銀座の英雄王(偽)   作:サーヴァント当たらない

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一話

「蛮族共よ!よく聞くがいい!!我が帝国ガペェ!!?」

 

銀座に突如として出現した門によってなだれ込んでくる侵略者達。

人々は侵略者達によって無残に命を散らし、侵略者が何やら宣言を始めたその時。

 

空中から槍、剣、斧といった武具が数多に出現し、上空に旋回する

ワイバーンと地上を侵攻していた騎兵たちを砲弾のような威力で打ち抜き、騎兵達や豚の化け物を爆殺していく。

 

銀座を逃げ惑っていた住民達も侵略者達も空間の揺らめきから出現し、雨のように降り注ぐ謎の武器に死んでいく侵略者達に敵味方関係なく戸惑っていると騎兵と住民達の間に侵略者達を鬼の形相で睨む黄金の鎧を着た金髪の男が現れた。

武器の雨が停止し、敵か味方か分からない彼を人々が見守る中。

黄金の男は口を開いた。

 

「我の庭を荒らす雑種にも劣る汚物ども……。

その頭蓋、一欠けらも残しはせんぞ!!」

 

彼の怒号と共に、再び空間の揺らめきからあらゆる武器の砲撃が開始された。

 

そんな中、市民の安全と同人誌即売会の為に戦うもう一人の自衛隊員の一人が

彼を見てこう漏らした。

 

「金ぴかの鎧にあの攻撃は……まさか、英雄王…ギルガメッシュ?」

 

 

☆ギルガメッシュ視点☆

 

「我の庭を荒らす雑種にも劣る汚物ども……。

その頭蓋、一欠けらも残しはせんぞ!!」

 

俺のお宝ちゃんを破壊しただけでは飽きたらず、俺の聖杯戦争(同人誌即売会)を

中止にした愚かなクソ共め!!

 

一匹残らず…駆逐してやる!!

 

俺は奴等にはもったいないありとあらゆる英霊殺しから龍殺しの宝具を王の財宝から

大量に一斉掃射の虐殺を敢行した。

 

ワイバーンは騎乗していた兵士ごと上半身を消し飛ばし、馬に乗って地上を侵攻していた騎兵は宝具の着弾により人馬共にバラバラ死体となった。

嫌悪感はない。

まさに汚物を消毒しているギルガメッシュのような感覚だ。

 

目の前が土煙で見えなくなったので宝具による一斉掃射を止め土煙が晴れると侵略者のバラバラ死体と大量のクレーターが姿を現した。

運よく生き延びた者たちは四肢が欠損していたり、死ぬ一歩手前の者たちで溢れている。

 

周りを見れば自衛隊のヘリや警察が俺を囲んでいる。

恐らく、この惨劇を作り出した俺を警戒しているのだろう。

 

だが、仇はとったぞ《ハイスクール乱ブル》……。

 

 

 

☆☆☆

 

 

門より現れた異世界の侵略者達を撃退した日本。

犠牲者は幸運にも予想より少なかった。

それをなしたのは一人の自衛隊員である伊丹(いたみ)耀司(ようじ)

彼は市民の救助と避難誘導を行い被害を抑えた英雄である。

 

そして…数多の敵を屠ったもう一人の英雄は今現在、銀座に出現した

門と同じくらいネットを騒がせている。

 

理由は創作物に登場する英雄王・ギルガメッシュと同じ容姿と同じ力を

振るったことにより、様々な憶測や疑問が飛んでいるからだ。

 

例えば……。

 

聖杯の有無

 

聖杯戦争は現実にあったのか?

 

英雄王はどうやって召喚されたのか?

 

などなど。

 

お陰で型月のスタッフやきのこは毎日取材で忙しいらしい。

 

現在、そのネットを騒がせている金ぴかは国の英雄として国賓レベルの待遇を受けているようだ。

 

 

☆伊丹視点☆

 

 

「それでは伊丹君。よろしく頼むよ」

 

銀座事件の英雄となってしまった俺は上司達の陰謀により

ある男の世話をすることになった。

 

最悪だ。

 

同人誌即売会は中止され、挙句に増える仕事。

極めつけはフェイトで有名な英雄王の世話係だぞ……。

どーするんだよ!

もし、原作と同じ性格で、気に障った行動を英雄王の前で俺がやらかせば……。

 

未だに脳裏に焼きついている宝具の雨で爆死していく侵略者達の末路が目に浮かぶ。

俺、生きて帰れるかな。

 

高級ホテルのスイートに宿泊しているらしい英雄王と挨拶をする為に

俺は英雄王がいる部屋の前にいる。

まるでドラクエのレベル一の勇者が魔王と対峙する気分だ。

しかもクリフトやブライも居ない。

さらには復活させてくれる神殿もない。

 

俺は決死の覚悟で部屋をノックした。

 

『……入れ、雑種』

 

 

☆ギルガメッシュ視点☆

 

 

国の偉い官僚達の歓待を受けて高級ホテルに宿泊している俺。

豪華な食事に豪華な家具に囲まれて生活をしているが……。

 

ここにはエロゲもない、同人誌もない、フィギュアもない。

ふざけんじゃねーぞ!!

 

生活の水準はこれまでと比べ物にもならないが事情を聞きに来る男達にも本気でイラついてきた。

 

そんな時だ、扉からノック音がして入るように指示すると一人の男が入ってきた。

 

男はスーツを着ており、その表情は緊張して汗をかいている。

イラついている俺の怒気を感じ取っているのだろうか?

まあいい、くだらない事を聞いた瞬間しばらく事情聴取に来れない様に

宝具で部屋の壁を吹き飛ばしてビビらせてやる!!

 

「えーっと本日はお日柄もよく……ってちょっちょっとお待ちください英雄王!」

 

イライラがそろそろマックスになりそうな俺は緊張からか変な事を喋り始めた男に思わず空間から宝具を出現させる。

これでさっさと出て行って欲しい。

そして俺にエロゲをアニメを……

 

「ははは、じゃあ私はこれで…『ヒーメヒメ(ヒメ)ヒメ(ヒメ)』ファ!?」

 

ん?この曲は……。

男は突然鳴り出した音楽に驚愕して音の発生源であるスマホをポケットから慌てて取り出すが手を滑らせて俺の足元に転がり落ちた。

男が落したスマホを拾うとケースにキャラクターが描かれている事に気づいた……。

こ、このキャラクターは……。

 

「雑種、貴様が名を名乗る事を許す。」

 

魔法少女好きに悪い奴はなし。

大きいお友達は同士だ。

まさかの同士の発見にイライラも吹き飛び、機嫌がよくなった俺は最近出来なかったオタ話をする為、男の名前を聞いた。

 

 


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