ所をまた二人の双子が先端から魔法を放ち、その白鳥を炎でできたライオンへと変えて私達をもりあがらせました。

その後も私達は楽しく談笑を続けているととうとうデザートも消えてしまい、ダンブルドア先生がまた立ち上がった。多分またお話をするのでしょう。

…プリンもう少し食べたかったです。(発展したのはフランスのはずとかいう突っ込みはしないほうがいいでしょう。)

 

「コホン――さて、全員よく食べ、よく飲んだじゃろうから皆が眠くなる前にまた二言三言言っておこうかの。まずは1年生に注意しておくが校内にある森には入らぬように、これは上級生の…特に数人の生徒に注意しておこうかの。」

 

そういうとダンブルドア先生はフレッドさんとジョージさんの方に輝いた瞳を向けた。

…過去になにかしたんでしょうか。

 

「それと管理人のフィルチさんから授業の合間に廊下で魔法を使わないようにという注意がきておったの。あと、今学期の二週目にクィディッチの予選があるのでの。寮のチームに参加したいものはマダム・フーチまで連絡するとよかろう。」

 

そこまで言うとダンブルドア先生は表情を真面目なものにして最後に、と付け加えて言った。

 

「とても痛い死に方をしたくないものは今年中4階の右側の部屋に入らないことが賢明じゃ。」

 

…え?何故学校でそんな死に関する警告がされるんですか?

そう考えるもののすぐさま多分そこに生徒を近づけずにやりたいことがあるだけでしょうと考えを改め、監督生のパーシーさんにその考えを伝えると予想に反していや、と私の考えを否定して多分本当のことだ、と私に返した。

 

「でも変だ、いつもなら立ち入り禁止の場所がある時は理由を言ってくれる。森に関しては危険な動物がいるって皆知ってるから態々伝えるまでもないんだろうけど…せめて監督生には教えてくれてもいいのに。」

 

パーシーさんがどこか少し拗ねたように言うと一人で理由を考え始め、自分の世界に入ってしまった。

しかしダンブルドア先生の言葉はそのまま続き、どの学校でもマグルの学校でも大体が行うあの時間になった。

 

「それでは最後に皆で校歌をうたって寝てもらおうかなの。」

 

その言葉は本来教師達はにこやかな笑みで生徒たちの歌を聞くはずなのに何故か教師陣の顔が目に見えてわかるように強張っていた。

それに対して私は胸中で首を傾げるもののダンブルドア先生が杖を振り、空中に描かれた校歌を読むために思考を隅へと追いやる。

 

「各々好きなメロディーで歌ってくれい、では、さん、はい!」

 

そのダンブルドア先生の声に合わせて全校生徒が一切合わないメロディーで歌い始め…どう取り繕っても不協和音にしか聞こえなかった。

そして同時に先生方が微妙な顔をしていた理由も同時に理解することができた。

 

ホグワーツ ホグワーツ 

ホグホグ ワツワツ ホグワーツ

教えて どうぞ 僕たちに 

老いても ハゲても 青二才でも

頭にゃなんとか詰め込める 

おもしろいものを詰め込める

今はからっぽ 空気詰め 

死んだハエやら がらくた詰め

教えて 価値のあるものを 

教えて 忘れてしまったものを

ベストをつくせば あとはお任せ 

学べよ 脳みそ 腐るまで

 

………これ本当に校歌ですか?

精神になにか異常きたしてそうな歌なんですが…

しかしそんな曲でもダンブルドア先生は感激の涙を流して大きな拍手で返していた。

 

「やはり素晴らしい…!音楽は何にも、まさる魔法じゃ。さぁ、それでは諸君就寝時間じゃ。駆け足!」

 

その声に合わせ、パーシーさんが立ち上がり1年生を誘導すると大広間をでて大理石の階段を上がり始める。

私はそれについて行きながらも周りを見渡すとどうやら皆はお腹が膨れたことと疲労からかどこか眠そうな顔をしていた。

途中ゴーストのピーブスのいたずらにあったりとアクシデントはあったもののグリフィンドールの寮の入り口へと到着し、ピンクの絹のドレスをきたとても太っt…ふくよかな女性が描かれた扉が目に入った。

 

「それじゃあ、皆入り口の説明だけどレイブンクロー以外の寮は入る時には合い言葉を言わないといけないんだ。だから今から僕がいう言葉をしっかりと覚えておいてくれ。」

 

そういうとパーシーさんは絵の女性に話しかけて『カプート ドラコニス』と唱えると肖像画が前に開いて奥に部屋が続いていた。

皆早く寝たいのか我先にと部屋の中に争うように入ってあれだけいた生徒が素早くグリフィンドールの寮の中へと消えていった。

私はその光景を見終わった後にゆっくりと部屋の中に入るとそこは円形の部屋で、ソファーや肘掛け椅子などが置いてあって過ごしやすそうな部屋だった。

しかし今は消灯時間なのでここで話す時間はとられず、それぞれ男子寮と女子寮に別れてそれぞれの部屋に入った。

人数の関係か私の過ごす部屋はハーマイオニーと二人っきりで一部屋を使うことになった。

…天蓋付きのベッドですか。学生用としては中々豪華ですね。

それに各自の机も用意されていてどうやら過ごす分には申し分ない部屋のようだ。

 

「いい部屋ですけど…私達二人で使うには少し広いですかね?」

「あはは…そうかもしれないわね。だけど静かだしいいんじゃないかしら?」

 

確かに集中などをしたい時にはちょうどいいかもしれない…私だと瞑想もするし。

 

「それもそうですね、ところで皆は眠そうにしてましたがハーマイオニーはまだ眠くないのですか?」

「全っ然!寧ろまだまだ眠くないわ。だってこんな素晴らしい場所でこれから授業できるなんて…興奮で今日寝れるかどうかも怪しいわ!」

 

そういうとハーマイオニーは鞄から教科書を取りだすと読み始めようとする。

本当に本が、勉強が好きなようでその顔は輝いていた。

それに対して私は苦笑いしながら一応の注意だけをすることにした。

 

「あははは…でも寝ないと疲労で授業についていけなくなっちゃいますよ?」

「うっ…そ、それもそうだわ。でもこんな状況じゃ眠れそうにもない…妖夢どうすればいいのかしら。」

「そんなこと私に言われましても流石に直ぐに眠る方法なんて思いつきませんよ。」

 

刀のみね打ちで脊髄に衝撃を与えて神経を麻痺させ、気絶させるとかないわけではありませんが場合によっては死にますし後遺症も残ったりする可能性もあるので流石に危険なのでやりません。

そうしてハーマイオニーが寝る方法について考えていると脳が疲れたのかそのまま本当に寝てしまったので私も今日はもう寝ることにして明日からの生活を考えながら瞳を閉じるのでした。




今回もお読みいただきありがとうございました。
さて次回からは妖夢はいろんな授業を体験していきます。
そして皆さん大好きスネ●プ先生も登場!これから妖夢はどうなるのか!
それではまた次回!

(ツイッター始めました(くるくる雛でアカウント検索ででます)

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