やっと投稿する第六話です。
ではどうぞ……
そして雪姉ちゃんのクッキーを参考にして再び由比ヶ浜先輩のクッキーが出来上がった。それは先程の木炭(クッキー)とは比べ物にならないけど、雪姉ちゃんのものと比たら見劣りしてしまうものだった。結論として成長はしているけど目標には至っていない。
「なんか違う……」
由比ヶ浜先輩はしょんぼりと肩を落としているけど、これなら全然大丈夫な気がする。
「……どう教えれば伝わるのかしら」
その横では雪姉ちゃんがぐったりしながらうんうんと唸りながら頭を捻る。
だけど、雪姉ちゃんが悩むのは違う。雪姉ちゃんは本当によく頑張っている。問題なのは由比ヶ浜先輩のほうである。
そんな二人を見ながら、僕は一つ確認を取った。
「由比ヶ浜先輩、今回の依頼は手作りクッキーを食べてほしい人がいるけど、自信がないから手伝ってほしい、でしたよね?」
僕からのいきなりの質問に、しかし由比ヶ浜先輩は戸惑いながらも答えてくれた。
「う、うん」
「確認ですが、渡す相手は男性でいいですよね?」
さらなる問いに、今度は顔をかすかに赤らめ、さらには視線が一瞬だけ僕の後方に流れる。
「ええ!?」
ゆらゆらと目が泳ぐ。どうやら簡単に言うのは躊躇われるらしい。ここから誰かにそのことがバレて、これから先の高校生活が暗いものになるかもしれないと思うのは、由比ヶ浜先輩のような人なら当然かもしれない。まあ、この態度でもう答えは出ているようなものだけど、やはり本人の口から聞きたい。
「大丈夫です。姉さんはそういうことを人には言わない人格者ですし、比企谷先輩もその辺りの常識は持っている人です。もちろん、僕だって言いません。約束します」
真摯に由比ヶ浜先輩の目を見て言う。すると僕の言うことが本気だと信じてくれた。かぼそく、口の中で言葉を転がす。
「ま、まあ、そうかな」
「そうですか」
となると、やはり……。
「月乃? その質問は今回の依頼達成に必要なこと?」
必要ではある。僕の考えが正しいならば。だけどこれは、ハッキリ言って僕ら男の側の意見がないと達成できない。
「不思議に思ったんですよ。ねえ、比企谷先輩?」
隣に立ってぽりぽりと由比ヶ浜先輩のクッキーをかじる比企谷先輩に問いかける。それを受けて、比企谷先輩はその真意を雪姉ちゃんたちに問いかける。
「ああ。あのさぁ、何でお前らうまいクッキー作ろうとしてんの?」
「はあ?」
比企谷先輩の言葉に由比ヶ浜先輩が馬鹿にしたような表情で言った。
「ふぅー、どうやらおたくらは本当の手作りクッキーを食べたことがないと見える。十分後、ここへ来てください。俺が本当の手作りクッキーってやつを食べさせてやりますよ」
「何ですって……。上等じゃない。楽しみにしてるわ!」
自分のクッキーを否定されたことにカチンと来たのは、由比ヶ浜先輩は雪姉ちゃんを引っ張って廊下へと消えていく。そして僕の横を通り過ぎたとき、一瞬だけ雪姉ちゃんが心配そうな目を僕に向けてきた。それに小さく笑いかけると、雪姉ちゃんも小さく笑った。
「で、なんでお前も残ったの?」
僕と比企谷先輩しかいない空間。家庭科室で男子が二人、しかも特にお菓子作りが得意というわけではない二人というのがなんだか皮肉っぽい。
「お前は俺と同じ考えなんじゃないの?」
「そうですね。まるっきり一緒っていうわけではないですけど、大体そうです」
全てが一緒ではないということがわかっていない比企谷先輩を置いて、僕は余った材料を指さす。
「たぶん今日の依頼はこれで終わりでしょうから、その半端に余った材料でなにか作ろうかと思いまして」
「なに、お前菓子まで作れるの?」
「最近の男子もお菓子は作るんですよ。まあ、最近の男子のことを先輩は知らないと思いますけど」
「ほっとけ。いや、お前の場合雪ノ下に任せてると思って」
「僕はそんな姉不幸者じゃありません。ちゃんと手伝ってます」
「姉不幸者ってなんだよ。姉限定かよ」
「それに、雪姉ちゃんのエプロン姿を間近で見ることができますし」
「結局それが目的だろ」
僕はそれを無視して調理を始める。雪姉ちゃんにあげる場面を思い浮かべて、丁寧に心を込めて……。相手が笑顔になってくれるようなものにするために……。
そしてクッキーが焼きあがって、丁度十分が経った。家庭科室に入ってきて由比ヶ浜先輩が一言。
「わっ、いい匂い」
そして僕らのテーブルに近づいてきて、それは剣呑な雰囲気へと一変した。正確には、テーブルの上の物体を見てだ。
「これが『本当の手作りクッキー』なの? 形も悪いし、不揃いね。それにところどころ焦げているのもある。―――これって……」
どうやら雪姉ちゃんはこのクッキーの正体に気付いたようだ。だけど由比ヶ浜先輩はまったく気づく気配がない。雪姉ちゃんの脇からひょいと顔を出すとそれを見て躊躇なく嘲笑した。
「ふぱっ、大口叩いたわりには大したことないとかマジウケるっ! 食べるまでもないわっ!」
いや、嘲笑というより爆笑に近いかもしれない。だけど……真実を知るこちら側からしたらものすごく微妙な光景である。
「ま、まあ、そう言わずに食べてくださいよ」
ひくひくと動きそうな口角を押さえて、余裕の笑みを崩さない比企谷先輩。
「そこまで言うなら……」
恐る恐る由比ヶ浜先輩はクッキーを一枚手に取り、雪姉ちゃんも何も言わずに一つ摘まんだ。
サクッと小気味良い音がした。そして一瞬の沈黙。
「別に特別何かあるわけじゃないし、ときどきジャリッてする! はっきり言ってそんなにおいしくない!」
予想通りの物だったせいか、由比ヶ浜先輩は比企谷先輩を睨む。雪乃ちゃんは訝しむように見ている。比企谷先輩の真意を量っているのだろうか。
建前上自分で作ったクッキーを貶された比企谷先輩はそっと目を伏せる。
「そっか、おいしくないか。……頑張ったんだけどな」
いや~、比企谷先輩、なかなかの演技ですよ。
なんて思っていると、雪姉ちゃんが僕の横に移動してきた。そして由比ヶ浜先輩に聞こえないようにそっと小さな声で囁く。
「あのクッキー、由比ヶ浜さんのクッキーよね?」
僕もそれに倣って小さく答える。
「うん、そうだよ。今は比企谷先輩が頑張ってるから。ちょっとだけ我慢して」
「それはいいのだけれど、結局彼は何が言いたいの?」
「男心はかなり単純だってことだよ」
しかし雪姉ちゃんはよく分からないらしく、不愉快そうに眉をひそめた。
可愛くて素敵な雪姉ちゃんは、不本意ながら多くの男子に告白をされている。だけれど、その全てを断って来たのだ。男心というものが不得手なのは不思議ではない。もっと言ってしまえば、そういった恋愛経験のない由比ヶ浜先輩がこの答にたどり着くのはやはり難しい。まあ、由比ヶ浜先輩がアホだって言うのもあるかもしれないけど。
なんてしている間に、比企谷先輩と由比ヶ浜先輩の方では……。
「……何だよ」
由比ヶ浜先輩が比企谷先輩の手を取って止めていた。わあ! 由比ヶ浜先輩ったら大胆っ!! なんて、ちょっとふざけたことを思ってみる。
「べ、別に捨てるほどのもんじゃないでしょ。……言うほどまずくないし」
「……そっか、満足してもらえるか?」
由比ヶ浜先輩は無言で頷いてすぐに比企谷先輩から顔を逸らしてしまう。
「まぁ、由比ヶ浜がさっき作ったクッキーなんだけどな」
「……は?」
随分とさらっと言いますね。たしかに比企谷先輩は一言も自分で作ったなんて言ってないから嘘をついていない。
「え? え?」
状況が理解できていない由比ヶ浜先輩は、この場にいる全員の顔を何度も見回す。
「比企谷くん、よくわからないのだけれど。今の茶番に意味があったのかしら?」
僕がしっかり教えなかったというのも合わさっていっそう不機嫌そうに比企谷先輩に聞く。
「お前らはハードルを上げすぎてたんだよ」
ふっと笑みこぼす比企谷先輩。それが何だか癪に障ったので、その先の説明を奪ってやった。
「たぶんもう姉さんは分かっていると思うけど、手段と目的を取り違えていたってことです」
「そういうことのようね」
僕に奪われたことを恨みがましくこちらを睨む比企谷先輩。だけど言っていることは当たっているので不承不承と頷いた。
「せっかくの手作りクッキーなんだ。手作りの部分をアピールしなきゃ意味がない」
それに続けて言う。
「お店で出てくるようなものを出されたら、男子としたらちょっと困っちゃうんだよね。そういう意味なら極論として、味はそれほど良くなくてもいいかもしれない」
比企谷先輩もこれには納得いったふうに頷く。しかし逆に納得いかないのは雪姉ちゃ
んの方だった。
「悪い方がいいの?」
「いいっていうのはちょっと違うんだけど。でも、そのほうが気持ちとしては伝わりやすいんだ」
「そうそう、上手にできなかったけど一生懸命作りました! ってところをアピールすれば『俺のためにこんなに頑張ってくれたんだ……』って勘違いすんだよ、悲しいことに」
「そんなに単純じゃないでしょ」
それでもまだ納得できない由比ヶ浜先輩と雪姉ちゃん。そんな二人にもっと簡単に理解してもらうために比企谷先輩が自分の友達の友達の話をしてくれた。
たまたま一緒に学級委員長をすることになった男の子に女の子の方の委員長が頻繁に話しかけてくれた。そんなことが続いた結果男の子は女の子が自分のことを好きだからこんなに話しかけてくれているのでは、と確信してしまった。そして、ある放課後、その男の子は意を決して告白する。
『ねえ、好きなやつとかいる?』
『えー、いないよー』
『あ、じゃあイニシャルでもいいからさ、教えて』
『……H』
『え……、それって、俺?』
『え、何言ってんのそんなわけないじゃん、何、え、マジキモい。ちょっとやめてくんない』
そう言われ、ひきg男の子は涙を流したという。しかも翌日にはクラス中に広まっていたとか。
うん、なんて言ったらいいか……。とりあえず―――
「ドンマイです。先輩」
「ちょ、ばかお前。誰も俺の話とか言ってねーよ。あれだよ、言葉の綾だよ」
そんな比企谷先輩の弁解を一切歯牙にも留めず、雪姉ちゃんは面倒くさそうにため息を吐いた。
「そもそも友達の友達、という時点でダウトじゃない」
「先輩友達いないですもんね」
「なっ、貴様らっ!?」
脱線した話を僕はここで元に戻す。
「ほらほら、比企谷先輩。続き続き」
釈然としなさそうにしながらも、比企谷先輩は話を続ける。
「つまりあれだ。男って言うのは残念なぐらい単純なんだよ。話しかけられただけで勘違いするし、手作りクッキーってだけで喜ぶの、だから」
比企谷先輩はそこで言葉を区切り、由比ヶ浜先輩に見る。
「別に特別何かあるわけじゃなくてときどきジャリってするような、はっきり言ってそんなに美味しくないクッキーでいいんだよ」
「~~っ! うっさい!」
手近にあったビニール袋やクッキングペーパーやらを比企谷先輩に投げつける。怒りながらも当たっても痛くないものを投げる辺り、この人は本当に気配り上手だ。そして投げられた物をよける比企谷先輩も案外器用だ。
「まあ、なんだ……。お前が頑張ったって姿勢が伝われば男心も揺れるんじゃねぇの」
投げる勢いが弱まり由比ヶ浜先輩は小さく顔を伏せる。
「……ヒッキーも揺れるの?」
「あ? あーもう超揺れるね。っつーか、ヒッキーって呼ぶな」
「……ふぅん」
由比ヶ浜先輩の気の無い返事の中には、ごく僅かに嬉しさが混じっていたように思う。そして自分の中で納得している由比ヶ浜先輩を、僕は引きとめる。
「ちょっと待ってください、由比ヶ浜先輩」
「え? どうしたの?」
どうして引きとめられたのか分からずにいる由比ヶ浜先輩に、僕は自分で作ったクッキーを差し出す。
「さっき作っておいたんです。良かったら食べてください」
「ああ~! あのいい匂いってこれだったんだ!」
嬉しそうに一枚手に取る。
「月乃君も上手に作るね」
「ありがとうございます」
比企谷先輩と雪姉ちゃんにも進めるとそれぞれクッキーを手に取り口に運ぶ。
「ん~! 美味しい!!」
由比ヶ浜先輩が嬉しそうに二枚目に手を出す。
「うめぇ」
比企谷先輩が呻く。
「さすがね」
雪姉ちゃんに褒められて、少しだけ照れくさくなる。
でもべつに僕は和むためにこのクッキーを作ったわけじゃない。二枚目を食べ終わり、そこで雪姉ちゃんが気付いた。
「月乃、あなたは比企谷君の考えが分かっていたのよね?」
「うん」
「なら、どうしてこれを作ったの?」
それに応えたのは比企谷先輩だった。
「なんか、材料が余るのがもったいないとか言ってたぞ」
「あなたには聞いてないわ」
「そうかよ」
冷ややかな視線で比企谷先輩を窘めてから、もう一度僕に視線を送る。それに僕はつい笑みが漏れる。
「比企谷先輩の言ったことも理由の一つだよ。もう一つは、この依頼に対しての奉仕部としての答をまだ出していなかったから」
「答? でも……」
「いや、さっき答えでたじゃん」
由比ヶ浜先輩の言葉を引き継ぐ形で、比企谷先輩が怪訝な顔で聞いてくる。
「それは比企谷先輩の答でしょ? この依頼は姉さんが奉仕部として受けたもので、だから奉仕部としての答は出しておかなきゃ」
「それもそうね。それでこれがそうなのかしら?」
僕が作ったクッキーを眺めて雪姉ちゃんが問いかける。
外から橙色の光が漏れる。そろそろこの依頼を完遂して、雪姉ちゃんと帰宅デートをしよう。
「そう。姉さん、そのクッキーどうだった?」
唐突な質問にしかし雪姉ちゃんははっきり答える。
「美味しかったわよ、とても」
「他には、ない?」
「他に……そうね、なんだか、嬉しかった、かしら」
その言葉を聞いて、内心ホッとして、そしてむず痒くなる。嬉しさを抑えるのがとても難しい。
「ありがとう」
精一杯堪えて、ぎりぎりそれだけが口から出た。その様子を比企谷先輩に呆れたように見られていて、それがなんだか気恥ずかしくて、たぶん少しだけ赤くなっているのを誤魔化すようにコホンッと咳払いをする。そして由比ヶ浜先輩に向き直る。状況に着いてこれないでいたようで、少し肩の力が抜けていくのがわかった。
「由比ヶ浜先輩、美味しいものをプレゼントすると相手は喜んでくれます」
小さく頷くのを見て、先を言う。
「心のこもったプレゼントも相手は喜んでくれます」
これにも頷く。
「今回、前者のほうを姉さんが、後者のほうを比企谷先輩が教えてくれました。これは両方正解です。
僕が今回作らせてもらったのは、言ってしまえばその両方を組み合わせたものです。
だけど、これらだけが由比ヶ浜先輩の求める答ではないということを忘れないでください。なにもこれだけが正解じゃない。由比ヶ浜先輩は由比ヶ浜先輩なりの答をこれから見つけていってください」
手に納まる小さなクッキーを見つめる由比ヶ浜先輩。
そしてそれを優しく包み込むように握ると、それを大事そうに両手で重ねる。
「うん、ありがとう。そうする」
可愛らしい笑顔を浮かべて、由比ヶ浜先輩は踵を返して返っていった。エプロン姿のまま。
ドアの隙間から洩れる光が、由比ヶ浜先輩の悩みの先を照らしているようだった。
× × ×
翌日、奉仕部の部室にて雪姉ちゃんと比企谷先輩は読書。僕は新しく買ったナンプレをせっせと解いていた。そんな時、静かな教室にこつこつと戸を叩く硬質な音が響いた。
「やっはろー!」
元気な挨拶とともに入ってきたのは由比ヶ浜先輩。相変わらずの校則違反オンパレードの制服を着ている。
その姿を見て、雪姉ちゃんが大きなため息を吐く。
「……何か?」
「え、なに。あんまり歓迎されてない……? ひょっとして雪ノ下さん、あたしのこと……嫌い?」
不安な声を上げる由比ヶ浜。
「大丈夫ですよ」
そう言って雪姉ちゃんに確認の視線を向ける。
「そうね。ちょっと苦手なくらいよ」
「それ女子言葉で嫌いと同義語だからね!?」
良くも悪くも素直な雪姉ちゃんは僕のフォローの意味するところをちゃんと汲み取ってくれなかった。まあ、それも雪姉ちゃんなら許せる。だって雪姉ちゃんだもん。
「それでね、あたし最近料理にはまってるじゃない?」
いえ、知りません。雪姉ちゃんも同じように言うが由比ヶ浜先輩は気にせず続ける。
「それでこの間のお礼? クッキー作って来たからどうかなーって?」
何でお礼のあとに疑問符が付くのかが疑問である。そしてお礼のクッキーって、それは由比ヶ浜先輩が作ったらお礼って言うよりお礼参りじゃないですかね……。物騒な意味での。なにか僕らに不満でもありましたか?
「私今、あまり食欲がわかないから」
ここで「あなたのクッキーと聞いて」と言わないあたり雪姉ちゃんは優しい。さりげない優しさが雪姉ちゃんの良いところだ。
だが、固辞する雪姉ちゃんをよそに由比ヶ浜先輩は鞄を漁ってセロハンの包みを取り出す。可愛らしいラッピングとは裏腹に中身は真っ黒。「取ったっ!!」とかできそうなぐらい真っ黒。
「いやーやってみると楽しいよね。今度はお弁当とか作っちゃおうかなーとか。あ、でさ、ゆきのん、つきのん。お昼一緒に食べようよ」
「つきのん?」
なにそれ? 僕のあだ名ですか? いいですね、どこがいいって雪姉ちゃんのものと酷似しているのが百点満点です。それがなかったら全力で拒否します。
その後も由比ヶ浜先輩の怒涛の攻めに雪姉ちゃんが戸惑っていると、その様子をずっと見ていた比企谷先輩が静かに部室を出ていった。それに気づいた由比ヶ浜先輩が自分の鞄をキュッと握りしめる。
「行ってきていいですよ。頑張ってください」
一度、僕に視線を向けると、由比ヶ浜先輩は鞄から同じラッピングを取り出し比企谷先輩の後を追った。
それを見届けて、雪姉ちゃんが大きく息をつく。
「月乃、あの子は一体なに?」
「優しい人だよ、由比ヶ浜先輩は」
はい、やっと由比ヶ浜の依頼が終了しました。由比ヶ浜の月乃に対するあだ名はなんだかこんな感じかな~って思いました。最初はつっきーと迷ったんですけど、そうなると某バレーマンガの皮肉屋になっちゃうしな~と思った結果です。
次回はやっと今作のヒロインちゃんが登場です。でもちょっとだけです。
今回投稿が遅れてしまったこと本当にすいませんでした。
次回ももしかしたら同じくらい空いてしまうかもしれませんが、それでも読んでくれるという読者の方たちには本当に感謝感激です。
ではでは、次回もよろしくお願いします。