~転生者深海棲艦奮闘記~前世持ちの姫がチート鎮守府とか相手に頑張るお話~   作:R.H.N

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前回の続きになります、次回はキャラの紹介です。


~第2話~勢力拡大と輸送船襲撃 後編~

前回ラスト数時間後、

 

 

「・・・・うまくいきましたね、レ級さん、」

 

 

「案外上手ク行クモンダ、精鋭クラス相手ト聞イタ時ハチョット焦ッタガ、ボスノ作戦ガ見事ニ当タッタナ。」

 

 

「それにしても、普通に考えると変わった命令だったわねぇ、()()()()()()()()()()()()()()()()、だなんて。」

 

 

「ボスガ元々人ダッテ言ウノモ有ルンダロウガ、タブンカンタンナ戦術ノ面モ有ルンダロウナ。」

 

 

「と、言いますと?」

 

 

「彼処ニ居タノハ、鎮守府ノ中デモカナリ精鋭にアタル艦娘達、ソシテ基本的ニ、艦娘ト言ウノハ、ソノ練度ガ上ガル程、戦闘デ負ッタ傷ヲ癒ヤスノニ、資源ト時間ヲカケルカラナ。」

 

 

「ソレト艦娘ト輸送船ノ乗組員ヲ全員生カシテ置イタノハ、今回、相手が新シク確認シタ俺達ノ勢力ノ長ヲ、アノ場ニイナイウチノボスジャ無クテ、戦艦棲姫サマダト誤認サセル為ダロウナ。」

 

 

「なるほど、相手の資源にダメージ与え、ついでに偽情報を掴ませに行ったと。」

 

 

「ソウ言ウ事、マッ、大和ニダメージヲ与エラレテイタラ、カナリノダメージヲ与エラレタンダガナァ。」

 

 

「大和を攻撃する予定だった機が迎撃されたんじゃ仕方ないわ、それでも今回は機体以外の損失はないし、完全勝利と言って差し支えないわね。」

 

 

「ダナ。」

 

 

先程輸送船と大和たちを襲い、目的を達したレ級達は、目的であった()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()と入手した試製51cm連装砲等を潜水棲姫以外のメンバーで分担して運んでいるところであった。

 

 

今回、偽航戦姫の配下のレ級達がこの輸送船からパーツを強奪するために行った作戦は以下の通りとなる。

 

 

まず、潜水棲姫が、潜水棲姫ならではの特徴(急速浮上、潜航と、爆雷、ひいては対潜ミサイルでさえ届かない深深度から水上の様子を見れる点、浮上と潜航だけならものすごいスピードで可能、水圧?問題ないです。)を生かして、輸送船航路上にあるソナーに捉えられにくい深深度の岩場付近で待機しておく、

 

 

それと同時期に先行試作されていたB-32を空母棲姫から発艦、輸送船と艦娘達が潜水棲姫のいる辺りに来た段階で輸送船の正面方向寄りの角度から相手の対空電探に移るように飛行する、自分達は航空隊が発見された直後くらいで感知されるように調節する。

(相手が待ち伏せポイントに、だいたいいつ頃いるのか偽装航空戦艦姫が通信傍受で想定できたお蔭で可能になったことである。)

 

 

次に、飛ばした航空隊を駆逐艦娘達が感知し、防空の為に輸送船から離れたりしたら、雪風、時雨、秋月の優先順位で

(雪風と時雨の優先順位が秋月よりも高いのは、幸運艦としてのまぐれを偽装航空戦艦姫が極端に恐れたため。)狙いを絞って潜水棲姫が急速浮上して雷撃、戦果を確認しないで良いから即急速潜航、再び深海で待機する。

 

 

→突然の雷撃で軽くパニクってるタイミングで先程飛ばしておいたB-32フライング・デビル隊突入、3機が武蔵、1機が大和、他の2機は1機ずつ利根と足柄を狙うように攻撃する。(防空部隊がかなり残っていたら、特攻覚悟で大和と武蔵に集中砲火。)

 

 

このタイミングでマトモにダメージを与えられてなかったら即時撤退、ある程度ダメージを与えられていたのなら、ヲ級とレ級にのせているADスカイレイダーを飛ばして、無傷の艦娘に攻撃を加えながら接近(今回はこれを刊行する必要がなかった。)、武蔵か大和のどちらかをレ級が殴って気絶させて、ヲ級が盾として抱える(この際、新型航空機、深海エイ型艦戦〈対空値が震電改並みの新型夜間戦闘機〉を展開、いざというときの盾に使用する)。

 

 

ここで潜水棲姫再浮上、輸送船真横に取り付き、輸送船乗組員と、大和と武蔵の内、ヲ級に盾にされてない方の、両方に対してそれぞれ、武蔵及びこの場の艦娘、そして輸送船の乗員の助命と引き換えに輸送船の積み荷と艦娘の武装解除を要求する。

 

 

(大和達は当初、突然の交渉開始と流暢に日本語と英語で話しかける戦艦棲姫に困惑、超距離の通信で大和と交信したオーストラリアへの派遣提督は、深海棲艦に武装の独自開発能力はあっても、武装の解析能力は無いと言う元来の考えに捕らわれ、また、どっちにしても積み荷が無くなるのはほぼ確定なので、精鋭艦娘及び乗員達の命と新型レーダーサイトの機密性とを天秤し、絶望的状況の中から出てきた要求を、深海棲艦側の提案通りに進むと言う一縷の望みに賭けて脅迫内容を受け入れる事を決断する。)

 

 

交渉に成功したので(失敗したら輸送船と人質の艦娘を沈めて即時撤退。)、まず武装解除した艦娘を輸送船内部のベッド等を利用して全員簀巻きにして輸送船内部の奥地に近い部屋に、鍵をかけて閉じ込める。

 

(鍵は強奪完了後輸送船艦長に返却)

 

その後艦娘の武装解除で入手した武装の内、電探等いらない物を一部積み荷の中身と取り替えるように置いといて、積み荷であるレーダーサイトのパーツを纏めて全部強奪。

 

 

艦長に簀巻きにした大和達がいる部屋の鍵を渡し、悠々と帰還。

 

 

以上でもって、レ級達はたった3機の新型航空機の損失だけで、精鋭の艦娘達が守る輸送船の中身を強奪することに成功したのである。

 

 

ついでに、新しい泊地の存在(偽装航空戦艦姫の拠点のこと)を軽く仄めかし、交渉全体を戦艦棲姫が取り仕切ったので、相手に新泊地の長が戦艦棲姫であると言う偽の情報が出回る可能性も出来、大和達を実質撃破した事と併せて此方の泊地への艦娘側の襲撃に対して抑止力をつけやすくすることにも成功したのであった。

 

 

因みに武装解除で入手した武装は後々解析され、そのデータを元に深海棲艦向けのを新規設計、開発され初める予定である。

 

 

 

「レ級さん、この量は重いです・・・・、もう少し減らしてくれませんか?」

 

 

「無茶言ワナイデクレヨ!、コッチダッテヲ級ヨリ遥カニ重タイ量抱エテルンダカラサァ…」

 

 

「前が良く見えない・・・・・・」

 

 

「しかし潜水艦の私は運ぶパーツが水に濡れると惨事なので荷物運びに参加できないのであった、まる。」

 

 

 

しかし、レ級達も偽航戦姫が計画したレーダーサイト組み立てのパーツ一式丸々強奪するのは流石に欲張り過ぎだったようで、分担して持ち運ぶ事は出来たが、速度が落ちて日付が変わる前の深夜に強奪を終えたレ級達が偽装航空戦艦姫の泊地へと、無事帰還したのは日付が変わり、翌日になった昼間なのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、日本、防衛省。

 

 

「・・・・・・その報告は本当かね?」

 

防衛大臣の高木は、つい先程起こった輸送船襲撃により、輸送船の積み荷を分取られたオーストラリア派遣提督の処分を考えていたが、やって来た大本営鎮守府の秘書艦、飛鷹を中継してやって来た追加の報告を見て困惑した表情で飛鷹に先程の言葉を問いかけていた。

 

 

 

「間違いありません、処分対象のオーストラリア派遣提督に関しては減刑を望む請願がレーダーを積んでいた輸送船の船員たちから提出されました、曰く〈あの時の相手側の交渉(脅迫)に応じていなかったら今頃、肉盾にされていた艦娘と自分達の内の何人かは間違いなく死んでいた、レーダーが奪われたのは最早仕方がない〉との事です。」

 

 

「うむむむむ・・・・・・まさか深海棲艦が新型レーダーサイト一式の組み立てパーツを分取る為にわざわざ現場の艦娘達を巻き添えにして交渉に入るとは・・・・」

 

 

「実質の脅迫ではありますが、件のオーストラリア派遣提督の艦娘達を交渉の席に着けさせたと言うのも間違って無い様子です、どう処分します?」

 

 

「どう処分するも何も、最新とは言えレーダーサイト一式が分取られただけだし・・・・あのレーダー昨日欠陥が今更見つかったし……、そもそも相変わらず少数の深海棲艦の艦隊だと艦娘の以外の水上レーダー反応しないし・・・、深海棲艦にはこちら側の兵器の運用能力はあっても、解析、利用能力は無いのだろう?、なら処分は規定通りに2週間提督の謹慎と8ヵ月分の大幅減給処分で済ませるしか無いだろうな。」

 

 

「確かに規定通りではありますが・・・・派遣提督陣からは〈脅しに屈するとか何て様だ!こんな奴処断しろ!!〉と件の提督を厳罰に処するように意見書が多数飛び交って来てるのですが・・・・」

 

 

「輸送船沈んでないし、脅しに屈した形とは言え輸送船乗員と自身の所属艦娘の命救う判断下した訳だし、何より証言によると相手の内の半分が姫と鬼で、他にもエリートのレ級とか混じってたんでしょ?」

 

 

「夜間に待ち伏せ食らってるのはマイナスだけどいつもは引きこもりの潜水棲姫と吸引力が相変わらずのダイソンが混じってたんじゃしゃーないわ。」

 

 

「と言う訳で処分はさっきので済ませるとして、気になるのは報告にあった新型航空機の形状なんだけど、具体的にどんな感じ?」

 

高木は最終的にあっさりと派遣提督の処分を決めると、飛鷹に報告にあった新型航空機2種の具体的な容姿を聞く。

 

 

「えーっと、一つは普通の空母ヲ級の回りを周回していたエイの形をした航空機(戦闘機だとはわかっていない)、それと機体下部からロケット砲で攻撃してきた大型の爆撃機と思われる機体の2種です、この内後者に関しては、大和さんと五十鈴さん、睦月、如月の証言と会わせたところ、何故かアメリカのB-36の試作型、XB-36と容姿がほぼ完全に一致したとの事です。」

 

 

「!!?、いかん!何で武装解除した艦娘の装備まで分取ったの?とか思っていたがそう言う事か!」

 

 

「?、どう言うことです?防衛大臣。」

 

「今回新しくソロモン諸島付近の何処かに出来たと考えられる、今回の件で出てきた戦艦棲姫がトップと思われる泊地はこちら側の兵器の研究、解析能力を持ち合わせている可能性があるぞ!!、もしかしたら今回の深海棲艦達の目的は、こちら側の兵器の解析の為の素材入手の為かも知れん!!」

 

 

「んなっ!、じゃあ」

 

 

「・・・・この事を対深対策部門へ伝えてくれ、他の泊地も実は…なんて事があり得るかもしれん。」

 

 

「了解しました!急いでこの事を伝えますのでこれで失礼します!!」(バタンッ)

 

 

 

「あぁ、胃が痛くなってきたよ ・・・。」

 

 

高木は飛鷹とのやり取りを終えたのち、腹を痛そうに抱える。

 

 

高木が、深海棲艦の目的に気付いたのはよかったが、今回の出来事に関しては、もう既に後の祭りとしか言いようがなかったのである。

 

 

 

その頃偽装航空戦艦姫は、レ級達が成した大収穫に狂喜乱舞しつつも、早速艦娘の装備解析とレーダーサイトの組み立てを行うのであった・・・・・・。

 

 

 

 

~番外編を経て、次回へと続く~

 

 

 


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