京勇樹の予告短編集   作:京勇樹

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リクエストから、少し改造しました
これでどうでしょうか
なお人員は、今やってるマブラヴに準拠します


GEAR戦士・電童Gジェネレーション

「おいおい……また異世界に渡ったのか、俺達」

 

「本当、退屈はしないな……」

 

それは、ある青年達の言葉だった。

彼らはもう何度目かわからないが、世界を渡っては宇宙規模の戦いに身を投じてきた。

対人も対化け物も経験し、世界を救ってきた。

それが傭兵という彼らの仕事だから。

 

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

「何? 不正アクセス?」

 

「は……メテオが気付き迎撃を開始した直後に、すぐに辞めた為にアクセス元は不明……しかし、相当の手練れなのは確かかと」

 

ある会議室にて、一人の老人が部下からの報告を聞いていた。それほどに、不正アクセスに驚いた様子は無いが、老人は少し考えると

 

「ガルファか?」

 

と問い掛けた。

ガルファ

それが、彼らの敵の名前である。

 

「いえ、メテオ曰く人間との事です……ただ、かなりの腕前のようで、追跡も出来なかったと」

 

部下からの報告に、その老人は少し考えてから

 

「……渋谷を呼んでくれ」

 

と部下に指示した。

数時間後、その老人。

西園寺実(さいおんじみのる)の前に、一人の恰幅の良い男性が居た。

その男性の名前は、渋谷匠(しぶやたくむ)。特別地球防衛組織。GEARの長官である。

 

「お呼びと伺いました、御前……」

 

「うむ……ハッキングがあったと聞いたが……」

 

「はい。こちらのファイアーウォールの脆弱な部分を突かれ、侵入されました。メテオのおかげで重要な情報は無事でしたが、全ての責任は私に……」

 

西園寺からの問い掛けに渋谷長官は、そう言って深々と頭を下げた。しかし西園寺は

 

「いや、責める気はない……少々、気になる事があってな」

 

「気になる事……ですか?」

 

渋谷長官の言葉に、西園寺は頷いた。

 

「うむ……ハッキングしてきたのは、人間と聞いた……怪しいのはアメリカとロシア位だが、儂の勘では違うと考えている」

 

「御前の勘は当たりますからな……となれば、一体……」

 

渋谷長官が唸っていると、西園寺が

 

「恐らくだが、数日以内にもう一度接触してくる筈だ……その時、メテオを介して通信を繋げ」

 

「宜しいので!? もしかしたら、重要機密のデータが……」

 

「構わない……今回の相手は、協力してくれる筈だ」

 

西園寺の言葉に、渋谷長官は驚きの表情を浮かべた。

それから数日後、確かにGEARのサーバーに何者からかアクセスがあった。それを確認した渋谷長官は

 

「相変わらず、御前の勘は当たる……繋げ」

 

と一人のオペレーターに指示した。

すると、メインモニターに白髪混じりの壮年男性と30代位の男の二人が映った。

 

『まさか、通信を繋げるとは予想していなかったな……中々豪気な』

 

「一応自己紹介しておこう……私は特別地球防衛組織GEARの長官。渋谷匠だ」

 

渋谷長官が軽く自己紹介すると、二人が

 

『これは失礼した……ワシは傭兵部隊スピリッツ総指揮官、ゼノン・ティーゲルだ』

 

『俺は傭兵部隊スピリッツ実働部隊総隊長。マーク・ギルダーだ』

 

と名乗った。

まさか傭兵からハッキングされるとは予想していなかったのか、渋谷長官は少々驚いたが

 

「その傭兵部隊が、何故我々にハッキングを?」

 

とストレートに問い掛けた。周囲に居た一部の人員は、少々緊張した表情を浮かべた。すると、マークがククッと笑い

 

『その直球さ、豪胆だな……我々は、そちらに協力したい』

 

と切り出した。西園寺の予想通りの言葉に、渋谷は内心で驚きながらも

 

「二日後、こちらの指定場所に来てほしい」

 

とだけ告げながら、オペレーターの一人にハンドサインで指示した。すると、ゼノンが

 

『了承した。こちらからは、ワシ達二人が向かう。善き会談になる事を願う』

 

と言って、通信は切れた。

通信が切れたのを確認した渋谷長官は、座っていた椅子ごと後ろに振り向き

 

「ベガくん。ワシと一緒に、御前の下に行き、彼らと会談するぞ」

 

と後ろに居たマスクを着けた女性に告げた。

 

「分かりました」

 

渋谷長官の言葉に頷くと、ベガは素早く何処かに姿を消した、彼女が、GEARの副司令官のベガだ。

渋谷長官が後方指揮官ならば、ベガは最前線で共に戦う前線指揮官だ。

彼女の存在は、GEARでも特に重要人物である。

そして二日後、ある海岸。

そこに、渋谷長官とベガ、西園寺。そして西園寺の部下の黒崎一樹(くろさきいつき)が居る。

その時、ベガが右耳に手を当てて

 

「気をつけてください。こちらに接近する高速飛翔体が確認されたと」

 

と告げた。

 

「ミサイルか?」

 

「いえ、ミサイルよりは遅いようですが……それに、反応はミサイルより大きいと」

 

渋谷長官が問い掛けると、ベガは少し間を置いて答えた。その時、甲高いジェット音が聞こえて

 

「……もしや、アレでは?」

 

と黒崎がある方向を指差した。

黒崎が指差した方向を見て、全員驚愕した。何故なら、海面から少し上を一機の赤い巨人が飛んでいたからだ。

 

「まさか……!?」

 

「我々以外に、GEARを有しているなんて!!」

 

黒崎と渋谷長官が驚いているが、その赤い巨人。

フェニックスガンダムは、少し離れた場所にゆっくりと着地。胸部が開き、中からマークとゼノンが出てきた。

そして、マークが

 

「済まない。少し遅くなってしまったかな?」

 

と言って、フェニックスの手を介して地面に降り立った。

これが、異世界からやってきた傭兵と地球防衛組織の初めての邂逅だった。


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