銀座の英雄王(偽)   作:サーヴァント当たらない

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四話

貴重なエロシーンを視認できなかった英雄王は銀座事件ほどではないが、かなり荒ぶっていた。

 

「我の邪魔をした汚物は何所だ!!」

 

かつて卑弥呼が占いに使っていたという銅鏡を使って犯人の姿を見た英雄王は怒りを忘れて驚愕した。

 

なんと鏡に映し出されていたのは鎧姿の犯人だけではなく彼が求めて止まない亜人種のウサ耳娘達が蹂躙されている姿だったからだ。

 

そして、本当の意味で英雄王は正しい怒りとウサ耳を見つけたことによる歓喜と助けた事でもらえるかもしれないムフフなご褒美を期待して、黄金の鎧を身に纏い英雄王は出陣した。

 

____

 

 

「なんだ!?何だこれは!?

 

帝国軍が駐在しているキャンプ地に空から大量の武器が降り注ぎ帝国兵を一人また一人と粉微塵にしていく。

 

捕らえたヴォーリアバニーを欲望の赴くままに責めようとしていた帝国兵は特に酷い。

助かるはずのない傷を負いながらも即死でなかった為に激痛を味わいながら死んでいく。

 

ゾルザルの副官を務めていた貴族の子弟はその光景を目に焼き付けながら思った。

 

なんだこれは?

まさかヴォーリアバニーを奴隷にしようとした事で戦いの神であるエムロイの神罰がくだったのか?

たかが奴隷狩りをしただけで何でこんな事に……。

ふざけっ!!

 

甘やかされて育った男は、なぜ自分がこんな目にあわなくてはならないと、最後まで自分勝手な思考をし、紅の呪槍に頭を貫かれて絶命した。

 

そして、今まさに恥辱を受けていたもしくは受けそうになっていたヴォーリアバニー達は神に感謝した。

戦いの神であるエムロイか?冥界の神であるハーディかは分からないが彼女達は自分達に救いの手を差し伸べてくれた存在に深く感謝しつつ、武器の雨が止まった後、帝国兵の死体から剣を奪い、運よく助かって逃げ惑う帝国兵に報復を開始した。

 

___

 

 

ヴォーリアバニー達が反撃を開始した頃、英雄王はウサ耳娘にひどいことをしたクソ野郎にこの世の地獄を見せてやろうと銅鏡を使って探し当て、キャンプ地で最も豪華な天幕に侵入することに成功した。

そして、白いウサ耳娘が今、自分に似た声と金髪を持つクソ野郎にいやらしい事をされそうな場面に出くわした。

 

「その女に手を出すな、下郎!!」

 

しかし、悲しいことに英雄王の怒りの声は日本からこっちに来るときに装備していた指輪の効果で二人には全く届かなかった。

かなり恥ずかしい思いをした英雄王だったが気を取り直してテイク2

 

「今からこの女の魂も体も我の物だ。誰が汚物に鑑賞してよいと許可を出した?」

 

「だ、誰だ貴様は!!近衛は何をしている!?」

 

さりげなくご褒美をウサ耳娘に要求しつつ、我ながらカッコよく登場できたのではないかと少しスッキリした英雄王の伝説はここから始まった。

 

 

 

☆ギルガメッシュ☆

 

 

「ふん。貴様の兵は今頃、自分たちが虐げていた者達に蹂躙されて貴様のような汚物

に構っている暇はないのだろうよ」

 

さっきはかなり恥ずかしい思いをしたが目の前に突然現れるという思いのほかカッコよく神秘的に登場できたので、少しスッキリした俺は、偉そうな男の前でノリノリで喋ってみせる。

 

「ふざけるな!!どんな魔法を使ったのかは知らないがこの俺に逆らってただで

すむとぶべらっ!!?」

 

「喋るな汚物。空気が汚れる」

 

金髪に声といい似た特徴を持つこの男に俺は我慢出来ずに拳を

顔面に叩き込む。

するとどうだろう。

男は後方に吹っ飛び豪華な椅子の手すりに勢いよく、後頭部を打ちつけた。

 

「ぐぉおおおお……」

 

男は顔と後頭部を手で押さえ、赤い絨毯の上をゴロゴロと転げまわっている。

うん、滅茶苦茶痛そうだが全然哀れに思えない。

むしろ、もっといじめてやろうかと思ってしまう。

第一印象のなせる技なのだろうか?

俺がそんなことを考えていると。

俺を見つめるウサ耳の熱い視線に気づく。

なんだ、照れるじゃないか。

 

「あの!私の一族は!?反撃と言っておりましたが無事なのですか!?」

 

「この我が助けてやったのだ。生き残りは汚物共の拘束から逃れ、戦っている」

 

それを聞いたウサ耳は先程までの死を覚悟した表情を一変させて外に出て行った。

恐らくウサ耳達を助けに行ったのだろう。

 

「さて、後は貴様だが……」

 

「まて!俺は次期皇帝となる男だぞ!!俺を殺せば帝国中の臣民が貴様を殺しにやってくるぞ!!」

 

「ほう……汚物が群れるのはやっかいだな」

 

「はっ、何所の誰かは知らないが貴様なんぞ直ぐに捕らえて晒し首に…ごはっ!?」

 

「なら、貴様を死なない程度に毎日いたぶってやろう」

 

俺はこの男に相当イラついているようで、サディスティックな笑みを浮かべながらこの男に施す屈辱的な拷問を考え始めた。

 

 

 

_____

 

 

 

7万も居た帝国兵が一夜にして400と数を減らした。

死者は6万5千。

捕虜という名の奴隷が4600。

奴隷の中には毎日のように嬲られているバカ皇子、ゾルザルも居た。

 

この事実は帝国を震撼させ、報復とゾルザル救出の為に兵を臣民から募っている。

 

そして、ヴォーリアバニー達は自分達を救ってくれた英雄王に感謝し、尊敬と親愛と忠誠を誓った。

彼女達ヴォーリアバニーは戦闘民族であるが故に強い男に惹かれる特徴があり女王だったテューレは最も敵の首を取った戦士のデリラと同盟し、英雄王の奴隷となり本妻と妾の座を狙っている。

 

そして、今回の騒動の中心である英雄王はウサ耳パラダイスに浮かれながら、英雄王を放すまいと縋るヴォーリアバニー達の王として君臨し、戦後の復興作業を宝具を貸すなどして手伝っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




時系列についてですが、この英雄王は原作の三年前にタイムスリップをしました。
その影響として門がなくなり英雄王は日本に戻ることが出来なくなったわけです。
さて次回ですが……。

ウルク爆誕!!どうなる帝国!?ゾルザルの恥辱の日常は明かされるのか!?

終わりそうな展開だが、終わらん!終わらんぞぉ!!

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