銀座の英雄王(偽) 作:サーヴァント当たらない
英雄王がヴォーリアバニーの王として君臨し、政務を行うようになってからヴォーリアバニー達の生活は一変した。
基本は平原で狩りと薬草や果実の採取で食料を確保していたヴォーリアバニーだったが、畑を作り英雄王に与えられた種をまいたら今までにないほど美味しい穀物や野菜が数日で採取できるようになり、彼女達の食生活は向上した。
そして復興作業の際に出たゴミを捨てる為の穴を掘るように英雄王が命じると温泉が出た。
温泉は疲労回復に美肌効果、肩こり腰痛と様々な効能があり、戦いで疲労した者たちをどんどん癒して、働ける人材を増やし、体を清潔にすることでヴォーリアバニー達は病気になりにくい体になった。
英雄王の思いつきでどんどんヴォーリアバニーたちの生活環境が向上し、商人と各国が平原に注目し始めた頃、帝国に住む悪所と呼ばれる獣人達の住む町で虐待が加速し、帝国から逃げる獣人達が日を追うごとに増えていった。
逃げ出した彼等の行き先は英雄王が治める平原。
一日また一日と日が経過する度に平原には多種多様な亜人が安全な生活を求めてやってきた。
ドワーフやエルフ、ホビット、キャットピープルにゴーゴンと傷ついた様々な亜人の少女や美女を見た英雄王は彼等全員を受け入れ、仕事を与えた。
ドワーフは建築や物作りなどの技術産業。
戦闘種族であり力のあるキャットピープルとヴォーリアバニーは軍事と農業。
ホビットは事務や飲食店などのサービス産業。
エルフとダークエルフは森で培った弓の技術と薬草の知識などで軍事と医療。
種族特有の特技を生かし、仕事を与えられた亜人達のお陰で帝国の平民よりもよい生活を送れるようになり、英雄王から気まぐれに教わる知識でさらに技術を向上させ、商人や国が無視できないレベルにまで発展した。
初めてギルガメッシュに会った彼等はあまりに尊大な態度にかなりの不安を感じていたが、エロイ体で有名なヴォーリアバニー達をはべらせているにも関わらず一人も手を出していない紳士っぷりや、差別されている自分達亜人を文句一つも漏らさず保護してくれたり、さらには帝都ではありえない、普通の暮らしとまともな仕事を与えられ、彼等はギルガメッシュに感謝と保護してもらう建前の忠誠ではなくギルガメッシュの為に働くと彼等は本当の忠誠をギルガメッシュに誓った。
そして、各種族は自分達の忠誠の証として一族の娘達をまだ結婚していないギルガメッシュの本妻か妾にする為に裏で動き始めた。
そんな時、帝国兵を打ち破ったヴォーリアバニーと黄金の悪魔の噂を聞いたエムロイの神官が神の指令を受けて平原に向かっていた。
☆ギルガメッシュ視点☆
小学生のバレンタイン以後、女性にモテる事無く過ごしてきた俺にムチムチのウサ耳ガールズがアプローチをしてくる。
正直、かなり嬉しいのだが、彼女達の押せ押せな態度で逆に手が出せず蛇の生殺し状態に狂いそうになったので旅立とうとしたのだが……。
旅立とうとするとウサ耳達が涙目で引き止めてくるので、失敗。
気を紛らわす為に王様らしい命令をしたら食生活は向上し、温泉が湧いた。
病気だったりケガをしていたウサ耳は温泉で回復し、働ける状態になった。
そして、ロリっ娘ドワーフや猫耳娘にエロフに翼を持った鳥娘達が帝都からやって来たのだ。
なんでも、元々人間至上主義で肩身の狭い思いをしていた獣人たちだったが俺やヴォーリアバニー達が殺した兵士と貴族の遺族が獣人たちを虐げるヘイトスピーチや虐待を広げた為、身の安全を確保する為にここに逃げてきたらしいのだ。
それを聞いた俺は自分のしでかした事の責任とロリっ娘を守る使命感から彼等を受け入れた。
ここは平原で土地は腐るほどあるし、畑もどんどん開拓すれば穀物は直ぐに出来る。
まあ、そんな感じで村→街へとここは、どんどん発展していった。
亜人達は順調なのだが一つ問題が発生した。
捕虜となった兵士やゾルザル達の扱いである。
一応、街の発展に協力してくれたので協力的だった人は1LDK(檻)から
小屋へ移動させ、食事もそれなりのものを与えている。
ただ、困ったことに未だ反乱や不満を撒き散らしているアホ(ゾルザル)が居る為
撤去を考えているのに全然片付かなくて困っている。
反乱を実行に移そうとする度にボコボコにされているのに懲りない奴等だ。
まあ、色々と問題は山積みな状態なのでしばらくはエロゲを封印し政務に勤しんでいる。
将来的には彼等の技術をもっと発展させて同人誌やエロ本なんかを作らせたい。
そのために俺は職人の帝都で彫刻の製作販売をしていた職人ドワーフと共に街にお金を集める為に、ドワーフが作ってくれた
屋敷の地下室でとある計画の下準備をしていた……。
「ギル様。ついに出来やしたぜ」
「さすがゴング。我が見込んだ職人だ。
この完成度は素晴らしい。」
「ありがとうございます。ギル様」
暗い部屋で蝋燭の光を灯し、様々な角度で芸術品を品定めし、ゴングと呼んでいるドワーフの仕事を褒め称える。
しかし……
「ただ……。なんでこのフィギュアのモデルがテューレとデリラなのだ?
我は金髪の青い女騎士と弓を持った白銀の女をお願いしたはずだぞ?」
「え?いや!その……ギル様から渡された資料よりも実物を観察して作ったほうが完成度も高いだろうし…そ、そう!
どうせ作るなら完成度の高いものを見てもらいてぇって思うのが
職人なわけで………」
俺の指摘に目をキョロキョロさせながらしどろもどろに喋るゴング。
………。
ゴング…お前って奴は………。
奥さんも子供も居るのに……。
まあ、二人は美人だし、しょうがないよね。
「まあ、よい。これだけ完成度が高ければ注文した女騎士や弓兵も高く商人に
売りつけることが出来るだろう。
しかしだ。もう二度とテューレとデリラのフィギュアを作るなよ?
もし作ったのがバレたら……二人に殺されるぞ」
「へ、へい……。じゃあ、この『ふぃぎゅあ』は、ギル様の言っていた『さんぷる』として、献上いたします」
その後、槍を持った青タイツの男や黒いタイツの師匠の特徴を書いた資料を親方に渡して帰らせた。
残ったのは俺と、セクシーポーズを決めているテューレフィギュアとデリラフィギュア。
………。
俺は…とりあえずフィギュアを下から覗くことにした。
☆親方☆
俺はドワーフのゴング。
帝都では彫刻や、子供達が遊ぶ人形の制作をして自分の店で販売していた。
しかし、帝都の人間達が敗戦の理由を亜人のせいにして職を奪ったり虐待したりと、とんでもない事になり始めた。
俺は、家族と従業員の同族と共に帝都から逃げた。
そして、当てもなく逃げている途中に顔なじみの商人の男に出会い平原に出来た『ウルク』と呼ばれる街について話を聞いた。
なんでも、奴隷狩りをしていた帝国の兵をヴォーリアバニーと共に叩き潰した黄金の男が食生活を豊かにし、病気を治す『温泉』と呼ばれるお湯を掘り当てたりと凄いことになっているうえに、その街は帝都から逃げ出した亜人達を受け入れて、まともな生活環境を与えているらしい。
俺は、藁にも縋る思いで、ウルクへとやって来た。
ここは天国だ。
うまい飯にドワーフ職人が作ってくれた家を与えられて、また仕事が再開できる。
俺は受け入れてくれた王様に感謝しながらここでの生活を始めた。
そんなある時、王様でギル様と慕われているギルガメッシュ様が一人で俺の店にやって来た。
しかもいつも連れているヴォーリアバニーの姉ちゃん達もいない。
詳しい事情を聞いてみると商人に販売する為に『ふぃぎゅあ』と呼ばれる人形を
作って欲しいらしい。
絵の描かれた沢山の資料を渡された。
俺は恩返しのつもりでその場で仕事を請け負い、資料を読み込んだ。
そして、資料を読みきっていざ作業に入ろうとしたまさにその時。
いつもギル様が連れているテューレの嬢ちゃんとデリラの嬢ちゃんが俺の店にやってきた。
相変わらず二人は美人だ。
街の男達も狙っている奴は多く、よく色々誘われるらしいがギル様に操を立てている様で男達は毎日、悔し涙を枕に染み込ませているらしい。
そんな美人の二人がやって来て気分がよくなった俺だったが………。
「「私達の人形を作ってギル様に渡しなさい。人形を売ったりギル様にバラしたら殺す」」
「ハイ」
二人に対する恐怖で下半身の俺の息子が小さくなってしまった。
俺はちびりそうになったがなんとか堪えて、近くにいた嫁さんに二人のサイズの寸法を頼み二人の監視の下で修正に修正をかさねて、ついに俺は二人そっくりの人形を完成させた。
ギル様。
あんたは…手を出さなかったんじゃなくて手を出せなかったんだな……。
嫁さんの尻に敷かれている俺には痛いほど分かるよ……。
そんな思いを抱きながらギル様に作る予定になかった『さんぷる』を
渡して、早々と自宅へと戻ろうと屋敷を出ると……。
「ねぇ……。そこのドワーフさん。
黄金の男がこの屋敷に住んでいるってホントぉ?」
「エ、エムロイの使徒……し、『死神ロウリィ』!?」
黄金の男ってギ、ギル様の事だよな?
何だって死神がギル様に!?
全ては幸運ランクAと黄金律がわるい。