ジュエリー REAL   作:ふたなり2

6 / 14


アクセスクールでいろはは結衣から雪ノ下と3人でご飯でも

食べに行かないかと誘われれ八幡も一緒に行こうと誘うのだが。








結衣の告白

 

 

 

「ねぇ、いろはちゃん今度の土曜日って空いてる?」

 

「へ?土曜日ですか?お休みです空いてますけど…(って言うか先輩のお店に来て彫金しに来る

つもりなんですけど…なんて結衣先輩には言えないなぁ)」

 

スクールでいつも隣に座る結衣先輩が尋ねてきた。

 

「あのね、ユキノンが帰って来ててご飯でも食べに行こうって事になったの。

それでヒッキーといろはちゃんもどうかなって。」

 

「わぁ~懐かしいです~是非行きたいです!あっ!先輩は行くに決まってますよね?」

 

「あはっ~それがね…」

 

 

「あっ?雪ノ下が帰ってる?そうか…まっ、『元気で頑張れよ』と言ってたと伝えてくれ

。俺は忙しいから行けない。」

 

「何でですか?久しぶりに雪ノ下先輩が帰ってきてるんですからみんなで、食べに行きましょうよ!」

 

「行きたければ一色と由比ヶ浜二人で行けばいい。」

 

「もぉ~何でそんなに嫌がるんですかもぅ~?」

 

「いいだろ俺の勝手だ…」

 

「そんな、せっかく結衣先輩が誘ってくれてるのに何で…」

 

「………」

 

「分かりました、結衣先輩と二人で行って来ますから後で来たいって言っても知りませんからね!」

 

「だから、いいと言ってるだろ?」

 

「分かりました!もう頼みません!」

 

 

スクールが終わった後、結衣先輩と喫茶店に入りお茶をしながら先輩の対応に悪口を

 

 

「先輩があんなに薄情者だったとは知りませんでした!がっかりです、せっかく結衣先輩が

誘ってるのにあんな言い方して鬼です、人でなしです、悪魔です、もう先輩なんか大嫌いです!」

 

「まぁまぁ、ヒッキーのは何時もの事だから怒らないでよ、いろはちゃん。」

 

「結衣先輩は怒らないんですか?全然興味なさそうに断って許せないです!」

 

「まだヒッキーは…」

 

「えっ?」

 

「まだヒッキーは自分が許せないのかも…あたしも空気読むの下手になったな…。」

 

「結衣先輩…?」

 

 

・・・・・・・・・

 

 

「いつか分かる事だから言っちゃうね…ヒッキーがユキノンに会いたく無い理由。」

 

ミルクティーのカップを両手に持ち俯き加減にポツリ、ポツリと結衣先輩は

重い口を開き話し出した。

 

「ヒッキーとユキノン、そしてあたしは高校を出ても互いに付き合う事も無く

大学時代もいい仲間として友達として付き合ってたの… だけど、ヒッキーとユキノンは

両思いでずっとお互いを好きだった……あたしとの関係を壊さない為に

隠し合っていたんだと思う。」

 

「ある日、雪ノ下家と葉山家の間で縁談が纏まって葉山君と婚約が決まり

大学卒業と同時に結婚して葉山君と留学先に一緒に行く事になってしまった。

結婚間近…ユキノンはヒッキーに『もし、あなたが私と逃げる事が出来るのなら

全てを捨てて一緒に逃げて』と頼んだの。」

 

「ヒッキーは…結局、結婚式までにユキノンを迎えに行かなかった…普通に無理だよね?

そんなの。でも、ユキノンはヒッキーに来て欲しかったんだと思う。」

 

「あれから、3年の月日が経ってユキノンは笑って話せる様になったみたい…。」

 

「あたしもまた昔みたいに少しは3人で話が出来る様になればと思って聞いたんだけど

余計な事をしちゃったみたい…。」

 

「ヒッキーの立場になって考えれば会えないよね……あたしバカだから…

そんな事も分からないから選ばれなかったんだと思う。」

 

ポロポロと涙を流しながら結衣先輩が話をする。

 

「そんな事が……でも、結衣先輩の気持は…」

 

「ううん、もういいの…。」

 

「何が……?」

 

「あたしね、諦めたのヒッキーの事…ずっと好きだったけど、大好きだったけど

諦める事が出来たの。」

 

「えっ?」

 

「でも、先輩のそばにいたいからスクールとかに通ってるんじゃあないんですか?」

 

「あたしだって女だもん、綺麗な物とかアクセ好きだからそれにヒッキーが教えてくれるのなら

通いやすくてね…… 」

 

「あたしね…… 一年くらい前から大学時代の先輩とお付き合いするようになって

来年の秋に結婚しようと言われてるの。」

 

「……先輩は知ってるんですか?」

 

「うん、知ってるよ。『そうか、由比ヶ浜が結婚?まじか…彼氏さん胃袋大丈夫か?』

だって、失礼しちゃう!」

 

「『あたしだって、ユキノンに料理大分と教えてもらったし家でも作るようになって

お母さんからも少しは褒めてもらえるようになったんだから!』って言ってるの。」

 

「そうだったんですか……。」

 

「うん、そうなんだ。」

 

「いろはちゃん、ヒッキーの事…頼むね。」

 

「えっ?あたしは……そんなんじゃ…。」

 

「ヒッキーの事好きなんでしょ?」

 

「………好きです、先輩の事大好きです。」

 

「難しいぞぉ、ユキノンとあたしの二人係で落とせなかったんだから!」

 

「攻略が難しい程、落としがいがあるじゃあありませんか。」

 

「あははっ、そうだね!いろはちゃんは、昔から難易度が高い程、

燃えるタイプだもんね。」

 

「実はそうなんです!」

 

 

・・・・・・・・

 

 

土曜日、お昼のランチを駅前で食べる事になり楽しみにしていた。

久々に3人で会うのなんて何年ぶりだろうか。当日駅前のカフェに

到着し再会を喜び合った・・・がある変化が・・・

 

「雪ノ下先輩、おめでたなの~!!」

 

「ええ、やっと安定期に入って悪阻も落ち着いたし楽になったのよ。

隼人に送ってもらって来たけど一色さんに『よろしく!』って、妬けちゃうわ。」

 

「あははっ、葉山先輩と仲良さそうでいいですね!」

 

「最近じゃあ、休みの日には『僕が料理をするから雪乃は休んでろ』って。

つい、甘える事が多くなったわ。」

 

「うわ、ごちそうさまです!」

 

「じゃあ、隼人君の料理をどんどん食べて栄養つけなきゃあねユキノン!」

 

「結衣ったら、でもウェイトのコントロールをしないといけないのよ。」

 

「あ~今はそうなんだってね。」

 

「ゆっくり、みんなと会いたいんだけれどごめんね。」

 

「それより、元気な赤ちゃんを産んで下さいね。」

 

「ユキノンいいなぁ~、あたしも赤ちゃん欲しくなっちゃったよ~。」

 

「結衣もあっと言う間よ、来年でしょ?結婚。」

 

「えへへっ」

 

「いいなぁ~憧れちゃいます~。」

 

「一色さんもね?」

 

「うん、いろはちゃんも。」

 

「あ~あたしなんか、相手もいないしまだまだで・・・」

 

「そんな事言ってると取られてしまうわよ、大学生の子に。」

 

「えっ?知ってるんですか?」

 

「あの子がまだ高校生の時に一度会ってるし彼女も一途だから…

『私の八幡を取らないで!』って凄かったのよ。」

 

「うん、相手に不足なしじゃん」

 

「結衣?それは『相手にとって不足なし』でしょ?」

 

「へっ?そうだっけ、あははっ。」

 

「ふふふっ。」

 

「はい、あの子には負けませんから…頑張りますね!」

 

「今度会う時には3人とも子供を連れて奥様昼食会になりそうね。」

 

「うわ〜今から楽しみだよユキノン!それまでにいろはちゃんも間に合わせなくっちゃあ。」

 

「プレッシャー掛け過ぎですよ2人とも!これからなんだから!」

 

 

3人の会話は終わりを知らないように何時までも続き、別れ際は後ろ髪を惹かれ

それぞれの心に残るのであった。

 

 

 






ユキノン幸せみたい……良かったぁ〜。






▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。