雪ノ下家長男の青春ラブコメもまちがっている   作:拳骨揚げ

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 どうもです。
 あれ? こんな小説お気に入りにしてたっけ? と思っている方が多いと思います。

 そんなこんなでやっとこさ仕上げた第五話です。

 ではどうぞ……


⑤エプロン姿の女の子には見惚れてしまう

 またまた無言で歩くこと数分。僕は財布から三人分のお金を取り出す。

 

「じゃあ先輩。これでみんなの飲み物買ってきてください」

「おい、俺をナニュラルにパシらせようとすんな」

「いえ、僕これから職員室に行って家庭科室の鍵を借りてこようかと」

「家庭科室? なんで?」

「おそらく今回の依頼で使うと思われるので」

 

 由比ヶ浜先輩のクッキーは、おそらく誰かにあげるためのものだ。まあ、誰かというのはもうすでに分かっているけれど、本人は自覚ないだろう。そしてそのことで奉仕部に訪れたのだとしたら、クッキーの作り方を教えてほしいというのが一番考えやすい。

 

「でも、それは不確定なので。もしかしたら二度手間になってしまうかもしれません。そんなこと、先輩にはお願いできませんよ」

「まあ、そういうことなら。で、お前はなにがいい?」

「千葉のソウルドリンク」

 

 言うと先輩は歓喜に腐った目を輝かせた。なんだか気味が悪い。

 

「マジで? お前マッ缶好きなの?」

「好きか嫌いかで聞かれるなら好きの部類です。でも、毎日飲めるほどじゃないですけど」

「なんだ、にわかか」

 

 この人どれだけ好きなんだ。あのコーヒーというより砂糖の塊みたいなものは、毎日飲んだら糖尿病の恐れがある気がしてならない。それが原因でいつか販売中止とかにならなければいいけど。

 

「じゃあ、お願いしますね。戻った時に雪姉ちゃんに怒られるかもしれませんけど、そこは我慢してください」

「いやいや、『ここは僕の名前を出せばいいですよ』ぐらい言えよ」

「それでは~」

「聞いてないし。……つうか俺のぶんの金は無いのかよ」

 

 なんて声を背中で聞きつつ僕は職員室へと向かう。

 職員室で鶴見先生から家庭科室の鍵を借り、ついでに比企谷先輩の調理実習のレポートを見せてもらってひとしきり笑ってから僕は雪姉ちゃんにメールを打った。

 

「『家庭科室の鍵を借りてきました。先に言って準備をしています。使わないようなら、一つ連絡をくれると嬉しいです』これでいいかな」

 

× × ×

 

 家庭科室で必要なものを準備していると、戸が開けられる音がした。そちらを向くとそこには雪姉ちゃんと比企谷先輩、そして依頼人の由比ヶ浜先輩。

 

「お疲れさま。クッキーを作るって依頼でいいんだよね?」

「ええ、そうよ」

「わっ、凄い」

 

 準備が出来ていることに驚いている由比ヶ浜先輩の横を通って、比企谷先輩が近づいてきた。

 

「マジでお前の言った通りになったな。ほら、これ」

「ありがとうございます」

 

 マッ缶を受け取り早速一口飲む。喉に絡むような甘ったるさがたまに飲みたくなる。

 

「じゃあ早速始めましょうか」

 

 雪姉ちゃんの掛け声からクッキー作りが始まった。

 雪姉ちゃんは慣れた手つきでエプロンを着けていく。雪姉ちゃんのエプロン姿は一緒に暮らすようになって毎日見ているけれど何度見ても飽きない。それほどまで可愛い。ほけーと見惚れていると腕を比企谷先輩に突かれた。

 

「なんですか?」

「お前、あれを毎日見てるの?」

「そうですね」

「死ねばいい」

「ひどいですね。いきなり」

 

 その後由比ヶ浜先輩がエプロンをしっかり着られないことを雪姉ちゃんが注意し、しっかりしないと比企谷先輩のようになってしまうと、もはや恒例となってきた先輩への罵倒が入った。その後、なぜか先輩の頭皮の話になったときはさすがに笑ってしまった。

 そんな様子を僕と同じように見ていた由比ヶ浜先輩は、しかしまだエプロンが着られていなかった。

 

「由比ヶ浜先輩、ちょっと後ろ向いてください」

「え、うん」

 

 きゅっとしっかり結び直してしわを伸ばす。うん、これでいい。

 

「上手だね。雪ノ下君も料理するの?」

「月乃でいいですよ。料理はある程度出来るぐらいです。姉さんには及びません」

「そうなんだ、家庭的なんだね」

「あって損はしないですからね」

 

 苦笑とともに言うと、由比ヶ浜先輩は少し決心するように比企谷先輩に言った。

 

「ねえ、ヒッキー」

「な、なにかね?」

 

 比企谷先輩の声が少しだけ上ずってる。気持ち悪さが段違いに増した。

 

「か、家庭的な女の子って、どう思う?」

「別に嫌いじゃないけど。男ならそれなりに憧れるものなんじゃねぇの」

 

 そして僕に目を向けてくる。どうやら同意を求めているようだ。視線の端に雪姉ちゃんが材料の確認をしているのを捉える。

 

「そうですね。僕もそんな女の子には憧れます」

 

 比企谷先輩の応えにさらに僕のも合わさって由比ヶ浜先輩は少し安心したように微笑んだ。

 

「よーしっ! やるぞ!」

 

 勢い込んでブラウスを捲る由比ヶ浜先輩。卵を割り、かき混ぜる。さらに小麦粉、砂糖を入れバター、バニラエッセンスなどの材料を入れていく。

 

「おお」

 

 そう感嘆の声が漏れるくらいに、由比ヶ浜先輩の料理の腕前は尋常離れしていた。

 まず溶き卵、殻が入っている。

 次に小麦粉、ダマになっている。

 バター、固形のまま。

 砂糖は塩に変わっている。

 バニラエッセンスはもう匂いを嗅ぐと気持ち悪いくらいにドバドバ入っている。

 牛乳は池ができるほどに大量に入っている。

 これは……。雪姉ちゃんも顔を青くしている。比企谷先輩も引いているから夢でも何でもない。料理ができる僕や雪姉ちゃんからしたら天地がひっくり返ったかのような衝撃だ。

 

「さて、と……」

 

 え? まだなにかやるの? もうおなかいっぱい。

 由比ヶ浜先輩が取り出したのはインスタントコーヒー。比企谷先輩は飲み物だと思っているらしいけれど、常識的に考えちゃだめだと思う。

 

「これ隠し味。男子って甘いもの苦手な人多いじゃん?」

 

 言うなり、手元が狂ったのかボウルの中には黒い山が出来上がった。

 

「全っ然隠れてねえ!」

 

 あまりの量に思わず比企谷先輩が驚愕の声をあげる。

 

「え? あー。じゃあ砂糖を入れて調整しよう」

 

 そして黒の山の横に白の山が築き上げられる。それを溶き卵の津波で飲み込んでいく。まさかボウルの中で地獄を見るとは思わなかった。

 結論、由比ヶ浜先輩に料理のスキルは無い。足りるとか足りないとかじゃなく、最初から存在していなかった。

 由比ヶ浜先輩が料理(仮)をしたものは、なぜか真っ黒な炭みたいなものだった。もう匂いからして苦い。

 

「な、なんで?」

 

 由比ヶ浜先輩が愕然とした表情でそれを見ているけれど、こっちとしてはあれだけの失敗ができることに愕然としたい。

 

「理解でいないわ……。どうしたらあれだけのミスを重ねることができるのかしら……」

 

 雪姉ちゃんも呆れて声が漏れている。それほどまでにこれはすさまじい。しかし由比ヶ浜先輩は負けじと言う。

 

「で、でも見た目はあれだけど……。食べてみないとわからないよね!」

「そうですね。じゃあ姉さん、紅茶淹れるの手伝ってください。比企谷先輩、その間に食べちゃってください。後で感想聞きます」

「俺一人を犠牲にしようとするんじゃねえよ。こんな毒見、一人で出来るか」

「どこが毒よっ!……毒、う~んやっぱ毒かなぁ?」

 

 「どう思う?」みたいな視線を比企谷先輩に向けているけど、それは答えるまでもない。比企谷先輩は由比ヶ浜先輩の追求から逃れ、雪姉ちゃんに聞いた。

 

「おい、これマジで食うのかよ。ジョイフル本田で売ってる木炭みたいになってんぞ」

「食べられない材料は使ってないから問題ないわ、たぶん。それに」

 

 そして雪姉ちゃんは比企谷先輩の耳打ちした。―――その近さにむっとしたのは内緒です。

 

「私も食べるから平気よ」

 

 そんな言葉が聞こえてきた。

 

「姉さん、本気?」

 

 緊迫した声が僕の口から洩れる。

 

「私は比企谷君に試食をお願いしたわけで処理をお願いしたわけではないもの。それに、彼女のお願いを受けたのは私よ? 責任ぐらいとるわ」

 

 そう言って雪姉ちゃんは自分の側に皿を引き寄せる。

 

「何が問題なのかを把握しなければ正しい対処はできないのだし、知るために危険を冒すのも致し方ないことよ」

 

 どうやら譲る気はないらしい。もともと雪姉ちゃんが頑固なのは知っていたのだから、こうなるのは分かっていた。ならば、雪ノ下月乃は、雪姉ちゃんを愛する弟はどうする? 決まっている。

 

「じゃあ、僕も食べる。不幸は一緒に背負おう」

「あたしのクッキー食べることって不幸なの!?」

 

 由比ヶ浜先輩の嘆きの声は無視して、鉄鉱石ですと言われても信じてしまう物体を取る。どうしよう、なぜか目の前がぼやける。泣くな! 泣いちゃだめだ! しかし目の前の物を口に入れようとするとどうしても躊躇してしまう。

 ―――逃げちゃだめだ! 逃げちゃだめだ! 逃げちゃだめだ!

 心の中で何度も繰り返す。そして意を決して口に入れた。

 

× × ×

 

 由比ヶ浜先輩のクッキーは普通にまずかった。

 漫画のように食べてからすぐに吐いてしまうとか、気絶するなんてこともなく、むしろ気絶できたらどれほど良かっただろう、と思わせるぐらいに普通にまずかった。

 

「う~、苦いよ不味いよ~」

 

 涙を流しながらぼりぼりというクッキーには似つかわしくない音を立てながら食べる由比ヶ浜先輩に、雪姉ちゃんがすぐさまティーカップを渡した。

 

「なるべく噛まずに飲み込んだ方がいいわ。舌に触れないように気を付けて。劇薬と同じみたなものだから」

 

 ひどい言いようだが否定できない。

 こぽこぽと沸いたケトルからお湯を注ぎ、雪姉ちゃんが紅茶を淹れてくれた。

 それぞれが割り振られたノルマを達成し、紅茶で口直しをする。ようやく落ち着けたことに思わず息を洩れる。

 その緩んだ空気を引き締めるように雪姉ちゃんが口を開いた。

 

「さて、じゃあそうすれば良くなるか考えましょう」

 

 比企谷先輩が即座に答える。

 

「由比ヶ浜が二度と料理をしないこと」

「全否定された!?」

「比企谷君、それは最後の解決方法よ」

「それで解決しちゃうんだ!?」

 

 驚愕の後に落胆する由比ヶ浜先輩。どこか忙しいその動作の最後に深いため息が出た。

 

「やっぱりあたし料理に向いてないのかな……。才能ってゆ―の? そういうのないし」

 

 どこか諦めが混じるその言葉が、僕の琴線に触れたのは間違いなかった。

 

「才能を語るのは、努力をしてからですよ。最低限の努力もしていない人が才能を持つ人を羨ましがるのはお門違いです。自分の限界を決めるのは勝手ですけど、あなたの見解を僕らにまで持ちこまないでください。不快です」

 

 いきなりの辛辣な言葉に、由比ヶ浜先輩はうっと言葉を詰まらせる。その顔には戸惑いと恐怖が浮かんでいる。

 それを誤魔化すように、由比ヶ浜先輩はへらっと笑った。

 

「で、でもさ、こういうの最近みんなやらないって言うし。……やっぱりこういうの合ってないんだよ、きっと」

 

 へへっと笑ったはにかみ笑みすらも、僕の苛立ちをつのらせる要因だった。さらに言ってやろうとしたが、それをカタッというカップが置かれる音に遮られた。その音の主は、冴え冴えとした怜悧な雰囲気を放つ雪姉ちゃんだった。

 

「……その周囲に合わせようとするのやめてくれないかしら。ひどく不愉快だわ。自分の不器用さ、無様さ、愚かしさの遠因を他人に求めるなんて恥ずかしくないの?」

 

 そこからははっきりした嫌悪が滲み出ていた。後ろの方で比企谷先輩の「う、うわぁ」という声が聞こえる。

 

「……」

 

 由比ヶ浜先輩は気圧されて黙り込んでしまう。俯いてしまって表情は分からないけれど、スカートの端をきゅっと握りしめる手が先輩の感情を表していた。

 由比ヶ浜先輩はコミュニケーション能力が高い。おそらくクラス内でもトップカーストに属しているのだろう。だがそれはつまり人に合わせることが上手いうこということでもある。つまり一人では、自分を確立できない。

 もしかしたら、ここまで言われて依頼を放棄する可能性もある。

 

「か……」

 

「帰る」かな。それが普通だし、それで今まで通りだ。今にも泣きだしそうな声と、肩が小刻みに震えているせいで、その声もゆらゆらと安定しない。

 

「かっこいい……」

「「は?」」

「へえ」

 

 雪姉ちゃんと比企谷先輩の声が重なる。ありえないものを見たという表情だが、僕としてはここで逃げ出さなかったことに感嘆する。さらにはあれだけ言われた相手に対してかっこいいという憧れに属する言葉が出るとは……。この先輩、見た目通りじゃないかな。

 

「建前とか全然言わないんだ……。なんていうか、そういうのかっこいい……」

 

 それは今まで雪姉ちゃんが見てきた人の姿とは違うものだろう。これまで雪姉ちゃんから正論をぶつけられて素直に謝って来た人はいない。大抵逆ギレをして勝手に逃げ出すか、暴力に変換させる。

 熱っぽい由比ヶ浜先輩の勢いに押されて、雪姉ちゃんが二歩ほど後ろに下がる。

 

「な、何を言っているのかしらこの子……。話聞いてた? 私、これでも結構きついことを言ったつもりなのだけれど」

「ううん! そんなことない! あ、いや確かに言葉をひどかったし、ぶっちゃけ軽く引いたけど……」

 

 まあ、その辺りの加減ができたら雪姉ちゃんはもっとうまく生きていけたと思うけど、それができないのがまたいいのだ。不器用さが愛おしい。すると突然比企谷先輩が僕に耳打ちしてきた。

 

「お前もだぞ」

「え? なぜです?」

「自覚なしかよ」

 

 比企谷先輩の言っていることは分からないけれど、由比ヶ浜先輩は雪姉ちゃんが今まで知ることのなかった人だ。それはおそらく、雪姉ちゃんにいい影響を与える。

 

「でも、本音って感じがするの。ヒッキーと話してるときも、ひどいことばかり言い合ってるけど……ちゃんと話してる。あたし、人に合わせてばっかだったから、こういうの初めてで……」

 

 由比ヶ浜先輩は、雪姉ちゃんから逃げなかった。

 

「ごめん。次はちゃんとやる」

 

 謝ってからまっすぐに雪姉ちゃんを見つめ返す。―――うん、この人は強い人だ。

 

「……」

 

 そして今度は雪姉ちゃんが黙ってしまう番だった。今まで巡り合うことのなかった人の反応に、どう返したらいいのかわからないらしい。視線をふいっと横に流して手櫛で髪を払う仕草は、何か言うべき言葉を捜して、けれど見つからないといった様子だ。

 

「……正しいやり方ってのを教えてやれよ。由比ヶ浜もちゃんと言うこと聞け」

 

 二人の無言をやぶるように比企谷先輩が言うと、ふっとため息をついて雪姉ちゃんが呟く。

 

「一度お手本を見せるから、その通りにやってみて」

 

 ああ、雪姉ちゃんの恥じらう姿が終わってしまった。もっと見ていたかったのに。

 そして今度は雪姉ちゃんのクッキー作りが始まる。由比ヶ浜先輩とは違う、無駄のない完璧で美しい作業。その姿はビデオに撮っておきたいくらいだ。もちろん、そんな雪姉ちゃんが作り上げたクッキーも素晴らしい出来栄え。きつね色の焼き上がり、香ばしい匂い。もう全てが究極である。

 

「うまっ。お前、何色パティシエールだよ」

 

 なにそれ? なんかよくわかんらないけど、褒めていることはわかった。そういえば、雪姉ちゃんのクッキーを食べるのはいつ振りだろう。雪姉ちゃんが一人暮らしを始めてからは食べてなかったから、約一年ぶりか。なるほど、なら手が止まらないのもうなずける。うむうむ、と納得しながらぽりぽりと際限なくクッキーを口に運ぶ。

 

「いや、お前食べ過ぎ」

「え? なんですか?」

「だからね、お前が食べ過ぎているせいでもうクッキーが……」

 

 言われて皿を見るともうクッキーは三枚しかなかった。由比ヶ浜先輩もあまりにも早くなくなったことにポケっとしている。そのことに思わず顔が赤くなる。しまった! 食べ過ぎた! 思わず家と同じ勢いで食べてしまった。恐るべし雪姉ちゃんのクッキーっ!!

 

「ご、ごめんなさい」

 

 辛うじて謝ることができたが、羞恥から来る顔の熱は引いてくれない。ああ~、やっちゃったな。これはまずいな。由比ヶ浜先輩の見本として作ったクッキーを由比ヶ浜先輩より多く食べてどうするんだよ。

 

「ううん、全然いいよ。それに雪ノ下さんのクッキー美味しいから仕方ないと思うし!」

 

 今はその優しさが辛い。

 

「じゃ、じゃあこれは先輩たちで食べてください。僕はもういいので……」

 

 雪姉ちゃんのお手製クッキーの乗った皿をあちらに渡そうとするが、僕の目はクッキーを離さない。だめだ、これは由比ヶ浜先輩の依頼をこなす上で必要なものであって、決して僕のティータイムのおやつなどではない。だけど、約一年ぶりの雪姉ちゃんのクッキー……。たぶんこれから家でも食べることができるだろう。だけどいつ作ってくれるか分からない。明日かもしれないし、一週間後かもしれない。もしかしたらもっと長いかもしれない。それまで待てるか雪ノ下月乃!?

 そんな諦めの悪さは、どうやら雪姉ちゃんに感づかれたらしい。

 

「また近々作ってあげるから、今日は我慢しなさい」

 

 少し呆れたようにそう言われた。

 

「……ホント?」

「ええ」

「じゃあ、今週の日曜」

「いいわよ」

 

 そっか、また食べられる。じゃあここで見逃しても大丈夫だ。この三枚と皿にたくさん盛られたクッキーを比べればどっちがよりお得かなど火を見るよりも明らか。ならば、ここは我慢だ。来る週末、日曜日。その日に僕はより一層堪能しよう。雪姉ちゃんとティータイム。それが約束された今、この僕に我慢できないものは無い。




 はい、少々長引きます。原作を基準としているので、どうしても展開がそちらに引っ張られて遅くなってしまいます。それでもなんとか解決には向かっていくと思うので、楽しみにしていてください。

 あと一話ほど由比ヶ浜の依頼は続きます。

 文字数が多くて読むのが大変かもしれません。

 ではでは、第五話、読んでいただきありがとうございます。次回はいつの投稿になるんでしょうね? 作者にもわかりません。

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